SOUL 45、7 の日やめました。
2017 / 02 / 01 ( Wed )
27 の日にシングル・レビューできず。7 にこだわるのやめました。少なくとも月 1 回はシングル盤を紹介しますので、よろしくお付き合いください。

01 barbara howard man above 1
03 barbara howard man above 2
02 barbara howard i need you
Barbara Howard / The Man Above (S.Reece 25067/8) 1969
Barbara Howard / I Need You (SR 700317)
このオブスキュアな女性シンガーを知ったのは Sisters Funk 2 (Jazzman 016、楽 SOUL 361p 参照)、リズミックで軽快な傑作ファンク I Don’t Want Your Love には心ときめいた。高額盤だし、ファンクにそんなに金は出せないとしばらくは指をくわえたまま、ウラのこのバラードを聴いてしまって、財布のひもがぐっとゆるんでしまいました。一途にストレートなスロー・バラード、美しくしっとりとしたメロディー・ラインを丁寧になぞる憂いを含んだ歌声、もう泣くしかないでしょ。彼女が残したもう 1 枚も入手、同じシンシナチのレーベルで同じく Steven Reece という方のプロデュース、どちらが先のイシューか不明なれど、こちらにも驚き。前曲よりちょっとクラシックな曲調かな、ドラマティックな展開もあって、よりディープな歌いっぷり、この女性、なんだか父性本能がくすぐられますね。そして、さらにびっくり、レーベルを見てください、in album とあるではないですか。Sisters Funk のライナーを確認すると、バーバラ嬢には ” The Man Above ” というタイトルの LP が存在するとある。興味深々、Jazzman さん、ダメなら Numero さん、なんとか幻のアルバムを発掘してもらいたいなぁ。
04 ernie johnson rowan disco
Ernie Johnson / Disco Music Keep On Going On (Rowan 45876) 1976
Ronn の LP が懐かしい、その後もアルバム出しているけど、あまり聴いていません。シンガーとして円熟したのは Ronn 以降ですが、私が好きなのは、70 年代にリリースしたあらびきなシングル盤。ダンサブルなものが多くて、マイ・ベストはこれ、イケイケのディスコじゃなくて甘辛なアップテンポのモダン・ダンサーであります。武骨なボーカルで精いっぱいムーディーに迫ってくれて、なんだか憎めません。他の気になる盤についてもコメント。You Got To Be Faithful And True (Duplex 1203) はボーカルが調子っぱずれに聴こえてしまう少し複雑な曲調のダンサー、私は嫌いじゃないが、万人受けではないかもしれない。Big Man Cry (Steph and Lee 8667) は分かりやすいストレート・モダン、ちょっとタイロン調のフレーズが入ります。Bump It Down (Aries 100) は疑似ライブ、ブラスがかっこいいんですけど、Duplex 盤に同じくなんだかもたもたした感じ。
05 blossoms reprise tears
The Blossoms / That’s When The Tears Start (Represe 0436) 1966
バックアップ・コーラス・グループとして活躍、ソウル・ファンには関心が薄いグループかもしれないが、この Represe 盤はお薦め。フィル・スペクターのもとを離れてリリースされたもの。リードはもちろんダ―レン・ラブ、ライターはヴァン・マッコイ。マーチのリズムのポップなアッパー・ノーザン、胸がワクワク、身体がウズウズ。これをかければ、誰でもいっとき幸せになれますよ。続けてBarry Mann & Cynthia Weil 作のフリップ・サイドGood, Good Lovin’ を聴くと、なんだかとても優しい気持になっちゃいました。
06 hollywood flames symbol senorita
Hollywood Flames / Dance Senorita (Symbol 211) 1965
LA の名門 R&B グループ、ソウル・ファンには Donald Height がリードをとった Goldie 盤と Chess 盤 (楽 SOUL 59p 参照) が有名。ここでドナルド・ハイトじゃないのも紹介しておきたい。Symbol からは 2 枚のシングルがリリースされており、後発の I’m Gonna Stand By You (Symbol 215) はインプレッションズ・スタイルのいなたいミディアム。私押しはこちら先発、サウンドは一昔前のダンス・ナンバー、癖のあるリードも突っ込み気味のコーラスもメンバー全員元気いっぱい、楽しく踊りながら歌っている様が目に浮かんでくるようで、まことにあっぱれな歌いっぷりであります。
07 ruth brown at anyone
Ruth Brown / Anyone But You (Atlantic 2104) 1961
楽本では Barbra West (Ronn 27、楽SOUL 157p参照) のところでコメントしたバラード。数年前に北海道在住の友人に教えてもらうまでルース・ブラウンがオリジナルとは知りませんでした。彼女が最後にアトランティックに残したシングル、やはりオリジナルの貫録、バーバラさんを上回る出来と言ったら、長年 Ronn のシングルに涙していたディープ・ファンに怒られそうだけど、仕方ありません。フィル・スペクターのプロデュースで男女混声のコーラス付き、このシングルが入っていた白いスリーブには with Dells と書いてあり、調べてみましたが真偽のほどははっきりしません。
08 colette kelly volt
Colette Kelly / City Of Fools (Volt 4018) 1969
これって白人女性? ダジャレですいません。レーベルに思い当たるネームも無く、新生 Volt の買い取り曲かな。それにしても、なんで B 面なんでしょう、プラグ・サイドのバラードのつまらなさが嘘のよう、スマートでおしゃれでシックなダンス・ナンバー。好ましき清楚さ、加えて適度にポップなクロスオーヴァー、ソウルっぽくないって言われそうだけど、私的にこれは有り、中盤あたりから、ボーカルもつやつやしてきて、何故か青春時代を思い出してしまい胸キュンです。
09 ron van horn
Ron Van Horn / We’ve Just Got To Get Together Again (Rav 7872)
Willie Darrington (RAV 8198) でも知られるメンフィスのレーベルから、とっておきのローカル・モダンを 1 枚、プロデュースは同じく Larry Robinson というお方。こういうのをニヤけた顔でかけていると、「らしくもない」 と言われてしまうんだけど、聴きどころはサウンドだけじゃないんですよと声を大にしたい。チャームな女性コーラスが先導する甘いメロのフローター、登場するのは年輪を感じさせる激渋ボーカル、こんなお方が気持ちよさそうにステップを踏んでくれちゃっちゃ、嬉しさを通り越して感謝感激感動雨あられってことでしょう。
10 lenny vestel sanla 1
Lenny Vestel / Its’ Paradise (Sanla 105)
昔はさっぱり良く聴こえなかったのに近頃やけに沁みる曲ってあって、これはそんな 1 枚。イギリスではレア・ノーザンとして人気が高く、どうしてなのか首をひねった思い出が。随分前から私のコレクションの中で居心地悪そうにしていたのに、最近は、なんだか堂々とレコード函に収まっています。シカゴ産、全く無名のシンガー、アレンジに名前がある B. Gardner はバージェス・ガードナーのことでしょう。美メロの 60’s ビート・バラード、ソフトで気品のある歌いっぷり、どこといって特徴もないのだけれど、不思議な魅力に思わず引き込まれ、毎度溜息が出てしまいます。
11 hank johnson spear 1
12 hank johnson ten high
Hank Johnson / You Lost Your Thing (Spear 1972) 1972
Hank Johnson / Lost Love (Ten High 102)
デトロイトのシンガーというぐらいで、この人も全く情報がない。Spear 盤の方がディープ・ファンク・クラシックで有名かも。ゴリゴリのブルース・ファンク、自前のバンドでしょうか、ボーカルに張り合ってギターもドラムスも強烈に自己主張してますね。フリップ・サイドの I Believe はうって変わってサム・クック・マナーのアップ・ナンバーでソウル・ファン向け。私は Spear より前のリリースと思われる Ten High 盤の方が好き、ファンキッシュなダンスナンバーでメロディック、バックの音もばっちり決まってます。
13 night dreamers
14 night dreamers frogdeath
The Night-Dreamers / Mr. Pitiful (Frogdeath 66)
おまけ、これまでいろいろなレーベルを見てきたが、これほど分かりやすく悪趣味なものは他にない。この浮かない顔をした蛙さんとの出会いは 20 年以上も前、思わず笑ってしまい、こういうの嫌いじゃないので即購入、中身はいたって普通というのがご愛敬か。A 面は Big O、裏の I Can’t Help It は JB のカバー、Sunny Powell というお方がボーカルのローカル・バンド、素人くさいが無難な出来。

なんだか周りの世界が不穏ですね、昔のヤクザのやり口、ゆすり、恫喝、嫌がらせが外交でまかり通るなんて。これでは人間の獣性丸出しです。でもとびっきりの GOOD NEWS もあります。
Spencer Wiggins & Percy Wiggins の来日公演決定。それもバックがイーライ・ペーパーボーイさんとホッジス・ブラザーズって、まさに夢のよう。時と所は 4 月 17 と 18 日、「ビルボードライブ東京」です。

19:46:00 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
一年の計
2017 / 01 / 06 ( Fri )
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
なんだかバタバタしていて、いつの間にか年が明けておりました。
最近ますます怠惰になって、あっという間に 1 日が過ぎてしまいます。
やろうと思っていることに直ぐ手をつければよいのですが、怠け癖がひどくなる一方です。
そんな怠け癖を改めることが今年の目標、まだまだ老いるわけにはいきません。
9 年目となる本ブログも更新頻度が落ちております。
そこで、次の 1 年の計を立てました。
これです 『毎月 1 回、7 の日 (7日、17日、27日) に 7 インチ・レビュー』
初心に立ち返り、シングル盤の紹介に力を入れます。CD レビューも月 1 点はやりたいし、個人的な楽しみ 「私のお気に入り」 も 3 カ月に 1 回はアップさせたいと考えています。
3 月からはレココンのペースを隔月から 4 カ月に 1 回に変更します。回数を減らす理由はいろいろあるのですが、レココンの意義がきちんと伝わっておらず、集客が今一つということもあります。レコードをかける側の問題もあります、じっくりちゃんとした企画と広報で対応したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
明日は本年最初のレココンです。テーマはブルースです、ブルース・ファンはもちろんソウル・ファンにも楽しんでいただけるよう選曲しておりますので、多くの方のご来場、お待ちしております。
誰でも気軽に寄っていただけるように配慮。老若男女、初めての方でもお一人様でも、ご興味があれば OK です。私は入り口近くのカウンターに座っておりますので、気軽にお声かけください。

7 の日ではないですが、今年最初のシングル・レビュー
strands triode
strands breeze from
The Strands / Never (Tri-Ode 101) 1962
The Strands / The Breeze From The Tree (Tarx 1006) 1966
レーベルから判断して NY のグループであろう。私の知る限りではこの 2 枚のシングルを残すのみ、CD 化されておらず、全くの無名であります。しかし、楽曲のレベルはヒマラヤ級、プロデュースも完璧で文句無しにコレクタブルなグループ。Tri-Ode 盤は随分と前に手に入れ、アーリー・ソウルのイヴェントではよくかけさせていただいた。なんともノスタルジックで味わい深いミディアム、リード・シンガーが激渋、慈愛に満ちたディープなお声にたちまち昇天。そして、余韻に浸りつつ、少しテンポ・アップしたフリップ Old Man River にも耳を傾ける、これまた、さらにダメを押してくれる甲乙つけがたい出来ばえなのであります。Tarx 盤は長年のトップ・ウォンツであった 1 枚、昨年やっと手に入れることができました。やはりミディアム、曲調、コーラス・ワークともにインプレッションズ・タイプかな。前作の素朴さも残しながらノーブルな気品も漂って、まさに私の理想郷。リード・シンガーの歌いっぷりも素晴しく、いつまでも大切にしておきたい優しさのようなものがありますね。
levert allison my all is you
Levert Allison / My All Is You (Spar 30022)
ローカル・シンガーならではの味わいと面白みのあるシンガー、Gene Allison (楽SOUL 6p) の弟で、ナッシュビルを中心に活動、60 年代半ばから 70 年頃にかけて 7 枚のシングルを残している。どれも地に足が付いているって感じかな、浮ついたところがなくて堂々とした歌いっぷり、似たような曲が無く、いろいろなタイプのパフォーマンスが楽しめるのがありがたい。バラードならば、これがマイ・ベスト、カントリー・フレイバーもほんのり、女性コーラスをバックに慈しみのある声で歌われた大らかで暖かみのある曲。一転、フリップでは Percy Mayfield の Please Send Me Someone To Love をファンキーでダンサブルに改作、男っぽく不敵なかんじが最高だ。この盤を含めほとんどが Bob Riley の制作、クールでファンキーなブルース Super Daddy (Elbejay 103) は格別なかっこ良さ、Hear That River (Boyd 161) も多くの人に聴いてもらいたい一途なバラード・ナンバーだ。Ted Jarrett が手掛けた I Want To Give My Heart To You / I’m Going Home (Poncello 7704) もパワフルなアップとスローのカップリングでコレクションの価値あり。
lee mitchell you and
bibletones ebony
Lee Mitchell / You And You Alone (Musicor 1479) 1973
The Bibletones / Singing For The Lord (Ebony 15074)
Lee Mitchell の Musicor 盤は楽 SOUL (89p) で紹介済み、今回は補足となる。The Bibletones はリーがソウル引退後に加入したボストンのゴスペル・グループ (もともとソウル・シンガーとしてデビューする前にもメンバーであったらしい)、レーベルの Ebony はサウス・カロライナの Greenwood 所在、80年前後の録音だろうか、Singing For The Lord はタイトルこそ違うが、先の Musicor のバラードと同じ曲、歌詞は少し改訂されているものの、曲の趣はまったく一緒だ。バッキングがシンプルな分、ボーカルが生々しい。ウラの Striving もソウル・ファン大満足のゴスペル・バラード、こちらの辛いリードもリー・ミッチェルだろうか。Lost Deep Soul Treasures Vol.4 (SOS 1004) にひっそりと収録されていた I Come A Long Way との関連等々、このシンガーとこのグループについて何となく気になっているのだが、確かめるすべがないのが残念。
bob meyer blue soul
chuck jackson abc only get
dee irwin only get this
Bob Meyer / I Only Get That Feeling (Blue Soul 101)
最近、聴き直して惚れ直した 1 枚、名も知れぬシンガーが歌う歌謡調のソウル・ダンサー。もともとは Dee Irwin がオリジナル、73 年に Chuck Jackson が取り上げて小ヒットしたものがノーザン・ソウル・シーンでは有名だ。CJ ヴァージョンを下敷きに独特の味わいが加味されており、私は断然ボブさん推し。ぐっとテンポ・ダウン、まことに粘っこいボーカルが熱気を帯びて悩ましい。バックバンドも一つ一つの楽器が自己主張していて病みつきになる音。チャック・ジャクソンのメジャーなバックはかえって普通っぽく聴こえてしまいます。
03:11:34 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
SOUL 45 – FUNKY & SERIOUS
2016 / 03 / 27 ( Sun )
19 日のレココンでかけたシングル盤について、簡単に紹介。どうしてこの曲をかけたいのか、どうしてこの曲が好きなのか、一言しゃべってからかけますが、生まれついてのトーク下手、説明不足のところもあったりなので、語り足りなかったところも加え、コメントさせていただきます。これで、レココンの雰囲気が少しでも伝わればよいのですが。

その前に忘れるといけないので、大事な告知を。4 月 2 日 (土) 午後 7 時から 9 時まで、ディスクユニオン新宿ソウル/ブルース館の主催で、同店にて 「楽ソウル・トーク・ショウ」 を行います。楽ソウル発刊後にリリースされたコンピレーション CD の紹介をしながら、私のこれまでのソウル体験談や日頃思っていることなどもお話しできたらと思っています。シングル音源を聴く愉しみが少しでも増えるような内容にしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
評論家ではありませんし、立派なお話はできません。上手には話せませんが、嘘をつくのが苦手なので、思わずマル秘ネタが飛び出すかも。曲もどんどんかけますよ、今までどこでもかけたことのないシングル盤も数枚持っていきますので、乞うご期待。

01 professor longhair gig chief
Professor Longhair / Big Chief pt.1&2 (Watch 1900) 1964
躁と鬱ってタイトルを付けたが、実際はファンキーだからって躁でもない、できるだけ楽しいものをと考えて、最初に浮かんだのがこの曲。ニューオリンズは長閑(のどか)で陽気、ほとんどインスト、でも、最後に作者の Earl King がちょっぴり歌ってくれるので、これはパート 2 まで聴かなきゃいけません。
02 roy lee johnson boogaloo
Roy Lee Johnson / Boogaloo #3 (Josie 965) 1966
お次はアトランタでブーガルー。不良少女のところで紹介した So Anna Just Love Me の裏、ボーカルは掛け声程度、ブリブリの喇叭が気持ち良くて踊らにゃ損々って感じでしょうか。お持ちの方も多いはず、たまにはひっくりかえしてやってください。
03 roosevelt matthews tighten up
Roosevelt Matthews with Billy Ball & The Upsetters / Tighten Up (King 6173) 1968
Archie Bell & The Drells の大ヒットで、ソウル・ダンスの超有名曲。おそらくこの Roosevelt Matthews の盤が人気も値段も最も高いカバー・シングルではないだろうか。このマシューズさん、Powerful Love (Twinight 135) の Chuck & Mack (Roosevelt Matthews & Aubrey Wallace) のお方。そんでもって、ウラの You Got Me Diggin’ You もいい按配にディープなミディアムなのですよ。
04 inell young next ball game
Inell Young / The Next Ball Game (Big-9 1001/2)
楽 SOUL 159p で紹介した Libra 盤の方が有名だが、こっちも見逃せない。Eddie Bo の曲、不思議なのはボーカルがわりと普通の歌いっぷりであまりファンキーじゃないこと。もしかしたら、後でバックだけ差し替えたか、ドラムだけ上からダビングしたのか。とにもかくにも、俺様が主役だと言わんばかりのドラムスのハリキリぶりがいいじゃないですか。
05 johnny adams time and time
Johnny Adams / Time And Time Again (Watch 1903) 1968
続いてもニューオリンズ。20160310 のブログでも少し触れたシングル盤。ゆったりテンポのブルース・ナンバー、クールでユニークなのはファンキーな隠し味がきいているからと私は思っているのだが。でも、全然ファンクしていないっていう人が多いかもしれません、まあ、躁と鬱の中間もありって多めに見てください、良い曲なのは間違いありません。
06 charles crawford hy sign
Charles Crawford / A Sad Sad Song (Hy Sign 2114)
ここで鬱を 1 曲。この企画で直ぐに思いついたのがこの曲、タイトルがそのものずばり。ルイジアナはシュリーブポートの産でワン・アンド・オンリーのシンガー。声は優しいが、曲調も歌いっぷりもすっかりオーティス・マナー。鬱と言うよりも地味、弾けそうで弾けられない男の辛さをご堪能ください。
07 romana jones ease off lover
Ramona Jones / Ease Off Lover (Jet Stream 807) 1971 ?
Huey Meaux の製作、ジャクソンの Grits & Gravy スタジオでの録音、20160114 の SOUTH TEXAS (KENT) の CD レビューでも触れた Your Love’s Not Reliable のフリップ・サイド。気分を浮き立たせるサウンド、途中で入るオルガンがやけにかっこいい、ただのポップなダンサーに終わってません。
08 larry williams venture
Larry Williams / Shake Your Body Girl (Venture 622) 1968
大ヒットした Specialty や Johnny Guitar Watson とタッグを組んでノーザン・ファンに人気の Okeh の作品は知っていても、このシングルを知る人はほとんどいないのでは。私のレコード棚でも長い間埋もれていた 1 枚、ラテン、ブーガルー、カリプソ、なんて言って良いのやら、底抜けに陽気、テンポは緩いけどビートはしっかり、溌剌とダンサブルなナンバーだ。フリップの Love, I Can’t Seem To Find It は Okeh の流れをくむストレートでソウルフルなダンサー、真っ当なソウル・ファンならこちらかな。
09 gloria walker ff spot baby
Gloria Walker & The Chevelles / You Hit The Spot Baby (Flaming Arrow 37)
楽 SOUL 157p 参照。Eugene Davis の Flaming Arrow はなかなか CD 化されませんね。当日、MASKMAN は Angela Davis & The Mighty Chevelles の激烈激レア・ファンク My Love Is So Strong (Flaming Arrow 2829) をかけてくれました。
10 mac staten do the freeze
Mac Staten and The Nomads / Do The Freeze (Prelude 1111)
楽 SOUL 115p 参照。これはストレートなファンク・ナンバー。フリップ・サイドの There She Goes の方がレア・ノーザンで人気だ。
11 j young b hill its got soul
J Young – B Hill / It’s Got Soul (NaJma 604)
これも楽 SOUL 60,61p 参照。
12 johnny de vigne
12 little mary staten
Johnny De Vigne / Poor Boy (Tarx 1012)
Little Mary Staten / Helpless Girl (GME 1329)
東と西、男と女で鬱を 2 連発、Johnny De Vigne は NY のシンガー、Johnny Dee の名前で De-Lite と Empire にもシングルがある。ビッグ・ボイスで絶叫型、切羽詰まった感じで吠えまくる。危ないボーカルをサポートするバッキングもどこか怪しい、ホーン・アレンジが扇情的、ピアノもギターもスタジオ・ミュージシャンというかんじじゃないね。共感よりも拒絶感が強いので、けっして毎日聴きたいとは思わないタイプのディーペスト・ソウル。なお、私の持っているシングルはレーベルが逆、Street Of Dreams というタイトルの方にこの曲が収録されている。LA のLittle Mary Staten は楽 SOUL 153p 参照、久しぶりに聴いたが、ずぶずぶ沁みる。これは 2 日に 1 度くらいでも良いかな。
13 clarence green duke
Clarence Green / What Happened To Us (Duke 424) 1967
テキサスのブルース・シンガー、弟の Cal Green とのカップリングで P-Vine から 「ジャンピング・ヒューストン・ギタリスツ」 という日本編集の CD アルバムも出ている。ギターはもちろん、ボーカルも渋くてディープ。Duke ではシングルが 3 枚、中では、このソウル・マナーでタメのあるダンスものがマイ・ベスト。
14 syl johnson going to the shack
Syl Johnson / Going To The Shack (Twinight 118) 1969
シカゴでファンキーと言ったら、まずはこの方、一昨年の日本公演でもまだまだバリバリの現役でありました。プロモーション不足かヒットはしてないが、ファンキーなナンバーならこれが一番好き。
15 stormy devastator
Sormy / The Devastator (Twilight 104) 1967
楽 SOUL 115p 参照。グレイトなシカゴ・ファンクです。
16 ambassadors music
The Ambassadors / Music (Arctic 150) 1969
人気のある Ain’t Got The Love Of One Girl (20151119参照) の裏。少し前に Honey & The Bees のバック・テイク違いの未発表バージョンが 7 インチで限定販売されたが、アンバサダーズの方がドラムスが激しく音もくっきりクリア、グルーブ感もケタ違いだ。
17 sonny rhodes esiobud
Sonny Rhodes / Finding Out For Myself (Esiobud 713)
楽 SOUL 102p 参照。本名の Clarence Smith でもシングルがあるブルース・シンガー。Galaxyにも 3 枚シングルがあって、2 枚目の You Better Stop (Galaxy 758) が人気、今もって手に入りません。
18 elaine armstrong sad but true
Elaine Armstrong / Sad But True (King 6176) 1967
グレートなディープ・バラード Precious Minutes のフリップ。King’s Serious Soul Vol.2 (楽 SOUL 210p) のコメントでは、縁のないシングル盤と書いたが、ほどなく入手。買えない理由はこちらサイドのファンク・ナンバーの人気が高いため。JB 系のファンクで、歯切れも威勢も良くて、ボーカル・パフォーマンスも最高。これっきり 1 枚のシンガーだが、Masterpieces Of Modern Soul Vol.4 (Kent CDKEND 437) に収録されていた未発表曲 Tears Begin To Fall が最近シングル・カット (Kent City 043)、リリースされている 2 曲とがらりと趣が違って驚きです。
19 lee fields funky screw
Lee Fields / Funky Screw (Angel 3 1004) 1974
JB の映画でも吹き替えで歌っており、JB フォローワーの第一人者。シングル初心者の頃、Let’s Talk It Over (London 190、Norfolk Sound 1000) にはさんざんお世話になったのに、楽本では全く取り上げなかったことを後悔。今回は是非とも 1 曲かけねばと、15 枚あるマイ・コレクションを聴き直しました。Angel 3 では Mighty Mighty Love の改作でモダンな Take Me Back (Angel 3 1008) が人気だが、より JB っぽいこちらを選択。Angel 3 の LP にボーナス曲 7 曲 (Funky Screw も Take Me Back も収録) がプラスされた Truth & Soul の CD アルバムはお薦め。
20 lois barber kung fu lover
Lois Barber / Kung Fu Lover (Dough Boy 100) 1975
ナッシュビルのレーベル、裏のバラード Tomorrow’s So Far Away がそこそこだったので買った覚えがあるが、なんだかやっぱり地味。最近になって、はじめは無視していたこちらのファンキー・サイドにこのお皿の価値はあるんじゃないかと。軟派だし、ディスコっぽいけど、何だか逆らえないサウンドなのです。これ 1 枚のこのシンガーだが、Frederick Knight のプロデュースで Specify という未発表曲があり、The Birmingham Sound : The Soul Of Neal Hemphill vol.1 (Rabbit Family、楽 SOUL 249p参照) の 1 曲目 (Little Lois Barber名義) に収録、70’s サザン・ディープの傑作、お聴き逃しのないように。
21 gene anderson westbound
Gene Anderson / The Devil Made Me Do It (Westbound 165) 1971
ウラがインスト・バージョンの Funky Beethoven、このタイトルでネタバレ。私らしくない選曲だったか、MASKMAN から 「佐野さん、こんなのかけるんですか」 と言われてしまった、たしかに家では聴くことがない類の音かもしれない。HI のシングルもこの人だろう、普通の良盤 Baby I Dig You (Royal Tone 1000)、レア・ノーザン Do You Love Me Baby (Nu-Tone 6501)、レア・ファンク The Gigilo (Royal Tone 1005) なんてのもあります。
22 Iwilly mcdougal i cant wait
Willy McDougal / I Can’t Wait (Kinard 2318) aka Billy Mack
最後は絶対の自信を持ってお届け。鬱なバラードと言えば、これ。20160131 の楽 BLUES で紹介した Don’t Turn Away のウラの曲。

レココンではこの半分もしゃべれていない気が、トーク力が課題です。
最後に、ニューオリンズものを何曲か取り上げたので、私のお薦めのニューオリンズ・ファンクのコンピレーションを挙げておきます。
23 new orleans funk soul jazz 1 a
24 new orleans funk soul jazz 1 b
25 new orleans funk soul jazz 2 a
26 new orleans funk soul jazz 2 b
NEW ORLEANS FUNK (SOUL JAZZ 47)
NEW ORLEANS FUNK VOL.2 (SOUL JAZZ 185)
NEW ORLEANS FUNK はファンク本 FUNK 45’s (K&B) でもとりあげられていたコンピ、第 1 集には分厚いブックレットも付いていて、ニューオリンズのファンクの流れについて丁寧に説明されています。このシリーズはまだ通常価格で入手が可能なはず。第 3 集も出ています。
27 saturday night fish fry 1
28 saturday night fish fry 2
29 saturdaynight fish fry 3
NEW ORLEANS FUNK AND SOUL ! : SATURDAY NIGHT FISH FRY (SOUL JAZZ 53)
これは中古で探すしかないかもしれません。
18:54:44 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
Bad Girl 不良少女
2016 / 03 / 04 ( Fri )
不良少女ってちょっと古いかな、大好きな “ BAD GIRL “ について、楽 SOUL では断片的な記載となってしまったので、気になることをまとめてみた。

01 fabulous denos bad girl
The Fabulous Denos / Bad Girl (King 5908) 1964
アトランタのグループ、Bobby Lee Fears、Rickey Andrews、Alan Pace、James Walker、Hezekiah Sheffield の 5 人組。彼らが歌ったこの King 盤が Bad Girl のオリジナルとされている。ライター・ネームは Fears のみだが、Lee Moses との共作。改めて聴くと、なじみのある後録のリー・モーゼスや Hermon Hitson よりもテンポが速い。ちょっぴり辛めのフィアースのボーカルをドラムスとコーラスが好サポート、軽快なダンス・ナンバーとなっている。なお、ハーマン・ヒットソンは CD アルバム (楽 SOUL 258p) のライナーで 「1964 年、Bobby Fears というローカル・シンガーがクラブで歌っているのを聴いたのがこの曲との最初の出会いだ」 と言っている。余談になるが、Bobby Lee Fears は Ohio Players の Compass 盤にも参加、ソロでは、Bobby Dixon 名義で ABC Probe (楽 SOUL 38p)、Bobby Brown 名義で Verve、Fears 名義で Forward と Bell にシングルがある。さらに余談となるが (こういう時でもないと書いておけないので、ご免なさい)、デノスのもう 1 枚の King 盤も出来は良く、King の前に The Fabulous Dinos (ディノス) 名義で Saber と Musicor にもシングルがあり、Instant Love (Saber 105) は絶対のお薦め盤だ。なお、このオリジナル Bad Girl は King New Breed – Rhythm & Blues (Kent CDKEND 210) にも収録されています。
02 fabulous 3+1
Fabulous 3+1 / Bad Girl (T&L 1039)
T&L はアトランタのレーベルらしい、このグループの情報は全く無くて、リリース年も確定できない。歌詞はほぼ一緒、デノスよりテンポはゆっくり、コーラスは付かず、よりサッドでアーシーな雰囲気を漂わせている。バックはチープというかシンプル、ライターには Richard-Wookie-Sam-Dixon-Brown とあり、メンバー名かと思われるが、1 人多い。裏の曲は Don’t Cry、ベン・E・キングの I’m Standing By (Atco 6237) のカヴァーで (この曲については、鈴木先生の SOUL CITY USA 60p に詳しい)、明るくのどか。両面、クレジットは同じ、発売年 1963 年としている資料もあり、音のタッチから否定できない気もする。デノスがシングル・リリースする前にステージで歌っていたのをちゃっかりいただき先にこっそりプレスしてしまったのか、King 盤は作りが洗練されている、もしかするとデノスが生で歌っていたのはこの Fabulous 3+1 のバージョンに近かったのかもしれないなんて推測もしたり、結局、何も分からず、私の妄想シングルの 1 枚となっている。
03 arthur corvets poor girl
Arthur and The Corvets / Poor Girl (Na-R-Co 203) 1964
楽 SOUL 32p で触れた Arthur Conley の初期録音だ。多分、デノスの Bad Girl は地元アトランタではかなりポピュラーな曲だったのだろう、歌詞は違うが、メロディーは類似、タイトルも Poor Girl だもの。コンレイのサッドな歌声にはぴったりの曲調、息をからし汗を飛び散らせての熱唱、もう一人男も絡んできて気分をあおってくれる、アーリー・ディープ・バラードの傑作だ。
04 roy lee johnson josie
Roy Lee Johnson / So Anna Just Love Me (Josie 965) 1966
楽 SOUL 71p 参照、プロデューサーは Wendell Parker でやはりアトランタ産。これは完全なカバーとは言えないが、インスパイアされた曲というのは明らか。リー・モーゼスの Musicor 盤につながる重厚なジャンプ・ナンバーだ。
05 lee moses bad girl 1
06 lee moses bad girl 2
Lee Moses / Bad Girl Part 1 & 2 (Musior 1242) 1967
真打ち登場、楽 SOUL 92p では少し褒め方が足りなかったと反省。バラード・ジャンプなんて少々矛盾した表現も許してくれそうな破格の素晴しさ。とにかく凄い。バックを務めるのは、モーゼスさんのバンド The Deciples のよう、バチバチのドラムスの奮闘にありがとうと言いたくなるね。昔昔、このシングル、複数枚持っていて、気前よく売り払ってしまったことを後悔、もう 1 枚残していれば、右と左で表裏とおしでプレイできたのに。いつの間にか値段も上がってしまいました。
07 herman hitson bad girl
Hermon Hitson / She’s A Bad Girl (Minit 32096) 1970
楽 SOUL 62p 参照、私が最初に不良少女に出会った記念すべきお皿。バックは The Ohio Players、歌も演奏もキメキメに決まっている。美意識にうるさいディープ・ファンならリー・モーゼスよりこちらかもしれない。
08 lee moses gates bad girl
Lee Moses / She’s A Bad Girl (Gate 1242) 1972
再録盤、野蛮な歌いっぷりでモーゼスさんには問題無しだが、バックのギターとドラムスのリズムがちょっとおかしい、Musicor や Minit を聴いた耳には残念かな。

これまでは全てアラバマの録音、最後はぐっと時代が飛びます。
09 eli paperboy reed true love 1
10 eli paperboy reed true love 2
Eli “Paperboy” Reed & The True Lovers / Bad Girl (from Mini CD Album Q Division) 2008
プロモーション用に製作されたミニ・アルバムの 2 曲目。イーライ・ペイパーボーイについて知らない人は当ブログ 20100207 を参照ください。白人だから今時だからって聴かないのは損、ハーマン・ヒットソンのバージョンに近いかな、志も潔く、なかなかの出来栄えであります。ついでに、他の収録曲についても、1 曲目の Ace Of Spade は OV にあらずオリジナル。5 曲目の So Tired Of Wandering はライブ録音、Robert Ward が歌う Ohio Untouchables / I’m Tired (Lu Pine 116) のカバー、2 曲入り CD (QDIV 1040) にも収録、扇情的なホーンに、エモーショナルなボーカルがこれでもかって、火傷しそうなくらい熱気が充満しております。
なお、Bad Girl については In Dangerous Rhythm という海外のブログでもとりあげられていて、イーライ氏のコメントもあり、本ブログの記載も少し参考にさせていただきました。

最後に、調べていたら、Lee Moses の Bad Girl の歌詞がみつかりましたので、掲載します。
- Pt.1 -
This is a song about a bad girl
Something that happened to me long time ago
Everybody was telling me how the little girl was running around
I had a head of my own and I just wouldn't listen to nobody
My father he told me
My mother sat down and cried
Said "son this woman will break your heart
And then she'll put you down"
That's when I told mama these words
Lord have mercy
Baaaaaad girl, mama
Bad, bad girl
Mama they call her bad girl
All because she wanted to be free
But I'm in love with the little girl
And I believe that she loves me.
What my heart feels
My lips must confess
So I will never let her alone
I don't care if they call her bad
Bad girl, mama
Lord have mercy
Bad, bad girl
Love is a mystery
Never can be explained by anything
But I believe one of these days
The whole world will understand
What my heart feels
My lips must confess
So I will never let that little girl alone
I don't care if they call her bad
Bad girl
You better believe it, mama
Bad, bad girl
Bad, bad girl
- Pt.2 -
Big brother told me not to fall in love
With an older woman (ha ha)
Love, don't you treat me like a king,
But I'd never let her know
That I'd fallen in love with a wonderful woman
That's good to me. (ha)
She very good, very bad, very good,
But our love got to be another thing, and I say
Dear god, I may be wrong for saying these words,
Forget you, I'll be happy with that woman.
Let me shield all pain and all agony,
My life will always be at ease.
Forgive me darling, forgive me darling,
But I gotta have - lord have mercy
Bad, bad girl
Bad, bad girl
Bad girl, mama
Lord have mercy
Bad, bad girl
Bad, bad girl
20:58:15 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽 BLUES part 2
2016 / 01 / 31 ( Sun )
ブルース・シングル第 2 回目、先日のレココンでかかったもの、かけたものを中心に紹介。

01 joe beck charles
Joe Beck / I’ve Got To Win Your Love (Charles 578) mid 60s ?
これは森島さんがかけてくれました。Charles に 4 枚のシングルを残している NY のシンガー、4枚目の Don’t Pass Me By (Charles 160) が一部のディープ・ソウル・ファンには知られている。そちらは買えていないが、このストレートなスロー・ブルースの方で腹いっぱいかな。ディープというより品のある歌いっぷり、バックがなかなかダークでヤバい、ボーカルにこたえるように咽ぶギターも絶品だ。
02 gene vell wrong doing woman
Gene Vell / Wrong Doing Woman (Whiz 505) 1964
テキサスの歌えるシンガー。昔は I’m Calling My Baby (Whiz 502) という Bad Girl を彷彿させるジャンプ・ナンバーをよく聴いていた。そのフリップ Screaming All Night Long は Houston Shuffle (Krazy Kat 7425) という好編集コンピに収録されており、ご存じのブルース・ファンもいらっしゃるかも。そして、この 2 枚目の Whiz 盤も負けず劣らず、オリジナルの Earl Gilliam よりもテンポ・ダウン、超絶ディープで文句無し、バックもゴージャスです。フリップのアーマ・トーマスの持ち歌 I Done Got Over も目いっぱいコブシをきかせて真っ黒だ。
03 travisphillips jox 2
Travis Phillips & His Wonder Boys / Do The Every Thing (Jox 039) 1965
サンアントニオのレーベルで、これもテキサス。B 面の Jimmy Rogers の That’s Alright が強力だが、本日の押しは自作曲となるこちらのダンス・ナンバー。ラフなリズムにかっちりとしたバッキング、ボーカルも伸び伸びと気持が良い。両面ともギターが凄いね、トラヴィスさんが弾いているのだろうか。なお、このシングル、ABC Paramount からのリリースもあり。
04 roscoe holland
Roscoe Holland / Troubles, Troubles, Trouble (Rand 3148)
秋元さんがレココンでかけてくれたもの、実は事前の打ち合わせで聴かせてもらって、すっかり気に入ってしまい、こっそり内緒で購入してしまった。名前の響きも良いね、歌えるコメディアンとのこと、ブルースのシングルはこれっきり、ウエスト・コースト録音、製作に Maxwell Davis がかかわり、サックスには Big Jay McNeely がフューチャリングされ、音はばっちりだ。トラブルが一つ多いが、Lowell Fulson (Checker 829) の曲、ゆったり余裕たっぷりの歌いっぷりで最高のパフォーマンス。A 面となる Endlessly はブルック・ベントンのヒット曲、バックもボーカルも甘さを抑え渋い、バラディアーっぽくないので、ソウルも歌ってほしかったな。
05 sweet sammy j
Sweet Sammy J. / Her Heart Must Be Made Of Stone (Hi-Q 5039) 1964
デトロイトからのリリース、ライターの Samuel Mickles が本名だろう。全く情報が無いなぁと思っていたら、U-Tube にバンドのメンバーとギターをかかえたお写真、さらに酒場のポスターが写っていた。シングルはこれ 1 枚。イントロから物騒で曲はもの凄くディープだけど、ボーカルに色気と優しさがあって、味わい深いスロー・ブルースに仕上がっている。何回も繰り返して聴いてしまうね、歌もギターも一級品です。ウラの Baby, Just You And Me は女性コーラスもついたリラックスしたミディアム・ナンバー、こちらも悪くない。
06 willy mcdougal kinard
Willy McDougal / Don’t Turn Away (Kinard 2318) early 60’s
このシングルは楽 SOUL 87p で紹介済み、でも Billy Mack (楽 SOUL 83p) と同一人物とは知らなかった。Sir Shambling 氏の Deep Soul Heaven によれば、ノース・カロライナの盲目のピアニストとのこと。ブルース・マナーのクールでちょっぴりファンクなダンス・ナンバー、ツー・ステップ好きも狂気しそうなかっこよさ、何でもあさっていると、たまにこういうお宝に出くわします。ウラの I Can’t Wait もブルージーでサッドな甘辛ソウル・バラードで大好き。
07 big ella lolo
Big Ella / I Need A Good Man (Lo Lo 2101) 1969
楽 SOUL 141p で、ウエスト・コーストの Ella Thomas と同じ女性のようだと書いたのは間違い、ごめんなさい、本名 Ervaella Tate でシカゴ近辺のシンガーです。Rush 盤はディープ・ソウルとファンクのグレートなカップリングでしたね、ブルージーなものもいけるソウル・ファンならこちらも必聴。歌いっぷりが実に堂々としていて素晴しい、ライターは Maurice Dollison (Cash McCall) & Sunny Thompson。でも、ブルース・ファンには「これはソウルだ」って言われそう。このジャンル、女性が極端に少ないので、訂正も兼ねて、あえて紹介させていただきました。もう 1 枚 Salem にもシングルありますが、Superheavy の Big Ella は Kim Tolliver の変名です。
08 jesse anderson cadet
Jesse Anderson / Swing Too High (Cadet 5588) 1967
古くは Willie Wright のバンドのシンガーで Federal にシングルがある。60 年代中ごろ以降も何枚かシングルを出しているけど、さっぱり人気がありません。これは騙されたと思ってというヤツ、絶対のお薦め、きっと値段も安いはず。プロデュースとアレンジが Gene Barge で、シカゴ・ブルース・ファンクの隠れた名品、ホーンもバリバリでなんとも賑やか、ギターにドラムス、バックのメンツも気になりますね。少しテンションゆるめの Get Loose When You Get Loose がフリップ、こちらもドラムス大活躍で快調だ。
09 big daddy rucker gme
Big Daddy Rucker / Jealous Man (GME 1328)
お待たせしました、西海岸からビッグ・ダディの登場です。ブルース・ファンクの有名盤人気盤、レココンでは一発屋と失礼なこと言ってしまったけど、Duplex や Musette でシングルのある Ervin Rucker なんですね。このレコでは、作、アレンジ、コンダクトが Ervin Groves となっていてお一人で頑張って製作した様子。リズムはすっきり単調、音は派手派手、ディープなボーカルに煽られて、ダンスの苦手な私もノリノリであります。ウラの The Big Daddy Shake はインスト・バージョン。モダン・ブルース・ファンには Kids Together (Musette 65-14) も良いかも。ジョニー・オーティス・プロデュースの Hawk Sound 盤はバラディアー的な面が出ていて、今一。
10 drifting charles lanor
Drifting Charles / Drifting Cloud (Lanor 515) 1963
Lanor は Lee Lavergne のルイジアナ・レーベル。Charles Taylor という地元のギタリストでシングルはこれ 1 枚だけ。このシングル、ギターの音がとにかく素晴しい、プレスが良いのか、拙宅の貧相なオーディオでも、実に気持ち良く響き渡ってくれる。素朴で清々しいボーカルを引き立ててますね、まるで傍らで弾いて歌ってくれているような感じ。ゆったりとしたリズムにも癒されます。
11 king solomon non support blues
King Solomon / Non-Support Blues Pt.1& Pt.2 (Checker 980) 1961
ソロモン・バークとは関係ありませんよ、King Sylvester Lee Melicious Solomon という長いお名前を短縮。西海岸のけっこう知られたブルース・シンガー、シングルも多くて、Diving Duck でコレクション LP が、Night Train でコレクション CD も出ていました。最近では、ブルース・ファンとはあまり関係の無いところで Muder-D のシングルが高値になっています。これはデビュー曲、オリジナルは LA の Ball というレーベルからリリースされたもの。ドア・ベルの音で朝起きたら玄関にも裏口にも警官が立っていてヤバイ感じ、タイトルは誰も助けてくれないピンチをあらわしたものかと思っていたら、子どもの扶養義務を怠ったことで警官がやって来たということらしいです。もしかしたら、ダブル・ミーニングかも、英語がダメなので良く分からないのがシャクだけど、緊迫した状況はサウンドで問答無用に伝わってくる。このスロー・ブルース、Sherwood Fleming も新録 CD で歌っており、凄みも満点でグレートです。
12 al king get lost
Al King / Get Lost (Modern 1051) 1968
ウエストコーストの遅咲きブルース・マン。1926 年生まれ、King Solomon の 12 歳上で同じくルイジアナの出身だ。ブルース・シンガーとして開花したのは 60 年以降、盟友となるギタリスト Johnny Heartsman と出会ったことがきっかけ。以降、Shirley、Flag、Sahara、Modern、Kent と 10 枚以上のシングルを残すが、どれもが納得のレベル。中でも Get Lost は秋元さんの一押しでレココンでもかけていただいたへヴィーなミディアム・ナンバー。私もこれが一番、バッキングに厚みがあって素晴しい、自信に満ちたボーカルも文句無しだ。
13 tiny powell early bird
Tiny Powell / That Was Yesterday (Early Bird 9665) 1969
楽 SOUL 99p も参照、もともとゴスペル・シンガーとして有名な方。だから歌は激辛で私の大好きなタイプ。ブルースのシングルは 4 枚、My Time After While (Wax 14)、Going Home (TBC 401)、I Done Made Over (Ocampo 101) とこれ。Johnny Heartsman がギターを弾いている Wax のシングルが一番人気、Ocampo 盤も両面グレートだけど高値だし見かけることもほとんどない。この Early Bird 盤はまだ買いやすいはず、Galaxy の Little Johnny Taylor のシングルでもお目にかかる Ray Shanklin のプロデュースでハイ・クオリティ。歌いすぎだとクレームも聞こえてきそうなゴスペル・ブルース、ギターも堪んないね。
14 little mac bea baby
Little Mac / Times Are Getting Tougher (Bea & Baby 109) 1960
Bea & Baby はシカゴでナイト・クラブを経営していた Cadillac Baby こと Narvel Eatmon のレーベルだ。活動期間は 1960 年から 72 年、Homesick James、Eddie Boyd、Sunnyland Slim 等そうそうたる面々がレコーディング、シカゴではここら辺の音が大好きで、Castle の 2 枚組と Wolf の 3 枚のコンピは私の愛聴盤、気のせいかもしれないが、酒場の雰囲気にあった気さくなナンバーが多いような感じがするのだが、どうでしょう。これは唯一所有する Bea & Baby のシングル、軽快なミディアム、実にご機嫌、お酒もどんどんすすみそう。リトル・マックはハ―ピストなのに、えぐいギターばかりが目立って、どうしたことか、ほとんどハーモニカの音が聞こえてきません。ウラの Don’t Come Back もリズミック、こちらは思う存分吹きまくりなので、安心しました。

15 bluus recomended cd
レココンのプレイ・リストにソウル・ファン向けにお薦め CD アルバムを紹介しようと企画したが、秋元さん、森島さんと相談する時間がとれず断念。それでもやっぱり、余白が気になって私が独断で載せたのが以下の 9 枚、ブルースに関しては未熟者なので恥ずかしいけれど、参考までに書いておきます。8 枚はすんなり、レココン前日の夜中、後 1 枚が選べなくて苦労しました、結局、今さらって感じのリトル・ミルトンのスタックス・シングル集で決着。兵頭さん曰く 「ソウル・ファンはミルトン聴いてないから大丈夫」 だって、そうなのかもしれないな。
① West Coast Modern Blues 1960’s (P-Vine 15054)
② Diggin’ Gold / A Galaxy Of West Coast Blues (Ace 1017)
③ Foxy R&B / Richard Stamz Chicago Blues (Ace 1375)
④ Johnny Guitar Watson / Hot Just Like TNT (Ace 621)
⑤ Welcome To The Club (Ace 1009)
⑥ Little Milton / The Complete Stax Singles (P-Vine 3411)
⑦ Ike Turner Studio Productions 1963-1965 (Ace 1329)
⑧ Al King & Arthur K Adams Together (Ace 1292)
⑨ B.B. King / Here’s One You Didn’t Know About (Ace 1457)

16 ak king arthur k adams ace cd 1
17 ak king arthur k adams ace cd 2
18 ak king arthur k adams ace cd 3
Al King & Arthur K Adams Together (Ace CDCHD 1292) 2010
実にナイスなカップリング。副題が The Complete Kent and Modern Recordings とあり、Al King は Modern の 2 枚、Kent の 2 枚の両面と未発表曲 4 曲の計 12 曲収録。楽 SOUL 4p で紹介の Arthur K Adams は Modern の 3 枚両面 (含むロング・バージョン、別テイク) と未発表曲 (含む別テイク) の計 9 曲収録。これは買い逃している方も多いかも、活きが良い 60 年代のブルース、R&B、ファンク、ソウルが楽しめます。Al King については、これより前のシングル音源をまとめた Al King Blues Master (Forevermore 4601) もお薦めですが、既に廃盤、中古でもあまり見かけません。

ブルースのレココン第 2 回目も実施で決まり、いつになるか未定ですが、またよろしくお願いします。
23:55:11 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
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