楽 CD DEEP SOUL MOMENTS (OUTTA SIGHT)
2014 / 10 / 08 ( Wed )
DEEP SOUL MOMENTS (OUTTA SIGHT 050)

deep soul moment 1
deep soul moment 2
旧録新譜の CD コンピのレビューがたまってしまったが、これはつい先週購入したもの。こいつは黙っていられない、ディープ・ソウルが好きでアーリー・ソウルもいけるという方に絶対のお薦め盤だ。珍しいというよりも見逃してしまいそうなシンガーやシングルが多く収録されていて、私も収録曲 27 曲のうち 9 曲は初めて聴くもの。発表年は 60 年~62 年のものがほとんどで、時代に逆らうようなスローからミディアムのバラードという選曲方針に気骨を感じる。
① Walter Rhodes / I Worship The Ground You Walk On (Mascot 129)、⑭ Hoagy Lands / My Tears Are Dry (MGM 13041)、㉒ Gene Allison / If I Ever Needed Your Love (S and H 205) は「楽ソウル」、㉓ Sam Baker / So Long (Copa 200) は 7 月 14 日のシングル・レビューを参照ください。他に楽本でコメントしたシンガーは 4 人、⑫ Gay Meadows / Only One (Chant 501) は後の Jarvis Jackson (Sims) のデビュー盤、既に “ Bill Haney’s Atlanta Soul Brotherhood Vol.2 “ (Kent CDKEND 172 ) に収録されていたもの、ナイーブな Ben E. King って感じだろうか。同コンピ Vol.1 でフリップ・サイドの Frozen Love も聴ける。なお、未聴だった Ole John Amos / Louise (Musicor 1124) も手に入れました。声も歌い方も申し分ないのに、両面ともソウルとはほど遠い曲で残念。Decca と Josie のシングルを押したアトランタの ⑲ Grover Mitchell / Time Brings About A Change (Hunter 799)、最近シングルを寄せ集めたCDも出たが、ありがたみの薄いお仕事、まずはこのスロー・バラード、じっくりと穏やかな心持で味わいたいね。⑬ Elmore Morris / It Seemed Like Heaven To Me (Crackerjack 4006) はデュオで歌った The Double Soul (Minaret) のシングルを紹介、このソロ作品、辛口のボーカルが堪らず歯切れも良く、アーリー・ソウル好きならうっとりしてしまうはず。そして、The Double Soul でエルモアの相方だった Charles Cooper と Chuck & Mariann (A-Bet) でデュエットしていたのが Mary Gresham、数年前にマッスルショールズ録音が発掘された女性。そのマリー嬢のお兄さんが ㉕ のJimmy Gresham / Tears Won’t Fall (Kitty 1004/3) だ。西海岸の人、ディープとノーザンのベスト・カップリング Barbary Coast 盤が有名で、Kitty には 3 枚のシングルがあり、収録曲はブルージーなナンバー、ギターも泣けます。
③ Judy Clay / Stormy Weather (Ember 1085)、懐かしみを感じるR&Bバラード、ゆったりと貫録十分に力強く歌われている。彼女は You Can't Run Away From Your Heart (Stax 230) が必殺。スタックスの前に Ember に 2 枚、LaVette に 2 枚、Scepter に 5 枚シングルがあり、LaVette と Scepter 音源は Marie Knight とのカップリング CD “ Blue Soul Bells Vol.4 “ (Westside) に全曲収録。④ Millie Foster / Bitterness (President 826) は Robert Banks のプロデュース、可愛い声できつくコブシをきかせてくれるところが嬉しいね。この声と歌いっぷりが気に入ったら、さらにアクが強い Did I Think About You (President 829)、It Keeps On Raining Tears (TCF 4) もお薦め。⑤ Clarence Williams / Love Me (Chancellor 1118)、ライナーによれば、はベッシー・スミスのプロデュースをしたこともある人で、生れは1898年というから、60歳を過ぎての録音。若々しく力強いボーカルなので、これは驚き。同じくフィラデルフィア録音の No Rest For The Worried (Throne 803) がイギリスでは人気が高い。⑧ Artie Golden / Goodbye My Love (Dodge801)、ボーカルが弱くて頼りないが、風情のある歌い方をするルイジアナのシンガー。私の所有する Bunky 盤と GP 盤のライターにクレジットのある Arthur Camp が本名のようだ。⑨ Johnny Wilson / Sometime, Someplace, Somewhere (Arnold1009)、曲が大甘なので人前ではかけたことが無いけど、昔から好きな曲、ちょっと舌足らずなボーカルに涙である。⑪ Nancy Love / As Sure As I Live (Vee Jay 432)、同レーベルに 2 枚のシングルがあり、もう 1 枚の Prove It To Me (Vee Jay 458) はもっとスローなナンバー、声質は Irma Thomas を硬派にした感じかな。⑮ Roger Washington / I Won’t Never Make You Cry (Beacon 563) も地味ながら泣かせどころあるテンダーなバラードで秘かな愛聴盤。Larry Lucie の制作で控えめなバッキングもよろしき雰囲気、噛めば噛むほどいうのはこういった曲のことを言うのだろう。そして、ウラのミディアム Unless You Let Me もかなりイケている。手元にあるシングルは赤盤、Burdett でのリリースもあるが、Beacon がオリジナルとのこと。この人の You're Gonna Want Me (Eagle 103) というのも持っている、ブルーでスローなナンバー、レーベルにはThe Down Home Soul Sound Of Roger Washington とあるね。⑱ Gladys Tyler / I Am Confused Over You (Brooks 101)、NY のシンガー、Decca の 2 枚、66 年の A Little Bitty Girl (Decca 31991) と 67 年の Mr. Green, Mrs. Green (Decca 32135) のダンス・ナンバーが人気、こちらは 61 年のデビュー曲、堂々とそしてちょっとヤサぐれた感じが堪らない、このシングルはけっこう珍しいかも。㉖ Little Joe Hinton / My Love Is Real (Arvee 5028)、Backbeat のシンガーにあらず、カリフォルニア所在のレーベル。私の苦手な鬱なバラードだが、ムーディーな女性コーラスをバックに思いっきりのビッグ・ボイスで歌ってくれて好感の持てる出来ばえ。㉗ Julius Cobb / Oh Baby I Want You Back Home (Cobb 3104)、サウス・カロライナの人、自主レーベルでプレスされ、直ぐに King 配給の Bethlehem からリリースされている。声が粘っこく、噛みしめるような歌いっぷりにときめいてしまう。本コンピの最後を飾るにふさわしい晴れ晴れとしたバラードだ。
残りは初めて聴いた曲。② Henry Moore / Raise Your Head (Lluvia 5054)、唯一私の持っている Athens 盤の印象が薄かったのか、以来ノー・チェックのシンガー。レーベルはルイジアナで録音はヒューストンのようだ、ウォーム・アンド・テンダー・タッチで心の隙間に沁みてくる。⑥ Cookie Gabriel / No Love Sweeter Than Mine (Carma 509)、歌い方や声の感じがソウルっぽくないかな。⑦ The Five Bosses / I Don’t Want To Leave You Baby (Unity 1313)、ライナーには NY のドゥーワップ・グループとあるが、これはまさしくソウル、素晴しい。こみあげ系のリード・シンガーの歌いっぷりの良さも特筆もの、跪いて涙です。レコード、これ1枚だけなのかね。⑩ Little Alice / Why Oh Why (4J 502)、この女性も全く知らなかった。滑らかで深い声に一発で参ってしまった。曲はありふれた感じだが、後半の歌いっぷりには痺れが。⑯ King Richard & The Poor Boys / Didn’t We Fool Them (Apollo 1201)、これだけ 55 年と少し古い。多分、選者のこだわりの曲なのだろう。JB 以前にも、こんなディープな R&B バラードがあったんですね。⑰ Johnny Stewart / Come On And Love Me (Shelley 128)、これより後のリリースとなる Misery Loves Company (Start 642) は持っているのだが、これは買い逃していた。Sitting In The Park の Billy Stewart の兄弟、Start 盤のパワフルで無茶な歌いっぷりも愛着があるが、この熱く優しきバラードも格別。⑳ Delores Johnson / Give Me Your Love (Bobbin 132)、ボビンは Little Milton のシングルで知られるレーベル。この女性、アイケッツ (59年) のメンバーであったこともあって、アイク・ターナーの作。私好みのどす黒いブルース・ナンバー、過激な歌いっぷりに気色の良いギターが絡んで夜も更けていくのでありました。㉑ Paul Walters and the 521 Club Band / She Put Me Down (521 111)、これは文句無し、曲良し歌良しバック良し、なんでこんなに決定的なアーリー・ディープ・バラードを知らなかったのだろう。ライナーによれば、スーパー・レアとありますね、フリップ・サイドの I Know What Love Is All About が UK で人気のよう、そちらは Little Taste Of Soul (Outta sight 045) に収録。㉔ Earl Davis はブルージーなナンバー、駄曲のないコンピだけど、これは私の好みじゃないね。
マイ・ベスト 9 は ㉑ Paul Walters ㉒ Gene Allison ⑭ Hoagy Lands ⑦ The Five Bosses ① Walter Rhodes ⑬ Elmore Morris ⑮ Roger Washington ⑱ Gladys Tyler ⑳ Delores Johnson。朝から、たそがれるも良し。秋の夜長、一人酒で楽しむも良し。
gene allison sh
clarence williams love me
julius cobb bethlehem

関連のシングル・レビューをしておこう。
julius cobb jc
Julius Cobb / Great Big Change In Me (J.C. 101)
コンピ収録の曲も良いが、コアなディープ・ソウル・ファンならこちらでしょう。地元サウス・カロライナColumbia からのリリース、頭文字をとった名前でこれも自主レーベル。4分47秒と破格に曲が長い。厳かなピアノでスタートするゴスペリシュなスロー・バラード。重厚なホーンがバック・アップ、途中で語りになって、さらにドラマティックに盛り上がってくれるから、長さも気になりません。60 年代半ばのシングルと思っていたが、もしかしたら 70 年以降の作かもしれないな。
jimmy gresham nobody knows
jimmy gresham take me too
Jimmy Gresham / Nobody Knows The Trouble I See (Kitty 1005/6)
Jimmy Gresham / Take Me Too (Kitty 1009/8)
この人については楽本 50 p、277 p、本ブログの 2008/07/12 も見てね。Kitty の 2 枚目と 3 枚目、こちらはど真ん中のソウル・ナンバー。Nobody Knows は楽本でもちょっとコメントしたもの。タイトルは穏やかでは無いようだが、たたき上げのドラ声が爽やかな曲調に映えるナイス・ミディアム。フリップの Now That I Have You はストレートなブルース・ナンバー、The Gibson Kings というバンドはかなりご機嫌、ギターはジミーさんなのだろうか。3 枚目の Take Me Too は Barbary Coast 盤に迫る強力なスロー・バラード。泣けるフレーズもあって、今夜も枕を濡らしてしまいそう。ウラの Ain’t That Love はコーラスもついて、インプレッションズ風の曲、晴れやかでディープなボーカルが元気を与えてくれる。
17:43:37 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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