楽 CD  CARL HALL (OMNIVORE)
2015 / 09 / 19 ( Sat )
CARL HALL / YOU DON’T KNOW NOTHING ABOUT LOVE (OMNIVORE 133)

1 carl hall cd1
2 carl hall cd2
副題が THE LOMA / ATLANTIC RECORDINGS 1967-1972、意外なシンガーの単独アルバム。Carl Hall の未発表が聴けるなんて予想していなかったので、驚き、大いに感激。紹介が遅れてしまったが、落ち着いて聴けるようになったところで、気のついたこと感じたことを書きとめておきたい。この人については、楽 SOUL でほぼ言いたいことは書いたし、そちらも参照ください。全曲、Jerry Ragovoy の製作、ソウル・ファンには Garnet Mimms や Howard Tate の作品でおなじみの大物プロデューサー、Bert Berns と並び NY のソウル・シーン、とりわけディープ・ソウルやアーリー・ソウルを語る上で欠かせない存在だ。①② (Loma 2086) ⑥⑦ (Loma 2098) ⑭⑮ (Atlantic 2856) の 6 曲がシングル曲、③④⑤⑧⑨⑩⑪⑫⑬ の 9 曲が未発表曲で、録音年順に並んでいる。⑯⑰⑲ は別テイク、⑱ は ⑥ の 71 年リメイク・バージョンとなる。
ゴスペル出身のユニークな声のシンガー。ライナーには 4 オクターブと書いてあるけど、いわゆる綺麗な澄んだ高音ではなく、過激で泥臭くて、少々ヒステリックにも聞こえるカン高い声。こういうのはダメというソウル・ファンがいても仕方ないが、こんな声でこんな歌い方をするシンガーは他にはいない、なんだか貴重だし、この人だから映える曲というのもあって、私は大好き。シングル曲では、冒頭 ① You Don’t Know Nothing About Loveが凄い、「必殺のスロー・バラード、喉が焼けるようなシャウトに圧倒される」 (楽本)、 ⑥ のライターには Richard Poindexter & Robert Poindexter、⑦ のライターには Van McCoy の名前がある。新機軸のファンク・ナンバーとよりダンサブルなリズム・ナンバーだ。ライナーによれば、⑮ Change With the Season の曲を書いている Elliot Lurie は白人のシンガー・ソング・ライターで Looking Glass というバンドのリード、ソウル畑の人ではない。そう知って聴くと、ポップ・ソングをゴスペル・テイストでソウルフルにアレンジ、「クワイアーをバックに、天にも届けといった力一杯の熱唱が感動的、とめどなく熱いものがこみ上げてくる」 (楽本)。なんとも純な曲、この人でなければ、これほどまでに思い切りよく歌いあげることはできないだろう。未発表曲では、67 年作の ⑤ It Was You (That I Needed) が素晴しい、アルバムの中でも燦然と輝いています。カールさん自作の美しいバラード。高らかに歌われた Let Them Talk といった感じかな、テンダーでディープな歌いっぷりも申し分無し、いやはや絶句、後半の盛り上がりに涙を抑えることができない。最初こればかりリピートしていた、心優しき私は過激な ① よりもこちらの方が好きであります。⑧⑨ はデモ録音、⑩ はロックっぽい、⑪ はビートルズ、⑬ Time Is On My Side はローリング・ストーンズでヒットしたアーマ・トーマスの曲。⑭ は今まで気づかなかったけど、ジェファーソン・エアプレインのヒット曲 「あなただけを」 なんですね。こうして聴いていくと、ラゴヴォイの狙いは、カール・ホールのヴォーカルを活かすため、ゴスペルとロックとソウルをポップにクロスオーヴァーさせることだったのかもしれない。ということで、全体を通して聴くと、散漫に感じてしまうソウル・ファンもいるかな。どんな曲でも妥協の無い歌いっぷりで好感度は高い、⑤ が聴けただけで、私は大満足。
3 carl hall loma
4 carl hall atlantic

ラゴヴォイが手掛けたカール・ホールがもう 1 枚
5 carl hall columbia
Carl Hall / What About Me (Columbia 45813) 1973
「メロウでおしゃれなバックにハイ・トーン・ボイスが実に伸びやかに響くミディアム」 (楽本)、カール・ホール版の What’s Going On ですね。The Jerry Ragovoy Story / Time Is On My Side 1953-2003 (Kent CDCHD 1183) で聴けます。ご覧のとおり、私の持っているシングルはセイム・フリップのデモ盤。ウラは Who’s Gonna Love You というミディアム、曲にとらえどころが無いかな。

ラゴヴォイに出会う前、1964 年から 66 年に Mercury から 6 枚のシングル盤をリリース。鈴木先生の SOUL CITY USA での評価は低いが、元気いっぱいにソウルフルで私は大好き。ポップで甘い 1 枚目のシングルは少し雰囲気が違うかな、2 枚目以降は太鼓判、とにかく熱い、暑苦しいぐらい。ライターやプロデュースも Gene Redd、Lou Courtney、Quincy Jones、George Kerr、Richard Tee、Sammy Lowe といった按配で錚々たる人物が並ぶ。楽ソウルでも押しているので、ちょっとしつこいが、私のベスト・スリーは次の 3 曲。
7 carl hall let me down slowly
Carl Hall / Let Me Down Slowly (Mercury 72318) 1964
8 carl hall my babys so good
Carl Hall / My Baby’s So Good (Mercury 72396) 1965
6 carl hall youre so qualified
Carl Hall / You’re So Qualified (Mercury 72547) 1966
コメントは楽本 51 頁を参照ください。他の曲もレベルが高いです。

昔に比べると、王道ディープ・ソウルにおける NY 系シンガーの存在感が薄くなっているような気がする。今年に入って、ガーネット・ミムズのシングルをまとめた CD アルバムが Kent からリリースされたが、まだまだ足りない。マーキュリーのカール・ホールしかり、シングルでしか聴けない Bobby Harris、Donald Height、Hoagy Lands あたりの本格的 CD イシューが望まれるところ。

- お知らせ -
明日 20 日はブルーヒートでディープ・ソウルのレココン、良い音でシングル盤を楽しみましょう。お一人でも大歓迎、学割やシルバー割は無いですが、年齢も関係ありません。女性の方も安心して楽しめます。マニアとか初心者とかも関係無いです、ソウル愛が全て。初めてで一人で入りづらいと思っている方、大丈夫です。私は一番前のカウンターにおります。分からないことなどありましたら、遠慮せずに声をかけてください。
なお、店長の兵頭さんのご好意もあり、来年もブルーヒートでレココンを続けます。日程は後日告知させていただきます。プレイ・リストがあって、DJ のコメントがあって、リスナーからの厳しかったり優しかったりの反応もあって、レココン形式でのイベントが、皆で好きなソウル・ミュージックを楽しむには最適だと思っています。自分が好きなものに共感してもらいたいという私の我儘もありますが、そこは多めに見てください。
01:45:36 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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