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SOUL 45  SWEET SOUL & MORE
2008 / 10 / 28 ( Tue )

昔は、私の周りにもスウィート・ソウルのシングル・コレクターたくさんいたのに、皆どこに行ってしまったのだろうか? シングルに限ってならば、今一番人気の無いところかもしれない。私もあまり聴くことがなくなってしまったが、たまには辛いものじゃなくて甘いものがほしくなる。ここでは、そこそこのものを 6 枚取りあげさせていただく。良いものはミニコミで既に紹介しているので、選ぶのに苦労してしまった。色々調べても情報が全く無いものばかり、あっさりとした紹介となってしまうが、ご勘弁を。

The Jonesetts / Once I Had Love (Cougar 2017)
Jeff Beckman の Soul Harmony Singles によれば、女性グループとなっているが、キッズ・グループっぽい。Norman Harris & Bert Willis がプロデュース。まさしく The Blue Magic や The Delfonics の世界、拙く幼いヴォーカルとコーラスがめくるめく、妖しく倒錯的なバラード。フリップの Stop, Look & Listen は Stylistics とは同名異曲、アレンジャーには Ronnie Baker の名前もある。こちらもねっとり、さらに退廃的、奈落の底に落ちていきそうだ。
Mutual Feeling / There’ll Come A Time (Skydisc 636) - 1970
SOUL MASTERBATION 最終号の Ultimate Sweet Groups 45’s×45 Items で久保田さんが紹介しておられたシングル盤。Skydisc は Family Circle のシングルで知られているが、このシングルはあまり見かけない。Family Circle と同じく Randy Irwin & George Andrews というお 2 人が制作している。バカラック風の優しいイントロで始まる甘くゆったりとしたバラード、リード・ヴォーカルの一途な歌いっぷりに涙してしまうのは、私だけじゃないはず。
sweet 1 
Watch Tower / Forever, Together (Tower High 563-41)
これも 1 枚しかシングルのないグループ。オハイオからのリリースで、自主制作盤のようだ。ライターとアレンジャーに名前のある Maurice Moore がグループの中心人物なのだろうか? ピリッとしないバックに甘々で起伏のないメロディー、ムーディーと言ってしまえばそれまでだが、泣きのあるヴォーカルが切々と、落ち込んでいる時にはトドメになりそうな思いつめたバラード。
Reality / Jevous Aime Beaucoup (Buddah 547) – 1976
Leroy Hutson がプロデュースしているので、シカゴのグループだろうか。このシングルは A 面となる Michael Jackson のカヴァー I Wanna Be Where You Are の SF プロモが多くて、フリップ・サイドのこの曲が聴けるレギュラー盤は珍しい。Donny Hathaway & Leroy Hutson が曲を書いていますね。歌詞は全く理解できないが、多分ゴスペル、女性コーラスもクワィアーっぽいし。渋いバリトン・シンガーが感動的に謳いあげるスピリチャルなバラード。これはスウィート・ファンよりもディープ・ファン向けかもしれない。なお、A 面も抜群の甘辛モダン・ダンサーなので SF 盤でも買い。
sweet 2 
Chaz / You Can’t Hurry Love, But Harry Love (Pen-Wit 002) - 1980
83 年に Zanzibar から LP をリリースしているグループ、さらに Promise の 12 インチとも関係は無いはず。プロデューサー&ライターの Charles Miller の愛称なのかもしれない。ゆったりとしたミディアムのバラード・ナンバー、強烈なものは無いが、心地好いコーラスと晴れやかで暖かみのあるメロディーが印象的。Chaz さんの爽やかな歌いっぷりにも好感が持てます。
Bunny Davis / Six Million Dollar Lover (Philomega 803) -1976
簡単に手に入るシングル、フィラデルフィアの女性シンガーだ。リズム・ソウルって感じかな、耳にこびりついてしょうがないマジカルなテンポにちょっとハスキーでメリハリのあるヴォーカルが映える。終わってしまうのが惜しくて、いつまでも繰り返し聴いていたくなる。軟派なれど、抗いがたい魅力があって私の大好きな 1 枚。
sweet 3 

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23:56:27 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  JIMMY RADCLIFFE / KENNY SMITH
2008 / 10 / 23 ( Thu )
全く話題にならなかった CD アルバムを 2 枚。アクセス数が伸び悩んでいるのに、ますます覗いてくれる人が減っちゃうかも、少々不安です。

JIMMY RADCLIFFE / WHERE THERE'S SMOKE, THERE'S FIRE (MCM12CD06)
1. Long After Tonight Is All Over (Musicor 1042) 2. My Ship Is Comin' In (Aurora 154) 3. What I Want I Can Never Have (Musicor 1042) 4. [There Goes] The Forgotten Man (Musicor 1024) 5. Could Anybody Else [featuring Barbara Jean English] # 6. Where There's Smoke, There's Fire # 7. Deep In The Heart Of Harlem # 8. This Diamond Ring # 9. Satisfaction # 10. The Complete Man # 11. I'm Your Special Fool # 12. Sunshine, Hope and Love # 13. The Greater The Love, The Deeper The Hurt # 14. Sweet Taste Of Lovin' # 15. I Pretend I'm Loving You # 16. Stand Up #
# unissued 2007 Notes : unknown

60 年代、NY で活躍したミュージシャン Jimmy Radcliffe、シンガーとしてよりソング・ライターとして有名。Gary Lewis & The Playboys、Tammy Montgomery (Terrell)、The Chiffons、Aretha Franklin、Clyde McPhatter、Walter Jackson、Jackie Wilson、Ray Charles、Etta James、Pat Lundy 他多くのシンガーが彼の曲を歌っている。Buddy Scott とのコンビで書いた Jimmy Armstrong の You’re Getting Next To Me, Baby (Brother Three 1001)、Debbie Taylor の The Last Laugh Is On The Blues (Decca 32090)、Billy And Wolfe の Another Lovin’ Kind Of Feelin’ (Coral 62522) の 3 曲は日本のコアなディープ・ソウル・ファンには絶大な人気を誇るディープ・バラードの傑作だ。彼自身が歌っているものでは、62 から 69 年にかけて Musicor、Aurora、Shout、RCA に 7 枚のシングルがある。初期の Musicor 作品は The Drifters や Ben E. King などに代表される素朴な NY サウンド、ビーチっぽいものやソウルとは呼びにくいものもある。端正なテナー、いわゆるバラディアー・タイプで、我が国での人気はさっぱり。ということで、この CD アルバムもほとんど見過ごされているのではないかな。全 16 曲、うち 12 曲が未発表となっていたもの。シングルは全部持っていたので、私は未発表ナンバーが気になって迷わず購入した。冒頭 1 曲目、Long After Tonight Is All Over は UK のノーザン・シーンでは特別な曲。Wigan Casino の午前 8 時、オールナイターの最後に流れたロマンティックなダンシング・バラッド。ソウル・ファンからはポップじゃないかと言われそうだが、私は大好きです。ライターは Burt Bacharach & Hal David、この人、案外と自作の曲を歌っていない。 2 曲目の My Ship Is Comin' In は NY 系ソウル・バラードの佳曲、The Walker Brothers が歌ってヒットしている。さて、お目当ての未発表曲だが、意外にディープな曲もあるしバラエティーがあって面白い。まず、Barbara Jean English とのデュエット Could Anybody Else が素晴しい、こういうパターンは予期していなかった。65 年ごろの作であろうか、バッキングも迫力満点、抜群のノーザン・ジャンプだ。Where There's Smoke There's Fire のライターは Al Kooper、後に彼のバンド The Blues Project もレコーディング。同じく Al Kooper 作となる This Diamond Ring は白人グループ Gary Lewis And The Playboys で大ヒットしている。Deep In The Heart Of Harlem は Ben E. King の Spanish Harlem からの影響が色濃い、Johnny Nash、Clyde McPhatter、Walter Jackson にも歌われている曲。またまたこの人のイメージを覆してくれるのがストーンズの Satisfaction、ゴスペル・ジャンプだね、Otis よりも速い、オルガンがフューチャリングされたバック・サウンドも過激。The Complete Man は Buddy Scott & Jimmy Radcliffe が書いたもの、典型的 NY 系ディープ・バラードの傑作だ。Tommy Hunt (Dynamo 110) や Pat Lundy (Columbia 44624) でも知られている、Tommy Hunt も味わい深いが、思いがこみ上げてくるこのJimmy のヴァージョンが一番泣ける。I'm Your Special Fool にも驚いた、ゴスペリッシュでリズミックなナンバー、歌いっぷりもディープで女性コーラスもばっちり。Sunshine Hope And Love はドリフターズが歌いそうなビーチ・ナンバー。Stand Up は Ben E. King 風のミディアム・バラード。ソウルとしては魅力に乏しい曲もあるが、Could Anybody Else と The Complete Man が聴けたのは幸せ。ライターとしてだけでなく、シンガーとしても非凡であったことが分かる。Jimmy Armstrong とまではいかないけど、その気になれば凄みも出せる人、もっと歌ってほしかった。残念なことに、73 年、36 歳の若さで亡くなられている。
Jimmy Radcliffe についてより詳しく知りたい方は次のサイトを参照ください。
http://jimmyradcliffe.20m.com/
radcriff and smith
KENNY SMITH / ONE MORE DAY (SHAKE IT 551)
1. Lord, What's Happened ? (Goldspot 108328、Gar 317) 2. My Day Is Coming (RCA 8850) 3. Here Comes The Law (Lena 750957) 4. Go For Your Self (Part 1 & 2) Edit (Flo-Roe 1112) 5. The Same Old Story (Goldspot 108328、Gar 317) 6. Forgiveness (Counterpart 2493) 7. Skunkie (Kogan 73051) 8. Woman [I Can't Do Enough] (Clearhill 101) 9. Deep In My Heart (Fraternity 934) 10. Keep On Walkin’ Baby (Chess 1947) 11. Go For Yourself (RCA 8850) 12. Nightbeat (President 390) 13. Let's Get Together (Fraternity 934) 14. We Have Each Other (Chess 1947) 15. Everybody Knows I Love You (Kogan 73051) 16. One More Day (Flo-Roe 1113) 17. Go For Your Bad Self (Counterpart 2493) 18. Foxfire #
3 = Kenny Smith & The Fox Fire Band 4, 16 = Kenny Smith & The Loveliters
8 = Kenny Smith and The Lovelighters 6, 17 = Kenny & The Sole Selection
7, 15 = Kenny Smith & The Maximum Feeling 12 = Kenny Smith & The Niteliters
# unissued 2006 Notes : Chris Burgan

2 年前に Cincinnachi Soul Spectrum Series Vol.1 としてリリースされた Kenny Smith の DC アルバム。この名前でピンと来るソウル・ファンはいったい何人いるだろうか? 1938 年、ケンタッキーの Maysville 生まれ、オハイオ州シンシナチで育った Kenny Smith、64 から 75 年にかけてシングルが 10 枚程度ある。骨っぽく男性的なシンガー、才能豊かな人で、曲は全て自作、さらにプロデュースを自身でやっているものも多い。良いものほど珍しくて手に入らないこともあり、我が国では知名度がほとんどゼロに近い。私もレアなものは聴けてなかったので、なかなか熱心になれなかったシンガーだ。ありがたいことに、初期の Fraternity のシングル数枚を除き、ほぼ全曲ここで聴ける。インタビューをもとに書かれたライナー・ノーツもしっかり、やっとこの人の全貌を知ることができた。ということで、マイナー・シンガーにこだわる方なら、持っていたい 1 枚。肝心の内容だが、録音時期も幅があり、色々なタイプの曲をやっている。まず、1 曲目の Lord, What's Happened ? が一風変わっている。71 年に自分のレーベル Goldspot からリリースした曲、ファンクとノーザンとモダン・ソウルが合わさったようなおしゃれなダンス・サウンド。UK では人気があって Kenny Smith と言えばこの曲、オリジナルは希少で私の手元にあるのは再プレスされた Gar (General American Records) のシングル。曲のパターンがころころ変わるので落ち着かない気分になるね、フュージョン?っぽいギターにはちょっと閉口、ということで私の評価はそれほどでもない。ソウル・ファンなら 65 年の Chess 盤と 66 年の RCA 盤がお薦め、この 2 枚は手に入りやすいシングルだ。We Have Each Other はハートフルなミディアムのバラード、My Day Is Coming はファンキーで熱っぽいダンサー、少し単調だけど悪くない。この 2 枚に先立つ 64 年の Deep In My Heart はドゥーワップの流れを汲む素朴な音、さらに Fraternity には 3 枚のシングル ( 1 枚は Jeri Jackson とのデュエット盤) があるが、残念ながらこれといったものはない。3 曲目に収録されている 75 年の Lena 盤はファンキッシュなダンス・ナンバー、ぬるくて締りが無いです。以上が私の所有盤、今ひとつぱっとしないが、この人が素晴しいのは 69 年にリリースされた 2 枚の Flo-Roe 盤。悔しいことに 2 枚ともベリ・レア。4 曲目の Go For Your Self はディープなファンク・ナンバーで人気が高い。やはり King のお膝元シンシナチ、ステップも粘っこく JB 系ファンクの好盤だ。そして、本 CD のハイライトとなるのが 16 曲目の One More Day であります。ビートのきいたミディアム・アップ、胸の高鳴りがどうしようもなく押さえきれない、この曲をまともな音で聴けるだけでもこの CD を買った甲斐があるというもの。Kogan のシングルも珍しく、Kenny Dope のレーベルから再プレス 7 インチも出ている。Skunkie はインスト、こういうのジャズ・ファンクっていうのかね、意味不明のムシ声にもガックリくるし、私には苦手な音。フリップ・サイドのダンサー Everybody Knows I Love You もイントロのホーンがかっこ良くて気を持たせるが、後がポップで期待を裏切ってくれる。President (66 年)、Clearhill (69 年)、Counterpart (70 年) のシングルは初めて存在を知った。多分、かなり珍しいブツであろう。スルメを噛むようなバラード Woman、ちょっとサイケな Sam & Dave 風 Nightbeat、そして Go For Your Self の続編といった感じのファンク・ナンバー Go For Your Bad Self が気に入っている。地元シンシナチでは Fraternity 等でライター&プロデューサーとしても活躍した Kenny Smith さん、Charmaines、Casinos、Albert Washington、Leroy & The Drivers などのレコーディングにも携わっている。Sound Off 7 号 (p.76) で紹介した Herman Lewis の Think Before You Walk Away (Stone Blue 101、Mercury 73002) は彼と Steve Mancha が書いた曲。ライナーによれば、Herman Lewis と Herman Griffin が同一人物と書かれていてやっと長年の疑問が解けた。なお、Eddie Whitehead の Just Your Fool (Black Jack 711) という UK で人気のレア・シングルもこの人の作。本 CD アルバム、聴く人によって曲の好き嫌いも分かれるだろうが、ノーザン・ファンやファンク・ファンなら聴いて損の無い内容。Kent や Soulscape などの UK リイシューよりもさらにマニアックな企画。売れ行きが芳しくなかったのか、シンシナチ第 2 弾は出ていないようだ。
09:34:51 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  The Del Reys, The Four Larks, The Rivingtons
2008 / 10 / 19 ( Sun )
The Del-Reys / Don’t You Know (New Breed 713)
The Del Reys / Rosiland (New Breed 711)
LA のグループだが、Wayne Farris と James Wesley Smith というシンガーのソロ作品といった方が適当かもしれない。最初の New Breed 盤は Mel Alexander の Kris Records (Kent、楽p.330) にも収録されている。しっとりとしたバラード Don’t You Know で歌っている甘い声のシンガーが Wayne Farris。フリップ・サイドの Shop Around にインスパイアされたような Walk Proud では James Wesley Smith がヴォーカルを取っている。次の New Breed の 1 枚目は少し珍しいかな、こちらはバック・コーラスが付いてグループ仕様。James Wesley Smith の Rosiland はやはりミラクルズを彷彿させるダンスもの、この人、声の艶も歌の上手さも遠く及ばないが、Smokey Robinson が大好きという心意気がしみじみ伝わってきて、微笑ましく楽しい気分にさせてくれる。ウラの Mama Was Right はセレブなミディアム、Wayne Farris がソフトなタッチで迫ってくれる。2 人ともヴォーカルに強烈なインパクトは無いものの、曲はエレガントでエクセレント、ノーザン・ファンなら気になる 1 枚であろう。なお、私の所有盤では両面のラベルが逆。James Wesley Smith には Talking About Women (Angel Town 714) というレア・シングルもあり。
del reys
The Four Larks / That’s All That Counts (Uptown 748) – 1967
The Four Larks / I Still Love You [From The Bottom Of My Heart] (Tower 402) – 1968

Don Julian の The Larks と混同しないように。こちらは LA ではなくフィラデルフィア。このグループについては楽ソウル (p.340) でも触れたが、誤解しているところもあったので、ここで整理しておきたい。もともとは Jackie Marshall をリードとし、Calvin Nicholls、Earl Oxidine、Weldon McDougal の男性 4 人がメンバー、Jerry Ross の Sheryl、さらに Violet、Guyden 等で 60 年代初めに何枚かシングルを出している。この頃の音はほとんど聴いたことがなくて、私が持っているシングルは The Arock & Sylvia Soul Story (Kent) にも収められている 64 年の For The Love Of Money (Arock 1010) と 63 年に Irma & The Larks 名義でリリースされた Without You Baby (Priority 322、Fairmount 1003) の 2 枚。Irma & The Larks は Jackie Marshall が一時グループを離れたため、新たに女性のリード Irma Jackson を迎え録音されたもの。輪を描くようなテンポにのって歌われたミディアムのダンサーで、アーリー・フィリーを代表する品のあるガールズ・ノーザン。Johnny Styles & Luther Randolph と The Larks のメンバーであった Weldon McDougal が設立した新興プロダクション Harthon で制作、若き日の Eddie Holman & James Solomon が曲を書いている。Irma & The Fascinators の名義で 65 年に発表された Just A Feeling / Lost Love (Sceptor 12100) というシングルもあるが、この Irma & The Larks と同時期の録音を後でカットしたもののようだ。内容は Priority 盤に負けず劣らず、素晴しいミディアムのガールズ・ソウルとなっている。この頃から、Weldon McDougal は Johnny Styles、Luther Randolph とともに Harthon や Dynodynamic プロダクションで多くのレコードを制作、Barbara Mason 等のシングルでは The Larks もバック・コーラスとして参加している。The Larks のレコーディングについてはちょっと間が空き、67 から 68 年、Tower から 3 枚、Uptown から 2 枚のシングルをリリース、Weldon McDougal の奥さん Vivian がリードで歌っている。ここに挙げた 2 枚は私の長年の愛聴盤。Uptown の That’s All That Counts は柔らかなタッチのポップなガールズ・ノーザン、ソウル・ファンにはサウンドが軟派過ぎてダメかもしれないな。次の Tower 盤は Tom Bell が曲を書きプロデュースしたもの、フリップの Groovin’ At The Go-Go がノーザン・クラシックとして有名だ。I Still Love You はダンサブルなミディアム、サビのメロにもときめいて、まことにチャーミング、幸せな気分になれるということではこれが一番。さらに、アガシ好きには I’ve Got Plenty (Tower 450) もお薦めできる。なお、Vivian と Irma Jackson を同一人物としている資料もあるが、声が若干違うので別人であろう。67 年ごろの録音で Irma & The Fascinators の You Need Love という未発表曲もあるし。Harthon プロで制作された Cooperettes の傑作ノーザン Sing-A-Ling (Brunswick 55329) と同じバック・トラックを使ったもので、Goldmine のコンピや Timeless Northern Soul (Bianco) という CD で聴ける。Cooperettes は勇ましく、かたや Irma Jackson は優しく雅に舞ってくれる。どちらが好きかと聞かれると悩んでしまうが、若さよりも色気ということで Irma かな。
このグループの変遷について、さらに詳しく知りたい方は次のサイトをご参照いただきたい。
http://home.att.net/~freebizak/Larks2/larks2.html
Four Larks 関連のシングルは Goldmine の CD コンピ Groovin’ At The Go-Go でかなり聴けます。収録曲は I Still Love You / Groovin’ At The Go-Go (Tower 402)、Another Chance (Tower 364)、Without You Baby (Priority 322)、For The Love Of Money (Arock 1010)、Irma & The Fascinators / You Need Love (unissued) の 6 曲。また、Weldon McDougall Presents Philly’s Northern Soul (Bestway) にも 4 曲収録。ただ、残念ながら 2 枚とも廃盤のよう。
four larks
The Rivingtons / I Don’t Want A New Baby (Quan 1379) – 1967
The Rivingtons / Don’t Hate Your Father (JD 122) – 1976
Carlos White をリードとする西海岸のグループ。60 年代初めから 70 年中ごろまでに 20 枚ほどのシングルがあるが、本邦では全く人気が無くて、私も 3 分の 1 も聴けていない。Quan の I Don’t Want A New Baby は曲調が Soul Merchants の Tender-Loving-Care (Moonville USA 1111、Tri-City 319) に何となく似ている。こちらの方が先のリリースでイナたく荒々しい。なお、73 年、Wand からも同じ曲がリリースされているが、持っていなくて再録なのか再発なのか不明。フリップの You're Gonna Pay も気骨あり。次の JD 盤では James Jennings という甘ったるい声のシンガーがリード。これはセンチでノスタルジックなメロディーが素晴しい。スウィート・ソウル・ファンならずとも泣けるバラードだ。この 2 枚以外では、64 年の I Love You Always (Vee Jay 649) と 66 年の Tend To Business (Columbia 43581) がなかなかの出来ばえ。Vee Jay 盤は Richard Parker のプロデュースで Arthur Adams が曲を書いている。
rivingtons.jpg
10 月 11 日のアルツハイマーに Guy Hennigan 氏が飛び入り参加。80 年代 UK ノーザン・ソウル・シーン伝説の DJ、その凄業 (レア・ノーザン) を堪能させていただいた。珍しいシングルが多く、ちゃんとチェックしておけばと反省。次回のアルツハイマーは 12 月 6 日(土)です。
18:29:22 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  THE TRUTH / THE REAL TRUTH (MAGNUM CAT)
2008 / 10 / 16 ( Thu )
THE TRUTH / AL BOYD PRESENTS THE REAL TRUTH (MAGNUM CAT 0005)
1. Don't Fight The Feeling 2. The Price Is Right 3. Come Back Home (Sounds Of Cleveland M 11711) 4. The Flesh Trap 5. Excedrin Headache # 24 (Sounds Of Cleveland M 11711) 6. All The Signs 7. The Moment Of Truth 8. Break Bread Together 9. The Mystic Mountain 10. Don't Fight The Feeling [extended version] 11. The Price Is Right [extended version] 12. The Flesh Trap [extended version] 13. Play The Lottery [bonus track from the commercial]
2008  Unissued except 3 & 5  Notes : Al Boyd, Larry Hancock & Maskman

Truth の Come Back Home (Sounds Of Cleveland) に出会ったのはもう 25 年以上も前、80 年の Devaki の LP もよく聴いたが、Truth そして Larry Hancock と言えば、やはりこの曲、まさにグループ・ソウル泣きのバラードの最高峰。76 年、クリーブランドの Eddie Levert のレーベルからリリースされたもの。なんとその頃の埋もれていた音源がまとまって発見された。これはちょっとした事件です。最近、世の中暗くてつまらないことばかりだが、まことに喜ばしいお知らせ。全 13 曲、シングルの両面プラス未発表曲 8 曲、さらにロング・ヴァージョンが 3 曲。13 曲目を除き、Come Back Home と同じセッション時の録音となる。シングル・カットされた 2 曲を含め、もともと Bobby Massey と The Imperial Wonders の Al Boyd が David Peoples というシンガーのために書き下ろした曲。Bobby Massey は The O’Jays のメンバーでその後プロデューサーに転身した人物だ。結局、David Peoples のアルバム企画は頓挫、代わって、76 年の春から夏にかけ Imperial Wonders (Al Boyd、Russell Watts、Leo Green) に Larry Hancock が加わり制作。ここに、新グループ Truth の誕生となる。当時 The O’Jays をサポートしていたミュージシャンたちをバックに配し、Larry と Leo Green のツイン・リードが爆裂、まことに濃厚なソウル・ワールドが展開される。力づくのサウンドは The O’Jays の弟分といったかんじ、甘くムーディーなスウィート・ソウルや華麗なダンス・サウンドを求める向きには少々硬派でその迫力に圧倒されてしまうかもしれない。洗練された音で気持ち良くまとめられている Devaki の LP も好きだけど、こちらの方が私のテイストには合っている。荒々しく男臭さ満点の傑作アルバム。王道グループ・ソウル・ファンならずとも熱いソウルに飢えている方なら買うしかない、私が返金保証しても良いぐらいの素晴しい内容だ。Come Back Home 以上のものがあるのかと半信半疑のシングル・コレクターもいらっしゃるかもしれないが、ご安心あれ。6 曲目の All The Signs は Larry Hancock が優しくテンダーに歌いあげる情感豊かなバラード、ディープなヴォーカルに心ゆくまで酔っていただきたい。さらに、8 曲目のダンサー Break Bread Together では胸の鼓動が高鳴りっぱなし。ミディアムの The Flesh Trap もパワフルこの上ない。フィリー・ダンサー好きなら The Moment Of Truth にも狂喜乱舞してしまうこと間違いなし、これは Philly Groove 盤に拮抗する出来ばえだ。妖しい雰囲気のミディアム・バラード The Mystic Mountain も O’Jays 顔負けのパフォーマンス。これほどのものがお蔵入りとなっていたことに驚いてしまう。UK もここら辺はあまり手を出さないところ、CD 化を実現させた皆々様にはいくら感謝しても感謝し足りない。なお、Magnum Cat の国内配給盤ライナーには Maskman を座長に本企画の中心人物 Al Boyd と Larry Hancock のインタビューが掲載、ヴェールに包まれていた Truth の真実を明らかにしてくれている。Al Boyd の話では、Stan Watson のもとで制作された Philly Groove の未発表音源も数曲あり、Thank You Girl For Hanging On も含めリリースの可能性があるようだ。ということで、私の Truth 熱はまだまだおさまりそうもない。
truth cd
David Peoples / Got To Get My Broom Out (Saru 1221) – 1971 ?
この人がやる気満々だったら、Truth のアルバムも幻になっていた。Saru と Musicor にシングルがある。これは The O’Jays の 4 人のメンバーが書いた曲。プロデュースも Bobby Massey & Walter Williams で The O’Jays 自身も Super Bad の LP で歌っていますね。ちょっとファンキーなリズムのミッド・アップ。情緒に欠けるダミ声で吐き捨てるような歌いっぷり、オリジナルよりかなりゴツゴツしていて暑苦しい。Saru は Truth のライナーでも触れられているクリーブランドのレーベル、Lou Ragland がからんでいる Way Out の音源ともども CD 化が望まれるところだ。
The Intertains / Need Your Love [Right Now] (Uptown 729) – 1966
Larry Hancock が 62 年、15 歳のときに加入した地元クリーブランドのグループ。65 から 66 年にかけてフィラデルフィアの Uptown レーベルに 4 枚のシングルを残している。私の持っているのは 2 枚。Need Your Love はビートのきいたパーカッシブなダンス・ナンバー、この頃の Larry Hancock の声はハイ・テナーでファルセットでも歌ったりする。エモーショナルな歌いっぷりに片鱗はうかがえるものの、これはちょっと意外。I See The Light (Uptown 717) はモータウンを意識したようなサウンドで、こちらも素晴しい。なお、Soul Sounds に収録されている O'Jays の傑作ノーザン Working On Your Case (Minit 32015) は Bobby Massey と Larry Hancock が書いた曲だ。
david peoples
11:46:18 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL CITY USA at BLUE HEATのお知らせ
2008 / 10 / 13 ( Mon )
081103 blue heatソウルDJイベント 「SOUL CITY USA」 のご案内です。

ディープ・ソウルDJナイト
DJ : 鈴木啓志、森島繁美、山内直哉、佐野勝明
日時 : 11 月 3 日 (月曜、祝日)
午後 5 時 30 分オープン、6 時より開始
場所 : BLUES & SOUL BAR 「BLUE HEAT」          
     渋谷区区桜丘町 3-15-2F 
☎ 03-5489-0357
12:23:07 | イベント | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  SAME SONG, DIFFERENT SINGER
2008 / 10 / 13 ( Mon )
同じ曲を違うシンガーが歌っているものを何枚か紹介させていただく。

Jimmy Delphs / I’ve Been Fooled Before (Carla 2535) - 1967
Verble Domino / I’ve Been Fooled Before (Toi 920) – 1966 or 1967
楽ソウルでも取りあげた Jimmy Delphs の傑作ノーザン I’ve Been Fooled Before にオリジナルがあるって知ってました? それがこの Toi の Verble Domino のシングル。Toi は Bob Lee の Jerhart の系列レーベル。Robert Pruter 氏の Chicago Soul によれば、67 年 1 月、地元シカゴでは小ヒットした曲らしい。Verble Domino の本名は Sharman Nesbary、レーベルのライター・クレジットも Bob Lee & S. Nesbary となっていますね。興味津々の方には申し訳ないが、肝心の内容となると、急にテンションが下がってしまいます。躍動感のカケラも無いサウンド、歌もお世辞にも上手いとは言いがたい。おっとりとしたミディアム・ナンバーで、かなりズッコける。曲の良さは伝わってくるので、私これはこれで嫌いじゃないが。まあ、Jimmy Delphs を誉めるのが筋でしょう、あちらは才人 Dale Warren のアレンジメントだし、あまり攻められません。
verble domino
The Arabians / Let Me Try (Staff 1808) - 1964
Billy Joe Burnette / Let Me Try (Gold Standard 220)
The Arabians の Let Me Try は楽ソウルでも触れた曲 (楽p.52)。この Billy Joe Burnette のヴァージョン、Edward Hamilton ほどの艶っぽさや深みはないものの、歌いっぷりは悪くないし、雰囲気や味わいはそれほどかけ離れていない。ソウルとは縁の薄そうな Gold Standard はナッシュビルのレーベル。Billy Joe Burnette については全く情報が無いが、A面となる Born To Lose は有名なカントリー・ソング、久しぶりにひっくり返して聴いたら、やっぱりまっ白けっけでした。The Arabians のシングルを手掛けている James Hendrix はナッシュビルに Carrie 等複数のレーベルを持っていたプロデューサー、彼が何らかの形で関わっているのかもしれない。
billy burnette
Mr. Percolator / Burning Up For Your Love (Wax-Wel 001)
James Fountain / Burning Up For Your Love (Peachtree 124)

Mr. Percolator は楽ソウル (p.97) で取りあげた傑作サザン・バラード I Need Your Love To See Me Through のフリップ・サイド。James Fountain も楽ソウル (p.44) で触れたもの。つい最近、Peachtree のシングルを眺めていたら、タイトルは同じだし、ライターも W. Walter となっているので、もしかしたらと聴き比べてみた。Mr. Percolator はディープなジャンプ、自らのバンド The Soul Chargers をバックに配した James Fountain は激しいファンク・ナンバー、かなり印象が違うので同じ曲だと言われなければ気付くのは難しい。Peachtree はアトランタのレーベルだが、James Fountain はもともとフロリダを拠点にして活動していたシンガー、マイアミの Perk Badger (Mr. Percolator) や Willie Walters と接点があったとしても不思議ではない。
james fountain
David Will / The Way The World Should Be (Soul Craft 777) – 1973
Jonas Dockery / I’m In A World Of Gloom (Thomas 811)
I Remember You / Loneliness (Soul Craft 101) の David Will、このちょっと珍しい Soul Craft 盤もモダン・ソウル・ファンには有名。カリフォルニアのレーベル、1 枚目は 60 年代末ぐらいのリリースだろうか、こちら 2 枚目は 73 年の作のようだ。ストレートなメッセージ・ソング、生きの良いダンス・サウンドで辛目のヴォーカルがシャウトしながら駆け抜ける。この曲を書いてプロデュースしている James Dockery と Thomas 盤の Jonas Dockery は同一人物。70 年代に入り、シカゴのレーベルから出ていて、Soul Craft プロダクションの制作、タイトルと歌詞は違うが、曲は同じだ。David Will よりも歌の内容は重くて暗そう、息苦しい歌いっぷりがけっこうソウルフルで私は気に入っている。でも、David さんに比べ勢いが無いので、評価は分かれるかもしれない。なお、Dockery 盤ではライター・クレジットが Barry White となっていて、ここら辺の事情はよく分からない。さらにもう 1 枚、Dockery さんのプロデュースで 83 年に Up From The Bottom (True Production 101) というグループもこの曲を取りあげている。イントロのバリトンが余計だが、男女のデュエットで歌われ、暖かみと高揚感があって好感の持てる出来ばえ、3 枚の中では一番手に入れやすいはず。また、James Dockery には My Faith In You Is All Gone (Soul Craft 1) というシングルもあり、UK のノーザン・シーンではけっこう人気がある。私の所有盤はロケット発射の絵のある青いレーベル、オリジナル・リリースは赤に文字だけで値段がぐっとお高くなる。
james dockery
The Arabians / Let Me Try # The Many Sounds Of The Arabians (Genie)
James Fountain / Burning Up For Your Love # Atlanta Soul (Grapevine)
Up From The Bottom / The Way The World Should Be # Modern Soul Vol.3 (Goldmine)
11:29:11 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  SAM BAKER / I BELIEVE IN YOU (UK Soulscape)
2008 / 10 / 10 ( Fri )
SAM BAKER / I BELIEVE IN YOU (UK Soulscape SSCD 7013)
1. You Can't See The Blood (Sound Stage 7 #2545) 2. What Did Sister Do (Sound Stage 7 #2545) 3. Sometimes You Have To Cry (Sound Stage 7 #2550) 4. Something Tells Me (Sound Stage 7 #2550) 5. Don't Feel Rained On (Sound Stage 7 #2560) 6. Someone Bigger [Than You And Me] (Sound Stage 7 #2568) 7. Let Me Come On Home (Sound Stage 7 #2568) 8. Safe In The Arms Of Love (Sound Stage 7 #2579) 9. Just A Glance Away (Sound Stage 7 #2579) 10. That's All I Want From You (Sound Stage 7 #2585) 11. I Can't Turn Her Loose (Sound Stage 7 #2585) 12. I Believe In You (Sound Stage 7 #2590) 13. I'm Number One (Sound Stage 7 #2590) 14. Sunny (Sound Stage 7 #2601) 15. I Can't Stand It (Sound Stage 7 #2601) 16. I Can't Break Away (Sound Stage 7 #2613) 17. Coming To Bring You Some Soul (Sound Stage 7 #2613) 18. Sugarman (Sound Stage 7 #2620) 19. Strange Sensation (Sound Stage 7 #2620) 20. I Love You (Sound Stage 7 #2630) 21. Hold Back Girl (Sound Stage 7 #2630) 22. It's All Over (Sound Stage 7 #2636)
2008 Notes : John Ridley

なんとも懐かしいシンガーだ。比較的早く日本に紹介され知名度は高いが、その後、ちょっと影が薄くなってしまった感もある。これは、そんな Sam Baker に再びスポット・ライトを当ててくれた CD アルバム。1965 から 1969 年、ナッシュビルの Sound Stage 7 に残した全音源。これといったヒットはなかったが、このレーベルでは、Joe Simon を除くと一番シングルの枚数が多い。シングル 12 枚 22 曲を発表順に完全収録。なお、John Richbourg の Seventy-Seven からリリースされた LP (日本盤は Vivid) で聴けないものは 2,4,5,11,13,14,15,17,18,21 の 10 曲となる。ちょっと甲高いディープ・ヴォイス、凄みはないが、情感豊かな歌いっぷりにディープ・ソウル・ファンは胸を熱くすること間違いなし。バラードでは彼の代表作とされる Sometimes You Have To Cry と楽ソウルで取りあげた Something Tells Me の Stax 録音 2 曲がまず印象に残る。Let Me Come On Home は Bobby King (Sound Stage 7 #2552) や Fenton Robinson (Seventy-Seven 105) にも歌われているブルージーなナンバー。Safe In The Arms Of Love はサザン・バラードの好曲、タメのあるヴォーカルが味わい深い。Just A Glance Away も静かに歌われズブズブ沁みる、バック・サウンドとのしっとりとした絡みも最高だ。I Believe In You もこの人らしさが出ているテンダーで熱のこもった美しいバラード。I Love You は曲調も歌のスタイルもオーティスっぽいかな、これまたサザン・ソウル・ファンには堪らぬ曲だろう。こうしてみるとバラードの名手といった感じだが、Hold Back Girl も私の大好きな曲で隠れベスト。ハードなリズム・ナンバー、キレのあるヴォーカルが素晴しい。同じくジャンプの I Can't Turn Her Loose や I’m Number One も見事と言うしかない。ラストを飾る It’s All Over はセカンド・プレスの Sound Plus 盤でよく聴いたので思い出深い。音がぐっとモダンになっていて驚く、快調なテンポにのって歌われ、シャウトも迫力満点だ。なお、先の Stax 録音を除くと初期のシングルはナッシュビルの Monument スタジオの制作。ライナーを読んでもはっきりしないが、Safe In The Arms Of Love と Just A Glance Away は Vivid 盤の解説で鈴木先生が書いておられるようにマッスル・ショールズ録音の可能性もありな感じがする。That's All I Want From You 以降はアメリカン・スタジオでのセッション、最後のシングル 2 枚はナッシュビルで制作されたものとのこと。Sound Stage 7 以降、残念ながらレコーディングは途絶えてしまう。今回の CD アルバムには未発表ナンバーも無かった、これではちょっと淋しいので、Sound Stage 7 以外のシングル盤についても少し触れておくことにしたい。Sam Baker は 1941 年、ミシシッピ州ジャクソンに生まれており、60 年頃のリリースとなる Copa 盤がデビュー盤。続いて 63 から 64 年、ナッシュビルの Hoss Allen のもとで録音、Hermitage、Athens (2 枚)、USA からシングルがリリースされている、68 年に出た Hollywood 盤も Hoss Allen が手掛けた古い作品を新たにプレスしたもの。また、Sound Stage 7 盤と同時期にマイアミの Saadia にもシングルがあり、これらの作品は以下の CD である程度聴くことができる。
The Best of Hermitage Records (Night Train)
Keep On Scratchin ' / Stormin' And Rainin' Blues (Hermitage 824)、Why Does A Woman Treat A Man So Bad (Hollywood 8317/8)、Sweet Little Angel / Tossin' And Turnin' (Athens 212)
Nashville's Got The Beat ! (楽p.271)
Do Right Man / These Blues Are Getting Me Down (Saadia 6091)
The Rogana Story (SPV)
Crazy About You Baby (Copa 200)、Once Upon A Time - Sam Baker & Nancy Cohen (Hit 125)
残る So Long (Copa 200)、Best Of Luck To You / The Bump (Athens 213)、You'd Better Check What You Got (USA 113)、Slow Down Baby (Hollywood 8317/8) の 5 曲は私の調べた限り CD 化されていない。Copa の So Long はまことに晴れやかに歌われたアーリーなバラード、ソウルと言うにはまだ青臭いが、これは私も欲しいシングル盤だ。Sweet Little Angel や Why Does A Woman Treat A Man So Bad はグレートなブルース・ナンバー、Earl Gains でヒットした Best Of Luck To You も Sam Baker がオリジナル。ファンク・ファンに人気のある Saadia 盤は既に Little Beaver (Saadia 5283) が吹き込んだものと同じバック・トラックを使用している。ファンク・サイドの裏となる These Blues Are Getting Me Down は艶っぽいバラード、ブルージーなものも好きだというソウル・ファンにはお薦め。既に亡くなられたという情報もあったが、ライナーには最近の写真も掲載されている。車椅子生活ではあるが故郷ジャクソンで健在のようだ。
sam baker
09:14:13 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  DEEP SOUL SINGLES NO.2
2008 / 10 / 07 ( Tue )
好評?だったので、ディープ・ソウルの第二弾。

Gene Vell / I’m Calling My Baby (Whiz 502)
60 年代中頃の録音か、Whiz はこのシングルをプロデュースしている Whiz Whisenhunt のレーベルであろう。Whisenhunt は King Soul の Gloria Taylor などをも手掛けている人物だ。ちょっとローカルな感じだが、曲調は She’s A Bad Girl にちょっと似ている。起伏が激しくテンションの高いミディアム・ジャンプ、熱いシャウトも挑発的だ。フリップ・サイドのスロー・ブルース Screaming All Night Long にも思わずのけぞってしまった。タイトルそのままに、もうお先真っ暗。狂い咲きのヴォーカルにギターもからみ、ブルース・ファンもマストの 1 枚。なお、Screaming All Night Long は Collectables のコンピ Deep In The Soul of Texas Vol. 2 に収録されているので、テキサスのシンガーかもしれない。I Done Got Over / Wrong Doing Woman (Whiz 505) というシングルもあり。
Little Brenda Duff / The Army’s Got Me Crying (Downbeat 101) – 1965
これはちょっと珍しい、楽ソウル (p.243) でも触れた Brenda Duff のデビュー・シングル。Downbeat は Art Grayson のレーベル、所在地はバーミンガム (アラバマ) だが、旦那となる Don Varner と供にマッスルショールズの Fame に赴き録音されたもの。ベトナム戦争を題材にしたバラード、メロディーが単調で盛り上がらないところが残念だが、ホーンが効果的にアレンジメントされたバッキングは流石に良い。若い女性に弱い私、拙い歌いっぷりにも寛容になれる、素直な泣き節が胸に迫る好盤だ。フリップの Tell Me Where’er You Going は可憐でセンチメンタルなミディアム。同じセッションの成果と思われる Don Varner の Here Come My Tears Again / I Finally Got Over (Downbeat 102) は彼の単独アルバム (楽p.243) で聴くことができる。なお、制作に携わっている Art Grayson はナッシュビルの Hoss Allen の元で 3 枚のシングルをリリースしており、うち 3 曲は Nashville’s Got The Baet ! (楽p.271) にも収録。さらに TV ショー THE BEAT では Gatemouth Brown のバンド The Beat Boys でギターを弾いており、歌っている姿も見ることができる。さて、Brenda Duff に話を戻すと、Downbeat に続き、67 年 Casino、Volume、69 年 Blue Rock にシングルがある。Volume 盤は未聴だが、Got To Get To Know You (Casino 500) は Bill Haney’s Atlanta Soul Brotherhood (楽p.255) に収録、品のあるポップなステッパーで UK では人気が高い。Left In Love Alone (Blue Rock 4083) は Don Varner とも関わりの深い William Crump が制作、大らかに歌われたサザン・バラード、色気に欠けるが、それもこの人の魅力、まずはコレクトしておきたい 1 枚だ。
vell duff
Louis Fergerson - Vivian Rivers/ Your Love (Malverse 175)
いろいろと調べてはみたが、氏素性のはっきりしないシングル盤。男と女がデュエットで歌うミディアムのバラード。よろしい雰囲気なのだが微妙、Vivian 嬢がイマイチ、声も魅力に乏しいし歌も下手、男性がかなり歌えるので惜しい。フリップの The Telephone Song はスローなバラードで、曲としてはこちらの方が好き。でも、女性がメインで歌っているので、思いっきり浸れない。点が辛くなってしまったが、女性の好みは人様々ということで、紹介させていただきました。
Ernest Jackson / A True Love Is Hard To Find (Bofuz 1103)
バトン・ルージュのローカル・シンガー。Bofuz に 2 枚、Stone に 3 枚、Royal Shield に 1 枚、いずれも地元のレーベルにシングルを残している。感情をむき出しにして歌うタイプではないが、そこはかとなく優しい気持ちが伝わってくる味のあるサザン・シンガー。Bofuz 盤は 60 年代の作であろう、声は若い。美しく穏やかなメロディーのバラードで、イナたくルイジアナの匂いもプンプン。フリップの I Miss You はゆるいリズムのダンス・ナンバー、力いっぱい歌ってくれて楽しくなれる曲だ。1 枚目の Our Love Will Always Be The Same (Bofuz 1101) も A True Love Is Hard To Find と同じタイプのルイジアナ・ディープ、実直で真面目な歌いっぷりにしみじみ泣ける。Stone のシングルは 73 から 74 年の作、3 枚目の Why Can’t I Love Somebody (Stone 203) がベスト。澄み切ったバラード、強烈なものはないが、声に深みも増し、沁みる出来。
ernest jackson
10 月 5 日、九段会館で Willie Walker のライブを見た。Goldwax の There Goes My Used To Be には感激、40 年以上の時間が経ってしまったとは思えない、瑞々しい感動に胸が熱くなってしまった。誠実なステージ・パフォーマンスからはソウル・シンガーとしての誇りと喜びが伝わってくるようで、満足感と幸福感に満たされたひと時だった。なお、P-Vine からライブ盤がリリースされる予定。

 

23:20:30 | SOUL 45 | コメント(2) | page top↑
楽CD  PIC AND BILL / WILLIE TEE
2008 / 10 / 03 ( Fri )
PIC AND BILL / ANTHOLOGY 1964 - 1987 (Ripete 2375)
1. All I Want Is You (Charay 67) 2. What Does It Take (Charay 60) 3. Sad World Without You (Smash 2132) 4. Just A Tear (Smash 2132) 5. Over The Mountain [Across The Sea] (Charay 60) 6. Funny How Time Slips Away (Charay 60) 7. It's Not You (Charay 67) 8. Talk About Love (Charay 99) 9. Love Is A Many Splendored Thing (Smash 2132) 10. Soul Of A Man (Blue Rock 4073) 11. Moments Like This (Smash 2177) 12. Gonna Give It To You (Blue Rock 4073) 13. This Is My Story (LP Le Cam 303) 14. When Something Is Wrong With My Baby (Le Cam 656) 15. Yesterday (Smash 2109) 16. Don't Leave Me (LP Le Cam 303) 17. Nobody Else But My Baby (Charay 73)
18. Don't Put Me Down (Smash 2109) 19. Hang On In There Baby (Bandit 10) 20. Monkey Time / Billy Mills # 21. Sad Memories / Billy Mills (Seventy Seven 11)
1,3,4,7,8,10,12,13,14,16 = LP Le Cam 303)
2,3,4,8,9,11,12,16 = with Moses Dillard
# unissued 2008 Notes : Marion Carter & Julian Fowler、C. Vaughn Leslie

この CD は Sam’s レコードで1週間前に購入、一瞬、我が目を疑った Pic & Bill のコンピレーション。ビーチ・ミュージックをさかんに出しているサウス・カロライナのレーベル Ripete からリリースされたもの。CD-R だし体裁がチープだったので胡散臭いブートレグかと思ったが、ちゃんと権利を取っている正規盤のようだ。サザン・ソウル・ファンなら知らぬもののいない 2 人、テンダーなバリトンが Pic こと Charles Pickens、辛いテナーが Bill こと Billy Mills、またの名 500 Punds Of Soul (2人合わせて 227 キロ) と言われた重量級の男性デュオだ。楽ソウル (p.166) では、最も南部らしく最も美しさを感じさせるソウル・デュオと紹介させていただいた。この CD、タイトルは Anthology 1964 – 1987 となっているが、19 曲目の Bandit 盤を除くと全曲 60 年代の作品。Pic & Bill は Bill Smith のレーベル Charay に 15 枚以上、Smashに 3 枚、Blue Rockに 1 枚のシングルを残しており、Charay の系列 Le Cam からは LP (日本盤は Vivid、イタリア、ドイツ、スペイン盤もある) もリリースされている。全曲入れるには CD 1 枚では足りなかったのか、カヴァーされているのは約 7 割ほど。This Is It (Charay 73)、A Man Without A Woman (Charay 99)、I Love You, Baby (Charay 60) といったサザン・ソウル・ファンには定評のある傑作バラードが未収録というのが残念だが、私が長年探し続けている What Does It Take (Charay 60) が入っているので、大目に見ましょう。やっと出会えた曲、私としてはこれで充分満足。スローなバラードなら他の追随を許さぬお二人、リズム・ナンバーでも凄かったんだと無性に嬉しくなる。やる気満々のパワフルなジャンプ・ナンバー、とりわけ Billy Mills の焼け付くような歌いっぷりが素晴しい。私はこればかり繰り返しリピート演奏で聴いているが、ますますシングル盤がほしくなってしまうので、他の曲に目を向けましょう。18 曲目までが 65 から 69 年に発表されたもの。うち 10 曲は LP にも収録、ありがたいことに Vivid盤 に比べ音はかなり良くなっている。LP だけで聴いていた人なら、2 人に対する評価は間違いなく上がるはずだ。All I Want Is You と Just A Tear は彼らの本領がいかんなく発揮されたバラード。かたや名曲 Soul Of A Man、歌は Robert Thomas (Charay 87) や Matt Brown (LeCam 357) に負けていないが、バックがちょっと弱いかな。Sad World Without You は味わい深いミディアム、ノーザン・ファンには Talk About Love が一番喜ばれそうだ、Sam & Dave スタイルの It’s Not You も熱くなれる。When Something Is Wrong With My Baby はまあまあかな、いつもの彼等らしくない、Stax のバックで歌ってほしかったね。バックといえば、Charay はテキサスのフォート・ワースに所在するレーベルだが、録音場所が以前から気になっていた。ライナーによると、サウス・カロライナは Greenville の Mark V スタジオもしくはノース・カロライナは Taylorsville の Galaxie III スタジオでの録音とのこと。Mark V スタジオでは Moses Dillard のバンドがバックを務めているようだ。レーベルをよく見ると、Smash 盤には Mark V プロダクションとちゃんと書いてあったね。20 年近くブランクがあいて、87 年、彼らの地元 Ashville の Bandit レーベルから発表された Hang On In There Baby は Johnny Bristol のヒット・カヴァー、90 年にはこの曲を含む Talking Up The Slack という新録 CD アルバムが日本の Vivid Sound からリリースされている。最後の 2 曲は Billy Mills のソロ作品、Sad Memories は Fame で録音されたサザン・ミディアムの好曲、Major Lance のカヴァー Monkey Time は未発表ナンバーで、既に Major Bill's Texas Soul (Charly LP) というコンピレーションに収録されていたものだ。この CD のおかげで、いまだに聴けない Pic & Bill は What Would I Do (Charay 60) と Together Till The End Of Time (Charay 60) の 2 曲だけとなった。なお、ライナーに Pic & Bill の思い出話を寄せている C. Vaughn Leslie は Charay、Mastertone、Bandit にシングルのあるシンガー。また、CD にはレコード番号の記載が無く、私が追記したが、あまり意味が無いかも知れない。Charay のレコード番号の管理はいい加減、Charay 60 はなんと 7 枚 (6 枚という資料もあり)、Charay 99 は 2 枚あるので、コレクターの方はご注意を。ディスコグラフィーについて気になる方は次のホーム・ページを参照いただきたい。
http://soulcellar.co.uk/soulduos/SoulDuos.htm
ripete.jpg
WILLIE TEE / ANTHOLOGY 1962 – 2005 (Ripete 2373)
1. Thank You John (Atlantic 2287) 2. Walking Up A One Way Street (Atlantic 2273、Nola 708) 3. Teasin' You (Atlantic 2273、Nola 708) 4. You Better Say Yes (Atlantic 2302) 5. Please Don't Go (Nola 737) 6. Reach Out For Me (Capitol 2892) 7. First Taste Of Hurt (Gatur 509) 8. I'm Havin' So Much Fun (Gatur 557) 9. You're Got To Pay Some Dues (Bonatemp 401) 10. The Man I Am (Gatur 511) 11. I Peeped Your Hole Card (Gatur 701) 12. I Want Somebody [To Show Me The Way Back Home] (Atlantic 2302) 13. I'm Only A Man (Capitol 2369) 14. Dedicated Tou You (Atlantic 2287) 15. Teasin' You Again (Gatur 512) 16. Always Accused (A.F.O. 307) 17. Bring On The Heartaches (Capitol LP) 18. Cold Bear (Gatur 508) 19. Concentrate (Gatur 80001) 20. Teasin' You # 21. WAlking Up A One Way Street # 22. Thank You John #
# Live at the 2005 Carolina Beach Music Award
2008 Notes : Marion Carter & Julian Fowler

Pic & Bill と同じく Ripete からのリリース、昨年 9 月に亡くなった Willie Tee のコンピレーション。仕様はやはり CD-R。Willie Tee の CD コンピについては楽ソウル (p.284) でも 2 枚取りあげており、内容も重複するので、要点だけの紹介に止めたい。この CD の最大のメリットは、音が悪かった Funky Delicacies 盤に収録されていた曲が比較的まともな音で聴けるところだ。Please Don't Go、I'm Havin' So Much Fun、I Peeped Your Hole Card、Teasin' You Again のレア&グレイツ 4 曲もこれで心置きなく楽しめる。さらに、人気の First Taste Of Hurt、希少な Bonatemp 盤も片面収録。最後の 3 曲は 2005 年のライブ音源、ヒット曲の再演、実に心地好いマンネリズムに気分も晴れる、力強い歌声に感激してしまった。
18:21:32 | もっと楽ソウル | コメント(2) | page top↑
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