SOUL 45 MY COLLECTION 2
2014 / 08 / 31 ( Sun )
ディープな7インチをまとめてお披露目、いずれも楽本以降に手に入れたもの。

steve dixon depend on me
Steve Dixon / Depend On Me (Spotlite 101)
ゴールドワックスのジェームズ・カーみたいだなんて言われていたので、これは私のウォンツ・リストのトップにあったもの。ジェームズ様のような異様な緊迫感や爆発力は無いが、響きのあるバリトンのボーカルは理想的とも思えるディープ・ボイス、掛け値なしのサザン・ソウル・バラードの傑作だ。フリップの Poor Man では、ホーンが大活躍、これまたグレートなリズム・ナンバーとなっている。フロリダの Finely Duncan のレーベルらしいが、録音はマッスルショールズもしくはメンフィスあたりの可能性あり。75 年前後、Spotlite 盤と同じく Jerry Powell の作曲及びプロデュースでニューオリンズの Instant から 2 枚のシングルをリリース。4 曲、それぞれ聴きどころがあって、歌いっぷりが最も惚れ惚れする Going Down For The Third Time (Instant 3325) がマイ・ベストかな。Sir Shambling によれば、アラバマのモービルに本名の Steve Dickinson でデビュー盤 Help Yourself / Before I Leave You (Smokey 113) があり。
Depend On Me はジョニー・アダムスも歌っており (タイトルはYou Can Depend On Me、当時未発表)、Johnny Adams / Released (RPMSH 210) に収録、そちらもお見事というしかない出来ばえとなっている。
jow meriweather riot chous
Joe Meriweather / There’s Nothin’ I Wouldn’t (Riot-Chous 256)
はるか昔、高澤さんがミニコミで紹介していて、25 年以上ずっと探し続けていたもの。やはりコレクションは根気と年季であります。イリノイ州デケーターのレーベル。サザン・ソウル風味も心地よく、バックもかなりよろしき雰囲気、プロデューサーは知らない人で手掛かりは無いが、録音はシカゴじゃなくて、セントルイスかインディアナポリスあたりかもしれない。ひたすらなテンダネスに思う存分浸ってしまう心優しきディープ・バラード。実直なボーカルに涙であります。ウラは Sweet Lorraine でオーティスのカバー。
larru seibert whit
Larry Seibert / You Said (Whit 1) '64
Whit はバトン・ルージュ所在の Lionel Whitfield のレーベル、ボビー・パウエルのシングルで知られる。そこから最初にリリースされたのがこの作品。この曲、楽本執筆時には持ってなかった CD コンピ ” Soul Jewels vol.1 ” (Westside) に収録、手に入れて最初に聴いた時はちょっと待ったと言いたくなるほど驚いた。この曲だけしつこくリピートして聴いていた記憶が。コンディションは悪かったけど、シングル盤もほどなく入手。ディープの頭に「ど」がつく圧巻のバラード・ナンバー。ルイジアナらしく、どこかのどかながらも、凛とした気風が漂っている。録音はニューオリンズで、コジモ・マタッサのコジモ・スタジオとのこと。余裕たっぷりのバッキングも味わい深い。
なお、楽本では Soul Jewel の CD を 3 巻と書いてあるが訂正、2 巻が正しい。
dynamite dyous
Dynamite Dyous / You Made My Living Worth While (Tomahawk 191)
ジョージア州コロンバスのシングル盤。これぞ地元のソウルといった感じかな。70 年代後半の作だろうか、全国区を目指していない控えめな感じ、こういうのは必要以上に応援したくなる。ライター名に Willie Dyous とありますね、The Green Tree Express となっているメンバー達は少し心もとないけれど、ダイナマイトと自称するだけあって、Dyous さんの歌いっぷりは堂々としたもの、裏はパート 2 で両面合わせて 7 分を超える大作だ。仲間のバンドの音といった風のバッキングも好感度が高く、いなたく優しい曲調のバラードをゆったりと慈しむように歌ってくれる。ディープなボーカルだけど、スウィート・ファンやグループ・ファンにも気に入ってもらえそうな気がするね。
willie boyd 2
Willie Boyd / I Could Be Happy (Vimla73) '73
オブスキュアなディープ・シングルを探求しているコレクターには興味深いミシシッピのレーベル。これは、中でもイチ押しのシングル盤だ。苦みばしったボーカルが一途に吠えまくる、胸をかきむしられるような儚さに涙。途中で入るギター・ソロもしみじみとしていて、一人淋しい夜、お酒もすすみそうだ。レーベル所在地のホーリー・スプリングスはメンフィスに近く、バックもメンフィスのミュージシャン達であろう。気になることが一つ、この盤は全てセイム・フリップと承知していたのだが、私の所有する盤のレーベルには、ボールペンで B/W “ Feeling Alright ” と書いてある。もしかして、この曲とのカップリング盤も存在するのだろうか。
jimmie baker jump
jimmie baker ballad
Jimmie Baker / Share It Girl (Renegade 5610) '74
楽本では Lattimore Brown と Lee Martell のシングルを紹介したナッシュビルのレーベルから、ワン&オンリーのシンガー。フリップのしんみりとしたバラードよりも、私はこちらの元気なジャンプ・ナンバーが好き。ときめきのあるご機嫌なメロディー・ラインに乗っかり転げまわるボーカルの晴れがましいことと言ったら、ラストで気合を入れる心意気も評価したい。UKのノーザン・シーンでの知名度がゼロに近いのが不思議なくらい。フリップの Funny How People Forget も悪くは無い、と言うか凄く良い。ただ、もしも Herman Hitson が歌ったら、You Are Too Much For The Human Heart (Atco 6566) のような感動を味わうことができたんじゃないかなんてことも考えてしまう。歌手の力量と言ってしまえばそれまでだが、サザン・ソウルは生き残ったけれど、70年代に入って、感情をむき出しにして歌ってくれるシンガーがいなくなったというか、すたれてしまったのが残念でしょうがない。
vivilore jordan mojo
vivilore jodan task
Vivilore Jordan / You Don’t Need Him (Mojo 103)
Vivilore Jordan / All Work And No Play (Task no#) '77
この 2 枚が無かったので、楽本では取り上げなかった女性。ミディアムからアップのナンバーを必殺技とするアラバマのシンガー、いかにも南部の女といった感じの素朴なボーカルがよろしいね。Mojo はデビュー盤、楽本ではシングルの存在が確認できないなんて書いてしまって、ごめんなさい。フリップのバラード Maybe よりもこちらの軽やかなアップ・ナンバーが私の好み。両面、Vivid の Soul Bag vol.2 (VS 7006) に収録されています (楽本 263p 参照)。Task 盤のライターには Bill Wright と Richard Marks の名前が。競作となった Serena Johnson (Big 2 1001) のところでちょっと触れたシングル盤、南部産 70 ズ・クロスオーバーの傑作だ。サザン・ソウル好きならば Serena 嬢、モダン・ソウル好きなら Vivilore 嬢と好みが分かれると書いたが、手に入れてからもその感想は変わっていない。フリップの Put My Loving On You もよろしき按配のミディアム、イケると思ったのか、フィラデルフィアのレーベル Sound Gem からもリリースされている。B 面としてカップリングされた Pickin Up Where She Left Off (Sound Gems 106) もサザン・ソウル風味のきいたミディアムの佳曲。これら 3 曲はおそらく同時期の録音だろう。もう1枚、What You Gonna Do / Hand In Hand (Boblo 313) というシングルもあり。
carolyn champion i feel it comin
Carolyn Champion / I Feel It Comin’ (Soul-Po-Tion 108) '72
70 年代、ジョージア州アルバーニで活動していたとおぼしき女性、地元の Soul-Po-Tion に 4 枚、Molly-Jo に 1 枚、計 5 枚のシングルを残している。Soul-Po-Tion は 2 枚しか持っていないので、今のところのマイ・ベストがこれ。Bobby Marchane の曲でプロデュースもボビーさん。歌は上手いとは言いかねるが、気持で歌うタイプ。インプレッションズみたいなオリジナルよりもテンポがあって、ぐっとサザン・ソウルっぽい。音程がふらついても声が頼りなくても、込められた思いを大事にしたい。Look What You’ve Done To Our Love / Am I Your Woman, Love Or Friend (Molly-Jo 1007) はメイコンの Bobby Smith の製作で、鬱なバラードとリズム・ナンバーのカップリング。
ike porter anla
Ike Porter & The Fabulations / If There’s A Will There’s A Way (Anla 116)
楽本では、Soul Shouting Tommy と Dynamic Adam を紹介したルイジアナのレーベル、さらにディープ・ソウル・ファンが喜びそうなシングルがありました。スローなバラードでグループもの、リードのアイクさんは私好みのナイス・シンガー、やたらにコブシの入った無茶な歌いっぷりに思わずうっとりとしてしまった。途中に入る緊張感ゼロの語りはイカンですけど、その後また盛り上がってくれるので、大満足。なお、Anla 107 というシングルもあるが、そちらは未聴。
Anla 情報をもうひとつ、ビッグ・ボイス・ファンなら、Charles Greene / Baby Oh Baby (Anla 108) も一聴の価値あり。
jimmy thorpe task
Jimmy Thorpe / Don’t Let My Love (Task 8212)  '78
Vivilore Jordan と同じアトランタのレーベル、私の知る限り、Task のシングルはこの 2 枚のみ。ディープ・コレクターに Richard Marks で有名なレア・レーベル Tuska の関連かと推測される。この曲はリクエストが多くて、ここ 1 年くらいレココン等でかけまくりの人気盤だ。Bill Wright がプロデュース、アレンジには Al Gardner という名前も。傷ついた心をいたわるような曲調のサザン・バラード。慈しみと透明感、バックの音も完璧、憂いを含んだディープ・ボイスが思い入れたっぷりにこれでもかって、まさに感動の嵐でございます。しんみりしたディープ・ソウル部門なら、金賞受賞間違い無し。なお、このシンガー、ナッシュビルとノースカロライナにもシングルがあって、私は持っていないが、Sir Shambling のところに書き込みと音貼りがあります。
little soul ss record
Little Soul / Don’t Let Me Waste My Time (S.S. 39-3/4)
レーベル所在地となっているイリノイ州 Centreville はセントルイスに近接する町のようだ。Solid Soul にさらに 2 枚のシングルがあるが、私の持っているのはこれ 1 枚だけ。うねるようなテンポのディープ・バラード、ねばねば糸を引くようなドラ声がなかなかに美味。ボーカルに負けじと、けっこう出しゃばるオルガンとバタバタしたドラムスの音も生々しくて、耳に残るね。フリップの Hold On はアップ、ここでもバックの音の自己主張が強く、やたらにでかくて慌ただしい。対して、一緒に録音したとは思えないほどボーカルが落ち着き払っているところが面白い。
richard marks note
Richard Marks / Ups And Downs (Note 7211) '74
70 年代ディープ・ソウルに関しては情報も無かったし、ちょっと軽く見ていたかなと反省。そんなことで、この人についても、完全に遅れを取ってしまい、ファンクの定番 Funky Four Corners (Tuska 101) を除くと、かろうじて Note 盤と Shout 盤を持っているだけ、他のシングル盤は高嶺の花となってしまった。アトランタのシンガー&ギタリストで Bill Wright とはお友達のよう。モダン・ディープやファンクのレア盤は持ってないけど、バラードならこの Ups And Downs が肝心の曲。辛めのテナー、語るがごとく歌われ、女性コーラスをバックに実に力強い歌いっぷり。若干、ゴスペルっぽいかな、とにかく歌が上手い、艶があって伸びやかで、シャウトも実に滑らかだ。より崇高で奔放なフリップ Living My Life Day By Day も文句無し。両面、何故か Numero の Tragar & Note の 2 枚組コンピにも未収録、今後、この知られざるグレート・シンガーの全貌がまとめて明らかになることを期待したい。
70 年代のアトランタのディープ・ソウル事情については興味深々、そこら辺を明らかにしてくれる発掘 CD 企画も夢見てしまうのだが、Tuska なんか Numero でやってくんないかな。
otis johnson
Otis Johnson / In The Streets Of The City (New Colony 29279/80) '72
歌えそうなお名前なのでついつい手を出してしまった。4 分 37 秒と長丁場のオハイオ産ディープ・バラード。サザン・ソウル・タッチで歌い始めるので、期待で胸が膨らんてしまった。ところが、いっこうにサビに突入せず悶々と。ムードは良好なのに残念、曲が長い分、かえって淋しい思いが募ります。Sir Shambling によれば、Don’t Wake Me / Little Things (Blue Ash 133) というシングルもあるようだが、聴けていない。渋いおっさん声、深みよりも押しの強さが目立ち、白人の可能性が高いような気もするなぁ。あえて取り上げるほどでもなかったけど、おまけで、包容力のあるディープ・コレクターにのみお薦め。
larry hobson
Larry Hobson / We Ought To Stay Together (Statue 1054)
これも 4 分 42 秒と曲が長いので、70 年代に入ってからのものだろう。Statue はメンフィスに近いミシシッピ北部 Tupelo のレーベル、Lloyd Hendricks と同様 John Mihelic の製作。切々としたイントロから満点の雰囲気、Otis Johnson を思い出してちょっと不吉な予感もしたが、曲にあまり起伏は無いものの、我慢の限界あたりをうろつくボーカルはなかなかのものである。ラストまで力技で持っていく、説得力も十分だ。ウラの Country Funk は快調なファンキー・ジャンプ、ボーカルはけっこうクールで軽やか。またしても Sir Shambling 参照で恐縮ですが、白人らしいという情報も。声の感じは白っぽくなくて断定はできませんね。
19:04:38 | SOUL 45 | コメント(2) | page top↑
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コメント
--Willie Boyd--

所有していた Willie Boyd "I Could Be Happy" の裏面は、Gary Wicks "I'll Give The World For You" という曲です。 レコード番号も同じ 73。 この Gary Wicks の曲は、Michell レーベルからレコード番号 101 でリリースされた曲とテイクも同じでした。 両レーベルともオーナーが同じだったこともあり、Willie Boyd のレコードの裏面としてリリースされたのでしょう。 手書きされた"Feeling Alright"とのカップリングが存在するかどうかは分かりませんが、Gary Wicks の上記曲の中で、そのように歌っていないのでこの曲のことではないような気がします。 ちょっと気になりますね。
by: Naoya * 2014/09/13 09:05 * URL [ 編集] | page top↑
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貴重な情報、ありがとうございます。
by: sano * 2014/09/15 10:30 * URL [ 編集] | page top↑
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