楽 LP  JOHNNY COPELAND (KENT)
2009 / 01 / 27 ( Tue )
JOHNNY COPELAND / DEDICATED TO THE GREATEST (KENT 067)
A. 1. Dedicated To The Greatest (Wand 1114) 2. Mother Nature # 3. It’s Me (Wand 1103) 4. I Waited Too Long # 5. I’m Gonna Make My Home Where I Lay My Hat (Wand 1114) 6. Stealing (from Crazy Cajun LP) 7. The Invitation (Wand 1103) 8. Johnny Ace Medley (from Crazy Cajun LP)
B. 1. Every Dog’s Got His Day (Kent 4546) 2. Oh How I Miss You # 3. Love Attack (Kent 4564) 4.No Puppy Love # 4. You Must Believe In Yourself (Kent 4558) 5. Wizard Of Art (Kent 4546) 6. Old Man Blues (Kent 4564) 7. Dear Mother (Kent 4558)
1987 # unissued Notes : Tony Burke
(ジャケット裏面の曲の記載ではA4とB4が抜けています)

さらにテキサス、やはりテキサスのソウル・シンガーといえば、この人だろう。大政小政の次ぐらい 3 番目ぐらいには名前が挙がるはず、The Texas Twister の異名をとる Johnny Copeland だ。81 年に Rounder から発表された LP でやっと注目され、以降、97 年に 60 歳で亡くなるまで、アルバムも数多く制作、ブルース・ファンからの評価は高い。私も Rounder の 1 枚目と Alligator の LP を持っていて聴いた記憶がある。そのうちブルースには興味が薄れ、もっぱら彼の長い下積み時代のシングル盤を買うようになってしまった。58 年に Mercury からデビューして、All Boy、Paradise、Bragg、Golden Eagle、Wand、Jet Stream、Suave、Atlantic、Wet Soul、Zephyr、Brown Sugar、TTC、Boogaloo、Rescoと数多くのレーベルを渡り歩き、Rounder のシングルまでなんとその数 39 枚 (含むデュエット盤 1 枚)。そんなに熱心に買っていたはずじゃないんだが、調べてみたら 31 枚持っていた、まぁ、私も何やかや言いながら嫌いじゃないのでしょうね。でも、サザン・ソウルのバックで歌っていないし、ブルース・テイストの作品が多いので、日本のディープ・ファンでもシングルまで手を出そうって人は少ないんじゃないかな。この Kent から 20 年以上も前にリリースされたコレクションは楽ソウル (p.321) でもちょっと触れた Wand と Kent のシングルを収めたもの。P-Vine も含めシングル・リシューのアルバムはいくつかあるが、彼のソウル・コレクションとしてはベストと思われ、これぐらいは聴いて損はないと言いたいところなのだが、CD リイシューされていないのが残念。権利関係は問題無いはずなので、さらに、グレード・アップしてお目見えすることを期待し、簡単に紹介しておきたい。中古なら、千円以下で見かけることもあるしね。まず、A 面が Huey P. Meaux プロデュースによる Wand サイド。シングル 4 枚から 5 曲、77 年の Crazy Cajun の LP から 2 曲、未発表が 2 曲、録音はヒューストンで 64 から 66 年頃の作品だ。まずは楽本でも取り上げた Sam Cooke への追悼歌 Dedicated To The Greatest (Crazy Cajun の LP ではタイトルが Tribute To Sam Cooke となっている) が胸を打つ。この人のソウル・バラードでは最もサザン・ソウル・ファンに好まれる曲であろう。The Invitation はブルージーなスロー・ナンバー、未発表の Mather Nature も同じ路線、歌いっぷりにもう少し趣がほしいところだが、悪くはない。スロー・ブルース I’m Gonna Make My Home Where I Lay My Hat は迫力があって、本領発揮といったところだ。メドレーを歌っている Johnny Ace は彼の最大のアイドル・シンガーであったのだろう。未発表の I Waited Too Long は珍しくキャッチーなダンサー、こういう曲も残していたんだと、楽しく聴かせていただいた。なお、Wand では You’re Gonna Reap Just What You Sow も強力なスロー・バラードだが、そちらは Kent の男泣きのコンピ (楽p.210) に収録されている。B 面は Kent サイドで 70、71 年頃の作品、6 曲がシングルから、2 曲が未発表曲。録音はやはりヒューストンだが、一部 LA のスタジオが使われているものもあるようだ。1 曲目の Every Dog’s Got His Day が闇に吠えるって感じで壮絶、断崖絶壁のディープ・バラード、ブルージーなので好みが分かれるところだが、久しぶりに聴き直し、これがベストかなとこれまでの不明を恥じました。方や、Love Attack は James Carr に比べるとね、バックも Goldwax じゃないからね、でも、曲の良さもあって、実直な歌いっぷりがけっこう沁みる。ジャンプ・ナンバーの Wizard Of Art も喉をからしての熱唱、Dear Mother はガチンコのサザン・ソウル、これも改めて聴くと素晴しく、いつになく説得力のある泣き節が光っている。アンイシュードの No Puppy Love は Jackie Paine (Jet Stream 729) でシングル・リリースのある、荒っぽいリズム・ナンバーだ。なお、Kent で未収録となっているのは、Zephyr 盤がオリジナルとなる Ghetto Child / Soul Power (Kent 4534) でブルースとファンクのカップリング。ところで、以前から気になっていることがひとつある。B2 の未発表曲 Oh How I Miss You、私の大好きなシカゴ風の力強いミディアム・ナンバー、ブルー・ヒートの SOUL CITY USA のイヴェントでも紹介した曲だが、これ、本当に Johnny Copeland なのか疑問なのだ。この人に似つかわしくないタイプの曲、歌いっぷりもメリハリがあって色気があるし。さらに、I Was Born To Love You という怪しい未発表ナンバーがあって、Kent の CD コンピ Serious Shades Of Soul (楽p.321) に収録されている。そちらもアップ・テンポのワクワクするジャンプ・ナンバーで、この Oh How I Miss You と同じ声、なんとなく聴き覚えもあって、モヤモヤしております。私の勘違いかもしれないけど、ご意見のある方いらっしゃれば、お願いいたします。
johnny copeland
Johnny Copeland / I’ll Be Around (Golden Eagle 110) – 1964
Johnny Copeland / If Love Is Your Friend [Let Love Come In] (Atlantic 2474) - 1968
Kent のアルバムも最後で脱線してしまったし、楽ソウルのシングル・レビューでは失礼な書きぶりだったので、反省も込め私の好きな Johnny Copeland を 2 枚。マイ・コレクションは 31 枚って書いたけど、同じシングルが違うレーベルでダブっていたりするので、持ってなくて聴けないはMercury、Golden Eagle の 1 枚、Zephyrのもう 1 枚、Fire'N Fury と Rounder 盤ということになる。最初に挙げた Golden Eagle は Charles Booth のヒューストン・レーベルで 5 枚のシングルがある。ブルースが多いが、この I’ll Be Around は切々と痛みを含んだソウル・バラード、どん底に暗いが歌いっぷりも良く、知られざる名品と言ってよいだろう。次の Atlantic 盤も見過されてしまっている曲、ライターが Thomas – McRee – Thomas、ジャクソンの Mississippi Artists Corp (MAC) プロダクションの面々、明るい曲調のチャーミングなミディアム・ナンバーで、愛嬌のかけらもないダミ声で窮屈そうに歌っているところが変に心をくすぐってくれる。なお、初期のものでは、Jimmy Witherspoon の Ain't Nobody's Business (Bragg 102) が味わい深くブルース・ファンならずとも是非聴いていただきたい 1 枚。Tommy Tate (Tommy Yate 名義、Verve 10556)、Big John Hamilton (Minaret 148) が歌っている You’re Looking For A Fool (Wet Soul 1) も Thomas – McRee – Thomas の曲で好き、Wilson Pickett (Atlantic 2334) のカヴァー Danger Zone (Boogaloo1001) も悪くない、若き日のジョニーにギターの手ほどきをしてくれた友人 Joe Hughes (Boogaloo 1000) が後にカヴァーしている May The Best Man Win (Golden Eagle 105) もアーリー・タッチの好曲だ。ブルース・ファンにはマストの Brown Sugar 盤、さらに Jonny Copeland 版 God Bless Our Love といった感じの Resco 盤は今でも安いはず。
copeland single
Bragg と Golden Eagle については、An Introduction To Johnny Copeland (Fuel) というCD アルバムで聴くことができます。2 枚ほどシングルに漏れがあるが、ほぼ完璧な Johhny Copeland のディスコグラフィーが載っているのが次のサイトです。
http://wangdangdula.com/index.html
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SOUL 45  TEXAS
2009 / 01 / 23 ( Fri )
ヒューストン、サン・アントニオ、ダラス、オースチン、フォートワースといった大都市を抱え、メキシコに国境を接し、ヒスパニック系の割合も大きいテキサス。カントリー・ミュージックの人気が高く、かつてはブルースも盛んであった地。レーベルでは Don Robey の Duke / Peacock、プロデューサーでは Heuy P. Meaux が有名だが、はたして、ソウル・ファンにとってテキサスというとどういうイメージだろうか。同じ南部でもアラバマやテネシー、ジョージア、お隣のルイジアナやミシシッピとも大分色合いが異なる。私にとってもまだまだ開拓途上の地域、いろいろと面白く、時には怪しいシングル盤にも出会えて刺激的。前回も Charles Gray の Village 盤をとりあげたが、今回はさらにテキサス産の 7 インチを何枚か取りあげることにしたい。

Donnie Carl with The Donnells / It Happened To Me Pt.1 & Pt.2 (Ty Tex 113)
Donnie Carl / You’ve Got It (Ty Tex 118)
まずはオーソドックスなものから。60 年代半ばぐらいのリリースだろうか。最初に挙げた It Happened To Me はなんだかズブズブ沁みてくるズンドコ・テンポ、ヴォーカル・グループ・スタイルでコーラスもばっちり、バックには女性の声も聞こえますね。Smokey Robinson & The Miracles にも歌わせたくなるようなイナたく趣のある曲調も私の好み、さらに、こぶしをブンブン振り回すドニーさんの歌声が胸をわくわくさせてくれる。アーリー・ソウルもイケるディープ・ファンなら、酒の肴になる 1 枚でありましょう。一方、ソロで歌っている  You've Got It は Northern Soul Of Texas (Goldmine 194) にも収められている R&B 調のダンスもの。バックの演奏も切れがあってなかなか。全く情報のないシンガーだが、同レーベルにさらに 3 枚のシングルがあるようだ。
donnie carl
Sunny & The Sunliners / I'm No Stranger (Key–Loc 104)
Sunny & The Sunliners / I’m No Stranger (London 135)
Sunny Ozuna 率いる The Sunliners は LP も数多くあり、知る人ぞ知るテキサスのヒスパニック系ソウル・バンドで、Tear Drop やサン・アントニオの Key-Loc レーベル等に 30 枚を超えるシングル盤を残している。中でも、ノーザン・ファンやモダンなダンスものが好きな人に絶対のお薦めなのがこの I'm No Stranger だ。カルト・ノーザン The Seven Souls の I Still Love You (Okeh 7289) のフリップ・サイドのカヴァー。いろいろとソウル・ナンバーを取り上げているグループだが、この渋くマニアックな選曲には参った。オリジナルも隠れた傑作。バンドの強みというか、原曲のおいしいところにさらにスパイスを利かせたようなしゃれしゃれでスマートなアレンジメントが素晴しく、The Intruders の Little Sonny タイプの Sunny Ozuna のヴォーカルも最高。なお、2 種類のシングルがあるが、London 盤は Key-Loc 盤とミックスが違っていて、少しバックの音が加えられているようだ。甲乙つけがたく、私はどちらも手放すことができないでいる。さらに、このグループ、甘いバラードも得意で CD コンピ・シリーズ Chicano Soul の常連。そして、70 年代に入ると、ファンク・バンドとしてヴァージョン・アップ、有名な Get Down (Key-Loc 1059) は Jazzman のコンピ Texas Funk で聴けます。
sunny  sunliners
Rocky Gil And The Bishops / It’s Not The End (Tear Drop 3181)
Rocky Gil And The Bishops / Oily (Tear Drop 3235)
この人もヒスパニック系のシンガー。It's Not The End はクロスオーバー・ダンサーの傑作として UKのノーザン・ソウル・シーンでもそこそこ知られている。20 年以上も前になるが、イギリス人から買ったモダン・ソウルのカセット・テープで初めて聴いて、その新鮮なサウンドに驚いた記憶がある。でも、ソウルっぽくないとおっしゃる方も多いかもしれないな。次の Oily はソウルフルで重厚なブラスとジャジーなアレンジで、すんなりと楽しめるインスト・ファンク。シングル盤は 2 枚ともけっこうな値段、特に It’s Not The End は高いが、2 曲とも Soul Party (Crazy Cajun) という LP に収録されている。
rocky gil
なお、テキサス・ソウルのシングルについては次のホーム・ページに詳しい。Tear Drop、Dynamic、Jet Stream、Sure Shot あたりの CD リイシューを期待したいね。
http://www.texassoulrecordings.com/index.htm
00:50:34 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  CHARLES GRAY & OTHERS
2009 / 01 / 16 ( Fri )
Charles Gray with Les Watson & The Panthers / I Found A Love (Village 103) - 1964
テキサスはダラスのシングル。あの Pickett & The Falcons のゴズペル・ソウル・バラードの傑作をI’ve Really Got Something To Be Proud Of (SSS Int. 701) の Willie Charles Gray が歌っているのだから、内容は推して知るべし。コーラスもばっちり決まって、前半はオリジナルに忠実にカヴァー。中盤からは語るがごとくディープにやってくれ、アーシーでサッド、かなり涙ものの出来だ。フリップでは The Five Royales のヒット R&B ナンバー Don’t Do It を取り上げている。楽本にも書いたけど、Charles Gray, Les Watson & The Panthers / From The Blackout Club (Jarrett) という LP もあって、聴けていない。このシングル収録が収録されているのか不明、お持ちの方、教えてくだされ。
Wylie Trass / That Soul Thing Pt.1 & Pt.2 (ABC 11219) - 1969
Freddie Hughes とコンビを組んだ The Casanova Two の We Got To Keep On (Early Bird 49658) はウエスト・コーストを代表するアッパー・ノーザンの傑作としてあまりにも有名だ。The Four Rivers や The Music City Soul Brothers のシングルも楽本で紹介したが、私の知る限り、ソロ名義でのシングルはこれ 1 枚。メロディックなファンク・ナンバーで、やぶれかぶれの歌いっぷりには有無を言わせぬものがある。同じく Willie Hoskins がプロデュースしている Nate Holmes の ABC 盤とマトリックスが続いているので、同じセッションでの録音かもしれない。なお、Wally Trash & Dollets (楽p.175) もこの人であろう。
(追記 2009.1.23) Wylie Trassにはさらに次の 2 枚のシングルがあります。楽マスク様、情報、ありがとうございます。
Soul Explosion with Wylie Trass : Since You’ve Been Gone / Loving You Again (Pashlo 1001/1002)、Soul Explosion with Wylie Trass : The Feeling / Chain Of Fools (Pashlo 1003/1004)
charles gray
Viola Wills / The First Time (A Bem Sole 1001) - 1969
Prince Brownell / Don’t Make Me Cry Seven Times A Day (A Bem Sole 1003) – 1969
このレーベル・デザインはダサくてファンキー、靴底に何かくっついている男が足を振り上げている。Sound Off 7 号でも紹介した LA の A Bem Sole レーベルのシングルを2枚、あらためてプッシュしたい。Viola Willis にはディスコものもあるようだが、私は 60 年代のシングルしか知らない。Barry White の Bronco レーベルから 65 年前後にデビュー。Bronco には 3 枚のシングルがあり、ガール系ノーザン・ファンには I Got Love (Bronco 2051) や Together Forever (Bronco 2053) あたりがお薦めだが、若さゆえヴォーカルが拙い。ぐっと女っぷりが上がるのがこの The First Time、伸びやかに軽快にスウィングしてくれる。抜けが良くチャーミングなダンス・ナンバー、モダンな音が好きなソウル・ファンなら絶対の 1 枚。一方、Prince Brownell は多分これっきりのシンガー、曲も書いて自分でプロデュース。汗が飛び散ってきそうなジャンプ・ナンバー、She's A Bad Girl スタイルでまことに快調、品の無いダミ声でへとへとな歌いっぷりが気に入っております。
bem sole
2008.12.10 の Ty Karim の CD レヴュー、内容に間違いがあり、訂正しました。Thai Curry様、ご指摘ありがとうございます。
00:41:14 | SOUL 45 | コメント(3) | page top↑
SOUL 45  MY FAVORITE SINGLES ON LP
2009 / 01 / 12 ( Mon )
ここ数年、ソウルのシングル音源に関する CD リイシューがとにかく凄い。その対象とするところも、ノーザンからディープ・ソウルへと拡大、需要と供給という経済活動の原則から逸脱するようなマニアックなものも次々と出てくるから、驚いてしまう。2008 年もあらためてソウル・ミュージックの奥深さに心ときめいた 1 年でありました。2009 年はメジャー・レーベルについても丁寧で配慮のいきとどいた企画を期待したいところ、関係者の皆々様方、よろしくお願いいたします。もちろん、本ブログでも積極的に CD を取り上げていく方針、でも、新年早々適当な弾がない。そこで、シングル盤の紹介を。7 インチの楽しみ方もいろいろあって、LP で聴けるものでも好きな曲はシングルで揃えている。ノーザン・シーンで有名なものは別にして、値段も手ごろ、しかしながら、簡単に買えるかというとそうでもないところが面白い。

J.J. Barnes / Sweet Sherry (UK Contempo 2048) – 1970
1969 年の J.J. Barnes & Steve Mancha の Rare Stamps (Volt 6001) に収録。UK のみのシングル・カット、Chains Of Love とのカップリングで米盤はない。LP 収録曲では一番印象に残った曲、明るく前向きな曲調が気に入っている。
j j barnes rare stamps 
Marvin Gaye / Little Darling (Tamla 54138) - 1966
Moods of Marvin Gaye (Tamla 266) に収録。J.J. Barnes の先輩格、Motown の 7 インチは一時期熱心に買ったので、シングル・ユースの曲はたくさんあるが、今日はこの 1 枚でいきましょう。Marvin Gaye の作品の中でも、とりわけポップなダンサー、転がるようなテンポに小気味よくヴォーカルが跳ねる。もともとは 63 年に HDH が Martha & The Vandellas のために書いた I'm Willing To Pay The Price という曲のなのだが、Martha のものはいまだに未発表のままになっている。
marvin darling baby 
Tommy Hunt / Words Can Never Tell It (Dynamo 105) – 1967
Tommy Hunt's Greatest Hits (Dynamo 8001) に収録。Chuck Jackson よりさらにヴァラディアー的要素が強いので我が国での人気はさっぱりだ。ちょっと手が出ないという方にはこれを聴いて目を覚ましていただきたい。NY サウンドが生み出した最良のノーザン・ナンバー、荒々しく頼もしいビッグ・ヴォイスに胸の鼓動も高まってくる。楽ソウルで取り上げた Capitol 盤が入っていないのが残念だが、UK Kent から Scepter と Dynamo 音源をまとめた The Biggest Man (Kent 1997) という 29 曲入り CD アルバムが出ていて、お薦め。
hunt dynamo 
Syl Johnson / We Did It (Hi 2229) - 1972
Back For A Taste Of Your Love (Hi 32081) に収録。メンフィスとシカゴが見事なまでにコラボしたあっぱれなアップ・ナンバー。ライターは Johnny Moore、たぶん、Syl Johnson の曲では私の一番のハード・ローテーション。ウラもバラードの傑作 Any Way The Wind Blows ということで、HI のシングルの中でもとりわけ愛着のある 1 枚だ。
syl we did it 
Wilson Pickett / How Will I Ever Know (Wicked 8101) - 1975
Chocolate Mountain (Wicked 9001) に収録。RCA を離れ、Henry Stone の Pickett 専用レーベルからリリースされたもの。Sweet Brown Sugar (楽p.260) のコンピで聴いた時はぶっ飛んだ。Brad Shapiro の制作でナッシュヴィル録音、Atlantic 以降は冷たくしていた私にきつくお仕置きをしてくれたグレート・ダンシング・バラッド。
pickett chocolate mpuntain 
Candi Staton / Too Hurt To Cry (Fame 1478) - 1971
Fame のセカンド Stand by Your Man (Fame 4202) に収録。George Jackson & Raymond Mooreの書いた曲。Fame スタジオが生んだ最もチャーミングなソウル・ナンバーと言っても良いであろう。プロフェッショナルなバック・サウンドにも溜息が。私の最も愛する Candi Staton がいつまでもここにいてくれる、そして、針を落とすたびに彼女に出会うことができる。
too hurt to cry 
Millie Jackson / A House For Sale (UK Spring 2066 713) – 1976
Free And In Love (Spring 0698) に収録。録音はマッスル・ショールズで Brad Shapiro のプロデュース。UK ではすぐにシングル・カットされているが、米盤は無い。抜群のダンス・サウンドということで人気があり、今ではけっこうな値段が付いている。Banks & Hampton の曲、エモーショナルなミリーのヴォーカルに惚れ惚れ、まさしく70ズ・ダンサーの傑作だ。
m jackson spring 
The Artistics / This Heart Of Mine (Okeh 7232) - 1965
67 年の名盤 Get My Hands On Some Lovin' (Okeh 12119) に収録。ノーザン・ソウルという文化が 7 インチで成り立っている UK では、ニーズも値段も高いシングル盤。曲を書いているのが、Money のヒットで知られ Motown のライターとしても活躍した Barrett Strong で、Carl Davis と Gerald Sims がプロデュース。力強く晴れやかなミディアムのバラード・ナンバー、ビートもあって踊れます。本当に素晴しい、The Exits の Another Sundown In Watts (Kapp 2028) となんかと同様、曲になんとなく物語性を感じてしまうのは私だけかな。
artistics okeh 
The O'Jays / Looky Looky [Look At Me Girl] (Neptune 31) – 1969
The O’Jays In Philadelphia (Neptune 203) に収録。Imperial の頃に最も愛着があるが、Bell や Neptune も大好き。Gamble & Huff との運命的出会いが生んだ最初の成果がこれ。歯切れの良いピアノの連打で幕が切って落とされる。眩しいばかりの自信と希望に満ちたフィリー・ジャンプの傑作中の傑作だ。
neptune ojays 
Barrino Brothers / I Had It All (Invictus 9121) - 1972
Livin’ High Off The Goodness Of Your Love (Invictus 9811) に収録。Vivid Sound のBarrino のリイシュー LP には感激以上のものがあった、こんな怪物のようなソウル・グループがいたのかと。彼等とのファースト・コンタクト、まさに未知との遭遇といった感じ、いまだにショックが抜け切れず、やはりバリノと言えばこのテンションの凄さまじいバラードということになってしまう。LP は語りの部分が長く、シングル・テイクのほうが出来は良い。
barrino invictus
23:58:53 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
SOUL 45  DEEP SOUL SINGLES NO.3
2009 / 01 / 02 ( Fri )
この 5 枚のシングルは、昨年末にアップしたかったのだが、新年にズレ込んでしまった。いずれも、2008 年に手に入れたディープなアイテム、これまでブログで取り上げていなかったものです。

Benny Latimore / I’m A Believer (Dade 202) – 1968
楽本では Let’s Move And Groove Together (Dade 2015) を押したが、今ではこれがマイ・ベスト。Dade の 7 枚では一番珍しく、やっと昨年後半に手に入れることができた。 Pickett & Womack の I’m In Love をテンポ・アップさせたような曲調が強烈に印象に残るミディアム・ナンバー。コブシをこねくり回すような Latimore の歌いっぷりも最高だ。Jackie Avery が曲を書いており、プロデュースは Brad Shapiro & Steve Alaimo、録音はマッスル・ショールズだろうか。Benny Latimore の初期音源については、デビューの Blade 盤を含め TK オーナー Henry Stone の HSM から CD アルバムが出ているが、あまり愛情が感じられない制作態度で、思いっ切りお薦めできないのが残念だ。
Marion Ester / Not Guilty (Murco 1047) - 1968
Kent の The Murco Story の CD コンピ (楽p.291) にも収録されているルイジアナ産サザン・ソウルの知られざる傑作。ウラの Victim Of Circumstance はくだけたリズムのダンス・ナンバーで、両面ともにマリオンの旦那であった Abe Ester の作。シングルはこれと Abe & Marion Ester & The Casanovas / Let Me Be The Fool (Murco 1036) の 2 枚のみ、夫婦でバーやナイトクラブを回って毎夜歌っていたんだろうな。無名のローカル・シンガーが残してくれた優しく情け深いスロー・バラード、一途な思いが胸を打つ。
benny latimore 
Gene Miller / Giving You The Love You Need (Bay Town 204) – 1974
メンフィスの有名なミュージシャン Gene Miller とは別人で、George Freeman のシングルもあるカリフォルニアのレーベルからリリースされたもの。フロム LP “ Raw Soul ” となっているが、LP は見たことがない。以前、Soul Craft と Thomas のシングル盤を紹介した James Dockery がプロデュース。メロディーにそれほどの魅力はないし歌も正直言って上手くはないのだが、煽るようなバッキングや女性コーラスが後押し、ヴォーカルにカタルシスを求めるディープ・ファンにはいつしか堪らない展開となっていく。私もめちゃくちゃ強引な歌いっぷりに訳が分からないまま感動してしまった。この人、Spider Man (Alfie 106) というファンクのシングルもあり。
Ernie Rivers / A Message To Percy (Knox 0001)
去年は Bofuz の Ernest Jackson や先に挙げた Marion Ester 等、ルイジアナのディープものに縁があったが、これもその中の 1 枚。Percy Sledge の Take Time To Know Her のアンサー・ソング。説得力のあるテナーで切々とやってくれる、バック・バンドもまずまずでうらぶれたギターが印象的。さすがに曲はど真ん中のサザン・ソウル、ぐっと気分が盛り上がる場面もあって、単なるあやかりものの域を超えている。このシンガー、ニュー・オーリンズの出身で、テキサスのハイ・スクールでは Joe Tex の同級生だったそうだ。Knox にもう 1 枚シングルがあるが、未聴。
gene miller
Jerry Richardson with the Ray Franklin Orchestra / Peace Of Mind (Chris 1018/1017)
楽ソウルで取り上げた Jimmy Williams の Peace Of Mind (Chris 004、楽p.130) と Joe Perkins の Thing Of The Past (Chris 001、楽p.98) を Jerry Richardson というシンガーが両面で歌っております。こよなくメンフィス・ソウルを愛する先輩ソウル・ファンから 「佐野さん、あの 2 曲、他のシンガーが歌っているって鈴木さんが書いていたよ、持ってないの」 と言われ、ほんまかいなと慌てました。いまだにその文章は読めていないけど、なんとか現物を確保。日頃、鈴木先生のライナーとか雑誌の記事をほとんどチェックしていないんですよね、この前、ご本人からもそれとなく指摘されたし、反省。70 年ごろの録音かな、バックはまったく同じ。充実のメンフィス・バラッド二連発、歌いっぷりも申し分ない。情報を教えてくれた友人にはなかなか会えず聴いてもらえていないが、彼の顔がほころぶのが今から楽しみであります。
jerry richardson
Gene Miller と Ernie Rivers については Sir Shambling (John Ridley) 氏の Deep Soul Heaven も参照させていただきました。
http://www.sirshambling.com/index.html
15:18:33 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
明けましておめでとうございます
2009 / 01 / 02 ( Fri )
新年、明けましておめでとうございます。昨年は 「楽SOUL」 でお世話になりました。あまりにも読者層が限られている内容だし、値段も安くはないので、当初は売れて 500 冊ぐらいかなと思っていたのですが、実売ベースでその倍の 1000 冊買っていただくことができました。これも DISK UNION 等販売に協力いただいたレコード店さんのおかげと感謝しております。ディープ・ソウル・ファンはもとより、日頃の付き合いで義理堅く買っていただいたモダン・ソウル・ファンやスウィート・ソウル・ファンもいらっしゃって、あらためて御礼申し上げます。また、ブログ等で好意的に紹介していただいた皆様、ありがとうございます。世の中つまらないことが多すぎる。そんな思いで、そこまで書くかといったものを作りたかった。自分のできることは時間的にも能力的にも限られているが、好きなものには全力であたりたい。ここ数年は、生活環境も大きく変わったが、変わらないのはソウルに対する情熱ぐらい。共感の音楽であるソウル・ミュージック、「正直であること、謙虚であること」 を忘れずに当面は本ブログを中心に同好の方々と関わっていきたいと思っております。ということで、本年もよろしくお願いいたします。
14:58:22 | 未分類 | コメント(2) | page top↑
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