楽 CD BARBARA LYNN
2014 / 10 / 29 ( Wed )
BARBARA LYNN / THE COMPLETE ATLANTIC RECORDINGS (REAL GONE MUSIC)

barbara lynn at 1
barbara lynn at 2
Barbara Lynn の Atlantic 音源を完全収録した CD アルバム。楽 SOUL では ICHIBAN のアルバムを紹介したが、あちらは 20 曲でこちらは 25 曲、未発表も 2 曲あって 1 曲は初の CD 化となる。ICHIBAN も店頭から消えてしまっているし、強力にお薦め。でも、ジャケットが地味、これじゃ見逃しちゃう人もいるかもしれないね。
最初に簡単にレコーディングに関する情報を整理しておこう。ICHIBAN に未収録だったものは ⑬⑯⑰⑲㉑ の 5 曲。①、③~⑬ が LP “ Here Is Barbara Lynn “ (Atlantic 8171) に収録されている曲。①②④⑧⑨⑫⑭⑮⑯⑱⑳㉑㉒㉓㉔㉕ がアトランティックのシングル音源で 8 枚 16 曲。未発表曲 ⑰ は “ The Girls Got Soul “ (CDKEND 186) に既に収録されていたもの。⑲ がお初の曲となる。①~⑬ が Huey P. Meaux のプロデュースで、1967年、ミッシシッピ州クリントンの Grits & Gravy スタジオでの録音。⑭~⑲ が Spooner Oldham のプロデュース、これまでマッスルショールズ録音と思い込んでいたが、本ライナーによれば、1968 年にメンフィスで録音されているようである。⑳~㉓ はヒューイ・モーのプロデュース、録音場所は不明だが、時期は71年~72年と推定される。㉔㉕ はHuey’s Sugar Hill Studios プロデュース、1972年10月録音とされている。
アトランティックの LP ではいい按配に肩の力が抜けた歌いっぷりが印象的。12 曲のうち ④⑤⑥⑦⑩⑪⑫ の 7 曲は、ミシシッピ州ジャクソンのライター・チーム Cliff Thomas - Ed Thomas - Bob McRee が手掛けたもの。LP ジャケットのデータとは相違するが、ジャクソンの彼らのスタジオで録音されているようで、ちょっとポップなサウンドになっている。⑤の Maybe We Can Slip Away は Peggy Scott & Jo Jo Benson の大ヒット Lover’s Holiday と同じ曲、私はずっとカバーと思い込んでいたが、バーバラ嬢の方が先の録音のようだ。⑥ Sure Is Worth It はもろモータウン、私の大好きな ④ もノーザン・ファンに人気の曲だ。彼女らしさということでは自作の ①、バラードでは十八番の ③ You’ll Lose A Good Thing よりも ⑧ Until Then I’ll Suffer の方が愛着が強い。そして、サザン・ソウル・ファンには Spooner Oldham が手掛けた 6 曲全てが聴けるのがありがたい。やっぱりベストは Dan Penn & Oldham 作の ⑭ He Ain’t Gonna Do Right かな、⑮ Love Ain't Never Hurt Nobody もリズミックなサザン・ダンサーで文句無し。泣けるということでは未発表であった ⑰ Unloved, Unwanted Me が止めを刺す。Jeanie Greene、Marlin Greene & Chips Moman 作のダウン・ホームなバラード ⑱ You’re Gonna See A Lot More も味わい深く、じっくり腰を据えて聴きたい曲だ。⑲ Soul Deep は以前アセテート盤を聴いたことがあって、正式にCD化されたのが嬉しい。白人グループ The Box Tops のヒット曲、ソウル・ファンには Clarence Carter のバージョンが有名、なんとバーバラ嬢が最初の録音となるようだ。70 年以降では、自作の ㉕ It Ain’t Good To Be Too Good が断トツに好き。蛇足ながら、前から疑問なこと、㉒ I’m A One Man Woman は良い曲だけど、声や歌い方が微妙にこれまでとは違っていて、別人のように感じてしまうのは私だけだろうか。
barbara lynn this is the thanks
This Is The Thanks I Get (Atlantic 2450) 1968
まさにテキサスの野に咲く可憐な一輪の花。
barbara lynn take your love
Take Your Love And Run (Atlantic 2812) 1971
フリップは (Until Then) I’ll Suffer、両面アルバム収録曲だが、3 年後に Jet Stream と Atlantic からシングル・カットされている。CDKEND 362 のライナーによれば、バック・コーラスは Dorothy Moore のグループ The Poppies とのこと。抜群のダンス・ナンバー、キーが高いのか、ラストでちょっとかすれた声で頑張ってくれているところがオジサンのツボなのでありました。

BARBARA LYNN / A GOOD WOMAN : THE COMPLETE TRIBE & JET STREAM SINGLES 1966-1979 (UK KENT CDKEND362)

barbara lynn trjs 1
barbara lynn trjs 2
アトランティックの完全盤が出たので、2011 年にリリースされたこちらの CD アルバムも紹介しておかなければならないだろう。Tribe の 4 枚、Jet Stream の 4 枚、16 曲を完全収録。おまけに楽 SOUL でもとりあげた Starflite 盤の両面と Copyright 盤、加えて未発表も 5 曲収録と至れり尽くせり。ライナー・ノーツの充実ぶりも素晴しい、ただ、対訳付きの国内盤は買っていないので、誤読があったら、ご免なさい。なお、未発表曲のうち ⑳㉑㉔ の 3 曲は Barbara Lynn / The Crazy Cajun Recordings (Edsel 586) に収録されていたもので、私のように Edsel 盤を買い逃していた者にもありがたい内容だ。
①~⑧ が 66~67 年の Tribe 作品、最初のシングルはニュー・オリンズのコズモ・スタジオ録音、以降の 3 枚については録音場所の記載は無いが、多分、ニュー・オリンズであろう。同レーベルはヒューイ・モーのレーベルで、Jamie を離れたのはモーの意向であったようだ。Jamie と Atlantic の間にあって目立たないが、ダンス・ナンバー中心にバーバラ嬢のいろいろな表情が楽しめるので、聴き逃してしまうのは勿体ない、まだ買ってないそこのあなた、迷ってないで買いですよ。一番有名なのは楽 SOUL でも紹介した ③ You Left The Water Running だろう。ヒューイ・モーが持ち込んだ曲で、Fame で録音された Billy Young (Chess 1961) のオリジナルの直後にリリースされたようだ。Sam Cooke の Chain Gang を少し拝借したアレンジがユニーク、私は大好きだが、サザン・ソウル・ファンには物足りないかもしれない。② Running Back は Jamie の流れをくむリラックスしたダンス・ナンバー。⑥ Club A Go-Go、タイトルにある通りゴー・ゴー・ナンバー、出だしがモータウンっぽい。⑤ Watch The One は Joe Tex の曲、ブルージーなミディアム、オリジナルよりも軽快に決めてくれる。⑦ New Kind Of Love は Earl King の曲、いかにもといった感じのニュー・オリンズのリズムです。⑨~⑫ の 4 曲はアトランティックからもリリースされている曲。73年からシングル・リリースが途絶えてしまう。久々 76 年前後に Jet Stream からひっそりとリリースされたのが ⑬~⑯ の 2 枚 4 曲。ヒューイ・モーのプロデュースでテキサス州ヒューストンの Sugar Hill Studios 録音。⑬ Movin’ On A Groove はごく少数のプレスだったようで、原盤はレアで高値、UK では大人気のダンス・ナンバーとなっている。地味だし、この盤の陰に隠れて注目されていないが、バラード・ナンバーの ⑮ Takin’ His Love Away、いつになく粘りのある歌いっぷりで捨てがたく好きな曲だ。⑰⑱の Starflite 盤は楽ソウルではリリース年を 75 年としていたが訂正、79 年が正しい。⑱ Give Him His Freedom は目いっぱいソウルフル、涙また涙であります。⑳~㉔ が未発表曲、㉑ I’m So Lonesome I Could Cry と ㉔ Then You Can Tell Me Goodbye が良かったかな。同じく 69 年録音、㉔ はカントリー・バラードの名曲だ。㉓ もまずまずのミディアム、㉒ はもっとリズムがソウルっぽかったら最高なんだけどね。
barbara lynn movin on
Barbara Lynn / Movin’ On A Groove (Jet Stream 829) 1976
楽SOUL では軟派すぎると書いたけど、冴えない中年男にも優しいサウンドでなんだか最近は好き。華もあるけど儚さもあるディスコ・モダンの傑作。

その後のシングル
barbara lynn love
Barbara Lynn / Mellow Feeling – Pt.1 (Love 111) 1979
LA からのリリース、Tal Armstrong の制作。マニアックでけっこう癖になる音、脱力系ディスコの傑作かもね。
barbara lynn ichiban
Barbara Lynn / Trying To Love Two (Ichiban 142) 1988
LP にも収録、William Bell (Mercury 73839) のヒット・カバー。若い娘にはこんなに愛おしくは歌えまい。この曲を聴いて、あまたのソウル・ディヴァーの中でも、モダンなダンサーをこれほど軽々とソウルフルに歌える女性はいないと確信した。
01:21:10 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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