楽シネマ 「黄金のメロディ ~ マッスル・ショールズ」
2014 / 07 / 02 ( Wed )
先週の木曜日、「黄金のメロディ ~ マッスル・ショールズ」 の試写会に行ってきました。

サザン・ソウル・ファンにとっては、フェイムの音はハイやスタックスのメンフィス・サウンドと同様、特別なものである。そこで作り出される曲には聴く者を虜にする絶妙な味付けがされている。優れた料理人たちは誰なのか、どんなレシピなのか、そんなことは知らなくても、出来上がったレコード盤を聴けば、おいしく音楽をいただくことはできるのだが、いったいどんな人間たちが関わっていたのかどうしても知りたくなる。それは、知識欲からの興味ではなく、素晴しい音楽を残してくれた人たちへの尊敬と感謝の気持から自然にわき上がってくるものだ。シンガーやソング・ライター、バックのミュージシャン達と比べると、フェイム・スタジオの創始者であるリック・ホールは影のような存在で、きちんとしたイメージを持っていなかった。この映画では、リック・ホールその人が目の前に大きく立って、落ち着いた静かな声で、音楽関係の話ばかりでなく、幼少の頃の思い出や父親のこと、自動車事故で妻を失った悲しみなど立ちいったことまで話してくれる。
「スウィート・ソウル・ミュージック」 等の資料で知っていたフェイムの歴史を覆す新事実などはなく、インタビューと映像でおさらいをしているような感もあるが、当事者たちの表情と言葉には温かい懐かしみがある。あまり好きではなかった 「パッチズ」 という曲も、リック・ホールがこだわって録音した理由を知って、印象ががらりと変わった。彼の人柄を知って、ジェリー・ウェクスラーが自分の思い通りになるスタジオがほしかったのも納得できた。エタ・ジェイムズは 「泥にまみれて歌う覚悟でマッスルショールズに行った」 みたいなことをおっしゃっている。私は、エリートのアレサよりもエタの方が好きだ。キース・リチャ―ズは最高にかっこ良かったね、こんな渋い親父になりたかった。マッスルショールズは今も昔も森と川からなる自然豊かな場所、その映像は思わず息をのむ美しさだ。車はちょっと出てくるけど、ビルのような立派な建物はまったく出てきません。
リック・ホールがマッスルショールズという土地と自身のスタジオを深く愛していたことがじんわりと伝わってくる。自分の人生をリジェクション(拒絶)との闘いだったと語っているように、この映画は、頑固に己の信念で音楽を作り続けたリック・ホールという一人の男の物語である。音楽だけではなく、そこに関わった人間に興味のある方には必見の映画だ。

マッスルショールズ映画1
02:27:43 | 未分類 | コメント(0) | page top↑
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