JAMES BROWN, TNT SUTTON & PECY SLEDGE
2015 / 05 / 09 ( Sat )
5 月 2 日のワンマン DJ で紹介した映像及び音源について、コメント。

1 tami show dvd
T・A・M・I Show Collector’s Edition (Shout Factory)
知っている人にとっては今さらという映像かもしれない。1964 年 10 月 29 日、カリフォルニアのサンタモニカ・シビック・オーディトリアム、その年に活躍した歌手・バンドによる TV 番組 T・A・M・I ショーを劇場公開用に撮影編集したもので尺は 2 時間弱。日本でも 1966 年に 「ビート・パレード」 という邦題で公開されている。ジャン&ディーンが MC を務め、ローリング・ストーンズ、レスリー・ゴーア、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、ジェームス・ブラウン&ザ・フレイムズ、ビーチ・ボーイズ、チャック・ベリー、マーヴィン・ゲイ、ミラクルズ、シュープリームスらが出演。ブートレグのビデオやレーザーディスクによる不完全版が出回っていたが、2009 年に初めて正規完全版 DVD がリリースされた。この映像の存在を私は知らなく、つい 1 か月前に森島さんから見せていただき、とにかく驚いた。パフォーマンスのクォリティはもちろん、映像のクォリティも極めて高い。口パクじゃなくて生バンドによる生歌。黒人も白人も同じステージというのも、当時としては珍しいのではないだろうか。
5 月 30 日に映画 「最高の魂を持つ男」 が公開されることもあり、この DVD の中からジェイムズ・ブラウンの伝説的なライブ映像を観ていただいた。
Out Of Sight – Prisoner Of Love – Please, Please, Please – Night Train
フェイマス・フレイムスをバックに以上 4 曲、約 18 分間、エネルギーの塊りがパワフルに弾けとぶ。JB が凄いのはもちろん分かっていたが、そのカリスマを肌で感じる圧倒的パフォーマンス。彼の表情、一挙手一投足に釘付け、一緒に叫びのたうちまわりたくなる、これはもう観ていただくしかない。私みたいな熱心な JB ファンじゃなくとも興奮すること間違いなし。注意深く見ると、3 人のコーラス&ダンサーの中にボビー・バードさんもいらっしゃるじゃありませんか。JB のステージだけカメラの台数が増えているような、映像的にもとりわけ素晴しい。汗が光るクローズ・アップからステージ―全体の俯瞰まで、JB の動きに合わせたカット割りが見事で、編集も実に丁寧だ。
JB 以外も見どころ聴きどころ満載。ミラクルズの後ろでギターを弾いているのはなんとマーヴ・タープリン。マーヴィン・ゲイも輝きでは負けていない、ダ-レン・ラブのブロッサムズがバック・コーラスでサポートしていて感激してしまった。ソウル以外ではレスリー・ゴーア、けっこう大人で背が低くて驚いた、可愛子ちゃんではなくてヘレン・シャピロ並みの本格派だね。トリのローリング・ストーンズは JB の後で居心地が悪そう。この DVD は今でも入手可能、リージョン・ワン (日本の通常のプレイヤーでは再生不能) とリージョン・フリー (再生可) があるので、ご注意を。

2 usa records soul story 1
3 usa records soul story 2
THE USA RECORDS SOUL STORY (FUEL 302 061 952 2) 2013
これは買い忘れていて、3 か月くらい前に入手したもの。FUEL のアルバムは、先に他で出ているものと内容が重複するのが多く、つい見逃してしまっていた。最近ではブランズウィックやワンダーフル等シカゴ・ソウルのリイシューが盛んだが、このシカゴ・レーベル、代表するようなシンガーもおらず、興味がわく人は少ないかもしれない。2 枚組で 36 曲、手に入れてタイトルを見たら、持っている曲が多い、復習のつもりで聴いていたら、次の 2 曲に思いっきりどつかれた。
Tut Sutton / No Appreciation (USA 852) 1966
Tut Sutton / I Can Feel The Tears (USA 852) 1966
グレートなガールズ・ミディアム、こんなものを知らずにいたとは不覚、プライス・ガイドを見て納得、ベリ・ベリ・レア盤、おそらく初の CD 化でしょう。ゆったりした横揺れで両面 2 曲とも似かよった曲調、甲乙つけがたいですね。ハスキー・ボイスにも深みがあって、背筋がぞくぞくするような恍惚感が漂ってくる。シックで艶っぽい、このままずっと浸っていたい気分だ。なお、Federal にシングルのある Little Emmett Sutton と同じ人だそうだ。
このレーベル、訳の分からないシングルも多い。ど真ん中のディープ・ソウルはほとんど無いし、ブルースや R&B っぽいものが多いのかと思ったら、けっこうポップなガールズものもあったり、どうもとらえどころがない。参考のために他の収録曲も簡単にコメントしておきましょう。まず、なじみのあるところで L.C.Cooke、昨年 SAR のシングルをあつめたアルバムもリリース、1② と 2⑦ は USA の関連レーベル Destination のシングル、I’ll Wait For You は 2 歳上の兄サム・クックの Just For You (Sar 122) をさらにリズミックにしたようなナンバー。Do You Wanna Dance (Yea Man) は別テイク、シングルとはバック・コーラスが少し違っていて、ちょっとデュオっぽい雰囲気もある。尺も長く、イシュー・ヴァージョンよりもさらにエキサイティングな出来栄えだ。1⑥ Baby Huey & The Baby Sitters / Just Being Careful (USA 812) はイギリスで人気のノーザン・ナンバー。この人は、楽本でとりあげたウェスト・コーストの Claude “Baby” Huey とは別人で、Curtom に LP もある巨漢シンガー。1⑭ と 2② の Lee Wilson は楽ソウル参照、スローもアップも心もとない歌いっぷりに涙であります。1④ 2④ の Bobby Jones は Takin’ Bout Jones (Toya) というLPもあるシカゴの中堅シンガー、鈴木先生の SOUL CITY USA でも取り上げられている。いろいろなレーベルでシングルを出しているが、なかなか平均点を上回れない。2④ Beware A Strangers はモータウンを無理やりシカゴに持ってきた感じのアップ・ナンバー、ホーンはパクリだけど、けっこう好き。1⑧ 2⑮ の Al Perkins、デュエット盤を含め USA にはシングルが 5 枚。 Atco や HI などにもシングルがあり、ライターやプロデューサーとしても活躍、Al Hudson & The Soul Partners (ABC) の傑作アルバムはこの人のプロデュースだ。A.C.Reed、Detroit Junior、Billy “The Kid” Emerson、Mighty Joe Young はブルースの人達、A.C.Reed はサックス奏者として有名、どちらかと言うとサイド・マンで歌は期待できず、インストの Boogaloo-Tramp (Nike 2002) が私の愛聴盤。1⑮ I Got Money To Burn もサウンドは適度に荒れていい感じ、ギンギンのギターは Ivory Parkes というお方らしい。ここでピアノを弾いているのが Detroit Junior で、1⑰ Talk Fast (USA 807) はグレートなスロー・ブルース、未収録のダウンホームな Call My Job (USA 814) も多くのブルース・マンに歌われている名曲だ。2⑬ なんか聴くと、サム・クックも好きだったかも。Billy “The Kid” Emerson はフロリダ生まれで 50 年代から南部で活動していた R&B 系のシンガーでピアニスト、1⑩ は溌剌としていて楽しいね。デニス・ラサールを最初に見出した人物としても知られ、デニスのデビュー・シングルはこの人のレーベル Tarpon からリリースされている。Mighty Joe Young はギタリスト、2⑰ Ain’t Nobody Home は転がるようなテンポの R&B ナンバー、ブーガルーにドラム・ブレイクも入って、なかなかスマートな出来。4 曲も収録されている Ricky Allen はシカゴの R&B シンガー、60 年代に数多くのシングルを残しているが、決め手に欠け、ブルース・ファンからもソウル・ファンからも見逃されているタイプかも、1⑤ のバラードがベスト、けっこう聴きごたえあり。Ernie Hines は Stax や We Produce にもシングルがあり、1⑬ は泣かせどころもあってまずまず。ライナーによれば Frankie Newsome は M-Pac の Willie Parker と同じ人とある。ホンマかいな、Secret Stash の M-Pac のコンピを確認したら、そこにもちゃんと書いてある。気持を改めて、1⑱ に耳を傾けると、これまで以上に暖かくて素敵な曲に聴こえてきた。ゲンキンなものである。McKinley Sandifer の 1① Get Up はファンク・ナンバー、この人、サックス奏者で南部生まれ、故郷のメンフィスで録音された You’re A Winner Baby / Saw And Axe (Cotton 12374) というシングルもある。Edward St. Ann はキッズだろうか、2⑯ はニューオリンズのコジモ・スタジオで録音されたもの。The Valentinos (Sar 144) のカヴァーとなるフリップ・サイド More Luck To You Baby の方を収録していただきたかったね。残る女性歌手が、Geraldine Hunt、Chris Campbell、Amanda Humphrey の 3 人。クリス嬢の 2③ You Gotta Pay Dues (USA 885) はいなせな歌謡調ダンス・ナンバーで大好き。ライターに Joseph Hunter の名前がありモータウン色もほんのり、リズムがとても優しいね、ちょっとぶっきらな歌いっぷりも良いのであります。ジェラルディン嬢は Bombay のシングルを愛聴、1⑪ Sneak Around (USA 732) は初めて聴く、ヤングで清潔感のあるポップ・ナンバーです。アマンダさんも悪くないガールズ・ノーザンだけど、声が私の好みではない。Tut Sutton 以外は簡単に済まそうとしたら、悪い癖で長文となってしまった。ディープ・ソウル・ファン向けではないが、丁寧に聴いていくとけっこう面白い。2 枚組で値段も安いし、これまで CD 化されていない音源なので、これは買い。Tut Sutton が聴ける幸せをともに分かち合いましょう。

4 lee wilson usa
5 detroit jr usa
6 chris campbell usa
これが入っていれば、もっと良かったんだけど。
7 jimmy burns usa
Jimmy Burns / Through All Your Faults (USA 771) 1964
楽ソウル参照。実は 2002 年にリリースされている The USA BLUES STORY (FUEL) に両面とも収録されております。

8 percy sledge blue night 1
9 percy sledge blue night 2
Percy Sledge / Blue Night (Sky Ranch 7243 8398712 2) 1994
4 月 14 日にパーシー・スレッジが亡くなった。この人が「男が女を愛する時」を歌わなかったら、サザン・ソウルの歴史も大きく変わっていただろう。アトランティックの頃も良いが、私が長年愛聴しているこの 94 年のアルバムから 2 曲かけさせていただいた。
① You Got Away With Love
オリジナル曲、ギターはボビー・ウ―マック。このアルバムでは一番好きな曲。歌にも泣かされるが、ギターにも泣かされます。
⑥ These Ain't Raindrops
ジェイムズ・カーの曲。オリジナルに比べてというコメントを発することが、恥ずかしくなるような潔く立派な歌いっぷり。スティーヴ・クロッパーのギターが華を添えます。
このアルバム、80 年以降では 3 本の指に入るサザン・ソウルの名盤と言うのが私の評価。奢りも無くひたすらな歌いっぷりが美しく、バッキングも文句無し。カヴァー曲が ④⑥⑨⑪ の 4 曲、残る 7 曲がオリジナル。全曲良いが、セカンド・ベストは、③ Why Did You Stop と ⑪ I've Got Dreams To Remember かな、⑧ First You Cry も素晴しい。ウ―マックは ①②、クロッパーは ②③⑥⑪ に参加、ミック・テイラーのギターも ⑦⑨ で聴ける。コーラスは The Waters の女性たちだ。
19:33:06 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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