楽 CD GEORGE JACKSON AND DAN GREER (KENT)
2015 / 03 / 01 ( Sun )
GEORGE JACKSON AND DAN GREER AT GOLDWAX (KENT CDKEND 428)

1 george jackson dan greer cd 1
2 george jackson dan greer cd 2
マッスルショールズ、サウンド・オブ・メンフィス、フェイムとくれば、ゴールドワックスなんだけど、やっぱりこれには驚いた。なんとジョージ・ジャクソンとダン・グリアの Goldwax の未発表音源集。この音源については以前噂で聞いたことがあり、お倉になりはしないかと気が気で、こうして手にすることができて感謝感激。①③ がシングル、②④⑦⑯ は既に CD 化されており、残る 17 曲がここで初めて聴ける未発表曲。Dean Rudland のライナーには 「テープのラベルにはジョージ&ダン、またはジョージのソロと記されていたのだが、どの曲でどちらが歌っているのかの判別はきわめて難しい。」 「ほぼ全トラックでジョージがリードヴォーカルを取っていると考えてまずまちがいないと思うのだが、心のどこかにそう言うのをためらわせるだけの疑念もある。」 とあり、どの曲をどちらが歌っているのか記載されていない。①③ はGeorge & Greer (Goldwax 313) のデュエット曲。絶対の自信があるわけではないが、私の耳では、⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑬⑯⑱⑲⑳ の 11 曲がジョージ・ジャクソンのソロ、結果的に残る 10 曲がダン・グリアのソロとなる。
やはり、気になるのはジョージ・ジャクスン。⑤ Coming Back To You Baby は James Carr の Coming Back To Me Baby (Goldwax 309) の元歌であろう。⑥ Love Attack は言わずと知れた James Carr の絶唱曲、シングルのライター・クレジットには Quinton Claunch とあるが、デモ録音しているので、ジョージ・ジャクソンが書いた曲で間違いないだろう。ピアノによる弾き語り、切羽詰まった男の嘆き節、これを聴いてジェイムズ・カーも歌ったかと思うと、感慨もひとしおだ。⑦ Don't Wake Me Up は既出の The Goldwax Story Vol.3 (CDKEND 335) でも触れられていないが、Bart Jackson 名義の Wonderful Dream (Decca 32317) と同じ曲。ピアノとコーラスというシンプルなつくりながら、イシュー・バージョンよりも暖かみのある曲となっている。⑧ Nothing Can Touch My Love I Have For You はどこかで聴いたことがあるような無いような、That’s How Strong My Love Is やサム・クックの Nothing Can Change This Love へのオマージュも感じられるサザン・バラード、力のこもった歌いっぷりも申し分なく、フェイドアウトしてしまうのが勿体ない。⑩ Come On And Make Up My Mind はリズム・ナンバー、ピアノにドラムス、これを派手にしたら Dancing Man (Decca 32317) って感じかな。⑪ I'm Going To Straighten Up and Do Right、これもどこかで聴いたことがあるなぁと思ったら、Marvin Gaye の Try It Baby に似ている。多分、ジョージはマーヴィンが好きだったはず。⑬ A Road To Nowhere、サッド&テンダーなバラード、実に良い曲。ゴールドワックスの例のバックでジェイムズ・カーが歌っていたらと想像してください、一粒で二度おいしいよ。⑯ I Can See Sadness Ahead For Me、既出、ブルース・ナンバー、こんなの聴いていると、今夜もまた深酒しそう。⑱ If I Thought I Could Ride My Troubles Away、オヴェイションズの Ride My Troubles & Blues Away (Goldwax 322) だね、かなり好きな曲、もう涙がちょちょ切れそう。⑲ I'm Still In Love With You、最初は甘く最後は辛い。⑳ I Don't Wanna Take A Chance、歌詞カード (国内盤) を見ながら聴いている。まさに男泣かせのジョージ。ゴールドワックスのバックで Spencer Wiggins が歌っていたらと想像してみましょう。
最初、歌っているのはジョージかダンかと比べて聴いたので、ダン・グリアにはちょっと不利になってしまった。バラードの ⑫⑭⑮㉑、悪くは無いけど、どうしてもシンガーとしての魅力はジョージに及ばないものね。イントロが「マイ・ガール」のミディアム ② To Me It’s Storming や ④ のマーチ・ソング Do The March、リズミカルで爽やかな ⑰ Fascination なんかの方が印象に残る。
バックがピアノだけという曲も多く、あのゴールドワックスのサウンドを期待する人には不満が残るかもしれないが、それは無い物ねだりというもの。Kent で出た Fame の 3 枚、The Sounds Of Memphis & XL の 1 枚、Grapevine / Soulscapeの At Muscle Shoals Sound の 3 枚に劣らぬ内容、さらに、ありがたみではそれらを上回るものだ。

ここで関連シングルを挙げておこう。
3 george greer gw
4 dan greer bigbeat
Dan Greer / My Baby’s Got A New Way (Bigbeat 149) 1966
楽ソウルでもちょっと触れたもの。ダンとジョージのレーベル Gre Jac 100 がオリジナル。Good Times (Goldwax 313) は先に Gre Jac 110 としてリリースされており (実物を見たことは無いが)、こちらが先の録音となるようだ。ソロ名義ながら、ジョージ・ジャクソンとのデュオ。Good Times の前哨戦といった感じでサム・クックのダンス・サウンド、ここでのダン・グリアの歌いっぷりはかなり気骨があって大いに好感が持てる。フリップのミディアム Wait For Me ではダンのソロに男性コーラスが付く。こちらも頑ななゴツゴツした歌いっぷり、CD レビューでは失礼してしまったが、このシングルにおけるダン・グリアは魅力たっぷりである。
5 bart jackson decca 1
6 bart jackson decca 2
Bart Jackson / Wonderful Dream (Decca 32317) 1968
これも楽ソウルでコメントしている。ジョージ・ジャクソンが変名でリリースしたシングル。John Ridley は In Muscle Shoals (Grapevine 3003) のライナーでちゃんと紹介しているのだが、Ady Croasdell (CDKEND 335) と先の CD アルバムのライナー執筆者 Dean Rudland はこのシングルの存在を知らないようだ。録音は HI、フリップは粘り腰の Dancing Man、彼のリズム・ナンバーではベストの出来だ。こうなってくると、HI のデモ録音が残っていないのか気になってしまう。なお、The Fame Recordings Volume 3 (KENT CDKEND 408) のライナーにのっている自己紹介のプロフェッショナル・ネイムが Bart Jackson となっているのに先日気がついた。

楽ソウルでは省いてしまった 80 年以降のジョージのシングルお薦め盤も紹介。
7 george jackson crosstown 1
8 george jackson crosstown 2
Ain't Nothing But Sorrow (Crosstown 581) 1981
最近一番よく聴くのがこのバラード、見つかりやすいシングルだし、もう絶対のイチ押し。いや~、沁みて沁みて泣くしかないっしょ。まさにジョージ・ジャクソン節全開、メンフィス録音、サウンドも 10 年くらい遡った感じで歌声も高らかに響き渡る。不満は 4 分 49 秒と長尺なこと、3 分 40 秒くらいでフェイドアウトしてくれた方が余韻が残ったはず。フリップはちょっとモダンな We Need You More、こっちもなんぼかいいんでないかい。裏でも表でも、思わず生まれ故郷の北海道弁が出てしまうほど、郷愁の 1 枚であります。
9 george jackson hepme 1
George Jackson / Struggling Lady (Hep’ Me 1051) 1993
ゆったりとしたミディアム、慈愛に満ちあふれた歌声にうっとり。ウラのバラード If It's Love You're Trying To Fight も素晴しい。Crosstown 盤に比べると一歩譲るけどね。Senator Jones のプロデュース、録音場所はミシシッピのジャクソン、マラコ・スタジオではなくてもっとローカルな音だ。シングル盤は珍しいが、両面とも、Heart To Heart Collect (Black Grape 100) という CD アルバムで聴ける。今では忘れられた感もあるこのアルバム、お持ちでない方、タイトル曲も最高なので、中古適価で見つけたら即買いですよ。なお、Struggling Lady は Little Milton がマラコで歌っており、Kent の CD “ Little Milton Sings Big Soul “ (CDKEND 413) にも収録されている。
11 george jackson heart to heart

最後にもう1枚、ダン・グリアのデビュー・シングルがこれ。
12 dan greer sw
Dan Greer / Old Beale Street (S.&W.712) 1964
珍しくて自慢の一品。メンフィスの Fernwood スタジオ録音。昔、お世話になっていた国内のメールオーダーの方から、こんなの欲しがるのは佐野君ぐらいだろうと言われて格安で譲っていただいた覚えがある。後に The Ovations が歌っている曲 (Beale St. 84-1) ということで、こちらのスケべ根性を大いに刺激。内容は? 田舎臭さがプンプン、随分と長閑 (のどか) であります。
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