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楽CD  ROSCOE ROBINSON (SOULSCAPE)
2008 / 12 / 31 ( Wed )
ROSCOE ROBINSON / WHY MUST IT END (UK SOULSCAPE 7015)
1. One More Time (Gerri 001) 2. That’s Enough (Gerri 001) 3. Darling, Please Tell Me (Sound Stage 7 - 2595) 4. Why Are You Afraid (Sound Stage 7 - 2595) 5. Let Me Know (Sound Stage 7 - 2603) 6. One Bo-Dillion Years (Sound Stage 7 - 2603) 7. Fox Hunting On A Weekend (Sound Stage 7 - 2610) 8. You Don’t Move Me No More (Sound Stage 7 - 2610) 9. Why Must It End (Sound Stage 7 - 2618) 10. How Many Times Must I Knock (Sound Stage 7 - 2618) 11. I’m Burning And Yearing [For You] (Sound Stage 7 - 2639) 12. Standing In The Safety Zone (Sound Stage 7 - 2639) 13. You’re All I Need (Seventy Seven 2152) 14. My Pride Won’t Let Me # 15. Don’t Forget The Soldiers [Fighting In Vietnam] (Gerri 002) 16. Tis Yuletide (Gerri 002) 17. That’s It (Gerri 77) 18. In Time You’ll See (Gerri 77) 19. Leave You In The Arms Of Your Other Man (Seventy Seven 2152) 20. Oo Wee Baby I Love You (Atlantic 2637)
# unissued   2008   Notes : John Ridley

日本のソウル・ファンに UK Soulscape からディープなクリスマス・プレゼントが届けられた。ゴスペル・ソウルの賢人 Roscoe Robinson の CD アルバム。Sound Stage 7 の全シングルに Roscoe 自身のレーベル Gerri の音源を加えた全 20 曲。既に P-Vine 等でコレクション LP、CD がリリースされている Roscoe Robinson だが、サザン・ソウルが最も輝きを放っていた 60 年代後半の南部録音が聴けるということで、日本のサザン・ソウル・ファン待望の 1 枚。楽本も参照いただき、ここでは収録曲を中心に内容を紹介させていただく。1、2 曲目の That’s Enough / One More Time (Gerri 001) はソウル転向第 2 弾。65 年の作で録音はシカゴ、Gerri は Roscoe の奥さんの名前だそうだ。Ernie & George Leaner の One-Derful により配給、メジャーの Wand の目に止まり、ナショナル・リリースされる。Sam Cooke の楽曲にも通じるようなポップでソウルフルなダンス・ナンバーとゴスペルの香りが濃厚なバラード・ナンバーのカップリング。That’s Enough は大ヒットし、Wand ではさらに 3 枚のシングルを発表するが、セールス面では勢いが落ち、南部に新たな活路を見出すべく、Roscoe はナッシュヴィルの Sound Stage 7 と契約。67 から 69 年にかけて 5 枚のシングルを残しており、ここでは 3 曲目以降リリース順に収録されている。ナッシュヴィル録音は 5 枚目のシングルのみで、4 枚目のシングルまではメンフィスに赴き、Chips Moman のアメリカン・スタジオで録音されたものだ。ピュアな唱法が冴えるバラード・ナンバーが目立っており、Bobby Womack のギターが印象的な Darling, Please Tell Me と Let Me Know が甲乙つけがたい出来ばえ、力強い曲調が私の好みで Darling, Please Tell Me がマイ・ベストかな。泣けるということでは I’m Burning And Yearning も負けず劣らず、高みを望むような Roscoe の歌声に涙するしかない。Why Must It End も美しいバラードだが、ストリングスが気になるバッキングが今一つ。リズムのあるものでは、You Don’t Move Me No More が迫力満点のジャンプ・ナンバーで熱くなれる。いかにもメンフィスといった趣の Fox Hunting On A Weekendも楽しく、Standing In The Safety Zone での躍動感のある歌いっぷりも流石だ。続く 2 曲は当時未発表であったもので、楽ソウルで取り上げた P-Vine のコレクションにも収録されている。69 年ごろのナッシュヴィル録音だろうか。歯切れの良いリズムにのって Roscoe がシャウトする You’re All I Need にも驚かされるが、リズミックでパワフルな My Pride Won’t Let Me がさらに素晴しく、グレートと言うしかない。Sound Stage 7 ではプロモーションが充分ではなかったこともありヒットを放つことはできなかった Roscoe だが、John Richbourg とともに Joe Simon や Roscoe Shelton のプロデュースにも携わっていたようだ。なお、You’re All I Need は Seventy Seven から 79 年にシングル・カットされている。69 年、Roscoe は Sound Stage 7 を去り、その頃住んでいたバーミンガムの Ed Boutwell のスタジオでレコーディングを行っている。19 と 20 がその曲で、Leave You In The Arms Of Your Other Man は早くから日本にも紹介されており、Roscoe Robinson といえばこの曲というソウル・ファンも多いはず。まさに熱血ゴスペル・バラード、Roscoe の面目躍如たる傑作である。さらに、Fred Hughes (Vee Jay 684) の激辛カバー Oo Wee Baby I Love You もお見事。ジョージア州コロンバスの Ed Mendel という人物のマネジメントで Atlantic からリリースされ、Oo Wee Baby が小ヒットしている。このシングル、Gerri から最初にリリースされているようだが、そちらは私も見たことがない。ここでは、馴染みのある Atlantic 盤とはミックスの違う Leave You In The Arms のオリジナル・ヴァージョン (後にYou’re All I Need とのカップリングでSeventy Seven 2152としてリリース) を聴くことができる。この 2 曲と同時期に制作され Gerri レーベルからリリースされた 15 から 18 の 4 曲はおそらく初の CD リイシューであろう。Tis Yuletide のライターが Shrine の Eddie Singleton というのも興味深いが、何といっても That’s It と In Time You’ll See が素晴しい。楽ソウルでもシングル・レビューさせていただいた颯爽としたジャンプ・ナンバーと Roscoe の情けが身に沁みるサザン・バラードのカップリング。Gerri 録音の詳細については、John Ridley 氏のライナー・ノーツでもほとんど触れられていなくて確証はないが、シカゴではなくてアラバマで録音されたもののような気がするが、どうだろう。70 年代に入り、Fame に 1 枚、Stan Lewis の Paula に 6 枚のシングルを残し、再びゴスペルの世界に戻ってしまった Roscoe Robinson。ライナーによれば、Roscoe の生年は 1928 年、Sam Cooke よりも 3 才上で、Otis Redding や O.V.Wright とは一回り以上違う。ソウル・シンガーとしてデビューしたとき既に 38 歳で、ソウルを歌ったのは 10 年にも満たない、彼のキャリアの中心はやはりゴスペル・ミュージックということになるのだろう。若さを頼ったようながむしゃらな作品はないが、円熟したソウル・ナンバーを残してくれたことに感謝したい。サザン・ソウル・ファンはもとより、ピュアなソウルを愛する一人でも多くのソウル・ファンに聴いていただきたい CD アルバム。手にするまで勝手に期待が膨らんでいたコレクション、初めて聴く曲も無く、Gerri のレア・シングル Just Ask the Lonely / She Won't Choose Me (Gerri 1001) が未収録ということで、個人的には残念な面もあるのだが、そんなことで価値をおとしめるのはいけない。己の欲深さを戒めるべきでありましょう。
roscoe robinson
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06:49:02 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  NEW RELEASE
2008 / 12 / 23 ( Tue )
David Sea / Believe In Me (Shotgun 101) – 2007
UK の新レーベル Shotgun、これは Rabbit Factory の The Birmingham Sound : The Soul Of Neal Hemphill Vol.1(楽p.248) で評判の高かった未発表曲のシングル・カット。Jerry Weaver の制作で 70 年代中頃の音であろう。のめりこむような一途な歌いっぷりが胸を打つサザン・ジャンプ。声が裏返るスリリングなゴスペル・シャウト、若き日の David Sea のアイドルは Bobby Womack だったんだな。フリップ・サイドの Let's Just Get Together はバラード・ナンバー、こちらもコブシがきいて粘っこい。Birmingham Sound Vol.2 から Wes Lewis の I'm A Telling You の 7 インチもお願いしたいね。
Rozetta Johnson / You Better Keep What You Got (Shotgun 102) – 2007
同じく Shotgun のシングル、これも既発 CD に収録済の未発表曲。Soulscape の Personal Woman (楽p.251) で度肝を抜かれたブツ。Sam Dees と Frederick Knight が書いた勇ましいリズムのサザン・ダンサー。泥臭く勝気なヴォーカルが怒涛のごとく押し寄せてくる。楽本でも書いたけど、Peggy Scott が歌っていると言われても納得しちゃいそう。ウラはシングル・レヴュー (楽p.144) もさせていただいた Mine Was Real ということで、分かっていらっしゃるカップリング。
shotgun.jpg 
Patrick Henry & The Liberation Band/ Loving U (Street Soul SSR 2) – 2008
これは買いそびれてしまい、あせってしまったニュー・シングル。今年のプレスなのに既に販売元にも在庫無しのよう。ありがたいことに、先輩コレクターのおかげで手に入れることができました。1995 年に発表された CD アルバム Come & Get It (Lanor) からのカット、UK のノーザン・シーンでプレイされ人気の高かった曲を 7 インチにしてしまった。70 年代っぽいかな、甘辛なヴォーカルが伸びやかに軽やかに駆け抜ける出色のクロスオーバー・ダンサー。インディー・ソウルの意地を見せ付けてくれるようで素晴しい、もう最高。ドラムスが気持ち良く、バックの音もしっかりしている。曲のユニークさではかなり引けを取るが、フリップの My Love も悪くない。Tyrone Davis をモダンにした感じだろうか、80 年代に流行ったタイプ。でも、エンディングが唐突なのは、なぜ。
Rhonda McDaniel / Why Am I Crying (Soul Tribe 001) – 2008
カナダ・プレス。まず、Shirley Wahls (King 6083) の傑作ディープ・モダンに果敢に挑戦しているところが偉い。最近の録音のようだが、レトロな雰囲気。オリジナルのイメージを崩さず、スムーズな仕上がりで高得点をあげられる。これを聴いて、Shirley Wahls の素晴しさを再確認させてもらった。裏面の Good Thing もサザンっぽいミディアムで良いのだが、残念なことにプレス・ミスがあり、曲の後半で針飛びしてしまう。後で知ったが、Rhonda McDaniel は白人の女性シンガー、下記のホーム・ページを見て本当かよと思ったが、声も歌いっぷりも今時の黒人よりもソウルフルだ。なお、サウス・カロライナの KHP というレーベルで CD があり、両面ともに収録されている。
http://www.rhondamcdaniel.com/?mpf=frame
patrick henry
Purple Mundi / Man From The Sky (Soul 45 - 002) – 2008
Jazzman の新レーベル Soul 45 の第 2 弾。今回取りあげた 6 枚のシングルの中では唯一の再発もの。オリジナルは Cat 1984 でとても珍しいシングル、インター・ネットで調べても、レーベルの写真さえ捜すことができない。Willie Clarke & Betty Wright のプロデュースでマイアミ産、録音は 70 年代後半だろうか。レーベルに記載がないが、Cat 盤には with Carlos Wright となっており、リードで歌っているのは Betty Wright の兄弟のようだ。これはケチのつけようがない完璧なバラード・ナンバー。グループ・ソウル・ファンはもとより、スウィート派もディープ派もまとめて面倒見てくれる甘美でエモーショナルな逸品。もう堪忍してちょうだいと言いたくなるほどで涙がちょちょ切れそう。こちらは B 面で A 面となる Stop Hurting Me Baby の方がクロスオーバー・ノーザンとして人気がある。実は Purple Mundi には 71 年頃に Stop Hurting Me Baby / I Can't Understand (Cat 1978) というシングルがあり、Cat 1984 は片面を差し替えて再度リリースされたもの。メイン・シンガーもグループのオリジナル・メンバーであろう。マイアミ・サウンドらしい爽やかさがあるビート・ナンバーだが、歌はかなりディープ。両面、まことにゴージャスな内容、オリジナル盤は聴いたことがないが、音もかなり良い。クオリティーの高いレア・モダンのシングル・リイシューを積極的に行っている Jazzman の Soul 45 シリーズ、Funk 45 はレーベル・ロゴがイマイチだが、これはデザインも素敵でコレクション価値を高めている。全て 500 枚の限定プレスということで、Purple Mundi も既に完売らしい。Little Beaver、Purple Mundi、Tolbert に続き、Royale VII の It's An Explosion Pt I & II が現在入荷中、モダン・カルト・ダンサーの傑作、こちらもお買い逃がしのないように。お次は Lenny Williams の I Couldn’t Find Nobody ということで、このシリーズ、ますます目が離せない。
Noel McKoy / Determined Man (Mark 4) - 2006
UK の黒人シンガーらしい、90 年代頃から CD リリースがあるようだが、私は聴いたことがない。このシングル、Advanced Promotional Copy と書いてあるホワイト・レーベルでなんとも素っ気ない。情報があまり無く、はっきりしたことは言えないが、UK でノーザンの新録を精力的に行っている Ian Levine がらみの録音と思われる。最初に聴いたのは 1 年前になるかな、Bobby Womack を彷彿させるディープな歌いっぷりに唖然呆然。男汁が飛び散る一昔前のヴォーカル・スタイルで、一体全体どうなっているの。音も 70 年代、Ian Levine に好意的ではない私もこれには参った。ダンス・フロアを一気にヒート・アップさせるノーザン・ダンサー、これで踊れなければ、何をかけても無駄と言いたくなるほどの決定力のあるサウンド。ウラのモダンなミディアム・アップ Read Between The Line も極上であります。
purple mundi
21:16:56 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  MAXINE BROWN
2008 / 12 / 21 ( Sun )

OH NO NOT MY BABY / THE BEST OF MAXINE BROWN (UK KENT CDKEND 949)

1. Since I Found You (Wand 142) 2. Gotta Find A Way (Wand LP 663) 3. I Wonder What My Baby's Doing Tonight (Wand LP 663) 4. Let Me Give You My Lovin' (Wand 1128) 5. It's Torture # 6. One In A Million (Wand 1117) 7. Oh No Not My Baby (Wand 162) 8. You're In Love (Wand 1104) 9. Anything For A Laugh (Wand 185) 10. Coming Back To You (Wand 142) 11. Yesterday's Kisses (Wand 135) 12. Ask Me (Wand 135) 13. All In My Mind (Wand LP 684) 14. Little Girl Lost (Wand 152) 15. I Want A Guarantee # 16. Secret Of Livin' (Wand 1145) 17. Baby Cakes # 18. One Step At A Time (Wand 185) 19. I've Got A Lot Of Love Left In Me (Wand LP 684) 20. I Don't Need Anything (Wand 1145) 21. Oh Lord What Are You Doing To Me # 22. I Cry Alone (Wand 158) 23. Funny (Wand LP 684) 24. Misty Morning Eyes # 25. Love That Man # 26. Losing My Touch # 27. Put Yourself In My Place (Wand 158) 28. It's Gonna Be Alright (Wand 173)
# iunissued 1990 Notes : Peter Gibbon

今回は新譜ではなくて旧譜。60 年代 NY のソウル・シーンを代表するソウル・ディーヴァー Maxine Brown の CD コレクション。UK では熱狂的な Maxine ファンも多く、人気の高いシンガーだが、日本ではさっぱり。都会的なソウル・サウンドを歌って成功した女性シンガーの草分け的存在。デビューは 61 年に Nomar から発表された All In My Mind と Funny のシングル、この 2 曲がヒットし、ABC Paramount、Wand、Commonwealth、Epic、Avco に 30 枚程度のシングルを残している。最も充実していたのは 63 から 67 年に発表された Wand 作品だと言うことに異論を挟む人はいないであろう。Chuck Jackson とのデュエットを除くと、シングルが 12 枚、LP も 3 枚 (ファースト LP となる The Fabulous Sound Of Maxine Brown は Nomar と ABC Paramount の作品を収めたもの)。CD リイシューも数多いが、このコンピと Maxine Brown – Spotlight On – Greatest Hits (UK Kent CDKEND 187) の 2 枚が必携必聴盤だ。ともに収録曲は 28 曲、15 曲がダブるが、2 枚あれば、Wand 作品をほぼカヴァーできる。どちらもまだ入手可能なはず、今回は選曲が私の嗜好に近いということで、こちらのコレクションを紹介させていただく。シングル曲 16 曲、シングル・カットされていない LP 収録曲が 5 曲、さらに未発表が 7 曲。シックなミディアム・バラード Since I Found You に始まり、Gotta Find A Way と I Wonder What My Baby's Doing Tonight の 2 曲は若き日の Van McCoy が書いたチャーミングな佳曲、特に後者はメロディックなダンサーでスカッと抜けの良い歌いっぷりが最高だ。One In A Million と Yesterday’s Kisses はノーザン・クラシック。Yesterday’s Kisses は Nomar のシングルで彼女を世に送り出した Tony & Brenda Bruno の制作、同じコンビの作となる Ask Me もアーリー・バラードの名品で、Imperial の Irma Thomas なんかに通じる魅力を感じる。さらに、Goffin & King 作の Oh No Not My Baby と It's Gonna Be All Right はしっとりと憂いが漂う。本 CD のタイトルにもなっている前者は多くのシンガーにカヴァーされ有名な曲、一方、It’s Gonna Be All Right は私の大好きなバラード、甘く沁みるメロディーにしなやかなヴォーカルが映える。Theola Kilgore (Mercury 72564) も歌っているが、そちらもアガシ愛好家をうならせる出来ばえだ。クラシカルな曲調の One Step At A Time も 印象深いミディアム。Little Girl Lost では楽しく、You’re In Love では切なく、様々な表情をみせてくれる。ヒット曲の All In My Mind と Funny はライブ録音、とくに All In My Mind はゴスペリッシュな歌いっぷりが冴え、グレートと言うしかない。未発表曲も充実。It’s Torture はモータウンっぽい勢いのあるノーザン・ダンサー。Baby Cakes は Otis Redding 作のジャンプ、Loretta Williams (Jotis 471) に負けず劣らずディープに迫ってくれる。これは Maxine ファンだった Otis が Fame に彼女を連れて行き録音したもののようだ。ゆったりテンポのバラード Love That Man は Ashford & Simpson の作、徐々に熱を帯びるヴォーカルが圧巻。Losing My Touch も泣ける。どの曲もクオリティーが高く、シリアスなものからポップなものまで様々なタイプの曲を歌えるシンガー。でも、これぞ Maxine Brown といった強いイメージが無いところで損をしているかもしれない。なお、Since I Found You をはじめ Wand の初期のシングルでは、後に The Sweet Inspirations となる Cissy Houston や Dee Dee Warwick 等がコーラスを担当しているものも何曲かあり。Kent のもう 1 枚の CD はWand の 2 枚目と 3 枚目の LP を中心に編まれたもの、ボーナス・トラックとして未発表ナンバーも 6 曲収録、ノーザン・ダンサーの傑作 I Got Love と Otis プロデュースの Slipping Thru My Finger を聴くことができる。
maxine.jpg 
MAXINE BROWN / OUT OF SIGHT (JAPAN SONY MUSIC MHCP 857)
1. Sugar Dumplin' 2. Plum Outa Sight 3. Sunny 4. I Wish It Would Rain 5. I'm In Love 6. In My Entire Life 7. Don't Leave Me Baby 8. Just Give Me One Good Reason 9. Stop 10. Seems You've Forsaken My Love 11. When A Man Loves A Woman 12. Love In Them There Hills [bonus track] (Epic 10424) 13. From Loving You [bonus track] (Epic 10424)    1-11 from LP EPIC BN 26395
2005 Note : 鈴木啓志

Maxine Brown の CD をもう 1 枚。これは LP の CD リイシューなので、楽 SOUL の趣旨から外れてしまうが、Maxine の CD では一番手に入れやすく、内容も素晴しいので例外とさせていただく。原盤となる 1968 年の Epic の LP はベリ・レアで、私もこの CD が出るまでは内容を知らなかった。才人 Mike Terry が制作したものでデトロイト録音。半数以上が他人のヒット・カヴァー、曲によってはコーラスが目立ち、Ric Tic や Golden World のような重厚な音ではないのがちょっと残念かな。でも、そういった物足りなさを補って余りあるのが Maxine のヴォーカルだ。実に伸び伸び溌剌とした歌いっぷりで、どの曲にも瑞々しい生気がみなぎっている。カヴァー曲では 1 曲目の Sugar Dumplin’ が出色、Sam Cooke の原曲の楽しさはそのままにバリバリのデトロイト・ダンサーにアレンジメントされ、Mike Terry の面目躍如といったところ。Pickett & Womack の I’m In Love やテンプスの I Wish It Would Rain はオリジナルのイメージが強烈だが、滑らかで深みのあるヴォーカルで歌われた Maxine のヴァージョンも秀逸。さらに、Howard Tate の Stop ではファンキーでディープに弾けてくれる。Percy Sledge の When A Man Loves A Woman と Bobby Hebb の Sunny は無難な出来。オリジナル曲では 7 曲目に収められた Don’t Leave Me Baby にすっかり参ってしまった。Lorraine Chandler & Jack Ashford が書いた哀しくもいとおしいミッド・バラッド。シングル・コレクターには Jay Walking の Ray Gant & Arabian Knights (楽p.46) で知られている曲。Jay Walking 盤も好きでよく聴いたが、胸が張り裂けるような Maxine のオリジナル・ヴァージョンを聴いてからは、Ray Gant のイメージがすっかり薄くなってしまった。Plum Outa Sight と Seems You’ve Forsaken My Life のライターは Brothers Of Soul の面々。前者はパーカッシブなダンサーで心が弾む、方や後者は力のこもったバラード・ナンバーで胸が熱くなる。In My Entire Life も情緒のあるミディアム・アップ、Just Give Me One Good Reason はポップでエレガントなデトロイト・ダンサー。12 と 13 はシングルからのボーナス・トラック、Gamble & Huff 作の Love In Them There Hills は The Vibrations (Okeh 7311) も歌っている曲だ。残念ながら、Epic はほとんど Maxine のプロモーションをしなかったようだが、もう 1 年頑張って Hot Wax / Invictus あたりで再度デトロイト録音に挑戦してもらいたかったな。

Wand 作品を収めたものでは 25 All-Time Greatest Hits (Varese Sarabande) という CD コンピもあり。


2008.12.22 追記
Maxine Brown の Don’t Leave Me Baby、ひょんなことから Willie Kendrick の What’s That On Your Finger (RCA 9212、楽p.75) と曲が同じであることが判明。RCA 盤ではライターが Skau-Cotto-Banks となっております。Willie Kendrick はマイ・フェヴァリットなのに、何故今まで気づかなかったのだろう。自分の耳の不確かさに落ち込んでしまった。
11:54:56 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  SOMEBODY NEEDS YOU & TY KARIM
2008 / 12 / 13 ( Sat )
Ty Karim の CD レビューで触れたシングルについて画像貼り付けます。

Darrell Banks / Somebody [Somewhere] Needs You (Revilot 203) – 1966
Ike & Tina Turner / Somebody Needs You (Loma 2015) -1965
Ike & Tina Turner の Loma 盤、ノーザン・ソウル・シーンにあっては最重要曲の1つなのだが、あまり日本じゃ人気が無いみたい。Tina Turner については声に魅力を感じないと口を滑らせてしまった。ファンの方、女っぷりで勝負するシンガーではないということでご理解いただきたい。
somebody 1
Larry Atkins / Lighten Up (Highland 1193) - 1968
Larry Laster / Go For Yourself (Loma 2043) - 1966

Highland は Sid Talmedge の LA レーベルで、レアでグレートな Kell Osborne や The Penetrations 等ノーザンの好盤も多い。Larry Atkins のシングルは 68 年のリリースだが、実際の録音は 66 年ごろの録音と推察される。フリップ・サイドは楽本 (p.9) で紹介した Romark 盤の Ain’t That Love Enough に同じ。この曲が収録されている Goldmine の CD ライナーを読んでいたら、Romark 盤の Have Mercy On Me と歌詞が似ていることに気が付いた。一方、ほぼ同じバック・トラックを使って制作された Larry Laster の Loma 盤、同じ Larry さんだが、声も歌いっぷりも力強く、シンガーとしての魅力はこちらが上だ。さらに、盤のカッティングも良く、音にも迫力がある。Larry Laster には That's just what you did (duo-virgo) というシングルもあり。
somebody 2
Towana & The Total Destruction / Help Me Get That Feelin’ Back Again (Romark 102)
Ty Karim / Ain’t That Love Enough (Ebony 101)

私の持っている Towana & The Total Destruction は新しい Romark のロゴのもの。最初のプレスは単色の青いレーベル。10 年以上も前になるが、4 枚ぐらい青い盤を売ったことがあって、ブートだったら申し訳なかったと気がかりだったのだが、CD の写真を見て一安心。また、未発表の Ain’t That Love Enough には、ライナーでも触れられているとおり、出所不明のシングルがある。それがこの Ebony 盤で、You Really Made It Good とのカップリング。90 年代にアメリカでプレスされたもののようだ。
ty single
Ike & Tina Turner / Somebody Needs You # After Hours & Loma Records (楽p.326)
Larry Atkins / Lighten Up # West Coast Winners (Goldmine)
Larry Laster / Go For Yourself # After Hours
13:14:08 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽CD  THE COMPLETE TY KARIM (KENT CDKEND 308)
2008 / 12 / 10 ( Wed )
THE COMPLETE TY KARIM : LOS ANGELES’ SOUL GODDESS (KENT CDKEND 308)

1. Lighten Up Baby (Car-A-Mel 1677) 2. Help Me Get That Feeling Back Again [as Towana & The Total Destruction] (Romark 102) 3. Ain't That Love Enough # 4. Only A Fool (Roach 101) 5. All At Once (Romark 101) 6. Lightin' Up (Romark 104) 7. Don't Let Me Lonely Tonight (Romark 104) 8. Wear Your Natural Baby [as Towana & The Total Destruction] (Romark 102) 9. You Just Don't Know (Romark 103) 10. You Really Made It Good To Me (Romark 101) 11. I Ain't Lying (Roach 101) 12. Take It Easy Baby # 13. Don't Make Me Do Wrong # 14. Keep On Doing Whatcha' Doin' Pt. 1 [as Ty Karim & George Griffin] (Sheridan House 78002) 15. Keep On Doing Whatcha' Doin' Pt. 2 [as Ty Karim & George Griffin] (Sheridan House 78002) 16. Natural Do aka Wear Your Natural, Baby # 17. I'm Leavin' You # 18. All In Vain (Romark 103) 19. After Your Love Has Gone # 20. All At Once [alt vocal] # 21. Lighten Up Baby [alt vocal] # 22. If I Can't Stop You [I Can Slow You Down] # 23. It Takes Money #
# unissued 2008 Notes : Ady Croasdell

女性の声って、とても気になる。私の好みでは、女優なら鶴田真由さんかな、あの声で耳元で囁かれたらと想像すると、確実に心身ともに変な感じに。ソウル・シンガーでは、Fame の Candi Staton や Barbara Lynn、Irma Thomas。シングル・オンリーなら、Belita Woods や Cynthia & The Imaginations の Cynthia Girty、そしてこの Ty Karim も堪らない。耳朶に絡みつくハスキー・ボイス、狂わせたいのとジンジンしちゃってこまっちゃうのは山本リンダさんだけではありません。いくらビッグなシンガーといえども、Aretha Franklin や Tina Turner があまり好きになれないのは、声に色気を感じないからだ。これは声フェチの私のためにあるような Ty Karim 嬢の奇跡の単独アルバム、UK Kent にはいくら感謝しても感謝したりない。声だけじゃなく、ライナー・ノーツやジャケットではそのお姿も拝見できる。美形、さらに長身でスタイルも抜群ということで、ほっとするやら嬉しいやら。彼女が残した全作品に加え未発表も 10 曲含んだ全 23 曲、のたうちまわるほどの快感の波が襲ってくる。おっといけません、年甲斐も無く興奮、冷静にご案内をさせていただきます。本邦では知名度はゼロに近いレディー・ソウル、私の持論 「ソウルはシングル盤を聴かなきゃお話にならない」 を彼女が身をもって立証してくれる。ノーザンの傑作もてんこ盛り、ディープでコブシのきいた歌いっぷり故、ノーザン・ファンだけでなくディープ・ファンも聴いていただくしかない。私の趣味嗜好は別にしても、楽曲のクオリティーやレアリティーも申し分無く、間違いなく本年では 3 本の指に入るグレートな CD リイシューだ。1947 年にミシシッピで生まれた Ty Karim こと Veatrice Thomas、若い頃は家庭的に恵まれず苦労も多かった。15 歳で結婚、そして離婚。LA に移っていて、Ty が出会ったのが Kent Harris という人物。その後の彼女を公私共に支えたミュージシャンでビジネスマン。5人の子どもをかかえ男やもめであった Kent Harris と Ty は再婚している。この CD に収められた全曲が彼のプロデュースによるものだ。まず、Ty Karim で最も有名で人気のある曲と言ったら、冒頭 1 曲目に収録されている Lighten Up Baby であろう。Car-A-Mel レーベルから 66 年に発表された Ty の 3 枚目のシングル。楽ソウルでも書いたが、実はこれ、あの Darrell Banks の Somebody [Somewhere] Needs Me (Revilot 203) と歌詞は違うが同じ曲。そして、Darrell Banks のオリジナルとなるのが 65 年にリリースされた Ike & Tina Turner の Somebody Needs You (Loma 2015)。Ty のバック・トラックは Ike & Tina のものとほぼいっしょだ。ここでライター・クレジットに注目したい。Loma 盤では Frank Wilson (Revilot 盤では Frank Wilson & Marc Gordon)、Ty Karim のシングルでは Kent Harris となっている。昔から、誰が書いた曲なのか真相が気になっていたが、ライナー・ノーツによれば、Kent Harris のもとでレコード制作に関っていた Jerry Long が Frank Wilson の了解を得て音を拝借したものと推測している。Frank Wilson がプロデュースした Paris のレア・ノーザン Sleepless Nights (Doc 102) のレーベルを見ると彼の名前があり、2 人は仕事で繋がりがあったようだ。Jerry Long は後に Motown のアレンジャーとして活躍しているが、この頃はヤク中でかなりイケナイ人だったらしい。さらに、Lighten Up Baby には Kent Harris の制作で Larry Atkins (Highland 1193) のヴァージョンもあり、Larry Laster の Go For Yourself (Loma 2043) でも Ty のバック・トラックがそのまま使われている。Laster の Loma 盤では Leon Sylvers がライターで Long – Jack プロダクションの表記があり。やんちゃな Jerry さんのおかげで一層こんがらがってしまうが、私の好みでは Ty Karim の歌がベスト。パーカッシブでタイトなバック・サウンドに威勢が良くパワフルなヴォーカルが映えるグレート・ノーザン・クラシックである。なお、Car-A-Mel は Mel Alexander のレーベルで、CD コンピ Kris Records : Los Angeles' Showcase Of Soul (楽p.330) でもこの曲が聴ける。なぜ、リリースが Kent Harris のレーベルではなかったのか疑問だったが、曲を気に入った Mel Alexander が自分が扱ったほうが売れると、Kent Harris の了解を得ずにプレスしたものらしい。話は戻り、Ty Karim のデビュー盤となるのが 10 曲目の You Really Made It Good で、65 年に Kent Harris の Romark レーベルから発表されている。西海岸のヴォーカル・グループ The Incredibles の Cal Waymon & Carl Gilbert が曲を書き、才人 Miles Grayson がアレンジメント。輪を描くようなテンポとリズムのモータウン・ライクなダンサー、弱冠 18 歳とは思えぬほど堂々としたヴォーカル、吐き捨てるようなアクの強い歌いっぷりが実にソウルフルだ。フリップの All At Once は Jerry Long が手掛けた知られざる傑作、彼女の新たな魅力が味わえる。若くして天下の取れそうな声、シックでサッドなバラードに涙が止まりませぬ。私は聴いたことがないが、Cathy & Cookie の Hi Diddle, De Diddle (Bit 71264) という曲と同じバック・トラックが使われている模様、やはり Jerry さんは節操がない。このシングルは Senator 112 としてもリリースがある。Romark の第 2 弾は Chess 初期の Mitty Collier みたいなクラシカルなバラード・ナンバー All In Vain とグレート・ノーザン You Just Don’t Know のカップリング。9 曲目に収録されている You Just Don’t Know は Kent Harris & Larry Jackson の作。Larry Jackson は Kent の妹 Marcene "Dimples” Harris のボーイ・フレンドで、Dimples も Romark にシングル盤を残している。実に楽しいダンス・ナンバーで、よじれるような歌いっぷりが冴え渡り、曲全体に生気がみなぎっている。Lighten Up Baby、そして You Really Made It Good と You Just Don’t Know は Ty Karim のノーザン・ビッグ・スリー。内容ばかりでなくお値段も素敵すぎて高嶺の花、私の憧れのウォンツ・アイテム。悔しいから 3 曲ともリピートで 20 回ぐらい聴いたかな、でも全然飽きませぬ。やっと私も持っているのが 4 枚目のシングル Towana & The Total Destruction名義 (TowanaはTyが最初の結婚でもうけた子供の名前) の Romark 盤。楽ソウルでも紹介したもので、2 曲目と 8 曲目に収録。ここでお詫びしなければいけないことが。楽本では 70 年以降の作じゃないかと書いたが、間違いで 67 年の作。また、両面、歌っているのは Ty Karim だと思い込んでいたが、Wear Your Natural Baby のヴォーカルは違う女性 (訂正あり)。声にこだわっておきながら今まで気が付かなかったとは情けない。渋いヴォーカルがリズミックに舞い上がるダイナミックでパワフルなダンス・ナンバー Help Me Get That Feeling Back Again、しっとりとチャーミングなミッド・バラード Wear Your Natural Baby、ともに文句無しの出来ばえだ。後者は Ty Karim の未発表テイクが 16 曲目に収められているので、聴き比べてもらいたい。イシュー・ヴァージョンで歌っている女性も Ty に負けず劣らずエモーショナル、セクシーで良い声をしてらっしゃる。リリース・ナンバーを順に紹介してきたが、話の都合もあり、ここで素晴しい未発表曲ナンバーについて触れておこう。3 曲目の Ain't That Love Enough は Larry Atkins のシングル (Romark 115、Highland 1193) で有名な曲。デトロイトの向こうを張るような重低音ビートのノーザン・ナンバー、Larry Atkins よりもドラムの音が大きい、荒っぽい歌いっぷりでヴォーカルの勢いはラリーさんよりも上。なお、Larry Atkins の Romark 盤のライター・クレジットは Glen Marchand & Kent Harris となっているが、この曲も Brenda Holloway の未発表ナンバー We’ll Keep On Rolling (A Cellarful Of Motown Volume 3収録) に瓜二つで、そちらは Frank Wilson & Marc Gordon の作となっている。5 枚目のシングルとなるのが 68 年発表の Roach 盤で、レーベルには名前がないが、これも Kent Harris が制作したものだ。11 曲目の I Ain’t Lying は先の Ain’t That Love Enough をさらにアップ・テンポにしたようなかんじ。荒削りなジャンプ・ナンバーで、迫力満点のバック・サウンドを Ty のヴォーカルがかき分け突っ走る。そして、フリップの Only A Fool では、まことにチャーミングなスウィング・ナンバーを聴くことができる。ここでも音の使い回しがあって、 Only A Fool は The Little Wooden Sol-diers / Little Wooden Soldier (Pam-O) と同じバック・トラックが使われているとのこと。Ty Karim と Kent Harris は 71 年に離婚、レコーディングも間が空くが、ビジネス面での 2 人の関係は良好だったようで、それを証明してくれるのが 6 曲目の Lightin’ Up だ。73 年にリリースされた 6 枚目のシングル。Light Up Baby をぐっとモダンなバラッドにアレンジしたもので、楽ソウルでも絶賛。私が最初に出会った Ty Karim、その声に一発で参ってしまった。Ady Croasdell は彼女の声を rich, deep and husky と言っているね、私は sexy と groovy も付け加えたい。このヴォーカルの素晴しさには言葉を失う。ソウル・ファンじゃなきゃ、この曲の強さと深さを真に堪能はできないだろう。フリップの Don't Let Me Lonely Tonight は白人シンガー・ソング・ライター James Taylor の曲、しっとりとブルーに濡れたビート・バラードに仕上がっている。悔しいことに、Ty は 83 年に若くして乳がんで亡くなっており、80 年の Sheridan House 盤がラスト・シングルとなる。12 インチ盤は多く出回ったが、14、15 曲目に収録されているのは珍しいシングル・ヴァージョンだ。残るは未発表ナンバー。Take It Easy Baby は Lighten Up Baby のブルース・ヴァージョン。70 年前後の音かな、Ty も Kent Harris もこの曲にはよほどのこだわりがあったのだろう。同時期の作と思われる Don't Make Me Do Wrong もディープなブルース・ナンバー。I'm Leavin' You はデビュー前のもののよう。どうってことないポップな R&B ナンバーだが、やはり歌は並ではない。After Your Love Has Gone も初期の録音だろう、胸にじわっと沁みる R&B バラード。All At Once と Lighten Up Baby の別テイクが聴けるのも嬉しい。If I Can't Stop You [I Can Slow You Down] と It Takes Money は 80 年ごろの作品。前者は C B Overton (Shock 9) の曲で、Johnny Bristol も 81 年のアルバムで歌っている。以上、全曲コメントさせていただいた。悩ましく狂おしく慈愛に満ちた 69 分間。シングルは僅か 7 枚、彼女が残した曲はけっして多くはないが、その存在感は絶大だ。Ty Karim の奥深い魅力がたっぷり、私にとっては高嶺の花の女性を独り占めにできる CD アルバム。さらに、優しい Ty は私の心を広くさせてくれる。1 人でも多くのソウル・ファンに彼女を知ってもらいたいと、切に願うものであります。
ty karim 1
(訂正)  Towana & The Total Destruction の Wear Your Natural Baby のシングルは、別人ではなく、Ty Karim 本人が歌っているものをピッチを上げてカット、プレスしたもののようです。英語が苦手なので、ライナーの読み間違い等ありましたら、ご指摘よろしくお願いいたします。Tai Curry 様、ありがとうございました。(2009.1.15)
00:43:41 | もっと楽ソウル | コメント(2) | page top↑
SOUL 45  MEMPHIS HI
2008 / 12 / 05 ( Fri )
James Fry / Tumbling Down (Hi 2142) - 1968
HI の CD コンピで触れたものだが、Sound Stage 7 の Ella Washington 同様、これも楽 SOUL でレビューしなかったのが悔やまれる。本名は Johnny Frierson、古くは Volt でシングルがある The Drapels (楽p.175) のメンバー。そして、妹の Wendy Rene と James Fry が書いた Don Bryant の I’ll Go Crazy はメンフィス・ソウルの傑作としてあまりにも有名だ。これは彼が残した唯一のソロ・シングル。女性コーラスを背にして歌われた自作のバラード。タイトな HI のバックとの相性も良く、カラッとディープ。伸びやかで艶のあるテナー・ヴォイスで暖かく包み込んでくれる。フリップの Still Around はリズムのあるナンバー、こちらも歌心満開、ケレン味の無い歌いっぷりが好ましい。
hi 1 
Kenny Cain / Practice Makes Perfect (Hi 2060) – 1962
何となく買いそびれていたシングル。楽SOUL (p.99) で Little David 名義の Savoy 盤と Stax 盤を紹介させていただいた David Porter が Kenny Cain の名前でリリースした若かりし時の作品だ。アップ・テンポの R&B ナンバーで、リリース時期が重なる Savoy の作品と比べるとディープ・ソウル・ファンへのアピール度は落ちるものの、泥臭く強引で勢いのあるところが評価できる。
hi 2
Willie Walker / I Love Her (Pawn 3809) - 1975
Willie Walker / Reaching For The Real Thing (Hi 78513) – 1978
この人は Goldwax や Checker の Willie Walker (楽p.125) とは別人。あちらは O.V.Wright の直系、こちらは Al Green が少し入っているかな。シングルはおそらくこの 2 枚のみ。Pawn の I Love Her は 70 ズ・サザンの好盤、しっとりと根性の座ったスロー・ナンバー。次の HI のシングルはあまり話題に上がらないが、なかなか聴かせる曲。ゆったりと時が過ぎて行くバラード、そのまんま Al Green といった感じで粘っこくセクシーに迫ってくれる。
hi 3
00:42:32 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
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