楽 CD THE CONTOURS & DENNIS EDWARDS
2015 / 03 / 16 ( Mon )
THE CONTOURS & DENNIS EDWARDS / JUST A LITTLE MISUNDERSTANDING - Rare and unissued Motown 1965-68 (KENT CDTOP 419) 2014

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最初に The Contours について。1958 年に結成された The Blenders を前身とし、60 年、モータウンに入社。3 枚目のシングル ” Do You Love Me “ (Gordy 7005) は Berry Gordy がテンプテーションズのために書いた曲だったが、偶然のいたずらで彼らが歌って大ヒットしてしまったというのは有名な話だ。元々、メンバーの 1 人が Jackie Wilson の従兄弟だったため、ベリーがジャッキー・ウィルソンのご機嫌をとるためにモータウンに入れたグループで、ベリーもお荷物に感じていたのだが、まさに瓢箪から駒とはこのことを言うのだろう。でも、この成功のおかげで、彼らはいつまでたっても、” Do You Love Me “ の二番煎じのようなダンス・ナンバーしか歌わせてもらえなくなった。やっと、グループとして新たな魅力を開花させたのが、66 年の “ Just A Little Misunderstanding “ (Gordy 7052) と 67 年の “ It’s So Hard Being A Loser “ (Gordy 7059) の 2 枚のシングル。前者はリード・シンガーが Billy Gordon から Joe Stubbs に代わって発表されたもの、後者は新たに加入した Dennis Edwards がリードをとったものだ。この頃のコントゥアーズが私は大好き。ということで、このCDアルバムを初めて手にした時、思わず頬をつねってしまった。全て 1965 年以降の録音、イヤハヤ、こんなにたくさん音源が残っていたとは嬉しい驚き。シングル曲は ①⑤⑥⑩ の 4 曲、残りの 22 曲が当時未発表曲、うち、③ は 74 年に UK のみでリリースされたアルバム (Tamla Motown MFP 50054) に収録されていたもの。⑨⑫⑭⑮⑰⑲⑳ の 6 曲は既に CD イシューされているもの、残りの 15 曲がまったくのお初の曲となる。ライナーノーツにはきちんと録音データが記載され、リード・シンガーも明記。ジョー・スタッブスが 7 曲 ①⑥⑦⑨㉑㉔㉕、ビリー・ゴードンが 1 曲 ②、デニス・エドワーズが 14 曲 ③⑤⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳、64年頃に加入している Jerry Green が 4 曲 ④㉒㉓㉖。
ジョー・スタッブスはThe Falconsのメンバーであったディープなシャウター、フォー・トップスのリーヴァイ・スタッブスの兄弟にあたる。① Just A Little Misunderstand はモータウン・クラシックとなっている華のあるダンス・ナンバー。印象的なピアノのイントロを聴くたびに胸が高鳴ってしょうがない。後にシカゴの Johnny Williams (Bashie 103) がカヴァー、Leon Haywood のレア・シングル “ Baby Reconsider “ (Fat Fish 8011) もこの曲の完全なパクリである。未発表曲では ⑨ I Can’t Help Loving You Baby が抜群のダンサー、苦み走ったボーカルが堪らない。⑦ Weak Spot In My Heart でも力一杯の熱唱だ。㉑ Need Your Lovin’ はマーヴィン・ゲイ (Tamla 54132) の曲、ジョー・スタッブスはThe Originals (Soul 35029) のデビュー・シングルでもこの曲を歌っている。㉔ I Grow Deeper In Love Every Day はこのグループらしからぬ優美でソフトなタッチのミディアム・バラード。㉕ Come See About Me はシュープリームスの硬派ヴァージョンですね、” Motown Sings Motown Treasures “ (Motown 31453-0960) にはオリジナルズ名義の未発表ヴァージョンも収録されており、何故か、そちらの方が音がクリアでキレがある。わずか1年たらずでジョー・スタッブスはオリジナルズに参加、彼の代わりに加入したのが若き日のデニス・エドワードであった。シングルで発表された ⑤ It’s So Hard Being A Loser は新生コントゥアーズの誕生を高らかに宣言するかのような晴れやかな曲、これをこのグループのベストとする方も多い。未発表曲が 14 曲もあるが、デニスがテンプスに急遽参加したため、混乱を避け、お蔵入りになった事情がある。なお、デニスをソロで売ろうという計画があったようで、この CD アルバムのタイトルも and Dennis Edwards となっている。まず、テンプスのカヴァー ③ It’s Growing を聴いてみよう。ちょっとテンポが速い、オリジナルの重厚なバックに比べると見劣りする音、歌もデヴィッド・ラフィンにかなわないのはしょうがない。⑧ Girl Come On In、フォー・トップスが歌いそうな感じかな、⑪ I’m Here Now That You Need Meは ⑤ の流れで魅力的な曲だ。⑫ What Becomes Of The Brokenhearted、オリジナルのジミー・ラフィンは皆さんご存知でしょう。⑬ は歌ってほしい曲ではないが、悪くは無い。⑭ Keep On Tryin’ (Till You Find Love) はデニスがテンプスに加入する直前に録音されたもの。これぞモータウンのダンス・ナンバーって感じだが、歌にもっと力強さがほしい。” A Cellarful Motown Vol.4 “ では James Epps が吠える The Fantastic Four のヴァージョンが聴けます。⑮ Ain’t That Peculiar、デニスには申し訳ないが、本家と聴き比べてしまうと、マーヴィン・ゲイがいかに色気のあるシンガーであるかが分かる。⑰ I Like Everything About You と ⑱ What’s So Good About Goodbye、2曲とも大好きなモータウン・ナンバー。このデニス・ヴァージョンは随分と勇ましい、最初聴いた時はどうかと思ったが、リーヴァイ・スタッブスやスモーキーの深い味わいを求めるのは無理というもの、これはこれで正解かもしれない。⑳ もフォー・トップスの曲ですね。⑯ Can’t Do Without Your Love と ⑲ Which Way To My Baby はオリジナルだろうか。デニスの声や歌いっぷりは、こういった直球でドズンといった感じの曲で映えるのかもしれない。⑲ はデヴィッド・ラフィンも歌っていて、” The Great David Ruffin / The Solo Albums Volume 2 “ に収録されている。ビリー・ゴードンの ② はGordy 7044の別ヴァージョン。このアルバムにあえて文句をつけるなら、④ の Baby Hit And Run だろう。この曲、先の UK のアルバムに収録されUK シングルもあるデニスの最高傑作なのだが、ここでは、ジェリー・グリーンがリードの録音を収録。これにはがっかりした人も多いのではないだろうか、本 CD のコンセプトならば、デニスの歌ったものも入れるのが筋というものである。残る 3 曲、パーシー・スレッジの ㉖ はさておき、リード・ボーカルの正体は?ながら、The Spinners みたいにロマンティックなミディアム ㉒、デトロイト・ビートが冴えるダンス・ナンバー ㉓、ともに力作と言って良い出来だ。
このCDアルバムを最初に聞いた時はかなり興奮したけど、細かくいろいろと聴き比べをすると、少し興が覚めてしまった。何事にもそれぞれの良さがあり、あまり比較しちゃいけませんね。

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The Contours / Just A Little Misunderstanding (Gordy 7052) 1966
ジョー・スタッブスがリードの唯一のシングル。
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The Contours / It’s So Hard Being A Loser (Gordy 7059) 1967
デニス・エドワーズがリードの唯一の米盤シングル。

DANCE WITH THE CONTOURS featuring unissued MOTOWN recordings 1963-64 (KENT CDTOP 350) 2011

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KENT から 2011 年にリリースされたもう 1 枚のコントゥアーズのアルバムも簡単に紹介しておこう。先ほど、「ドゥ・ユー・ラブ・ミーの成功のおかげで、彼らはいつまでたっても、二番煎じのようなダンス・ナンバーしか歌わせてもらえなくなった」と書いたけど、まさしくそんなコレクション。26 曲のうち ①㉖ を除く 24 曲が未発表で、これまた驚き、いったいモータウンにはどんだけ未発表音源が残っているでしょうね。タイトルとなっている “ Dance With The Contours “ は、レコード番号 Gordy 913 としてリストアップされていた彼らの幻のセカンド・アルバムをイメージしたようだ。ブーガルー、モンキー、マッシュポテト、リンボー、ジャーク、流行りのものは何でも踊っちゃおうというわけで、モータウン・サウンドの主流からは随分と外れてしまった感じだが、当時のこのグループのモータウンでの存在意義を考えるといたしかたなかったのかもしれない。ポップなものやラテンっぽいものもあるね。数曲を除きビリー・ゴードンのリード、彼のねちっこいダミ声は強力 (ライナーでは鑢のような声と書いてある)、嫌でも耳に残る ” Do You Love Me “ もあのボーカルでなければ、あんなにヒットしなかったかもしれない。ダンス・ナンバーじゃないのは、⑱ と ⑳ の 2 曲、 You Hurt Me So はセンチメンタルなゆったりバラード、えらく気色が良いと思ったら、コーラスは The Andante という別グループが担当しているようだ。Throw You Out Of My Mind は意外やブルース・ナンバー。ファンク・ブラザーズの演奏も聴きもの。ジャケットもナイス、ライナーも充実していて、メンバーの写真も多く、モータウン加入前後のグループ事情やメンバーの変遷がかなり詳しく書かれている。

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THE CONTOURS / BABY HIT AND RUN (Tamla Motown MFP 50054) 1974
CD レビューで触れた UK オンリーのアルバム。全 12 曲、ジョー・スタッブスの Gordy 7052 両面、デニス・エドワーズの Gordy 7059 両面に加え、当時未発表だったデニス・エドワーズのタイトル曲と “ It’s Growing “ が収録されている。なお、” Baby Hit And Run “ の英盤シングルについては、2014年5月21日の当ブログで紹介済なので、そちらも参照ください。

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THIS IS NORTHERN SOUL ! VOLUME 2 (DEBUTANTE 530814-2) 1998
ブートレグ以外で、デニスの “ Baby Hit And Run “ が聴ける唯一のCDコンピレーション。第 1 集もあって、モータウンのレア音源がてんこ盛り、もう 20 年近く前のもの。モータウンの未発表音源発掘作業の開始前だったので、当時は重宝しました。コントゥアーズだけでなく、今でもここでしか聴けない曲が数曲あり。

最後に、4 集まででている A Cellarful Of Motown に収録されている未発表曲も挙げておきましょう (先のKENTのアルバムに収録されたものは除きます)。
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① Danger Heartbreak Dead Ahead 1966 (Vol.1)
マーヴェレッツの 65 年のヒット・ナンバー。リードはビリー・ゴードン、パワフルなミディアム。エンディングもかっこいい、ビリーさん、ダンス・ナンバーだけじゃないというところを見せつけてくれる。
② Baby Hit and Run 1965 (Vol.1)
ジェリー・グリーン、デニス・エドワーズに先立ち、“ Baby Don’t Leave Me “ のタイトルで既にひそかに録音され地下に眠っていたブツ、歌っているのはビリー・ゴードン、バックの音は後録のものとそれほど変わらない。まさにヤスリでゴシゴシ、ダミ声で弾けまくる、これまたグレートな出来ばえであります。やはり曲が素晴しい、3 度も 3 人のリードで録音したというのは、モータウンのスタッフにもかなりこだわりのあった曲なのだろう。
③ Take Him Back If Makes You Happy 1967 (Vol.2)
力強く前向きなミディアム・ナンバー。デニス・エドワーズのソロ・アルバムのために用意されたもの。
④ Jealousy Is Creeping Up On Me 1966 (Vol.3)
ビリー・ゴードンが絶好調、怒涛のアップ・ナンバーだ。
⑤ Dennis Edwards / Easier Said Than Done 1967 (Vol.3)
デニスのソロ名義、スモーキーとベリー・ゴーディの作。しなやかで軽やかなダンス・ナンバー、モータウンにはあまりないパターンの曲ではないかな、なんだか親しみを感じてしまって、これはかなり好き。ボーカルもいつになく優しげであります。
⑥ Dancing U.S.A. 1965 (Vol.4)
ビリー・ゴードンお得意の汗だくのダンス・ナンバー。もともとはマーサ&ヴァンデラスのNobody’ll Care という曲 (LP “ Dance Party “ に収録)、歌詞とタイトルを変えてコントゥアーズが吹き込んだもの、パーカッシブなサウンド、ドラムスも最高だぜ。
⑦ Somebody’s Waiting For Me 1966 (Vol.4)
未発表ナンバーの中でもこれが一番凄いのではないだろうか。Isley Brothers のプロデューサー Ivy Joe Hunter の製作、Why When Love Is Gone (Tamla 54164) が頭に浮かんだ、もっともっと荒っぽくてヤバイ、ビリー・ゴードンのベストであろう。ドラム・ブレイク入りまくり、めちゃくちゃかっこいいダンス・ナンバー、これは是非ともシングル・カットをお願いしたい。
⑧ Dennis Edwards / I Feel Like I’m Falling In Love Again 1967 (vol.4)
デニスのソロ名義ではマイ・ベスト、The Fantastic Four (Soul 35058) も歌っている曲だ。ファンタスティック・フォーが後の録音のよう。勇ましく渾身のジェイムズ・エップスより優しく頼もしいデニスの歌いっぷりの方が好きだな。
10:42:24 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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