ローラン・トポール
2014 / 04 / 23 ( Wed )
月 1 回くらいのペースで、SOUL 以外の私のお気に入りを紹介することにしました。多分、本や映画の話になると思います。自分の趣味は偏っているので、お薦めではありません。当然、ソウル・ファン向けのものでもありません。
第1回目はフランスの作家であり漫画家 (画家) のローラン・トポール (1938-1997) です。

ローラン・トポール「リュシエンヌに薔薇を」
「リュシエンヌに薔薇を」 (早川書房)
1972 年に翻訳刊行された短篇集。短い作品が多く、たった 1 ページというのも何篇かある。ブラック・ユーモアの作家と言われているが、悪意は感じられないし後ろめたさもない。有名なのは冬山で遭難して自分の足を食べてしまう 「スイスにて」 という作品だろう。とにかく、変な話ばかり、難解だったり考え込んでしまうような話が無いのがありがたい。「むずかしい手術」「谷間の授業」「子供のアリバイ」「クリスマス物語」「絵空事」「死刑執行」「静かに!夢を見ているから」 はいずれも傑作。そして、極めつけは 「お気に入り」 という怖い怖いお話、カフカよりもずっとリアルに不条理だ。私にとって、トポールと言えば、まずこの本、絶版なので、切に文庫化が望まれる。

ロラン・トポル「カフェ・パニック」
「カフェ・パニック」 (創元文庫、名前表記はロラン・トポル)
「カフェ」 は居酒屋、飲み仲間たちの酔っ払い妄想集。登場人物の名前が全てあだ名で全 38 話、絶対に電車の中で読んではいけない類の本、思わず吹き出してしまったものも何作かある。法螺話だと侮れない。大笑いしたりぞっとしたりするのは、人間性の本質をついている故。トポル氏の挿絵 (かならずしも話と関係があるわけではない) がのっているのも楽しい。

トポール マゾヒストたち
「マゾヒストたち」 (薔薇十字社)
唯一翻訳のある漫画集、後書きは澁澤龍彦さん。トポールが 22 歳の時に発表したもの。全て 1 コマ、ノートの余白に描かれたいたずら書きのようで、似たようなタッチの絵を見たことが無い。文字どおり苦痛愛好家のオンパレード、底無しに不気味なのだが、あまり残酷な感じはしない。痛々しいくも滑稽で、何故かじっと見入ってしまう。

ファンタスティック・プラネット
「ファンタスティク・プラネット」
カルト的人気を誇る SF アニメーション。トポールが原画と脚本を担当している。1973 年製作、監督はルネ・ラルー、原作はステファン・ウル、音楽はアラン・ゴラゲール。現在では、トポールの仕事として最も知られているのものかもしれない。SF をそこそこ読んでいるものにとっては、それほど奇抜なストーリーではない、興奮したのは、トポールの奇妙奇天烈な原画が切り絵アニメの手法で動くところ。絵画が動くイメージ、これはかなりアーティスティックだ。会話とナレーションのフランス語の美しい響き、音楽も素晴しい。日本での公開は 1985 年、その時に渋谷の映画館で最初に見たのだが、あまりに絵が魅力的なので、筋書きなどどうでも良くなって画面に見入っていたことを覚えている。
本作の前、1964 年にラルーはトポールとのコンビで 「死んだ時間」 を、翌65年に 「かたつむり」 を製作している。後者は 11 分の短篇で、マルグリット・ユルスナールの中国幻想譚 「ワン・フォはいかにして助けられたか」 (こちらも素晴しいのだが、原画がアメコミっぽいのが私の好みではない) とともに DVD 「ルネ・ラルー短編集」 に収められている。ラルーとの共同脚本で原画を担当、巨大な食人かたつむりの大群に人間文明が破壊されてしまうというシュールなお話。

ルネ・ラルー傑作短篇集
なお、最近リリースされた Blu-ray 「ファンタスティク・プラネット」 には 「かたつむり」 が併録されているようだ。トポールの長編小説の翻訳としては、「幻の下宿人」 (早川書房、河出文庫) があって、ロマン・ポランスキーにより 「テナント」 というタイトルで映画化もされている。

独り言
このごろの流行りの歌について、ちょっと前まで 「吹けば飛ぶような」 音楽と悪口を言ってた。最近は、運動会ソングというイメージかな。健康的に体を動かすため、じゃまにならない程度の一体感を感じさせる音とでも言ったらよいのか、運動会にはジェームス・カーやドン・ブライアントは絶対にかかんないもんね。日本の音楽がダメになったのは、カラオケのせいだとも思っている。すっかりプロの歌手もいなくなってしまった。淋しい。
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