RICHARD MARKS
2015 / 05 / 29 ( Fri )
RICHARD MARKS / NEVER SATISFIED (NOW-AGAIN 5116)

1 richard marks cd 1
2 richard marks cd 2
凄い CD アルバムが出てしまった。Richard Marks、楽本では、肝心のシングル盤を持っていなかったので、Bill Wright のところで一言触れただけのアトランタの幻のソウル・シンガーだ。1968 年から 76 年、残したシングルは全 9 枚、うち 8 枚はレア盤、さらに 7 枚はベリ・レア。私の知る限り、これまでコンピレーション等でも紹介されたことが無く、内容もとびっきり、幻たる所以である。この全シングルに、彼のバンドがバックを務めた Buddy Cantrell のシングル両面、さらに未発表曲 2 曲が収録されている。新譜紹介がさっぱりできていない当ブログだが、シングル・コレクター以外には知名度がゼロに近いシンガー、影響力は微力ながら、ここは気合を入れて、このアルバムのプロモーションに一役買わせていただく。
この CD の企画に携わったのがアトランタ在住の Brian Poust さん。貴重な写真等も豊富に掲載された 50 ページを超える冊子付き、採算がとれるのかと心配になってくるくらい立派なものだ。リチャード・マークスご本人は 2006 年に亡くなっており、家族や彼を知っていたミュージシャン達のインタビューをもとに、地元が生んだ忘れられたソウル・マンの足取りをたどっている。愛情や尊敬の念が伝わってくるのはもちろん、音源のデータもしっかりと調べあげられており、資料的にも充実している。まずは、収録曲を整理しておこう。
① The Minors / Funky Fingers (Esprit 2540) 1966
② The Minors / Boom Boom (Esprit 2540) 1966
③ Funky Four Corners * vocal (Tuska 101) 1969
④ Funky Four Corners * instrumental (Tuska 101) 1969
⑤ Crackerjack (Tuska 105) 1969
⑥ I’m The Man For You (Tuska 105) 1969
⑦ Never Satisfied (Tuska 112) 1971
⑧ Did You Ever Lose Something (Tuska 112) 1971
⑨ Buddy Cantrell / You Ain’t No Good (Tuska 104) 1969
⑩ Buddy Cantrell / Why Did You Leave Me ? (Tuska 104) 1969
⑪ Mr Santa Claus (Santa Claus Helping Hand) (Tuska 001) 1970
⑫ Home For The Holiday (Mother’s Wish For Christmas) (Tuska 001) 1970
⑬ Don’t Take It Out On Me (Shout 249) 1970
⑭ Love Is Gone (Shout 249) 1970
⑮ Ups And Downs (Note 7211) 1974
⑯ Living My Life Day By Day (Note 7211) 1974
⑰ Speak Now (SRC 1940) 1975
⑱ Purple Haze (SRC 1940) 1975
⑲ Innocent Bystander * vocal (Free Spirit no#) 1976
⑳ Pretty Woman Pass On By (unissued) 1975
㉑ I’m With You Love (unissued) 1975
1943 年生まれ、高校を卒業後、音楽で身を立てようと田舎から都会のアトランタにやってきたリチャード・マークス、先輩格のビル・ライトに出会ったのが 19 歳の時。ビルはキーボード奏者で既に The Fedells というバンドでプレイ、歌も歌っていた。以来、2 人は親友となる。リチャードはアトランタのクラブでギタリストとして活動、評判も高く、地元の大物ツアー・ミュージシャン Calvin Arnolds (後に西海岸に移り、Venture 等でシングルがある) から誘いもあったようだ。初めてレコーディング・チャンスが巡って来たのが 1966 年、①② は彼が参加していたバンド The Minors のもの。彼のギターと、Charles Terrell (ベース)、Little Joe Bowden (ドラムス)、Hosea Burch (キーボード) が主要のメンバー。このシングルは、地元の音楽ビジネスマン Gordon Boykin のレーベル Espit からリリースされている。ライターとしての才もあったリチャードが書いた曲。歌は無くて、ファンクと言うより、ファンキーなインストゥルメンタル・ソウルだ。その後、レコーディングの機会は無かったが、リチャードとマイナーズは Roy Lee Johnson のライブのバック・バンドなども務め、力をつけていく。転機が訪れたのは 69 年、D.A.Williamson という人物が象印の Tuska レーベルを立ち上げ、③④ のシングルがレーベルの第一弾としてリリースされることになる。JB 系のファンクながら洗練されたサウンド、メジャー・レーベルの目にとまり、Roulette レコードからも再発売されている。最初に珍しくないシングルが 1 枚と言ったのは、この Tuska 盤のこと。日本にも結構入っていて、これだけは持っているというコレクターも多いのではないだろうか。2 枚目からは Tommy Stewart という人物がプロデュースとアレンジを担当。このトミー氏、70 年代アトランタの R&B に深く関わった人物で、Jesse Jones のレーベル Tragar と Note でも仕事をしている。残る Tuska の 3 枚のシングル、作曲はリチャードだが、サウンド面ではトミー・ステュアートの意向が強く出たものだろう。ダウンホームでディープでブルージーなファンク・ナンバーがこれでもかといった按配で、もう真っ黒である。⑤ Crackerjack はずいぶんと自由な感じ、歌はオマケかな、ドラムやギター、ホーンが大活躍、かっこ良さならこれが一番かも。⑥ I’m The Man For You はディープな歌ものファンク、黒さでは一番かもしれない。⑦ Never Satisfied も同一路線、変にキメキメでないところがクール。⑧ Did You Ever Lose Something はスタックス・ライクなアップ・ナンバー、Johnnie Taylor っぽいボーカルで、歌手としてもイケルところをアピールしてくれる。ハッピーな気分でクリスマスを迎えたことが無く、ちょっと力を抜いて録音した感じの ⑪ にもしみじみ。ファンクだけど、⑤⑥ のシングルは欲しかった、⑦⑧ もね。シングル・コレクターもほぼ引退、こうやってちゃんと聴けるありがたみに深く感謝。そして、さらにありがたみが増すのが、⑨⑩ のBuddy Cantrell、どうして違う人の曲が入っているのと思われる方もいるかもしれないが、リチャード・マークスとトミー・スチュアートのコンビ最高最良の成果がこのシングル盤、これが入っているおかげで、本アルバムの価値がさらに高められている。私がどうこう言う必要もないくらいの問答無用盤だ。⑨ You Ain’t No Good はディープでグレートな歌ものファンク、⑩ Why Did You Leave Me ? は極めつけのサザン・ソウル・バラード、女性コーラスも雰囲気を盛り上げてくれる。リチャード・マークスとマイナーズはレーベルのハウス・バンドでもあったようで、こういうのを聴くと、優れたバンドがあったか無いかで楽曲のクオリティーが決まることが良く分かる。両面曲も書いているバディ・カントレルについては全く情報が無く (冊子にポートレイトあり)、シングルもこれっきり、ディープで爆発力のあるシンガー、これで消えてしまったのが惜しまれる。1 枚目で当たりをとった Tuska だったが、以降はメジャー・レーベルの目に留まることもなく、十分なプロモーションもできず、3 年間の活動で終わってしまう。私の知る限り、Richard Marks が 4 枚、Buddy Cantrell が 1 枚、Barbara Hall という女性シンガーが 3 枚、計 8 枚が Taska レーベルの全て。Barbara Hall の 3 枚も気になるところなので、リスト・アップしておこう。
Lookin' For My Baby / Tell Me Tell Me Tell Me (Tuska 102)
Broken Hearted / Big Man (Tuska 106)
Humanity / The Doll (Tuska 113)
3 枚目の B 面は The Minors のインスト・ナンバーのよう。全て聴けているわけではないが、バラードの Broken Heated、ファンクの Big Man はなかなかの出来。Tuska は難しいが、この女性、74 年から 75 年にシカゴのレーベルで 2 枚のシングルがあり、そちらは普通に買える。B 面がハニー・コーンのカヴァーとなる Can I Count On You / V.I.P. (Innovation II 9162)、Sam Dees が曲を書いている You Brought It On Yourself / Drop My Heart Off At The Door (Innovation II 9162) とも、本格派の女性シンガーが好きなら、コレクションの価値あり。
こんなことでもないとコメントを残しておけないシンガーなので、脱線して、すいません。13 曲目以降が Tuska 以外のシングル。⑬⑭ は NY の Shout から 70 年にリリースされている。バート・バーンズの未亡人イレーネがレーベルのレコーディング拠点を NY からアトランタに移したことから、Thomas Fletcher の売り込みで実現したもののようだ。ライナー冊子にいろいろ当時の事情が書かれているのだが、正確に理解できず。マニアックなシングルでコレクターには名の知れているプロデューサーのトーマス・フレッチャーが関わっていることだけで情報提供はご勘弁を。ベリ・レアではないレア盤とはこの Shout 盤、随分前から持っているのだが、久しぶりに聴いて惚れ直した。冷たくしていてごめんなさい。⑬ のストレートなダンス・ナンバーも ⑭ のユニークなサザン・ダンサーも聴くほどに調子も気持ちも良くなっていきます。でも、これもヒットせず、⑦ を最後にレコーディングはしばらく途絶えてしまう。
当時、トミー・スチュアートやビル・ライトとの付き合いもあって、リチャードはライター&ギタリストとして Tragar & Note レーベルでも仕事をしていた。そんな中、アラバマのバーミンガムにあった New London スタジオで 74 年に録音されたのが ⑮⑯ の Note 盤だ。これは 20140831 の当ブログで紹介済みのシングル。苦労して手に入れたこともあって、初めて聴いた時は感激したね。リチャード・マークスの歌の上手さにも感心、一皮むけたって感じだろうか、激渋なボーカルに涙、また涙である。⑰⑱ は NY のマイナー・レーベル SRC からのリリース。⑱ Purple Haze が A 面、ジミー・ヘンドリックスへのオマージュといった感じでサイケデリックなロック・サウンド、リチャードが新たにロック・マーケットに挑戦したシングル。これは NY 在住だった義兄弟の伝手で実現した録音のようだ。そして、B 面 ⑰ Speak Now が素晴しい、前作の流れにあるバラード、さらにサザン・ソウル臭がきつくなっている。NY からアトランタに戻って製作した ⑲ Innocent Bystander はビル・ライトとリチャードが書いた曲、美しく力強いミッドテンポのバラード、ダンサブルでもあり、実に心地よい。南部の豊かなソウル・ミュージックの土壌から 70 年代に花咲いた名品と言っても良いかもしれない。なお、B 面はインスト・ヴァージョン、ビル・ライトも 2 年後にこの曲 (Midtown 106) を歌っている。Tuska 後の 3 枚のシングルも充実した内容だったのだが、巷ではディスコ・サウンドが氾濫、クラブ・ハウスでのライブも減ってしまって、リチャードも 77 年を最後に音楽ビジネスの一線から退いてしまう。残る 2 曲は 75 年に録音された未発表ナンバーだ。ミディアムの ⑳ も良いが、続く ㉑ I’m With You Love に驚いた。このアルバムを最初に聴いた時、この曲だけ何度も何度も繰り返しリピートして随喜の涙を流したものであります。ジョニー・テイラーを彷彿させる歌いっぷり、これまでのバラードには無かった余裕や色っぽさもあって言うこと無し。
後日談を少々。引退後は自動車修理の仕事で働き、音楽は趣味となったリチャードだったが、1983 年にアルバム 1 枚分のレコーディングしており、” Marks Of the Future “ というタイトルでリリースされる目論みもあったらしい。結局、Midtown で I Can’t Stand (Being Alone Without You) と Pretty Woman (⑳ の再録) のカップリングでシングルが 1 枚出たきり、残りの曲はお蔵入りとなってしまった。冊子ライナーによれば、今回の Now-Again のリサーチで、その音源も発掘されている。今後、日の目を見ることがあるのか気になるところ、幸運にも、この音源を聴く機会があり、何曲かは本アルバムにも収録しても良かったんじゃないかなと、Midtown のシングルも見たことが無いし、ベストのバラード I Can’t Stand ぐらいはねじ込んでもらいたかった。
最後に、勝手プロモーション担当としまして、しつこく PR。ディープなファンクやソウルが好きな方なら、このアルバムは絶対に買い。コレクター的価値観から押しているわけではありませんよ。今さらだけど、有名無名なんてのも関係ありません。ちゃんと自分の耳で確かめてほしい。聴く側がしっかりしていないと、音楽の価値がどんどんすり減っていきます。

3 richard marks tuska
プライス・ガイドを見たら、ROULETTE 盤の方が高値でした。
6 richard marks shout a
7 richard marks shout b
今後、さらに人気が出そうな気が。まだ見つかる盤なので、値段が高騰するかもしれない。
4 richard marks note a
5 richard marks note b
我家の家宝

関連CDアルバム
ECCENTRIC SOUL : THE TRAGAR & NOTE LABELS (NUMERO 020)
これも必聴盤、20080707 の当ブログでコメントしているので、そちら参照。楽ソウル 255p から 259p にもアトランタのディープ・ソウル・コンピや Herman Hitson、Lee Moses のアルバムを紹介しています。さらに、ロイ・リー・ジョンスンならこれ。
ROY LEE JOHNSON / WHEN A GUITAR PLAYS THE BLUES (BEAR FAMILY BCD 16321 AR)
20090514 の当ブログでコメントしています。
13:56:37 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
GOSPEL NIGHT VOL.2 @ SOUTHERN WINDS
2015 / 05 / 25 ( Mon )
gospel night 20150613

6 月 13 日 (土) 午後 4 時から、サザン・ウィンド 「ゴスペル・ナイト」
DJ 山口博三さん、鈴木啓志さん、森崎ベラさん。ゴスペルのレココン第 2 回目です。
私もお手伝い、「ソウル・シンガーの歌ったゴスペル」で30分ほどレコードをかける予定です。
18:15:03 | イベント | コメント(0) | page top↑
JAMES BROWN, TNT SUTTON & PECY SLEDGE
2015 / 05 / 09 ( Sat )
5 月 2 日のワンマン DJ で紹介した映像及び音源について、コメント。

1 tami show dvd
T・A・M・I Show Collector’s Edition (Shout Factory)
知っている人にとっては今さらという映像かもしれない。1964 年 10 月 29 日、カリフォルニアのサンタモニカ・シビック・オーディトリアム、その年に活躍した歌手・バンドによる TV 番組 T・A・M・I ショーを劇場公開用に撮影編集したもので尺は 2 時間弱。日本でも 1966 年に 「ビート・パレード」 という邦題で公開されている。ジャン&ディーンが MC を務め、ローリング・ストーンズ、レスリー・ゴーア、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、ジェームス・ブラウン&ザ・フレイムズ、ビーチ・ボーイズ、チャック・ベリー、マーヴィン・ゲイ、ミラクルズ、シュープリームスらが出演。ブートレグのビデオやレーザーディスクによる不完全版が出回っていたが、2009 年に初めて正規完全版 DVD がリリースされた。この映像の存在を私は知らなく、つい 1 か月前に森島さんから見せていただき、とにかく驚いた。パフォーマンスのクォリティはもちろん、映像のクォリティも極めて高い。口パクじゃなくて生バンドによる生歌。黒人も白人も同じステージというのも、当時としては珍しいのではないだろうか。
5 月 30 日に映画 「最高の魂を持つ男」 が公開されることもあり、この DVD の中からジェイムズ・ブラウンの伝説的なライブ映像を観ていただいた。
Out Of Sight – Prisoner Of Love – Please, Please, Please – Night Train
フェイマス・フレイムスをバックに以上 4 曲、約 18 分間、エネルギーの塊りがパワフルに弾けとぶ。JB が凄いのはもちろん分かっていたが、そのカリスマを肌で感じる圧倒的パフォーマンス。彼の表情、一挙手一投足に釘付け、一緒に叫びのたうちまわりたくなる、これはもう観ていただくしかない。私みたいな熱心な JB ファンじゃなくとも興奮すること間違いなし。注意深く見ると、3 人のコーラス&ダンサーの中にボビー・バードさんもいらっしゃるじゃありませんか。JB のステージだけカメラの台数が増えているような、映像的にもとりわけ素晴しい。汗が光るクローズ・アップからステージ―全体の俯瞰まで、JB の動きに合わせたカット割りが見事で、編集も実に丁寧だ。
JB 以外も見どころ聴きどころ満載。ミラクルズの後ろでギターを弾いているのはなんとマーヴ・タープリン。マーヴィン・ゲイも輝きでは負けていない、ダ-レン・ラブのブロッサムズがバック・コーラスでサポートしていて感激してしまった。ソウル以外ではレスリー・ゴーア、けっこう大人で背が低くて驚いた、可愛子ちゃんではなくてヘレン・シャピロ並みの本格派だね。トリのローリング・ストーンズは JB の後で居心地が悪そう。この DVD は今でも入手可能、リージョン・ワン (日本の通常のプレイヤーでは再生不能) とリージョン・フリー (再生可) があるので、ご注意を。

2 usa records soul story 1
3 usa records soul story 2
THE USA RECORDS SOUL STORY (FUEL 302 061 952 2) 2013
これは買い忘れていて、3 か月くらい前に入手したもの。FUEL のアルバムは、先に他で出ているものと内容が重複するのが多く、つい見逃してしまっていた。最近ではブランズウィックやワンダーフル等シカゴ・ソウルのリイシューが盛んだが、このシカゴ・レーベル、代表するようなシンガーもおらず、興味がわく人は少ないかもしれない。2 枚組で 36 曲、手に入れてタイトルを見たら、持っている曲が多い、復習のつもりで聴いていたら、次の 2 曲に思いっきりどつかれた。
Tut Sutton / No Appreciation (USA 852) 1966
Tut Sutton / I Can Feel The Tears (USA 852) 1966
グレートなガールズ・ミディアム、こんなものを知らずにいたとは不覚、プライス・ガイドを見て納得、ベリ・ベリ・レア盤、おそらく初の CD 化でしょう。ゆったりした横揺れで両面 2 曲とも似かよった曲調、甲乙つけがたいですね。ハスキー・ボイスにも深みがあって、背筋がぞくぞくするような恍惚感が漂ってくる。シックで艶っぽい、このままずっと浸っていたい気分だ。なお、Federal にシングルのある Little Emmett Sutton と同じ人だそうだ。
このレーベル、訳の分からないシングルも多い。ど真ん中のディープ・ソウルはほとんど無いし、ブルースや R&B っぽいものが多いのかと思ったら、けっこうポップなガールズものもあったり、どうもとらえどころがない。参考のために他の収録曲も簡単にコメントしておきましょう。まず、なじみのあるところで L.C.Cooke、昨年 SAR のシングルをあつめたアルバムもリリース、1② と 2⑦ は USA の関連レーベル Destination のシングル、I’ll Wait For You は 2 歳上の兄サム・クックの Just For You (Sar 122) をさらにリズミックにしたようなナンバー。Do You Wanna Dance (Yea Man) は別テイク、シングルとはバック・コーラスが少し違っていて、ちょっとデュオっぽい雰囲気もある。尺も長く、イシュー・ヴァージョンよりもさらにエキサイティングな出来栄えだ。1⑥ Baby Huey & The Baby Sitters / Just Being Careful (USA 812) はイギリスで人気のノーザン・ナンバー。この人は、楽本でとりあげたウェスト・コーストの Claude “Baby” Huey とは別人で、Curtom に LP もある巨漢シンガー。1⑭ と 2② の Lee Wilson は楽ソウル参照、スローもアップも心もとない歌いっぷりに涙であります。1④ 2④ の Bobby Jones は Takin’ Bout Jones (Toya) というLPもあるシカゴの中堅シンガー、鈴木先生の SOUL CITY USA でも取り上げられている。いろいろなレーベルでシングルを出しているが、なかなか平均点を上回れない。2④ Beware A Strangers はモータウンを無理やりシカゴに持ってきた感じのアップ・ナンバー、ホーンはパクリだけど、けっこう好き。1⑧ 2⑮ の Al Perkins、デュエット盤を含め USA にはシングルが 5 枚。 Atco や HI などにもシングルがあり、ライターやプロデューサーとしても活躍、Al Hudson & The Soul Partners (ABC) の傑作アルバムはこの人のプロデュースだ。A.C.Reed、Detroit Junior、Billy “The Kid” Emerson、Mighty Joe Young はブルースの人達、A.C.Reed はサックス奏者として有名、どちらかと言うとサイド・マンで歌は期待できず、インストの Boogaloo-Tramp (Nike 2002) が私の愛聴盤。1⑮ I Got Money To Burn もサウンドは適度に荒れていい感じ、ギンギンのギターは Ivory Parkes というお方らしい。ここでピアノを弾いているのが Detroit Junior で、1⑰ Talk Fast (USA 807) はグレートなスロー・ブルース、未収録のダウンホームな Call My Job (USA 814) も多くのブルース・マンに歌われている名曲だ。2⑬ なんか聴くと、サム・クックも好きだったかも。Billy “The Kid” Emerson はフロリダ生まれで 50 年代から南部で活動していた R&B 系のシンガーでピアニスト、1⑩ は溌剌としていて楽しいね。デニス・ラサールを最初に見出した人物としても知られ、デニスのデビュー・シングルはこの人のレーベル Tarpon からリリースされている。Mighty Joe Young はギタリスト、2⑰ Ain’t Nobody Home は転がるようなテンポの R&B ナンバー、ブーガルーにドラム・ブレイクも入って、なかなかスマートな出来。4 曲も収録されている Ricky Allen はシカゴの R&B シンガー、60 年代に数多くのシングルを残しているが、決め手に欠け、ブルース・ファンからもソウル・ファンからも見逃されているタイプかも、1⑤ のバラードがベスト、けっこう聴きごたえあり。Ernie Hines は Stax や We Produce にもシングルがあり、1⑬ は泣かせどころもあってまずまず。ライナーによれば Frankie Newsome は M-Pac の Willie Parker と同じ人とある。ホンマかいな、Secret Stash の M-Pac のコンピを確認したら、そこにもちゃんと書いてある。気持を改めて、1⑱ に耳を傾けると、これまで以上に暖かくて素敵な曲に聴こえてきた。ゲンキンなものである。McKinley Sandifer の 1① Get Up はファンク・ナンバー、この人、サックス奏者で南部生まれ、故郷のメンフィスで録音された You’re A Winner Baby / Saw And Axe (Cotton 12374) というシングルもある。Edward St. Ann はキッズだろうか、2⑯ はニューオリンズのコジモ・スタジオで録音されたもの。The Valentinos (Sar 144) のカヴァーとなるフリップ・サイド More Luck To You Baby の方を収録していただきたかったね。残る女性歌手が、Geraldine Hunt、Chris Campbell、Amanda Humphrey の 3 人。クリス嬢の 2③ You Gotta Pay Dues (USA 885) はいなせな歌謡調ダンス・ナンバーで大好き。ライターに Joseph Hunter の名前がありモータウン色もほんのり、リズムがとても優しいね、ちょっとぶっきらな歌いっぷりも良いのであります。ジェラルディン嬢は Bombay のシングルを愛聴、1⑪ Sneak Around (USA 732) は初めて聴く、ヤングで清潔感のあるポップ・ナンバーです。アマンダさんも悪くないガールズ・ノーザンだけど、声が私の好みではない。Tut Sutton 以外は簡単に済まそうとしたら、悪い癖で長文となってしまった。ディープ・ソウル・ファン向けではないが、丁寧に聴いていくとけっこう面白い。2 枚組で値段も安いし、これまで CD 化されていない音源なので、これは買い。Tut Sutton が聴ける幸せをともに分かち合いましょう。

4 lee wilson usa
5 detroit jr usa
6 chris campbell usa
これが入っていれば、もっと良かったんだけど。
7 jimmy burns usa
Jimmy Burns / Through All Your Faults (USA 771) 1964
楽ソウル参照。実は 2002 年にリリースされている The USA BLUES STORY (FUEL) に両面とも収録されております。

8 percy sledge blue night 1
9 percy sledge blue night 2
Percy Sledge / Blue Night (Sky Ranch 7243 8398712 2) 1994
4 月 14 日にパーシー・スレッジが亡くなった。この人が「男が女を愛する時」を歌わなかったら、サザン・ソウルの歴史も大きく変わっていただろう。アトランティックの頃も良いが、私が長年愛聴しているこの 94 年のアルバムから 2 曲かけさせていただいた。
① You Got Away With Love
オリジナル曲、ギターはボビー・ウ―マック。このアルバムでは一番好きな曲。歌にも泣かされるが、ギターにも泣かされます。
⑥ These Ain't Raindrops
ジェイムズ・カーの曲。オリジナルに比べてというコメントを発することが、恥ずかしくなるような潔く立派な歌いっぷり。スティーヴ・クロッパーのギターが華を添えます。
このアルバム、80 年以降では 3 本の指に入るサザン・ソウルの名盤と言うのが私の評価。奢りも無くひたすらな歌いっぷりが美しく、バッキングも文句無し。カヴァー曲が ④⑥⑨⑪ の 4 曲、残る 7 曲がオリジナル。全曲良いが、セカンド・ベストは、③ Why Did You Stop と ⑪ I've Got Dreams To Remember かな、⑧ First You Cry も素晴しい。ウ―マックは ①②、クロッパーは ②③⑥⑪ に参加、ミック・テイラーのギターも ⑦⑨ で聴ける。コーラスは The Waters の女性たちだ。
19:33:06 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
DETROIT, MICH @ NEO MASQUERADE のお知らせ
2015 / 05 / 08 ( Fri )
DETROIT, MICH @ NEO MASQUERADE

DET.jpg
13:07:31 | イベント | コメント(0) | page top↑
SOUL COOKIN’ - ONE MAN DJ 第 2 回 @ BLUE HEAT / PLAY LIST
2015 / 05 / 03 ( Sun )
ご来場、ありがとうございました。
次回は 7 月 19 日 (日、翌日祝日)、「おれのノーザンソウル第2回」 DJは未定です。

- R&B Early Soul –
01. The 5 Royals / Just As I Am (King 4973)
02. Falcons / I’ll Never Find Another Girl Like You (Lupine unreleased)
03. Betty LaVett / You Killed The Love – extended mix Lu-Pine 123 (unreleased)
04. Ruth Brown / Anyone But You (Atlantic 2104)
05. Fascinations / Someone Like You (ABC Paramount 10387)
06. Fascinations / Tears In My Eyes (ABC Paramount 10443)
07. The Strands / Never (Tri-Ode 101)
08. The Rays / Love Another Girl (Amy 900)
09. The Three Friends / Walkin’ Shoes (Cal-Gold 169)
10. Alpha And Omega Singers / That’s Alright (Peacock 1787)
11. Spiritual Five / Call Him Up (Peacock 3001)

- a cellarful OF MOTOWN ! –
12. Gladys Knight & The Pips / If You Ever Get Your Hands On Love
13. The Contours / Somebody’s Waiting For Me
14. Carolyn Crawford / Think Of The Times
15. Tammi Terrell / My Heart
16. The Fantastic Four / Take Him Back If It Makes You Happy
17. Dennis Edwards / I Feel Like I’m Falling In Love Again

- Group Soul –
18. The Steinways / My Heart Not In It Anymore (Oliver 2002)
19. The Stoppers / Come Back Baby (Jubilee 5528)
20. The Blossoms / That’s When The Tears Start (Reprise 0436)
21. The Ambassadors / Ain’t Got The Love Of One Girl (Arctic 150)
22. The Natural Four / I Thought You Were Mine (ABC 11253)
23. The Natural Four / I Thought You Were Mine (Boola Boola 2382)
24. The Attractions / You Don’t Know Boy ? (June Bug 697)

- JB LIVE SHOW 1964 –
25. Out Of Sight – Prisoner Of Love – Please, Please, Please – Night Train
from DVD T・A・M・I Show Collector’s Edition (Shout Factory)

- Deep Soul / Southern Soul –
26. Peggy Scott & Jo Jo Benson / Big City Blues (LP)
27. The Boomerangs / I’ve Just Got To Cut You Loose (Bandera 689) from CD
28. Geater Davis / A Whole Lot Of Man (unissued)
29. Douglas Banks / Ain’t That Just Like a Woman (Guyden 2082)
30. Syl Johnson / The Love I Found In You (Special Agent 200)
31. The Sparkz / I’ll Show You (Bell 793)
32. Robbie Robinson & The Show Stoppers / Everyday Will Be Like A Holiday (Mockingbird 1018)
33. Richard Marks / I’m With You Love (unissued) from CD
34. Percy Sledge / You Got Away With Love (CD Sky Ranch 8398712)
35. Percy Sledge / These Ain’t Raindrops (CD Sky Ranch 8398712)

- Sisters Soul -
36. Tut Sutton / No Appreciation (USA 852) from CD
37. Tut Sutton / I Can Feel The Tears (USA 852) from CD
38. Dorothy Moore with The Dollettes / Believe It Or Not (ABC 10627)
39. Helene Smith / You Got To Do Your Share (Deep City 2743)
40. Maxine Jones / Little Bit Of Heartbreak (Penthouse 1003)
41. Nancy Butts / I’ve Been Blind Too Long (Jar-Val 17)
42. Fontella Bass / Lucky In Love (Checker 1183)

- Sweet & Modern Soul –
43. Young Ladies / I’m Tired Of Running Around (Outta Sight 024)
44. Corey Blake / How Can I Go On Without You (Capitol 4057)
45. Ron Henderson & Choice Of Colour / Gemini Lady (Choice Cut 0008)
46. Barbara Mason & The Futures / We Got Each Other (Buddah 481)
47. Dillard & Johnson / Fairytales Come True (Epic 50239)
48. The Innersection / I’m In Debt To You (Group 5 101)
49. Ernest Baker / Alone Again (Blue Soul no#)
50. Sly, Slick & Wicked / Tonight’s The Nite (Bad Boys 1006)
51. Blue Steam / I Want A Girl (Catamount 133)

- My Favorite –
52. Ann Sexton / I Had A Fight With Love (LP)
53. The Continental 4 / The Way I Love You (Jay-Walking 009)
54. The Ebony’s / I Can’t Help But Love You (Avis 1001)
55. Bobby Kline / Say Something Nice To Me (MB 105)
56. Belita Woods / Magic Corner (Moira 106)
57. Belita Woods / That’s When I’ll Stop Loving You (Moira 107)
58. Connie Laverne / Can’t Live Without You (GSF 6916)
59. Vangards / Good Times Bad Times (Lamp 94)

- Request -
60. Veda Brown / I Had A Fight With Love (Rav 16)
61. Theron and Darrell / I Was Made To Love Her (Solo 1970)
62. Chuck Armstrong / A Better Place (Black Rock 2001)
63. Cynthia Sheeler / I’ll Cry Over You (JB’s 2605)
64. The Rayons / I’m Giving Up, Baby (Decca 732521)
65. The Rayons / Do You Love Me (Decca 732521)
66. Emory And The Dynamics / Let’s Take A Look At Our Life (Peachtree 107)
67. Hollidays / Easy Living (Groove City 206)
68. Bobby Patterson / I Get My Groove From You (Paula 386)
69. Houston Outlawas / Ain’t No Telling (Westbound 179)
70. James Fountain / Seven Day Lover (Peachtree 127)
71. Little Brenda Duff / The Army’s Got Me Crying (Downbeat 101)

CD LIST
The “5” Royals / King A Sides & B Sides (History Of Soul)
The Definitive Falcons Collection (History Of Soul)
Phil Spector The Early Productions (ace)
a cellarful OF MOTOWN (Universal)
Bandera Doo Wop (ace)
Geater Davis / Sadder Shades Of Blue (West Side)
Richard Marks / Never Satisfied (Now-Again)
Percy Sledge / Blue Night (Sky Ranch)
USA Records Soul Story (Fuel)
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