楽CD  ECCENTRIC SOUL : THE YOUNG DISCIPLES (NUMERO 023)
2008 / 11 / 30 ( Sun )
ECCENTRIC SOUL : THE YOUNG DISCIPLES (NUMERO 023)
1. The World Is Changing / LaVel Moore # 2. Crumbs From The Table / The Young Disciples Co. (Gateway 16475) 3. Third Flight / Third Flight (Yodi 1003) 4. Tears / The Debonettes (Merry 1005/6) 5. Checking Myself / Ames Harris Desert Water Bag Co. (Yodi 1008) 6. I'm Not Afraid Of Love / Sharon Clark & The Product Of Time (APT 26009) 7. Anyone Or Anything / DeDe Turner Happening # 8. Girls Girls Girls / The Young Disciples Co. (Gateway 16475) 9. I Love You / Dauphin Williams (Yodi 16857) 10. Hard Hard / Georgettes (Yodi 1009/10) 11. Country Loving Country Style / Bobby McNutt (Yodi 1002) 12. It's Not Your Business / Sharon Clark & The Product Of Time (Yodi 1006) 13. People / Ames Harris Desert Water Bag Co. (Yodi 1008) 14. Would You Rather / Georgettes (Yodi 1009/10) 15. Love Love Love / Third Flight (Yodi 1003) 16. Choose Me / The Debonettes (Merry 1005/6) 17. Outside Of Memphis / DeDe Turner Happening # 18. That's A Good Reason / Sharon Clark & The Product Of Time (Yodi 1006) 19. I'm Your Man / Dauphin Williams (Yodi 16857) 20. Bang Bang Bang / The Young Disciples Co. (Gateway 5837/6) 21. Homeboy Pt.1 / Eddie Fisher & Allen "Death" Merry #
# unissued ? 2008 Notes : Judson Picco, Rob Sevier & Ken Shipley
本 CD ではレコード番号の記載がなく、私が調べたものなので不備があれば、ご容赦ください。

これはもう単なるレア・ソウルのコンピレーションという枠を超えている。大袈裟かもしれないが、黒人文化の発掘作業と記録による後世への継承運動と言ったほうが適当かもしれない。Numero ファンの私でもこの CD を取り上げるのにはためらいがあった。音楽を楽しむというスタンスだけでは十分では無い内容。頼りのライナー・ノーツも英語の苦手な私にとっては読みこなすのが厳しく、どうも気が進まないが、至らない紹介となってしまうことの言い訳と受け取っていただきたい。本 CD の舞台は 60 年代後半のイースト・セントルイス (イリノイ州、ミシシッピ川を挟んでミズーリ州のセントルイスの東に位置する)、住んでいるのはほとんど黒人でアメリカでもトップ・クラスの治安の悪さ。この地で、少年少女たちの非行防止対策として音楽活動を行ったのが Allan "Dealth" Merry という人物で、タイトルとなっている The Young Disciples とは彼が指導した若き音楽集団のことを指している。成果はアマチュアの域を超え、Merry のレーベル Yodi や Merry からシングル盤もリリースされている。本コレクションはその Allan Merry 音源をまとめたもの。最初のレコーディングは Gateway レーベルから 68 年に発表された The Young Disciples Co. 名義の 3 曲。Crumbs From The Table は抜けの良いファンク・ナンバー、これは私の好きなパターン、The Primes の Larry Williams というシンガーが歌っており、粘っこいヴォーカルに味がある。やはり彼がリードをとる Girls Girls Girls では古いヴォーカル・グループ・スタイルのバラードを披露してくれる。Merry が立ち上げた Yodi レーベルのファースト・シングルとなったのがDauphin Williams、ライナーでは 19 歳のローカル・ギャングと書かれている。I Love You は初々しいヴォーカルが印象的なミディアムのバラード、フリップの I'm Your Man はファンキッシュなジャンプ・ナンバーだ。男性グループ Third Flight と女性グループ The Debonettes もファンクとバラードのカップリング。70 年に入ると、地元ではスタジオが調達できずメンフィスで録音された作品が続く。プロデュースに Gene Miller も加わり、サウンドも随分と落ち着いたものとなっている。Sharon Clark は出回ったシングルなので、ご存知の方も多いのではないかな。That's A Good Reason は私もよく聴いた曲、憂いのあるバラード、熱のこもった Sharon 嬢の歌いっぷりにただただ涙である。Bobby McNutt、Eddie Fisher、DeDe Turner Happening は The Young Disciples がらみではない。Bobby McNutt は 66 年に I'm Gettin' Ready (Roulette 4678) というミディアム・ダンサーの良盤をリリースしている人で、そちらはシカゴのスタッフで制作されたものだった。Eddie Fisher はギタリスト、Cadet からジャズ・ファンクの LP をリリースしている。DeDe Turner Happening は渋いヴォーカルが印象的な正体不明の男女混合グループ、未発表と思われる Anyone Or Anything は雰囲気のある力作バラードだ。再び、イースト・セントルイスに戻るが、LaVel Moore の The World Is Changing がポップ路線ながらもなかなか聴かせる、Meditations という男女 3 人のグループで歌われたもの。Ames Harris Desert Water Bag Co. の People はメッセージ性の強いファンク・ナンバー。打って変わって Checking Myself は甘いミディアム・バラード、親しみを感じるメロディーでスウィート・ソウル・ファンなら気に入ってもらえるだろう。そして、女性グループ Georgettes が Yodi の最後のシングル、ポップなアップ・テンポ・ダンサーとまったりとしたバラード。以上、オブスキュアな曲が並ぶ。約半数がファンク・ナンバーだし、ソウル・ファンに人気のある曲や知られざる傑作があるわけでもない。多分、既にこれを手にしている人はまめに CD コンピを買っている方でしょう。私もその 1 人、正直言って、他に聴くべきものはたくさんある。しかしながら、Allan Merry と彼を支えたスタッフ、そして音楽を通して未来が開けた若者たちがいたことを知るには貴重な記録。そういう思いで聴くと、1 曲 1 曲に重みが増す。私が拙い文章で紹介させていただいた所以である。
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来週は「アルツハイマー」です。本年最後となりますので、たくさんの方々のご来場をお持ちしています。
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SOUL 45  BLUE ROCK
2008 / 11 / 28 ( Fri )
Otis Leavill / Let Me Live (Blue Rock 4063) - 1968
楽ソウル (p.79) で押した Columbia に負けず劣らず、さらに、嬉しいことにリーズナブルな値段で買えるグレートな音盤。Billy Butler が曲を書き、Gerald Sims がプロデュース。地味なイメージを覆す颯爽としたモダンなアップ・テンポ。滑らかなテナーが熱を帯びて突っ走る、シカゴ・ソウル・ファンでなくても大興奮間違い無し。さらに、フリップのミディアム It’s The Same Old ではファルセットで男の色気を振りまいてくれる。なお、Blue Rock では 65 年に 3 枚のシングルを立て続けにリリース、王道シカゴ・ソウルにこだわる方ならどれも聴き逃せない内容だ。
Kenny Carlton / Lost And Found (Blue Rock 4054) - 1968
既に Sound Off で紹介済み。60 年代、NY を中心にイースト・コーストでソング・ライター&プロデューサーとして手腕を発揮した若き天才 Van McCoy、68 年に彼が新設した V.M.P. プロダクションで制作されたシングル。Van McCoy が送り出したあまたの名曲の中でも十本の指に入る傑作ノーザン・サウンド。輝くばかりのビートとハリのあるヴォーカル、スムーズな展開にいつの間にか気分も高揚。メロディーは軟派でポップだが、それがかえってこの盤の個性を際立たせている。ウラの Wait Till I Get You In My Arms は先に Major Lance (Okeh 7284) が歌っている曲。ベテランの風格さえ感じさせる Kenny さんだが、シングルはこれ 1 枚きり。
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The Brothers Of Love / Yes I Am (Blue Rock 4057) - 1968
Tommy Keith が在籍していたグループ。Blue Rock、Intrepid、Mercury に各 2 枚 (Mercury の 1 枚は Blue Rock の再発) あり、これがファースト・シングル。制作が Jesse James、アレンジは Bobby Martin、テンプスをフィラデルフィアに持ってきたような感じかな。ミディアムのダンサー、少々軟派な Tommy Keith のヴォーカルもなかなかの冴えをみせてくれる。この曲、Intrepid 75026 で再度リリースされているが、ヴァージョンが違い、メインで歌っているのも Tommy じゃないような。音のまとまりなら Blue Rock、ヴォーカルは Intrepid かな、好みが分かれるところだろう。全く人気の無いグループ、どのシングルも買いやすいが、ハズレは無い。
The Leaders / You Are The One I Love (Blue Rock 4060) – 1968
「ノーザン・ソウルって、どんなの?」 と聞かれたら、いの一番にかけるポップ・ノーザンの代表曲。これもミニコミで取り上げたシングル、新ネタが無くてすいません。Adam’s Apple (Brunswick 78025) というグループが先に歌っていて、制作スタッフは同じなのにタッチは若干違う。バッキング、ヴォーカルともに弾けっぷりが良くて、Adam’s Apple の方が私は好き。Blue Rock はカッティングやプレスが良くないものが多いので損をしているのかもしれないな。
blue rock 2 
The Adventurers / Something Bad [Is Happening] (Blue Rock 4071) – 1968
The Adventurers / Easy Baby (Compass 7010) – 1967
こいつもミニコミで書いたなぁ、15 年前なので、お許しくだされ。Ran-Dee、Music World にもシングルがあり、CD レビュー BLACK GOLD: SOUGHT AFTER SOUL (UK Castle) でも触れた NY のグループ。Blue Rock の Something Bad はのどかなミディアムで疲れた心を癒してくれる、グループ・ソウルでしか味わえない優しさと温かみにあふれているね。どんな方々なのか気になるところだが、後に The Chosen Few (Maple) のメンバーとなった Gerald Perry と Mac Williams に、ライターに名前のある Eddie Johnson と James Wicker の 2 人を加えた 4 人組だろうか? Johnny Brantley がらみのグループで、New World と同様、このシングルも Vidalia プロダクションで制作されている。Blue Rock の中では珍しく買いにくい 1 枚だが、次の Compass 盤はさらにレアで困りものだ。マニアックなノーザン・アップで、テンプスの影響も見え隠れ。ファンキーなヴォーカルと勢いのあるサウンドとのバランスが微妙で不思議なグルーブ感を醸し出している。胸の動悸がなかなか治まらなくて、ちょっとヤバイ。曲のクレジットは Perry – Johnson – Wicker でプロデュースも Perry & Johnson、歌うことだけでなく才能のあったグループのようだ。なお、Blue Rock のフリップ・サイド Nobody Can Save Me では Easy Baby を少しクールに改作、スリルが無くなってしまったのがちょっと残念。
blue rock 3
Blue RockはMercuryの系列ソウル・レーベル、1964から1969年、80枚程度のシングルをリリースしている。CDコンピとしては、Lost and Found : The Blue Rock Records Story (Mercury 314558273-2) があり、2枚組みで60曲収録。Compass のThe Adventurers とThe Leaders以外はそこで聴くことができる。
Easy Baby # Northern Soul Time (Goldmine GSCD 77)
10:27:43 | SOUL 45 | コメント(1) | page top↑
楽CD  ELLA WASHINGTON (SOULSCAPE)
2008 / 11 / 23 ( Sun )
ELLA WASHINGTON / HE CALLED ME BABY (UK SOULSCAPE SSCD 7014)
1. I Can't Afford To Lose Him (Sound Stage 7 # 2597) 2. Starving For Love (Sound Stage 7 # 2611) 3. I Done Made It Up In My Mind (Sound Stage 7 # 2611) 4. He Called Me Baby (Sound Stage 7 # 2621) 5. You're Gonna Cry, Cry, Cry (Sound Stage 7 # 2621) 6. Stop Giving Your Man Away (Sound Stage 7 # 2632) 7. The Affair (Sound Stage 7 # 2632) 8. I Want To Walk Through This Life With You (Sound Stage 7 # 2642) 9. Fragile [Handle With Care] (Sound Stage 7 # 2642) 10. Doing The Best I Can (Sound Stage 7 # 2650) 11. Sweeter And Sweeter [Ray, Ray, Ray] (Sound Stage 7 # 2650) 12. All The Time (Sound Stage 7 LP 15007) 13. This Bitter Earth (Sound Stage 7 # LP 15007) 14. Sit Down And Cry (Sound Stage 7 # LP 15007) 15. He'll Be Back (Sound Stage 7 # 2659) 16. I Don't Care About Your Past (Sound Stage 7 # 1501) 17. It Must Be Love (Sound Stage 7 # 1501) 18. Too Weak To Fight (Sound Stage 7 # 1507) 19. If Time Could Stand Still (Sound Stage 7 # 1507) 20. Nobody But Me # 21. I'm Losing The Feeling # 22. Mission [That's Feeling] # 23. What A Fool I've Been [For Loving You] # 24. Deeper # 25. I've Got To Have You [It's All Over] # 26. Pride # 27. We Paid The Price # 28. You Got It #
# unissued 2008 Notes : John Ridley

Sam Baker に続く UK Soulscape の The Legendary John Richbourg Sessions 第 2 弾。女性サザン・ソウル・シンガーの草分け的存在 Ella Washington の待望の単独 CD アルバムだ。VividのSoul Bag Vol.2 – Ella Washington / He Called Me Baby (楽p.263) や Charly の Sound Stage Seven Story (楽p.262)、さらにジャケットの冴えない 16 曲入りの CD なんていうのもあったが、これがまさしく決定盤。万が一、Sam Baker には手が出なかったっていうサザン・ソウル・ファンがいらっしゃったら、申し訳ないが、これだけは買ってもらわないといけません。フロリダはマイアミ生まれの Ella Washington、デビューは 66 年、フォート・ローダーデール (マイアミに近い) のローカル・レーベル Octavia から 2 枚のシングルをリリース。その後、67 年から 72 年まで、ナッシュヴィルの Sound Stage 7 に籍を置き、10 枚のシングルと 1 枚の LP を発表。本 CD では Sound Stage 7 音源をほぼカヴァー、さらに未発表も 8 曲 (4 曲はここで初めて聴けるもの) あって、コンプリート・コレクターも満足させてくれる至れり尽くせりの内容だ。1 曲目から泣けとばかり、Sound Stage 7 でのデビュー作となる I Can't Afford To Lose Him、これは私が最も好きな曲。一途なメロディーラインに感極まったヴォーカルが辛すぎる、涙無しには聴けない失意のサザン・バラード。Chips Moman のアメリカン・スタジオ録音、曲を書いたのが Bobby Womack、印象的なリフを奏でるギターも Bobby が弾いているようだ。楽本のシングル・レビューで取り上げなかったのが今でも悔やまれる。Baby Washington (Cotillion 44047) もカヴァーしているが、ちょっぴりモダンなそちらもなかなかの出来ばえ。続く、Starving For Love も切なすぎ。John Richbourg に彼女を紹介した Paul Kelly の曲、胸が張り裂けんばかりのディープ・バラード、ここでは重厚なホーンが Ella を後押ししてくれる。He Called Me Baby は Harlan Howard の She Called Me Baby (62年、Capitol 4682) を原曲とするカントリー・ソウル。Sound Stage 7 らしいナンバーで、アメリカン・スタジオのバックも味わい深い。後に Candi Staton (Fame 1476) も歌っている曲。この He Called Me Baby がヒットしLP も制作、収録曲は 2, 4, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14 の 11 曲、主にナッシュビルで録音されたもの。LP はステレオ録音だが、本 CD ではモノ・ヴァージョンが収められている。ちょっと異色なのが Stop Giving Your Man Away、軽快なミディアム・アップ、ライターにシカゴの Karl Tarleton の名前がある。I Want To Walk Through This Life With You は SSS International のライティング・チーム Margaret Smith & Myra Lewis 作の王道サザン・バラード、これは Johnny Adams (SSS Int. 809) よりも先のリリース。私は Johnny Adams の方が好きだが、Ella のヴァージョンもまた違った魅力があって捨てがたい。The Affair、Fragile、Sweeter And Sweeter は John R のスタッフであった Allen Orange と Bob Wilson が手掛けたもの。ブルージーなバラード Doing The Best I Can も悪くないが、シングル・リリースのなかった Clyde Otis & Lou Stallman 作の Sit Down And Cry が圧巻だ。オリジナルは Jean Wells (Calla 147) で Aretha Franklin も LP で取りあげている曲。70 年に発表された8枚目のシングル He’ll Be Back では声に艶も増し、力のこもったバラードを熱唱。フリップ・サイドの I Don't Care About Your Past は出色のファンク・ナンバー、歌が上手いというイメージはあまり無かったが、これには参った。Must Be Love もいつになくしっとりと迫ってくれる。最後のシングルとなる Too Weak To Fight は Clarence Carter のカヴァー、Jackey Beavers のプロデュースで Fame 録音、余裕を楽しむかのようなパフォーマンスが良いではないですか、彼女のアップではベストでしょう。一方、If Time Could Stand Still はいかにも 70 年代の南部サウンドといった風情のシックなビート・バラード。歌手として磨きがかかりつつあった Ella だが、以降レコーディングは無く、残念ながらゴスペルの世界に入ってしまう。なお、シングル曲で CD 未収録が 2 曲あり、Sweet Talkin’ Candy Man (Sound Stage 7 # 2659) はファンク、Trying To Make You Love Me (Sound Stage 7 # 2665) はファンキーなアップ・ナンバー。気になる未発表 8 曲だが、20 と 23 曲目は Vivid 盤に、21 と 22 曲目も他の CD に既に収録されていたもの。Nobody But Me はブルージーなバラード。デモ録音の I'm Losing The Feeling は Gwen McCrae (Columbia 45684) の曲。What A Fool I've Been [For Loving You] は Fame 録音、Deeper と I've Got To Have You [It's All Over] もマッスル・ショールズ、この 2 曲がラストのセッションとなる。そして、最後に控えた 2 曲が素晴しい。We Paid The Price はメンフィス、アメリカン・スタジオ作品だろう、からっとした歌いっぷりが光る粘っこいミディアム・ナンバー。Paul Kelly が曲を書いている You Got It はさらに古く、67 年初めの録音のようだ。Ella が苦しげに声を絞り出してくれる、まことにグルーヴィー、ちょっとファンキーなサザン・ジャンプでかなりそそられるね。全 28 曲、シンガーとしてのレコーディング・キャリアは 8 年に満たないが、ひたすら南部のソウルを歌ってくれた女性。Sound Stage 7 以前のシングルについても簡単に触れておこう。Octavia からのリリースは 2 枚。地元マイアミの Clarence Reid や Paul Kelly の後押しもあってのデビューだったようだ。生年月日がはっきりしないが、かなり声が若いので、多分十代中頃であったと推測 (CD ジャケットや LP の写真も少女といったかんじだし)。Octavia の 1 枚目 Nightmare (Octavia 0002) では Clarence Reid が曲を書いているが、これは珍しいシングルで聴けていない。翌年リリースされた Bye Bye Baby (Octavia 0003) は Paul Kelly の曲で、Atlantic からも発売されている。リズミックなジャンプ・ナンバーでノーザン・ファンの人気が高い。Octavia のシングルもいつの日にか CD 化されることを期待したいところだ。Soulscape のこのシリーズ、今後が楽しみ。Lattimore Brown や Moody Scott も P-vine 盤やオーストラリアの AIM 盤を上回る内容でのリイシューをお願いしたい。
ella washington cd
13:04:26 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
アルツハイマ―のお知らせ
2008 / 11 / 23 ( Sun )
alz1206.jpgもう冬ですね、ソウルで暖まりましょう。
ソウル・イベント「アルツハイマ―」のご案内です。
日時:12月6日(土) 午後5時~11時
場所:ダイニングバー「カピターノ」CAPITANO
    新宿区西早稲田1-6-3筑波ビル1F 
    ☎ 03-3207-4774

当日、販売用シングル盤を少し持って行きます。
新譜とベーシック盤です。こっそり売りますので、興味のある方はお声かけください。

11:34:48 | イベント | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  COLUMBIA
2008 / 11 / 22 ( Sat )
毎回、どのシングル盤を取り上げようかと迷ってしまうので、しばらくはメジャーを中心にレーベル単位で紹介することにします。今回はColumbiaで。

Rick Thompson / We All Make Mistakes Sometimes (Columbia 44880) – 1969
南部人とはまた違った説得力十分のサッドネスに胸が詰まる、やるせなさテンコ盛りのテンダーなバラード。ライターに B.Frazier とあり、Billy Frazier のことだろうか。方や、フリップの What Do I Have To Do は UK で人気があるミディアム。侘び寂のあるヴォーカルがくっきりと映え、恥ずかしながら優しい気分になっちゃう。シングルがこれ 1 枚というのが残念なシンガーだ。
Donald Wilson / I’ve Gotta Get Myself Together (Columbia 45044) – 1969
NY のシンガー? この人も全く情報が無い。Columbia に 3 枚のシングルがあり、これがベスト。甘く哀愁を含んだビート・バラード。思い入れたっぷりの泣き節で迫ってくれる。
columbia 4
Dee Clarke / In These Very Tender Moments (Columbia 44200) – 1967
1938 年の生まれで Ben E. King とは同い年、シカゴでは Jackie Wilson が先輩格にあたる。ドゥーワップ・グループからソロに転向し、58 年、Nobody But You でブレイクした Dee Clarke。若くしてスターとなり、活躍時期が 60 年前後、何となく古いタイプのシンガーというイメージで、今では忘れ去られつつあるヒット・シンガーの 1 人と言えるかもしれない。これは Abner、Vee Jay、Constellation に続くシングル。すっかり影が薄くなってからの作品だが、見過ごされるには惜しい渋いミディアムのバラード・ナンバー。Robert Banks 等同じ制作スタッフで Columbia にシングルがあるアリゾナのソウル・デュオ Eddie & Ernie が曲を書いているのが興味深い。なお、ディープ・ファンには Don Covay が制作に携わっている悶絶アーリー・バラード I’m Going Home (Constellation 108) もお薦め。
Jimmy Bailey / Hush (Columbia 43408) – 1965
J.R.Bailey です。この人も 50 年代ヴォーカル・グループの出身。MAM と UA から LP も出していて、Love Won’t Wear Off (Calla 158) なんていう好曲もあるが、歌手としてよりもソング・ライターとして名声が高い。Columbia から Jimmy Bailey でソロ・デビュー、5 枚のシングルがあり、注目度はさらに低くゼロに等しい。ところがどっこい、制作スタッフが充実、意外にも 60 年代中頃の良質な NY サウンドが楽しめる好盤が多い。これは 3 枚目で、ライターが Ashford & Simpson と Jo Armstead、でアレンジメントが Horace Ott、溌剌としたリズム・ナンバーながらも、どことなくおっとりとしたところが私は気に入っている。フリップの If Goodbye Means Gone も一段と明るい調子のミディアム・ダンサー。裏と表で世の中の憂さを晴らしてくれる。1 枚は未聴だが、バラードは弱く、Bailey 自身と Vernon Harrell が曲を書いている Sam Cooke 調の Happy Train (Columbia 43602) 等テンポのあるものに見るべきものが多い。
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Turley Richards / I Just Can’t Take It Any Longer (Columbia 43667) – 1966
ウエスト・ヴァージニア出身の Turley Richards は盲目の白人シンガー・ソング・ライター。NY 録音で Columbia に 3 枚のシングルがあり、私の持っていない I Feel Alright (Columbia 44079) が人気ナンバー・ワンのダンサー。インパクトの強さでは負けるが、このミディアムも並ではない。ノーザン・ファンでなければ、こちらの方を良しとする人も多いはずだ。ちょっとシカゴっぽいサウンド、男らしく精悍な歌いっぷりに惚れ惚れ。この人にとっては肌の色など関係ないのだろう、ストレートにシャウトしてくれるところが好ましい。なお、このシングル、ピクチャー・スリーブ付のものもあり。堂々としたバラード I’m A Lonely Man (Columbia 44079) も文句無し。私は聴いていないが、71 年に発表した Expressions (Warner Brother) という LP が知られている。
The Eddy Jacobs Exchange / Can’t Seem To Get You Out Of My Mind (Columbia 45174) - 1970
シカゴの Eddie Jacobs のシングルで、楽ソウル (p.69) でも触れたもの。Ashford & Simpson が曲を書き、Billy Jackson がプロデュースした軽快に跳ねるダンサー。伸びのあるヴォーカルが素晴しい。ちょっと曲調が落ち着かないと言うなかれ、じっくりと聴かせどころもあって、欲張りなつくり。
columbia 3
01:14:26 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  J&S HARLEM SOUL (KENT)
2008 / 11 / 17 ( Mon )
J&S HARLEM SOUL (UK KENT CDKEND 306)
1. She Said I'd Be A Failure / Clarence Ashe (J&S 8719) 2. I Pray To Keep Our Love Strong / Johnnie & Joe (J&S 28788) 3. Life Of Love / Freeman Brothers (Sprout 425) 4. Say You Love Me / The Relations (Zell’s 712) 5. The Dream I Had Came True / Dicky & Billy (J&S 16209) 6. I Want To Be Close To You / Jimmy Armstrong & The Pins (Zell’s 1008) 7. The Leaf Is Just Like Me / Catha Morrison (J&S 9910) 8. Money, And All Your Love / Freda Allyne (J&S 4423) 9. It Doesn't Matter / Neice Dezel (J&S 8718) 10. You Haven't Been Like You Should / The Gillettes (J&S 1674) 11. I Won't Ever Try To Change You / Henry Hodge (Zell’s 711) 12. I'll Do It For You / Little Willie (Sprout 1620900) 13. You Needn't Tell Me / Sity & James (Sprout 992) 14. Don't Let Me Down / The Hearts (Zell’s 3378) 15. Be My Boyfriend / The Jaynetts (J&S 16209) 16. Let Your Mind Do The Walking / Johnnie & Joe (J&S 42832) 17. I Got A Feeling / Dicky & Billy (J&S 16209) 18. I'm A Working Man Who Needs A Good Woman / Clarence Ashe (J&S 8719) 19. 24 Hours Of The Day / The Gillettes (J&S 1319) 20. Stay Away From My Baby / Taffie Lee (Zell’s 256) 21. Every Night The Same Time / Johnnie Richardson (Sprout 711) 22. Ha Baby, I'm Coming On Back / Lee Pratt (J&S 42833) 23. Dancing In A Dream World / Jimmy & Arthur (J&S 1485) 24. Let Sleeping Dogs Lie / Miss Johnnie (Zell’s 3379) 2008  Notes : Ady Croasdell

誰もが手に取ってしまいそうな可愛いジャケット。マンハッタンの絵地図があしらわれ、黒人街のハーレムが真ん中に黄色く囲われている。このハーレムを拠点として数多くのシングル盤を世に送り出した人物がアラバマ出身の Zelma “Zell” Sanders という黒人女性、本 CD コンピの主人公である。ライナーのいかつい写真を見て、私は男かと思ってしまった。あまりお近付きになりたくないタイプだが、やり手で肝っ玉の据わった方だったのだろう。Baton レーベルの女性グループ The Hearts のマネージャーで、56 年の J&S を皮切りに、Scatt、Dice、Zell’s、Sprout、Omega といったレーベルを立ち上げ、20 年近く音楽ビジネスに携わり、76 年に亡くなられている。彼女が抱えていたタレントでは、男女デュエット Johnnie & Joe (JohnnieはZelmaの娘) や女性グループのThe Hearts、The Clickettes が知られている。Johnnie & Joe の I’ll Be Spinning がシカゴの Chess から配給されヒット、インディーながらもその存在感は大きかった。女性シンガーを精力的に売り出し、ガールズ R&B の代表的レーベルと言っても良いかもしれない。初期の制作スタッフには Rex Garvin の名前もあり、The Hearts には一時期 Baby Washington も参加している。Zelma Sanders 関連の CD コレクションは既に 4 枚リリースされており、Johnnie & Joe / I’ll Be Spinning : The J&S Recordings (ACE CDCHD 1138)、The J&S Years by Baby Washington & the Hearts (ACE CDCHD 1089)、The Clickettes Meet The Fashions (UK ACE CDCHD 1095)、J&S Zell’s Baton And Dice Recordings 1955-1970 (ACE CDCHD116) で主なシングルについては聴くことができる。さて、本題のこのコンピレーション、1 曲だけ 73 年の作品があるが、他は全て 62 から 70 年に J&S、Zell’s、Sprout からリリースされたシングルが収められている。NY では Scepter、Big Top、Musicor、Bobby Robinson の Fire や Fury、Hy Weiss の Old Town に比べると陰が薄くなってしまった頃のもので、Zelma の黄金期以降の作品集となる。でも、シングル音源を聴いている方ならご承知のとおり、商業的成功とクオリティーは必ずしも一致するものではない。過去の流れでポップなものもあるが、ディープでソウルフルな楽曲が多い。これまであまり注目されてこなかったレーベル、珍しいものもあって、私にとっては貴重でありがたい企画。主に 60 年代中頃の作品、古いのは苦手という方でなければ、十二分に楽しめるコンピレーションではないかな。それでは、楽本で取りあげたシングル、シンガーから紹介していこう。まず1 曲目、Clarence Ash の She Said I'd Be A Failure、楽ソウル (p.8) で取りあげた彼のベスト・シングル。ライナーによれば、この人、アラバマのシンガーのようだ。3 曲目、Johnny と Jerry の Freeman Brothers (楽p.179)、Sprout の Life Of Love は楽ソウルでは無視して良いシングルと口が滑ってしまったが、You Got Me On A String (International Allied 501) のようなディープ・ソウルを期待してはいけないということなので、そこのところよろしく。The Relations は Jackie & The Umpires や The Relatives の名前でもシングルのある私の大好きな NY のローカル・グループ。収録曲は楽ソウル (楽p.190) でも推奨のドゥーワップ調のダンシング・バラッド、辛いヴォーカルに涙です。Dicky & Billy の The Dream I Had Came True (楽p.161) もディープ・ファンなら文句なし、フリップの I Got A Feeling もちゃんと収録されているのが嬉しいね。この 2 人、正体が気になっていたが、ライナーでも明らかにされていない。レーベルに名前のある Melvin Ragin は Wah Wah Watson の本名で、モータウンのバック・ミュージシャンとしても活躍しているギタリスト。Jimmy Armstrong の I Want To Be Close To You は再発の Stop 盤が出回っているが、オリジナルの良い音で聴くことができる。ソウル・ファンには人気が薄い J&S の看板 Johnnie & Joe は 68 年の I Pray To Keep Our Love Strong と Let Your Mind Do The Walking の 2 曲が収録されている。前者はロマンティック、Marvin Gaye & Tammi Terrell の NY 版といった風情。後者は Rex Garvin が制作した重量感のあるミディアム・ナンバーだ。The Jaynetts は Sally Go Round The Roses のヒットもある、メンバーの入れ替わりが激しく、Be My Boyfriend では Johnnie & Joe の Johnnie Richardson がリードをとっている。制作は Dicky & Billy と同じく Melvin Ragin & Toussaint Thompson、ホーン・アレンジが面白いガールズ・ノーザンの佳曲である。Johnnie については、ソロでも 2 曲聴ける。Every Night The Same Time は軽快なダンサー。それよりもラストに収められた Miss Johnnie 名義のバラード Let Sleeping Dogs Lie の方が好き、あまり歌える女性ではないが、健気さがけっこう沁みる。残る曲は初めて聴くものばかりだ。73 年作の Catha Morrison はライナーに Doris Duke の To The Other woman を思い起こさせるとある。Freda Allyne の R&B ダンサー Money, And All Your Love はヴォーカルよりもバッキングが目立っているね。ワン・シングルのみの無名の女性ばかりだが、Neice Dezel には Rita Zell の名前でもシングルもある。It Doesn’t Matter はぬるいテンポのダンサー、粘っこいヴォーカルが堪らない。お安いシングルのよう、見つけたら買わなくちゃ。男性グループ The Gillettes の You Haven't Been Like You Should がさらに良い、でもこちらは珍しそう。65年の作で Horace Ott のアレンジメントが光るテンダーなミディアム・ナンバー、ヴォーカル・グループのメッカであったハーレムの伝統に則ったような品のある曲。このグループのもう 1 枚 The Same Identical Thing (J&S 1391) も Northern Soul’s Classiest Rarities 3 (Kent CDKEND 295) で聴けます。Henry Hodge は勇ましくて Chuck Jackson タイプ、女性コーラスをバックに素晴しい歌いっぷりを披露してくれる。続く Little Willie も 1 枚しかシングルの無いオブスキュアなシンガー。I'll Do It For You は 62 年のリリース、いかにも NY のダンス・ナンバーといった感じ、ほのぼのと馴染みのある曲調で、渋い喉に痺れっぱなしだ。これもかなり珍しいブツではないかな。The Jaynetts と同じく The Hearts もメンバーの変遷が複雑、Don’t Let Me Down でリードをとっているのはゴスペル声のシンガーだ。Sity & James は男女のデュエット、R&B 好きのノーザン・ファンならイケるかもしれない。ポップな R&B ダンサーを歌う Taffie Lee はかなり若そう。Freddie Scott の名前がライターにある Lee Pratt は NY スタイルのビート・バラード。そして、このコンピで最もインパクトがあったのが Jimmy & Arthur の Dancing In A Dream World、この曲、Clarence Ash (J&S 13173) も歌っている古めかしい曲調のバラードだが、情感もたっぷりと、ぐっとソウルフルでディープに仕上がっている。このシングル、うかつにも全く見逃していた。気になるソウル・デュオ、ウラの曲も聴いてみたかった。以上、全 24 曲、Zelma Sanders関連のソウル・シングルはほぼ網羅されている。たまにはニュー・ヨークで盛り上がろうではないですか。
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SOUL 45  BULL / TYRONE THOMAS / EDDIE SULL
2008 / 11 / 13 ( Thu )
Bull / In The Meantime (Bell 45,186) - 1972
もう 15 年位前になるかな。あるコレクターの方からテープをいただいたことがある。イギリス人には珍しくスウィート・バラードを中心に選曲したもの、なかでも印象に強かったのが Alton Jackson & Larry Bailey の Believe In Me とこの In The Meantime だった。コーラスも付いてグループ仕様のミディアム・バラード。まったりと甘いメロディー・ラインに悲哀に満ちたヴォーカルが谺する。恋人と聴くには侘しすぎ、一人夜のお供が似合うかな。何故か、曲調におかまいなく敲きまくるドラムスがやんちゃでホッとする。フリップの Bygone は UK で人気のあるダンス・ナンバー、爽やかなヴォーカルがいい味を出していると思うが、ポップすぎて軟弱だとおっしゃる方もいるであろう。シングルを手に入れたのは 10 年ぐらい前、レーベルを眺めていたら、ライター名が James “Bull” Parks となっている。68 から 69 年にかけて、シカゴの Toddlin’ Town に3枚のシングルを残している Bull & Matadors のブルさんではありませんか。Bull の Bell 盤は珍しいが、グループのシングルは安く買える。Karl Tarleton がプロデュースした I Can’t Forget (Toddlin’ Town 116) は軽快なテンポのベーシック・ノーザン、全身ワクワクゾクゾク、歌いっぷりも良くて一時期よく聴いていたシングル盤だ。もう 1 枚、If You Decide / Love Come Down (Toddlin’ Town 123) も両面ナイスです。
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Tyrone Thomas / You’re Hardly Gone (Polydor 2146) – 1980
ヴァージニアのバンド The Whole Darn Family のリーダーでもあったお方、76 年にリリースされた Has Arrived (Soul International) の LP で有名だ。アトランタでレコーディングされ、August Moon (O-Gee にレア・シングルがある) も制作に関っていたアルバム。Fly Away Love Bird のシングルを残し、私はとっくの昔に売り払ってしまったが、Seven Minutes Of Funk というインストゥルメンタルがファンク・ファンには人気があるようだ。一方、こちらはモダン・ソウル・ファンに有名なシングル、No Good Man の SF 盤が多く、レギュラー・イシューは珍しい。多分最高値でつかんでしまったという記憶があり、私の点数はちょっと辛く 80 点ぐらいかな。ディスコ・サウンドとは一線を画すおしゃれで粋なダンサー。かなり歌えるシンガー、それもそのはず Little Tommy の I'm Still Hurt / Baby Can’t You See (Sound Of Soul 104) はこの人の若き日のレコーディングだ。
tyrone tomas
Eddie Sull / I’m Looking For My Baby (Marc 102, Renee 115)
これは楽ソウル (p.116) でも紹介したもの。The Classic Sullivans の Eddie Sullivan が唯一ソロで残したシングル。2 種類のリリースがあり、Marc 盤を買った時、リストに rare first Chicago release before Renee と書いてあったので、ずっと Renee 盤は Marc の再発と思い込んでいた。ところが、最近聴き直して、別テイクであることに気が付いた。ヴォーカルも微妙に違うような気がするが、バックが明らかに違っている。Marc 盤にはホーンが入っていて、Renee 盤はホーン無し。Renee の別テイクに Marc は後でホーンを被せたものではないかと推測される。騒ぐほど出来に大差はないが、ドラムの音がシャープに聴こえる Renee の方が好きかな。それにしても、コブシをブンブン振り回すヴォーカルがまことに天晴れ、ディープ・ファンにもお薦めしたい小気味好いダンス・ナンバーだ。フリップの Tell The Whole World About It も Marvin Gaye と Sam Cooke が見え隠れするミディアムで、楽しくなれる。
eddie sull
17:28:43 | SOUL 45 | コメント(3) | page top↑
楽CD  TAKE ME TO THE RIVER / A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977 (KENT)
2008 / 11 / 10 ( Mon )
southern soul story
UK Kent が企画した Southern Soul のコンピレーション、3 枚組で全 75 曲。多くのレーベル・ライセンスを持っている ACE / KENT だから実現できた真っ向正面の試み、貴重な写真が掲載されたライナー・ノーツも 72 ページと力の入れようも並大抵ではない。当然、ベーシックなナンバーも多く、ここでしか聴けないものは少ない。一瞬、私も買うのを躊躇してしまったが、ひとつひとつの曲を楽しむということではなく、企画を楽しませていただこうと購入させていただいた。最初に、サザン・ソウルという言葉が気になる、その定義というのはノーザン・ソウル同様曖昧、人それぞれ違うであろうし、違っていけないものでもない。まずは、本 CD でサザン・ソウルをどうとらえているのか興味のあるところだ。ライナーの前書きによれば、本コンピが “THE” SOUTHERN SOUL STORY ではなく ”A” SOUTHERN SOUL STORY となっているのは、75 曲それぞれにサザン・ソウルを語ってもらおうということから。従って、その定義について多くを記してはいない、ブルースとゴスペルをバック・ボーンとし、主に南部で制作されたソウルというぐらいの説明でとどめている。選曲にあたっては、録音場所をテネシー (メンフィスやナッシュヴィル)、アラバマ (マッスル・ショールズやバーミンガム)、ジョージア (アトランタやメイコン)、フロリダ (マイアミ)、ルイジアナ (シュリーヴポート)、ミシシッピ (ジャクソン) に限定。テイストが違うので、アリゾナとテキサスは除き、同じ理由でルイジアナでもニューオリンズは除いている。61 年から 77 年のレコーディングがほぼ年代順に聴け、サザン・ソウルの誕生から全盛期を経て終焉に至るまでを俯瞰できる内容となっている。ヒット・ナンバーは勿論、ヒットはしなかったがクオリティーにおいて引けをとらない曲、さらに当時未発表であったものも何曲か収録。ワン・アーティスト 1 曲を原則に、例外もありとしている。それでは、全体のイメージをつかむためにさらに細かく見てみよう。ライナー・ノーツにはそれぞれの曲について録音場所が明記されている、こういう配慮ってありがたい。数えてみると、メンフィスが 27 曲 (うち、Stax のマクレモア・スタジオ 9 曲、Willie Mitchell の Hi 8 曲、Chips Moman のアメリカン・スタジオ 4 曲、Sounds Of Memphis 3 曲、その他 3 曲)、ナッシュヴィルが 2 曲、マッスル・ショールズが 32 曲 (うち Rick Hall の Fame 13 曲、Quin Ivy の Sheffield スタジオ 9 曲、その他 10 曲)、バーミンガムが 2 曲、メイコンが 4 曲、シュリーヴポートが 3 曲、ジャクソンが 2 曲、マイアミ、サウス・カロライナ、カリフォルニア (オークランド) が各 1 曲。メンフィスとマッスル・ショールズで 59 曲となり、全体の 8 割を占める。ジャクソンの Malaco やアトランタ音源については主に Soulscape (Grapevine) が CD 化、Sound Stage 7 については権利が無いという事情を考慮しても、かなり偏っているが、やはりサザン・ソウルと言えばこの 2 つの拠点ということなのだろう。ローカルな録音はほとんどなく、バック・サウンドが素晴しいものばかりなので、日本のサザン・ソウル・ファンにはすんなり受け入れられる内容だ。スタイル別では、男性 54 曲、女性 12 曲、男性デュオ 4 曲、男性グループ 2 曲、女性グループ 2 曲、男女グループ 1 曲。ディープ・ソウル全般をコンパイルした故 Dave Godin 氏の名アンソロジー Deep Soul Treasures (楽p.198) よりも圧倒的に男性ヴォーカルが多い、これも南部という地域性なのか、女性シンガーが台頭するのは70年以降となる。録音年の分布は、61 から 65 年が 6 曲、66 年 6 曲、67 年 15 曲、68 年 10 曲、69 年 4 曲、70 年 8 曲、71 年 7 曲、72 年 7 曲、73 年 5 曲、74 から77年が 7曲。アーリーなものは数曲しかない。NY、シカゴ、デトロイト、LA といった北部に比べると、アメリカ南部は音楽ビジネスにおいて遅れをとっていた。お金をかけてプロモーションできるメジャー・レーベルも存在せず、60年代初めにおいては、本格的なスタジオや優秀なバックアップ・ミュージシャンも少なく、61年に William Bell の You Don’t Miss Your Water により誕生したサザン・ソウルも、そのマグマが爆発するのは Percy Sledge の When A Man Loves A Woman が大ヒットする66年まで待たねばならなかった。1 人で 2 曲収録されているのはWilliam Bell、Otis Redding、James Carr、Spencer Wiggins、Clarence Carter、Al Greenの6人、セールス面を考えれば、Spencer Wiggins は破格の扱い、ファンとしては嬉しいこだわりだ。コアなディープ・ファンにはレアな音源も気になるが、当時未発表は 8 曲。初 CD 化は Otis の Try A Little Tenderness の別テイクと Ollie & The Nightingales の 2 曲とちょっと淋しいが、企画の趣旨から言って致し方ないであろう。ここで、私が気になった曲について簡単にコメントしておきたい。では、Disk One から。Jimmy Hughes の Steal Away は 64 年 Fame スタジオで制作された初めての大ヒット。Joe Simon のみ南部ではなくウエスト・コースト録音となる、私の好むシンガーではないが、My Adorable One はサザン・ソウル・バラードの代表的メロディー・パターン、Warm And Tender Love 等につながる曲だ。驚いたのは白人シンガーの Charlie Rich、初めて聴く Sam & Dave のカヴァー When Something Is Wrong With My Baby、失礼しちゃうが歌はさておき HI のバックがことのほか素晴しい。このコンピを買って得をしたと思った 1 曲。Toussaint McCall の Let’s Do It Over は Fame 録音、オリジナルとなる Joe Simon (Vee Jay 698) とバック・トラックはほとんど同じ、地味なヴォーカルが泣ける。ソウル・デュオの双璧 James & Bobby Purify と Sam & Dave は曲の選びが良い。でも、O.V.Wright の印象が薄い、こういったコンピでこの人が目立たないのはイケません、Ace Of Spade を入れてほしかった。Otis Redding、James Carr、Aretha Franklin、Etta James はディープ・ソウルのスタンダード。オブスキュアなシンガー Jarvis Jackson と Al Johnson もサザン・ソウルの底力を見せ付けてくれる。Disk Two はさらに充実の 25 曲。Maurice & Mac、Don Bryant、Bill Brandon と続く最初の 3 曲、これでもかって感じで凄い。Shirley Walton の好ミディアム The One You Can’t Have は Stax の系列レーベル Enterprise からリリースされたもの。William Bollinger の Tell Him Tonight は今のところ XL のコンピには収録されていない、Rudolph Taylor (Roman 311) も歌っている哀愁を帯びた曲。Ollie & The Nightingales の未発表 A Smile Can’t Hide は 曲を書いている William Bell でシングル・リリース (Stax 0054) がある。Spencer Wiggins の Uptight Good Woman は Fame 録音、なんとも深みのあるバラードだ。沁みる名曲 I Forget To Be Your Lover は William Bell の Stax での最大のヒット・ナンバー。私が最初に買った James Carr のシングル That’s The Way Love Turned Out For Me が入っていて、懐かし気分に浸ってしまった。まさにサザン・ソウル・バラードの王道を極めた逸品だ。この調子でいくと話が長くなりそうだが、しばしご勘弁いただきたい。アメリカン・スタジオの Clay Hammond、フェイムの Candi Staton、クィンヴィーの Z.Z.Hill、サウス・カロライナの Kip Anderson も号泣もの、そして Barbara Brown がトドメを刺してくれる。ハンカチのご用意をお忘れなく。さらに追い討ちをかけるのが Thomas Bailey の Wish I Was Back と Jimmy Braswell の I Can't Give You My Heart、カルトなディープ・バラードの傑作である。Bobby Bland のカヴァーとなる Lead Me On、遅咲きながら、フロリダの実力ナンバー・ワン・女性シンガー Gwen McCrae が初めてソロで歌った曲。Disk Three は 70 年以降の作品となる。Marcell Strong の Mumble In My Ear はおそらく初の CD イシューであろう、後に Clarence Carter も取りあげている曲、Fame の美しいバッキングにのって歌われた汗臭さ満点のサザン・バラード。Spencer Wiggins の I Can’t Be Satisfied は Carl Sims の I Know How To Love A Woman (Beale St. 7501) と並び Dan Greer が制作した 70 年代サザンのチョモランマとエベレスト。Al Green、King Floyd、Mel & Tim、Frederick Knight、Luther Ingram 等前半はヒット曲で固められている。Bobby Newsome は 60 年代シカゴの The Vontastics というグループのメンバーだった人。収録曲はマッスル・ショールズで録音された唯一のソロ・シングル。Ann Peebles については LP でほとんど聴けるので、楽 SOUL では取りあげていなかったが、なにを隠そう大好きなシンガー。HI サウンドをバックに、しっとりと濡れた歌声がたまらず、ここではちょっと書けないことまで思わず口走ってしまいそうになるくらい。硬派でありながら、女を感じさせるということでは一番かもしれない、さりげないミディアム I'm Through Trying To Prove My Love To You も実に色っぽい。Millie Jackson は思いをストレートにぶつけてくれる。Quiet Elegance の Frankie Gearing はさらに情が深い。Tommie Young の熱唱には涙腺がゆるみっぱなしだ。60 年代裏方としてサザン・ソウルを支えた Bobby Womack がちゃんと収録されているのも嬉しいね。70 年代サザンのメロディー・メイカー Sam Dees、販権があるのなら、Can You Be A One Man Woman (Chess 2109) をお願いしたかった。Bobby Patterson と George Jackson は 70 年代のサザン・ソウルを代表するようなモダンな曲。Stax の最後の輝き The Soul Children の I’ll Be The Other Woman はゴスペルへの回帰と言えるかな。Chet Davenport の Take One Step も先祖返りみたい、Otis マナーで切々とやってくれる。マッスル・ショールズ録音で 74 年の未発表曲、この人、I Can't Get Over You (Toeholt 14708) というモダン・ソウル・ファンに人気のシングル盤もある。そして、Geater Davis で締めるとは渋すぎだぜ。以上、全 75 曲。楽曲の量と質もさることながら、印刷が綺麗なライナー・ブックレットはさすが UK Kent らしい丁寧で誠意を感じる仕事ぶり。ただ、選曲や解説に私が尊敬する John Ridley 氏が携わっていないのがちょっと残念かな。ここまで読んでくださった方、お疲れ様でした。後は蛇足です。ライセンスの制約があっての選曲なので、あれが入ってないじゃないかといった文句は極力付けなかったが、一つこだわりたいところがあるのだ。それは 1‐2 の Arthur Alexander の Go Home Girl、私ならこの曲は外す。60 年代初期のビッグ・シティー・ソウルに共通するビートのあるミディアム。70 年代以降の作品ならいざ知らず、これを初期のサザン・ソウルとして扱うのはいかがなものか、どうも違和感がある。ビート感覚の無いのがサザン・ソウルという気がするからだ。私も何となくサザン・ビートと言ってしまうことがあるが、そこではテンポやリズムのことを指しているつもり。サザン・ソウルではビートのかわりとなるものがコブシだと思っているのだが。理屈っぽいのが苦手だし、音楽の知識が乏しいので、言葉遣いが感覚的になってしまう、説得力が無くてすいません。簡単に言ってしまうと、サザン・ソウルでは身体が揺れるぐらいで、踊りにくいということ。UK のノーザン・シーンでは NY 系のビート・バラードが受け入れられるのにサザン・ソウルがほとんど話題にもされない所以。柄にも無く最後に文句をつけてしまった、これもあくまで私の個人的なサザン・ソウル感の一端にすぎない。いずれにしろ、シリアスなディープ・ソウル・ファンはもとより、これからサザン・ソウルを聴いてみようかという方にも最良のコンピレーションであることは間違いない。こういう企画は刺激があって楽しい。これを肴に、俺なら、Barbara Lynn、Don Varner、Lattimore Brown、Willie Hightower、Herman Hitson、Danny White も入れる、南部にこだわらず、Solomon Burke や Hoagy Lands も聴きたいよなと熱くなっているディープ・ソウル・ファンの姿が目に浮かぶようだ。
southern soul story 1 
TAKE ME TO THE RIVER / A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977 (UK KENT KENTBOX 10)
[Disc 1] 1. You Don’t Miss Your Water / William Bell (Stax 116) 2. Go Home Girl / Arthur Alexander (Dot 16425) 3. These Arms Of Mine / Otis Redding (Volt 103) 4. Steal Away / Jimmy Hughes (Fame 6401) 5. My Adorable One / Joe Simon (Gee Bee 077) 6. You’re Gonna Make Me Cry / O.V.Wright (Backbeat 548) 7. When A Man Loves A Woman / Percy Sledge (Atlantic 2326) 8. Losin’ Boy / Eddy Giles (Murco 1031) 9. Try A Little Tenderness [take one] / Otis Redding (unissued take of Volt 141) # 10. Something I Never Had / Jarvis Jackson (Sims 291) 11. Ninety–Nine And A Half [Won’t Do] / Wilson Pickett (Atlantic 2334) 12. Got To Make A Comeback / Eddie Floyd (Stax 194) 13. When Something Is Wrong With My Baby / Charlie Rich (Hi LP 418) # 14. The Dark End Of The Street / James Carr (Goldwax 317) 15. Let’s Do It Over / Toussaint McCall (P-Vine PLP 723) # 16. Do Right Woman, Do Right Man / Aretha Franklin (Atlantic 2386) 17. I Can’t Stand Up For Falling Down / Sam & Dave (Stax 218) 18. You Ain’t Woman Enough [To Take My Man] / June Edwards (South Camp 7008) 19. Let’s Face Facts / The Masqueraders (Wand 1168) 20. She Ain’t Gonna Do Right / James & Bobby Purify (Sundazed 11096) # 21. Bless Your Little Sweet Soul / Al Johnson (South Camp 7002) 22. Dirty Man / Laura Lee (Chess 2013) 23. Cover Me / Eddie Hinton (Zane ZNCD 101) # 24. You’re Gonna Miss Me / Reuben Bell (Murco 1046) 25. I'd Rather Go Blind / Etta James (Cadet 5578) 26. Without Love [There Is Nothing] / Oscar Toney Jr (Bell 699)
[Disc 2] 1. You Left The Water Running / Maurice & Mac (Checker 1197) 2. I’ll Go Crazy / Don Bryant (Hi 2143) 3. Rainbow Road / Bill Brandon (Tower 430) 4. The One You Can’t Have All By Yourself / Shirley Walton (Enterprise 004) 5. Tell Him Tonight / William Bollinger (Chess 1994) 6. A Smile Can’t Hide A Broken Heart / Ollie & The Nightingales (unissued) # 7. Uptight Good Woman / Spencer Wiggins (Goldwax 321) 8. I Forget To Be Your Lover / William Bell (Stax 0015) 9. I'll Make It Up To You / Clay Hammond (Kent 503) 10. Slip Away / Clarence Carter (Atlantic 2508) 11. That’s The Way Love Turned Out For Me / James Carr (Goldwax 338) 12. Polly Wally / Tony Borders (Revue 11054) 13. Another Man’s Woman, Another Woman’s Man / Candi Staton (Fame LP 4201) 14. Buying A Book / Joe Tex (Dial 4090) 15. To The Other Woma [I’m The Other Woman] / Doris Duke (Canyon 28) 16. Stealing In The Name Of The Lord / Paul Kelly (Happy Tiger 541) 17. Faithful And True / Z.Z. Hill (Quinvy 7003) 18. Love’s Gonna Tear Your Playhouse Down [part one] / Chuck Brooks (Volt 4034) 19. I Went Off And Cried / Kip Anderson (Excello 2303) 20. If I Can’t Run To You’ll Crawl / Barbara & The Browns (XL no#) 21. What I Don’t Know Won’t Hurt Me / Paul Thompson (Volt 4042) 22. Jody’s Got Your Girl And Gone / Johnnie Taylor (Stax 0085) 23. Wish I Was Back / Thomas Bailey (Federal 12567) 24. I Can’t Give You My Heart / Jimmy Braswell (King 6374) 25. Lead Me On / Gwen McRae (Columbia 45214)
southern soul story 2
[Disc 3] 1. Mumble In My Ear / Marcell Strong (Fame 1475) 2. Breaking Up Someboy’s Home / Denise LaSalle (Westbound LP 2016) 3. Tired Of Being Alone / Al Green (Hi 2194) 4. I Can’t Be Satisfied / Spencer Wiggins (Sounds Of Memphis 716) 5. Groove Me / King Floyd (Chimneyville 435) 6. She’s All I Got / Freddie North (Mankind 12004) 7. Jody, Come Back And Get Your Shoes / Bobby Newsome (Spring 125) 8. Starting All Over Again / Mel & Tim (Stax 0127) 9. We Always Come Back Strong / Sam Dees [sketch version from Atlantic LP 0698] (Kent CDKEND 125) # 10. I've Been Lonely For So Long / Frederick Knight (Stax 0117) 11. [If Loving You Is Wrong] I Don’t Want To Be Right / Luther Ingram (Ko Ko 2111) 12. I'm Gonna Tear Your Playhouse Down / Ann Peebles (Hi 2232) 13. I'm Through Trying To Prove My Love To You / Bobby Womack (United Artists 255) 14. It Hurts So Good / Millie Jackson (Spring 139) 15. You’ve Got My Mind Messed Up / Quiet Elegance (Hi 2245) 16. I Get My Groove From You / Bobby Patterson (Paula 386) 17. Take Time To Know Him / Tommie Young (Soul Power 110) 18. How Can I Get Next To You ? / George Jackson (MGM 14732) 19. I'll Be The Other Woman / The Soul Children (Stax 0182) 20. Heartbreak Woman / Clarence Carter (Fame 415) 21. Take One Step [I'll Take Two] / Chet Davenport (Westside WESD 208) # 22. Take Me To The River / Al Green (Hi LP 32087) 23. If You Got To Love Somebody / Tommy Tate (Ko Ko 726) 24. I'll Play The Blues For You / Geater Davis (Odds And Ends 7600)
2008 Compiled by Tony Rounce & Dean Rudland
Notes : Martin Goggin、Colin Dinot、Tony Rounce、Dean Rudland
13:30:46 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  SOUL DUO / SOUL DUET
2008 / 11 / 06 ( Thu )
The Trey J’s / I Found It All In You (Tee Gem 4044) - 1970
これはちょっと珍しい。アラバマのソウル・デュオ The Trey J’s、名前は頭文字からとったものだろうか、James Binford & Joseph Smithの2人。彼らが残した唯一のシングル盤、プロデュースしているのは Tee Fletcher、あの Eddie Billups の Shake Off The Dream (Seventy-Seven 127) や Matt Brown の Jar-Val 盤等マニアックでユニークな楽曲を手掛けている人物だ。軽やかなギターのリフとホーンで幕が切って落とされるモダンなダンス・サウンド、ダミ声のリード・シンガーが快調にビートを叩き出す。インパクト充分、ウサイン・ボルトのようなぶっちぎりの疾走ぶりで、あまりにも早く終わってしまうなと思ったら、曲の長さが 1 分 37 秒 (実測 1 分 45 秒) って、これはなにかの手違いなのだろうか。3 分以上の曲を聴くのがかったるくなってしまった私でも、もう 1 分ぐらいはハッピーでいたかった。フリップ・サイドのWe Got A Thing [Going On] はがらりと趣が変わり、Sam & Dave スタイルのディープなスロー・バラード。デュオならではの緊迫感がほしかったという気もするが、清々しいメロディーにのってソウルフルに歌いあげてくれる。
trey js
The Branding Iron / I Don’t Know Why [I Love You Like I Do] (Stag 10024/27) – 1974
Calvin April & Lee Crume、シカゴの男性デュオだ。70 から 71 年、Volt にも 2 枚のシングルを残している。この Stag 盤はディープ・ソウル・ファンには知られたシングルであろう。制作スタッフは Crume Brothers (楽p.173) の LeRoy Crume と Dillard Crume。ゴスペル・タッチのスケールの大きなスロー・バラード、こみあげ系のメイン・ヴォーカルは Chess の Crume Brothers で聞こえる声と似ているので、Lee と LeRoy は同一人物かもしれない。フリップの I’m A Soul Lover も文句なしのアップ・ナンバー。Gene Barge がプロデュースした Born Too Late (Volt 4059) もデュオの妙味が満喫できる楽しい曲だ。
Naomi & Harris / Come On Baby And Hurt Me (Atco 6543) - 1967
フィラデルフィアのデュエット Naomi Wilson & Harris Hughes。もう 1 枚 You’re My Baby / More Than I Do (Atco 6465) というシングルもあり、いずれも手に入りやすく内容も良い、ノーザン・ファンにはベーシックといえる音盤だ。4 曲の中ではこの Come On Baby And Hurt Me がマイ・ベスト、Leon Huff と Cindy Scott が曲を書き、Leon Huff と John Madera がプロデュース。Naomi 嬢の気風の良い歌いっぷりが快調にスウィングする勢いのあるアップ・ナンバー。男性シンガーがちょっと弱いかな。なお、Naomi Wilson にはソロでGotta Find A Way (Swan 4227) と Do You Feel What I Feel (United Artists 50601) の 2 枚のシングル・リリースがある。
naomi  harris
Sue & Mel / Can't Do Without Me (Star Track 102)
Barbette And Mel / Lets Get It Together (Whip 346)
デトロイトの男女デュエットを 2 枚紹介しよう。Star Track、Whip、Dotty’s (Lee Jennings や Johnny Hampton、Little Roger Hatcher のシングルがある) はプロデューサーの Clarence Marshall がらみのレーベル。Sue & Mel は Sue Ann Jones & Melvin Jackson と素性が知れている。Dave Hamilton の TCB にも I’ll Give You My Love (TCB 778) というシングルを残している Sue Ann Johnson、出身はデトロイトではなくメンフィスのようだ。Can't Do Without Me は懐かしき良き時代が偲ばれる都会のサウンド、おしゃれで開放的なダンス・ナンバーでたちまち楽しくなれる。Gail Nevilles というシンガーも同じバック・トラックで He Can't Do Without Me (Star Track 350、Dotty’s 350) という曲をリリースしており、そちらはベリ・レアで私も聴いたことがない。フリップの We Started This Thing Together は歯切れの良いミディアム・アップ、こっちの方が古いし激しくはないが、Peggy & Jo Jo をデトロイトに持ってきたような感じかな、Sue Ann 嬢のコブシの回しっぷりにときめいてしまう。お次の Barbette and Mel は正体が不明、この Lets Get It Together は Steve Mancha の Did May Baby Call (Wheelsville 102) のフリップ Whirl Pool とバック・トラックが同じ。音はこちらの方が良い。弾むようなテンポのミディアム・ナンバー、ストリートを闊歩している 2 人の姿が浮かんできそうだ。男性シンガーは Star Track の Mel さんよりも歌える、UK の某サイトでは Melvin Davis ではと推測されているお方もいたね。
sue  mel
Come On Baby And Hurt Me # Getting’ To Me (Kent CDKEND 181、楽p.208)
10:53:32 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  THE BEST OF DELIA GARTRELL (MY RECORD KOMPANY)
2008 / 11 / 01 ( Sat )
DELIA GARTRELL / THE BEST OF DELIA GARTRELL - STARTING A MOVEMENT (MY RECORD KOMPANY)
1. I've Been Loving You Too Long (Bahith 720) 2. Make Me Say It Again # 3. Second Hand Love (Maverick 1006) 4. Would It Break Your Heart (Maverick 1006) 5. If You Got What It Takes (Maverick 1010) 6. Starting A Movement # 7. See What You Done Done [Hymn No.9] (Demin-Kalo 1、Right-On 109) 8. Fight Fire With Fire (Demin-Kalo 1、Right-On 109) 9. Beautiful Day (Aware 031)
# Unissued 2008

セピア色の写真が時の経過を感じさせる。Darrell Banks 目線で歌っているのが本 CD の主人公 Delia Gartrell だ。こんなマイナー・シンガーまで出てしまうのかと驚きつつ、想像していたよりも美形だったので、思わずフラフラと買ってしまった。アトランタの Hannibal (James T. Shaw) の奥さんだった女性、残しているシングルは 5 枚。68 から 69 年、Marverick に 2 枚、71 年 Demin-Kalo (Right-On)、73年 Aware で各 1 枚、そして、リリース年がはっきりしないが Bahith 盤が最後のシングルで、いずれも Hannibal が制作に携わっている。Right-On で再発された Hymn No.9 がヒットしたものの、本邦では紹介されていないし、リイシューされているのは Kent の Hoilding The Losing Hand (Hotlanta Soul 3) に収録された Aware の Beautiful Day だけ、日本では一部のシングル・コレクターにのみ知られているシンガーだ。発売元の My Record Kompany は Hannibal の CD も出ていたところ、収録曲が 9 曲とちょっと淋しいが、シングルから 7 曲、未発表曲が 2 曲聴ける。詳しいライナー・ノーツがなく、彼女の経歴等については未だ曖昧、でも、ジャケットを含め 3 葉の写真のおかげで、私の中では彼女のイメージが随分と艶かしくなった。楽ソウル (p.141) で取りあげた Would It Break Your Heart も一段と憂いが深く響いてくる。他の 8 曲についても簡単に触れておきましょう。未発表の Make Me Say It Again は Isley Brothers の作、75年の The Heat It On の LP に収められていたバラード・ナンバーのカヴァー、何となく Bettye Swann を思わせるシックな歌いっぷり。Starting A Movement は 80 年頃の作品だろうか、Delia は Hannibal に出会うまではジャズ・シンガーを目指していたそうだ、Hannibal の言によれば、Hymn No. 9 のヒットを出した後もジャズへの未練があったらしい、そんな彼女の一面がうかがえるジャジーなミディアムとなっている。デビューとなる Marverick 盤は 2 枚とも Dee Dee Gartrell の名前で発表されている。やはり 1 枚目のバラード Would It Break Your Heart が泣かせるが、Thomas Fletcher 作となる 2 枚目 If You Got What It Takes もタイトなリズム・ナンバーで素晴しい。Second Hand Love もシスターズ・ファンクの好曲、いつになくラフなヴォーカルに心が乱れる。Marverick はウエスト・コーストのレーベル、68 年から 70 年にかけて Delia と Hannibal はアトランタを離れ LA に居を移しており、Hannibal 自身も Loma、Venture、Avi からシングルをリリースしている。アトランタに戻り制作された Demin-Kalo の See What You Done Done [Hymn No.9] はヴェトナム戦争を題材にしたバラードでなんとも鬱。うって変わって、フリップの Fight Fire With Fire はファンキーでモダンなダンサーだ。I've Been Loving You Too Long は言わずと知れたオーティスのカヴァー、テンポを速めてダンサブルなアレンジとなっている。最後の Aware 盤はめちゃくちゃ珍しくて、未だにフリップ・サイドの曲が分からない (セイム・フリップのデモ盤のみかも)。曲を書いている Obe Jessie は 50 年代に Modern からシングルを出していた Young Jessie のこと、透明感のあるピュアなサザン・ミディアム、Obe Jessie & The Seeds Of Freedom / Beautiful Day My Brother (Stone Dogg 801) で先にリリースがある。なお、本 CD に収められていないシングル曲は I Must Be Doing Something Right (Maverick 1010) と Stand Up For Your Brother (Bahith 720) の 2 曲で、いずれもファンク・ナンバー。本アルバムは Delia 自身の自主制作のようだ。彼女の懐かしい思い出がつまった 1 枚、そんな彼女の気持ちを大切にして聴きたい貴重な音源だ。
best of delia
既に告知済ですが、3 連休最後の月曜日 6 時から (終わりは10 時 30 分頃)、渋谷のブルー・ヒートにて、ディープ・ソウルのレコ・コンがあります。鈴木啓志さん、森島繁美さん、山内直哉さん、そして私も DJ やります。プレイ・リストもあり、お一人で来られても、ゆっくりじっくり楽しめます。チャージはありません、飲み物代と食べ物代のみ。詳しくは次のホーム・ページ参照ください。
http://blueheat.jp/
12:01:29 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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