楽CD  JUDY CLAY & VEDA BROWN (UK KENT CDKEND 302)
2008 / 08 / 07 ( Thu )
JUDY CLAY & VEDA BROWN / THE STAX SOLO RECORDINGS (UK KENT CDKEND 302)
1 – 16 = Veda Brown
1. Take It Off Her [And Put It On Me] (Stax 0123) 2. Living A Life Without Love (Stax 0123) 3. I Know It's Not Right [To Be In Love With A Married Man] (Stax 0143) 4. Don't Let The Green Grass Fool You (Stax 0143) 5. Short Stopping (Stax 0163) 6. I Can See Every Woman's Man But Mine (Stax 0163) 7. Fever (Stax 0194) 8. Don't Start Loving Me [If You're Gonna Stop] (Stax 0194) 9. Help Me Make It Through The Night # 10. [If Loving You Is Wrong] I Don't Want To Be Right # 11. Guilty Of Loving You (Kent CDKEND 174) # 12. True Love Don't Grow On Trees # 13. That's The Way Love Is # 14. Who Wouldn't Love A Man Like That (Stax CDSXD 116) # 15. I'll Be Your Shelter [In Time Of Storm] # 16. Take My Hand Precious Lord #
17 – 25 = Judy Clay
17. Remove These Clouds (Stax 0006) 18. Bed Of Roses (Stax 0006) 19. It's Me (Stax STS2-2007) 20. Since You Came Along (Kent CDKEND 174) # 21. Somebody's Fool # 22. It Ain't Long Enough (Stax 0026) 23. Give Love To Save Love (Stax 0026) 24. Your Love Is Good Enough # 25. My Baby Specializes [solo version] #
# unissued 2008 Notes : Tony Rounce

Veda Brown と Judy Clay の Stax ソロ音源を収めたコレクション。Veda のシングルは 4 枚、Judy が 2 枚 (ソロで 3 枚シングルがあるが、1 枚目は未収録) ということで、半数が未発表曲。この 2 人、ヒットはあるもののなんとなく見過ごしてしまうタイプ。私も Judy Clay のシングルを何枚持っているかと確認したら、たった 6 枚とカヴァーしているのは 3 割程度。失礼しちゃうが、どうしても欲しいと思って買った記憶がない。今では躊躇なく大好きだよと告白できる Veda Brown も正直言って最初は印象が薄かった。多分、Veda に最初に出会ったのは日本ビクターの 5 枚組 Stax/Volt コレクションだったはず。その後、Stax 以降の Raken 盤 2 枚も手に入れたのだが、これまた熱心に聴いたという覚えがない。ところが、そんな薄情な私の目を覚ませたのが I Had A Fight With Love (Rav 16) という曲だ。77 年にメンフィスのマイナー・レーベルからリリースされたもの。シングル盤は珍しく、Goldmine の For Modern Millionaires で初めて聴いたのだが、先のリリースと思われる Ann Sexton (LP Sound Stage 7) の歌いっぷりに負けず劣らず、その素晴しさに溜め息が。コレクター心が刺激されちゃったということもあるけれど、以来、Stax 盤も Raken 盤も大切に聴かなきゃと反省いたしました。そして、このコレクションの 1 曲目から 8 曲目がその Stax のシングル曲。71 から 73 年の作、楽本で押したマッスル・ショールズ録音のバラード I Know It's Not Right、マクレモア・スタジオ録音のリズム・ナンバー Short Stopping、憂いに濡れた Don't Start Loving Me も泣くしかないって感じで忘れがたい作品ばかり。Fever をはじめカヴァー曲が 3 曲あり、そちらも彼女らしいマナーで歌われ好感が持てる。Take It Off Her は Clarence Carter (Atlantic 2702)、Don't Let The Green Grass Fool You は Wilson Pickett (Atlantic 2781) がオリジナル。9 曲目から 16 曲目が未発表ナンバーとなり、うち初 CD 化は 6 曲、デビューする前にマッスル・ショールズで録音されたものが大半のようだ。中でも一際輝いているのが Guilty Of Loving You、既に Let's Crossover Again (楽P.237) という CD コンピに収録されていた曲。力強く歌われた美しいビート・バラードで、切なく熱い心情がまことにいじらしく胸に迫ってくる。シングルを凌駕するチャーミングな出来ばえ、お蔵入りになってしまったのがまことに惜しまれる。なお、Veda とともにライターに名前のある Larry Robinson は彼女のマッスル・ショールズ録音の多くを手掛けているプロデューサーだ。Luther Ingram でお馴染みなのが [If Loving You Is Wrong] I Don't Want To Be Right と I'll Be Your Shelter [In Time Of Storm]、前者はちょっとテンポのある作りとなっている。いずれも Luther より前に録音されたデモ作品。ホーン無しのシンプルなバッキングだが、ストレートに気持ちをぶつける Veda 嬢のヴァージョンも悪くない。Take My Hand Precious Lord はゴスペル・スタンダード、That's The Way Love Is は Bobby Bland (Duke 360) のカヴァー、Bettye Crutcher 作のバラード Who Wouldn't Love A Man Like That も穏やかながらも沁みる曲、以上 16 曲。ここで、もう 1 人のヒロイン Judy Clay の登場となる。順序が逆になっているが、17 曲目からの 9 曲が 68 から 69 年の Stax 作品、彼女は Veda がデビューする前に Stax を去っている。Veda よりも 10 歳ほど年上、シンガーとしてのキャリアも知名度も上だ。有名ゴスペル・グループ The Drinkard Sisters のメンバーとしての経験を経て、61 年に Ember からデビューしている。続いて LaVette / Scepter から 7 枚のシングルをリリース、67 年には Atlantic と契約。白人シンガー Billy Vera とのデュエット (Atlantic) と平行し Stax からもシングルを発表するが、これは Sam & Dave と同じく Atlantic から Stax へのレンタル契約によるメンフィス録音だったようだ。声に臭みがあり、いかにもゴスペル出身といったコブシのきいた重厚でディープな歌いっぷりの女性。でも、Veda に比べると女の性(サガ)が足りないような、身につまされるようなものはないかな。シングル・コレクトがすすまなかった理由。実生活で女性が全く理解できていないのに、当てにならないと言われてしまいそうだが。そんな私でも、Judy の曲でこだわって好きなシングルが 1 枚ある。William Bell と歌っている My Baby Specialized (Stax 0017) という Hayes & Porter が書いたミディアム・ナンバーだ。適度にポップでモダン、Sam & Dave や Soul Children に負けていない。この曲、やはり William Bell とのデュエットで先にヒットした Private Number (Stax 0005) と同様、もともと Judy がソロで録音したもの。後でヴォーカルに手を加え William Bell の声をかぶせた擬似デュエットというのが真相というから驚く。ここでは本来のソロ・ヴァージョンが聴けるのが嬉しい。バッキングもコーラスもいっしょ、一人で歌っていても魅力たっぷりで非の打ちどころがない。Remove These Clouds や It's Me といった浪々と歌われるスロー・ナンバーも悪くはないが、バラードならば、版権の関係で未収録の You Can't Run Away From Your Heart (Stax 230) だろう。バック・コーラスに Jeanne & The Darlings を配したメンフィス・バラッドの傑作、Stax のボックス CD で聴くことができる。未発表デモ録音では Since You Came Along がノーザン・ファンやちょっとモダンなリズム好きに気に入ってもらえそうだ。ドラムスが良いね、バックにホーンでも付けばもっとゴージャスになっていたはず。ヒットしたデュエット盤はあくまで William Bell が主役、方や Judy のソロ・シングルは不発に終わっている。ライナー・ノーツによれば、Judy 自身はデュエットの件を含め Stax のやり方にプライドを傷つけられたらしく、あまり良い印象を持っていなかったようだ。Stax を後にした彼女は70 年にマッスル・ショールズで Willie West の Greatest Love をリメイク (Atlantic 2697) しており、ディープ・ファンには評価が高い。また、LaVette & Scepter 音源は Marie Knight とのカップリング CD “ Blue Soul Bells Vol.4 “ (Westside、廃盤) に全曲収録されている。ノーザンの好曲 You Busted My Mind (Scepter 12157) ではIrma Thomas と Peggy Scott を足してニで割ったようなヴォーカルが小気味良く跳ねてくれる。タレント豊富な Stax にあって充分なプロモーションもされずに不遇をかこった Judy Clay と Veda Brown。私もなんとなく見過ごしてしまうタイプなんて書いてしまった。目立たないが奥ゆかしいシンガーなどと誉め言葉のつもりで言いたくなるが、本人にしてみれば生易しいものではなかったはず。そんなことを思いながら大切に丁寧に聴いていくと、また一味違って胸に響いてくる。彼女たちより実力も人気もある女性ソウル・シンガーは 50 人は下らないだろう。でも、音盤に刻まれた女心に優劣をつけることなんてできやしない、心優しきディープ・ソウル・ファンならば、2 人の歌声にもしっかりと耳を傾けてほしいな。
judy and veda
19:08:49 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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