SHERWOOD FLEMING
2015 / 06 / 07 ( Sun )
SHERWOOD FLEMING / BLUES BLUES BLUES (KTI 1016)

1 sherwood flaming cd 1
2 sherwood flaming cd 2
3 sherwood flaming cd 3
宣伝もいきとどいているようで、リチャード・マークスみたいに私が素晴しさを力説する必要もないかもしれない。久しぶりに買った新録の CD アルバム。3 月に買ったのだが、コアなブルース・ファンでもないので、直ぐにコメントするのは気が引けた。
帯に「再発見」とある。日本のブルース・ファンでいったい何人がこのシンガーを知っていただろうか。残したシングルがわずかに 3 枚、私の知る限り、Kent 盤のソウル・ナンバーが For Connoisseurs Only Vol.2 (Kent CDKEND 251) に収録されたことがあるくらいで、ほとんど CD イシューもされていない。私が Sherwood Fleming に出会ったのも全くの偶然だ。狙ってブルースのシングルを買ったことはほとんど無く、ソウルの裏がブルースだったり、ソウル・シンガーが本格的なブルースも歌っていたり、ソウルのシングルと思って買ったら、ブルースだったなんて具合で、少しずつブルースのシングルが増えていた。シャーウッド・フレミングの場合は三番目のパターン。最初は Highland 盤、25 年くらい前かな、どこでいくらで買ったかも覚えていない。これが強烈、歌にもギターにもうなされっぱなし、こうなると他にシングルがないかと、C&F と Kent 盤も手に入れた。情報が全く無くて、レーベルからウエストコーストのシンガーというくらい、勝手にギターも彼が弾いていると思い込んでいた。それから随分と時が経ってしまった。今年の正月あけ、ディスク・ユニオンの秋元さんからシャーウッド・フレミングが出ますよと聞いた時は、懐かしい名前というくらいで、40 年以上も前に数枚シングル出したきりのシンガー、期待することもなく、発売日をチェックすることも無かった。
ところが、店頭でジャケットを見て、ビビビと。1 曲目視聴して、即買いました。Dynaflow レコードの Eddie Stout がプロデュース、録音は昨 2014 年 9 月、テキサス州オースティンで行われている。なんと言っても声が凄い、Kent 盤から 44 年、78 歳にして破鐘のようなお声、ただならぬ迫力、若い時よりも深みやありがたみが増しているような気がする。ディープ・ソウル・ファンで声フェチなら、ブルースはあまり聴かないという方でも、これには参ってしまうはず。全 13 曲、選曲も良いですね、お得意のスロー・ナンバーが中心。清々しささえ感じてしまう思う存分な歌いっぷり。そして、彼の歌をサポートするバック・バンドも申し分なし。70 年代にさかのぼったかのような演奏、お行儀の良いスタジオ録音って感じじゃなくて、適度に生々しくてワイルドだ。
まずは、アイク&ティナのブルース・ファンク ① Bold Soul Brother で幕開けだ。現役時代のライブのオープニングはこの曲だったのかと思わせるような堂々たる歌いっぷり。スロー・ブルース 2 曲を挟み、男臭くヘビーな Andre Williams の ④ Jailbait で止めを刺される。最初の 4 曲でノックアウト必至だ。特に Highland 盤の再録となる ② の Good Woman は本アルバムのハイライト。ここでソウル・ナンバーでちょっと一息つこう、⑤ No Life For A Working Man は C&F 盤の曲、シングル・バージョンより良く歌われていて驚いた。King Solomon (Checker 980) の作となる ⑥ Non Support Blues は圧巻、パワフルなボーカルがまさに黒光り。②⑤ をはじめ、本アルバムでは自作曲を 4 曲取り上げており、格別に気合が入っている。⑧ Goin’ Back Home は C&F のスロー・ブルース、気持ち良さそうにのびのびと歌ってくれる。⑫ Blues Blues はオリジナルの Soundtround 盤 (後述) よりもリズミック、目いっぱいコブシをふるってくれる。ジャジーなバックを背に語られる ⑦ のメッセージと ⑨ の無伴奏ゴスペルは、彼ならではのこだわりの選曲か。意外だったのは ⑩ Lay It On The Line、ジミー・ヒューズ (Volt 4024) の曲だ。欲を言えば、ブルージーで甘辛なソウル・バラードも聴きたかったね。⑪ My Time After A While はゴスペル・ブルース・シンガー Tiny Powell (Wax 14) の曲、国内盤ボーナス・トラック ⑬ Three O’ Clock In The Morning は Lowell Fulson (Down Town 2002)、私のような中途半端なブルース・ファンにも馴染みのある曲なのがうれしい、2 曲ともお得意のスロー・ナンバーだ。なお、③ Gotta Hold On は Frank Patt (Flash 117) というシンガーが 57 年に歌った曲がオリジナルとのこと。
ブルースはボーカルが今一というソウル・ファンも多いでしょう、正直言うと私もそう、でも、これは違う。是非、ディープなソウル・ファンにも聴いていただきたいアルバムだ。蘇ったシャーウッドさんに感謝、そして、製作に携わった方々にも感謝です。ライナーに、日暮康文氏がシャーウッドらしき人物を発見した経緯が書かれているけど、まさにちょっとした奇蹟。筋の通らないことやつまらないことが氾濫している世の中、こんな嬉しい奇蹟を聴き逃すなんてことがあってはいけません。

シャーウッド氏は、1936 年 8 月 8 日、ミシシッピ州ヒルハウス生まれ。5 歳頃から教会のカルテットで歌っていたそうだ。ロサンゼルスに出てきたのは 1956 年。彼のシングルについてもコメントしておきましょう。
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Sherwood Fleming / Going Back Home (C&F 81503) 1968
デビュー・シングル。スローなブルース・ナンバー。歌いっぷりも良くて、なかなかの出来。ギターが自己主張しすぎかな。フリップの No Life For A Working Man はミディアムのソウル・ナンバー。この曲の人気か、このシングルは値段が高い。ちょっとぶっきらぼうな歌い方ですが、歌詞をみたら、「金を女に持ち逃げされた」男の恨み節なんですね。
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Sherwood Fleming / Good Woman (Highland 044) 1969
地を這うようなスロー・ブルース、間違いなくシャーウッドのベスト、傑作です。バックも最高、もう真っ暗、歌っている現場に踏み込みたいような、踏み込んじゃいけないような、そんなヤバイ雰囲気に痺れまくり。C&F とギターは違うようだけど、いったい誰なんですかね。フリップの Holdin’ On はジャンプ・ナンバーというのかシャッフル・ナンバーというのか、ボーカルが途中から気合が入るところが面白い、ラストはソウルフルに盛り上がってくれます。
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Sherwood Fleming / Peace, Love & Understanding (Kent 4528) 1970
売る気があるのかと思えるようなピクチャー・カヴァー、写っているゴミ収集人はシャーウッドご本人とのこと。KENT の CD コンピにも入っているが、ちょっと情けない感じ、曲もロックっぽいし。フリップの Big City Packer は CCR のダメなコピーみたいでさらに残念。
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10 sherwood fleming soundtround 1
Sherwood Fleming / Come Back Baby (Soundtround 4103) 1985
シングルは 3 枚ではなくて、実は 4 枚。これは 1985 年に自主製作されたもので、一般には出回らなかったようだ。シャーウッド自身が保管していた在庫をディスク・ユニオンが今回買い付け、私も手にすることができました。自主製作と言ってもチープじゃありませんよ。Highland のようなサウンドじゃなくて、極めて穏当ですが、ゆったりと余裕のボーカルは文句無し。フリップの Blues Blues はCDアルバムでも歌っている曲、両面ともに真っ向勝負の力作です。
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