楽CD  THE COMPLETE GOLDWAX SINGLES VOL.2 (ACE)
2009 / 11 / 03 ( Tue )
THE COMPLETE GOLDWAX SINGLES VOL.2 1966-1967 (UK ACE CDCH2 1236)
2009  Notes : Tony Rounce & Dean Rudland

Goldwax のコンプリート・シングル・コレクションの第 2 集。配給が Vee Jay から Larry Uttal のBell レコードに変わって、経営も軌道に乗った Goldwax の絶頂期の作品集だ。66 年から 67 年にリリースされた Goldwax のシングル 23 枚に、Bandstand USA 2 枚、Veep 1 枚、Quinton Claunch のカントリー・レーベル Timmy のシングル 1 枚を加えた全 54 曲。何といっても、James Carr、Spencer Wiggins、The Ovations の充実ぶりが半端ではない、加えて、Eddie Jefferson や Percy Milem の極め付けの逸品も。ライナー・ノーツも参考にさせていただいて、気になった曲についてコメントしておこう。
・ James Carr / You’ve Got My Mind Messed Up (Goldwax 302)、R&B チャート 7 位にランクされた Goldwax そして James Carr の最大のヒット作。ラスト 30 秒の緊迫感と高揚感は Goldwax の James Carr ならではの世界である。
・ The Yo Yo’s / Leaning On You (Goldwax 303)、白人バンド、ソウルではありません。Fame録音で Joe South の曲、ブリティッシュ・ロックのまねごとのようだが、バックの音も流石で、なかなか良い曲。
・ Gene “Bowlegs” Miller / What Time Ye Got (Goldwax 305)、O.B.McClinton の語りが入ったダンス・ナンバー。このシングルのリリース後、Gene Miller は活動の拠点を Willie Mitchell の Royal スタジオに移している。
・ The Ovations / I Believe I’ll Go Back Home (Goldwax 306)、George Jackson が初めてオヴェイションズのために書き下ろした曲、録音は Sam Phillips のスタジオ。
・ Ivory Joe Hunter / Every Little Bit Helped Me (Goldwax 307)、ファースト・レコーディングは 1933 年、King、MGM、Atlantic で多くのヒット曲を残しているシンガー。The Ovations をマネジメントし Goldwax に連れてきたのはこの人。
・ Spencer Wiggins / Take Me Just As I Am (Goldwax 308)、Penn & Oldham 作、先にDan Penn (Fame 6409) 自身が吹き込んでいるカントリー・タッチのバラード。イントロからサビに入るパターン。2 人の天才によって世に送り出された傑作サザン・ソウル・ナンバーである。
・ James Carr / Love Attack (Goldwax 309)、James Carr の泣き節にぐっと引き込まれる、徐々に力強くシャウト、感情をむき出しにした熱唱がソウル・ミュージックでしか味わうことのできないカタルシスを与えてくれる。
・ The Yo Yo’s / Gotta Find A New Love (Goldwax 310)、オリジナルはWillie & The Handjives (Veep 1227)、サイケなガレージ・ロック。
・ James Carr / Pouring Water On A Drowning Man (Goldwax 311)、My Soul Is Satisfied (CDKEND 231) に収録の別ヴァージョンも必聴です。
・ Spencer Wiggins / Old Friend (Goldwax 312)、溜息が出てしまうね、Spencer の歌のうまさは神がかっている、もうこれは一級の芸術品と言っても過言ではないだろう。
・ George & Greer / Good Times (Goldwax 313)、George Jackson と Dan Greer のSam Cooke への憧れが素直に伝わってくる、Goldwax のカタログの中でもとりわけ楽しい1曲。
・ The Ovations / They Say (Goldwax 314)、O.B. McClinton が書いた抜群のダンサー。
・ Percy Milem / Crying Baby Baby Baby (Goldwax 315)、James Carr や Spencer Wiggins をさしおいて、Goldwax で一番のシングルと迂闊にも口を滑らせてしまったが、そう言いたくなる気持ちも分かっていただけますよね。
・ Eddie Jefferson / When You Look In The Mirror (Goldwax 316)、Phillips & The Faithfuls と並ぶレア盤、Stax と Goldwax に各 1 枚のシングルを残すのみのオブスキュアなシンガー。Bobby Robinson が制作した Joe Haywood (Enjoy 2016) がオリジナル。ライナーによれば、64 年に Eddie Jefferson は Goldwax と 6 曲録音する契約を結んだが、残す 4 曲に何が起こったのか、リリースされるまでになぜ 2 年もかかってしまったのか謎であるとしている。Goldwax のバッキングに思わずうっとりしてしまうが、繊細で憂いのある歌いっぷりも味わい深い。フリップの Some Other Time は Sam Cooke をよすがとするミディアム、こちらも何度も繰り返して聴きたくなる曲だ。
・ James Carr / The Dark End Of The Street (Doldwax 317)、James Carr では最も有名なバラードで名曲とされている。でも、らしくなくて、私はフリップの Lovable Girl の方が断然好き。
・ Barbara Perry / Unlovable (Goldwax 318)、Dan Greer の作、これまでの不明を改めさせていただく。シングル盤を取り出してターン・テーブルで再確認、バックも完璧、清楚で力強い歌いっぷり、めちゃくちゃ沁みます。61 年のデビュー・シングル Bobby Is A Bad Bad Boy (Fernwood 130) は Ferwood Rhythm ‘N’ Blues (Stomper Time STCD 17) の CD コンピに収録。
・ Ivory Joe Hunter / What’s The Matter Baby (Veep 1258)、Quinton Claunch のプロデュースで Veep に 2 枚のシングルがあり、もう 1 枚も第 3 集に収録予定。
・ Timmy Thomas / Have Some Boogaloo (Goldwax 320)、Phillips & The Faithfuls のリード・シンガーだった Timmy Thomas、当時流行っていたブーガルーを取り入れたナンバー、掛け声のようなボーカルで、ほとんどオルガン・インスト、かっこいいっす。
・ Spencer Wiggins / Up Tight Good Woman (Goldwax 321)、マッスルショールズ録音、ライナーでは Laura Lee や Solomon Burke もこのオリジナル・ヴァージョンに遠く及ばないとしている。UK での Spencer の評価がいかに高くなっていることがわかります。
・ The Ovations / Ride My Troubles And Blues Away (Goldwax 322)、George Jackson作、Goldwax の The Ovations ではマイ・ベスト。バックも James Carr のセッションのようにドラマティックでスリリングなものとなっている。
Bandstand USA の Leroy Daniel と Jeannie Newman、Goldwax の The Terry’s とCarmol Taylor、Timmy の Kathy Davis はカントリー・ナンバーです。第 1 集に引き続きライナー・ノーツも充実。Goldwax という奇跡のメンフィス・ソウル・レーベルを正しく後世に伝える企画、こういった手間も時間もかかることをきちっとやりあげる仕事ぶりに、敬服の念を感じずにはいられない。
godwax 2 
【告知】 既にご案内させていただいておりますが、本日の SOUL CITY USA @ BLUE HEAT は最終回です。テーマはメンフィス VS ナッシュヴィル、私は、6 時から 80 分ぐらいかける予定です。そして、残念ながら BLUE HEAT でのレココンは 11 月 14 日 の 60'S GROUP SOUL NIGHT をもって最後となってしまいます。こちらは私が主催者、選曲等良いものにしたく、MASKMAN、森島さん、永井さんとも何回か打ち合わせをさせていただきました。ソウル・ファンなら、どなたも楽しんでいただける一夜にしたく準備中、多くの方のご来場をお待ちしております。
【追記】 BLUE HEAT での鈴木さんのお話によると、Fame の James Barnett = 白人説には根拠がないとのこと。桜井ユタカ氏の勘違いのようだ。(2009.11.3)
10:35:33 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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