楽CD  LUTHER INGRAM (UK KENT)
2008 / 07 / 23 ( Wed )
LUTHER INGRAM / PITY FOR THE LONELY (UK KENT CDKEND 279)
- THE KO KO SINGLES VOLUME 1
1. You've Got To Give Love To Get Love (Ko Ko 101) 2. I Can't Stop [version 1] (Ko Ko 101) 3. Missing You [version 1] (Ko Ko 103) 4. Since You Don't Want Me [version 1] (Ko Ko 103) 5. Oh Baby You Can Depend On Me (Ko Ko 2101) 6. Looking For A New Love (Ko Ko 2101, 2102) 7. Pity For The Lonely (Ko Ko 2102) 8. Puttin’ Game Down (Ko Ko 2103, 2111) 9. Since You Don't Want Me [version 2] (Ko Ko 2103, 2107) 10. My Honey And Me (Ko Ko 2104) 11. I Can't Stop [version 2] (Ko Ko 2104, 2113) 12. Ain't That Lovin' You [For More Reasons Than One] (Ko Ko 2105) 13. Home Don't Seem Like Home (Ko Ko 2105) 14. To The Other Man (Ko Ko 2106, Ko Ko 2116) 15. I'll Just Call You Honey (Ko Ko 2106) 16. Be Good To Me Baby (Ko Ko 2107) 17. I'll Love You Until The End (Ko Ko 2108) 18. Ghetto Train (Ko Ko 2108) 19. My Honey And Me [radio promo] (Previously unissed Klondike recordings)
2007 Notes : Tony Rounce
LUTHER INGRAM / I DON’T WANT TO BE RIGHT (UK KENT CDKEND 292)
- THE KO KO SINGLES VOLUME 2
1. Missing You [version 2] (Ko Ko 2110) 2. You Were Made For Me (Ko Ko 2110) 3. [If Loving You Is Wrong] I Don't Want To Be Right (Ko Ko 2111) 4. Puttin' Game Down [remix] (Ko Ko 2111) 5. I'll Be Your Shelter [In The Time Of Storm] (Ko Ko 2113) 6. I Can't Stop [version 3] (Ko Ko 2113) 7. Always (Ko Ko 2115) 8. Help Me Love (Ko Ko 2115) 9. Love Ain't Gonna Run Me Away (Ko Ko 2116) 10. Ain't Good For Nothing (Ko Ko 721) 11. These Are The Things (Ko Ko 721) 12. Let's Steal Away To The Hideaway (Ko Ko 724) 13. I've Got Your Love In My Life (Ko Ko 724) 14. I Like The Feeling (Ko Ko 725) 15. I'm Gonna Be The Best Thing (Ko Ko 725) 16. Do You Love Somebody (Ko Ko 728) 17. How I Miss My Baby (Ko Ko 728) 18. Trying To Find My Love (Ko Ko 731)
19. Get To Me (Ko Ko 731)
2008 Notes : Tony Rounce

これは Luther Ingram が Johnny Baylor の Ko Ko レーベルに残したシングル音源を網羅した CD 2 枚、収録曲数は 38 曲。Ko Ko のシングルは約 20 枚。LP も 4 枚あり、どのアルバムもクオリティーが高く、そこでシングル曲もある程度聴けるということで、購入意欲が湧かないという方も多いかもしれない。楽ソウルでは、この人が苦手というディープ・ソウル・ファンは信用しないことにしていると書いたけど、NOT ON LP の曲はシングルで持っているし、未発表曲もないし、かくいう私もワクワクすることもなく、おさらいのつもりで買ったもの。ライナーを眺めながら、1曲1曲をじっくり聴き直してみると、これがやっぱり素晴しい。先日読んだスタックス読本のおかげもあって、今まで以上にこのシンガーに親しみを感じ、熱くなってしまった。では、収録曲のコメントといきたいところだが、その前に、少し予備知識を。Luther が生まれたのは 1937 年 (これまでの公表資料では 1944 年となっていた)、場所はテネシー州ジャクソン。まだ少年の頃、イリノイ州アルトン (セントルイスに近い) に移り、家族でゴスペル・グループ The Midwest Crusaders を結成。やがて The Gardenias という名前でドゥーワップを歌うようになり、56 年には、Ike Turner のプロデュースで Federal にシングル盤も 1 枚残している。65 年にソロ・シンガーとして Decca からデビュー、続いて、Smash とデトロイトの HIB からシングルをリリースするが、HIB 盤はカルト・ノーザンとして今も人気が高い (楽ソウルP.66)。一方、Johnny Baylor はアラバマの生まれ、生年は 1930 年ごろのようだ。陸軍を除隊後、NY で随分とやばい商売に関わっていたという噂がある人物。音楽ビジネスに携わるようになったのが 64 年。Ko Ko (Baylor の子供の頃のあだ名だそうだ) と Baylor を立ち上げ、Little Dooley (楽P.39) のシングルを何枚か制作している。この 2 つのレーベルの親会社が Klondike エンタープライズで、同名のメンフィス・レーベルがあるが、これとは関係がない。66 年、Baylor は Luther をスカウト、本格的に彼を売り出すために 68 年に Stax とKo Ko の配給契約を結んでいる。これを機に Baylor は Stax に出入りするようになるのだが、Baylor と Stax に関してはとにかく物騒な話が多く、そこらへんは Rob Bowman 氏のスタックス読本に詳しい。それでは前置きはこのぐらいにして、肝心の収録曲について。Ko Ko はニューヨークのレーベルだが、Luther のシングルは全て南部で制作されており、本 CD ではリリース順に聴くことができる。1枚目は 66 年に Willie Mitchell の Royal スタジオで録音されたもの。翌年、リリースされた 2 枚目のシングルは私の愛聴盤なのだが、これは録音場所がはっきりしない。4 曲の中では、やはり Missing You が最高、CD では音がクリアーになっていてさらに惚れ直した。力強いミディアム・バラード、再録され LP にも収録されているが、Luther の荒々しいヴォーカルとちょっと重たいバッキング、ストリングスが入った後録音よりも断然良い出来だ。Since You Don't Want Me もギターのリフが心地好くハンド・クラップも効果的に使われ、リズミックなサザン・ナンバーとなっている。ミディアムの I Can’t Stop は HI なのにホーンが無いのがちょっと残念、生々しいヴォーカルが聴きどころ。3 枚目から Stax の配給となり、以降のシングルはマクレモア・スタジオで制作されている。You Can Depend On Me は Sam Cooke っぽい歌いっぷりで胸をときめかせてくれる好バラード。Looking For A New Love は再度 Willie Mitchell のスタジオで録音されたもの、ブルース・テイスト、HI サウンド・ファンには堪らぬリズム・ナンバーであろう。ミディアムの Pity For The Lonely は Little Dooley (Ko Ko 102) が先に歌っており、そちらは The Drifters みたいだったが、Luther のヴァージョンはスマートで爽やか。この曲はチャートで 39 位を記録、最初のヒットとなっている。続くシングル Puttin’ Game Down は Stacy Johnson の作で同時期の Syl Johnson (Twinight/HI) のサウンドを意識したようなファンキーなダンサー。再録となる Since You Don't Want Me は前録とは様変わり、典型的な Stax のバラードに仕上がっている。My Honey And Me はビートの軽いファンキー・ダンサー。I Can’t Stop も再録、ホーンが入ったおかげで音に厚みが増している。Ain't That Lovin' You は Johnnie Taylor (Stax 209) がオリジナル。水も滴るって感じの Johnny Taylor には引けを取ってしまうが、これは致し方なし。第 2 集の 1、2 曲目が最後のメンフィス録音、Missing You は再録、You Were Made For Me は Sam Cooke の曲だ。そして、72 年、マッスル・ショールズに赴き録音されたのが [If Loving You Is Wrong] I Don't Want To Be Right、言わずと知れた大ヒット曲。Homer Banks, Raymond Jackson & Carl Hampton の作品。Homer Banks は先に Veda Brown と Emotions に歌わせたが、満足できる出来ではなかった。Luther の意見でデモ録音よりもテンポを落として歌われており、印象的な Pete Carr のギターも Luther のアイデアによるもの。Johnny Baylor のプロデュースとなっているが、Baylor はアイデアを出す程度で、この曲を含め Ko Ko の作品の多くは Luther のセルフ・プロデュースだったようだ。以降、マッスル・ショールズ録音となり、次作の I'll Be Your Shelter は明るいアップテンポ・ナンバー。がらりと趣を変え、ニ匹目のドジョウを狙ってないところが嬉しいじゃないか。ヴォーカルも軽やかで Luther が新境地を開いた曲と言って良いかもしれない。続く、Always はちょっとノスタルジックな曲調のミディアム・バラード、優しく包み込むような歌いっぷりが印象的。フリップの Help Me Love は一途なサザン・バラード、Ko Ko 中期の作品ではひときわ味わい深い出来ばえだ。この曲、Tommy Tate (KoKo 2109) が先にリリースしていたもの。The Imperial Showband のシンガーだった Tommy Tate だが、バンドは解体、70年、Tim Whitsett とともに Stax と契約。Tim は出版管理の仕事につき、Tommy Tate は The Nightingales のリードとしてシングルも出すが、その後、幸か不幸かスタッフ兼シンガーとして Baylor の元で働くようになっていた。ヒットも出て順風満帆かと思われたところ、73 年、Johnny Baylor が脱税疑惑で米国税庁から告発され、Ko Ko の活動も一時停止してしまう。Stax も倒産し、3 年のブランクの後、76 年~78 年までの作品が第 2 集の後半 10 曲となる。良き時代は過ぎ去ってしまったかに思われたが、ところがどっこいこの時期も素晴しい。サザン・ソウルのフォーマットを崩すことなく、モダンで良質なナンバーが揃っている。軽快で明るいサウンドに甘く切ない歌声が映えるミディアム These Are The Things、じわっと Luther の泣き節に酔う Let's Steal Away To The Hideaway。さらに、Do You Love Somebody では優しく力強く励まされ、How I Miss My Baby では深く熱く語りかけてくれる。ラスト 2 曲は私の大好きな Trying To Find My Love と Get To Me、輝くばかりに艶のある Luther のヴォーカルに身も心も揺らぐミディアム・ナンバーだ。ちなみに、LP 未収録曲は、第 1 集の 1、2、3、4、6、8、11、第 2 集の 4、11。なお、Luther Ingram は昨年 3 月に亡くなっている。この個性的なサザン・ソウル・シンガーの魅力をあらためて知るには格好の CD コレクション、初めて Luther Ingram を聴こうとい方なら、文句なくお薦めだ。
luther ingram
01:23:21 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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