楽CD  THE FALCONS featuring SONNY MUNRO (UK SOUL JUNCTION)
2008 / 08 / 26 ( Tue )
THE FALCONS / GOOD GOOD FEELINGS (UK SOUL JUNCTION SJCD 5000)
1. Good Good Feeling / The Falcons (Big Wheel 333/4) 2. Has It Happened To You Yet / The Falcons (Lupine 124) 3. Standing On Guard / The Falcons (Big Wheel 323/4) 4. I'm Tempted / Sandy Hollis (Big Wheel 325/6) 5. Love You Like You Never Been Loved / The Falcons (Big Wheel 333/4) 6. I Can't Help It / The Falcons [with The Falcons] (Big Wheel 323/4) 7. In Time For The Blues / The Falcons (Big Wheel 331/2) 8. I'm A Fool I Must Love You / The Falcons (Big Wheel 321/2) 9. Love, Love, Love / The Falcons (Big Wheel 321/2) 10. Love Look In Her Eyes / The Falcons (Big Wheel 331/2) 11. Tables Will Turn / Sandy Hollis [with The Falcons] (Big Wheel 325/6) 12. You've Got The Power / The Falcons # 13. Happiest Days Of My Life / Sonny Munro ## 14. On The Other Side Of Pride / Sonny Munro # 15. Don't Leave Me Alone / Sonny Munro # 16. Why Do I Let You Do The Things You Do / Sonny Munro # 17. I'm Tired Of Being Your Play Thing / Sonny Munro ## 18. Standing On Guard / The Falcons [modern take] ## 19. Your Love Is Dy-No-Mite / Sonny Munro # 20. Finished Product / Sonny Munro ##    # unissued ## previously unissued 2008 Notes : John Ridley

The Precisions に続き、60 年代デトロイトのマイナー・シーンで魅力的な輝きを放っていたグループThe Falconsの登場だ。まず、CD ジャケットをご覧いただきたい、この 4 人は楽ソウル (p.177) でもシングル・レビューしているセカンド・ファルコンズ。リードの Sonny Munro が指パッチン、残るメンバーは並んで仲良くグゥーをしていますね。I Found A Love 等で有名な Wilson Pickett や Eddie Floyd が在籍していた名門グループ The Falcons が解散した後、63 年秋から The Fabulous Playboys 改め Falcons の名前を引き継ぎ活動したグループだ。このコンピレーション、Big Wheel のシングル全 8 曲に加え UK で人気の高い Lu-Pine 盤を収録、彼らがコーラスで参加している女性シンガー Sandy Hollis の Big Wheel 盤も両面聴ける。さらに、未発表曲と別テイクが各 1 曲、CD 後半には 70 年代中頃の録音となる Sonny Munro の未発表ソロ作品が 7 曲収録されている。全 20 曲、既に廃盤となっている Johnny Powers の音源をあつめた P-Vine の邦盤 3 巻コンピ Motor City Magic (楽p.309) と半分ほどが重複するが、Big Wheel の 4 曲と Sonny Munro の 3 曲はおそらく初めての CD 化であろう。ここで、John Ridley 氏のライナーも参考させていただき、楽本をちょっと補足しながら内容について触れていきたい。いつものことで話が長くなりそう、先輩ソウル・ファンの方から佐野君のブログは文章が多くて読む気がしないと言われてしまったが、我慢してくだされ。まず最初に Falcons を名乗る前の The Fabulous Playboys について。Carlis Sonny Munro がリード・シンガーで、James Gibson、Johnny Alvin、Frank Holt の 4 人がオリジナル・メンバー。デビュー・シングルは Federal から 56 年に The Ramblers 名義でリリースされている。名前を変えたのは同名の The Playboys との混同を避けたいとの King レコードの A&R マン Ralph Bass からの要請があったため。主にカナダでステージ活動をするかたわら、59 年には The Fabulous Playboys での最初のシングル I Fool You (Contour 004) を発表。Contour は当時彼らのマネージャーであったデトロイトの Robert West (Silhouette、Kudo、Lu-Pine、Flick 等のオーナーで、本家 Falcons を手掛けていた人物) のレーベル。これは私も持っていて、ドゥーワップものだ。その後、Frank Holt に代わり Alton Hollowell が新たに加入、以降は不動のメンバーとなる。彼らがソウル・グループへと脱皮するのは 61 年のこと、若き日の Don Davis がプロデュースした Forget The Past (Daco 1001) を発表、感動的なアーリー・ソウル・バラードで NY の Apollo からも再発されている。この頃、Don Davis は自身のレーベル Daco で The O’Jays のデビュー盤も制作しているが、2 枚とも Don Davis に目をかけていた Hazel Coleman (Berry Gordyの最初の奥さんThelma Colemanの母親、後に Thelma レーベルをスタートさせる) が資金を出してリリースされたもののようだ。The Fabulous Playboys の 2 枚目の Apollo 盤 Tears Tears Tears (Apollo 760) も Don Davis が手掛けており、JB の Please, Please, Please を下敷きにしたゴスペリッシュで重厚なバラードであった。一方、メンバーのソロ・シンガー転向等もあり、本家 The Falcons は 63 年の春には実体が無くなってしまう。そこで、彼らをマネジメントしていた Robert West が後継グループとして白羽の矢を立てたのが自分がかつて面倒をみていた The Fabulous Playboys で、新生 Falcons は Atlantic と Lu-Pine からシングルをリリースすることになる。本 CD には Sonny Munro の情熱的なヴォーカルがフィーチャリングされたバラード Oh Baby (Atlantic 2207) が未収録なのがちょっと残念だが、64 年にリリースされた Lu-Pine の Has It Happened To You Yet は UK では一番人気のブツ、弾けるようなリズムとエモーショナルな歌いっぷりで有無を言わせぬノーザン・ナンバーだ。その後、Mary Wells にまつわる Robert West のトラブルもあって、The Falcons のレコーディングも途絶えてしまう。そんな折、Big Wheel レーベルの Frank Kosian が彼らのマネジメントを引き受けることに。Big Wheel の 4 枚 8 曲は Sonny Munro & James Gibson が全曲ライティング、Dale Warren がアレンジとプロデュースに関わっているようだ。1 枚目と 2 枚目は 66 年のセッション、3 枚目と 4 枚目は 67 年のセッションでバックは Funk Brothers の面々。Good Good Feeling、Standing On Guard、I Can't Help It、I'm A Fool I Must Love You、Love Look In Her Eyes はいずれ劣らずのグレートな楽曲、充実した 60 ズ・デトロイト・サウンドが満喫できる。ほとんど Sonny Munro がメインで歌っているが、I'm A Fool I Must Love You のリードは James Gibson、この人も渋く味わい深い声で歌いあげてくれる。4 曲目と 11 曲目の Sandy Hollis は 66 年のセッション時にいっしょに録音されたものであろう。I'm Tempted は Sonny Munro とのデュエットと言っても良いほどで、力強くノーブルなミディアム。P-Vine 盤には未収録であった Tables Will Turn は The Falcons をバック・コーラスに配して歌われたチャーミングなビート・バラード。このシングルは Falcons の盤よりも珍しい、私も持っていなくてマイ・ウォンツの1枚だ。ライナー・ノーツによれば、Big Wheel の 2 枚目のシングルがリリースされた後、Sonny Munro に代わり一時 The Arabians の Edward Hamilton が The Falcons に加入、これはLou Beatty’s Detroit Soul (Grapevine) のライナーにも書かれていた情報で私も未発表曲があるのか無いのか気になっていた。実際に録音されたものもあったようだが、テープは消失してしまっているとのことで、ちょっとがっかり。Big Wheel では Standing On Guard がそこそこヒットしたものの、運が無いのか Frank Kosian の金銭トラブルもありプロモーションも充分ではなく、セールス的には低調であった。68 年、Big Wheel に見切りをつけた彼らは Ollie McLaughlin の Moira から新たに The Firestones と名をかえて Buy Now Pay Later / I Just Can’t Wait (Moira 102) をリリース。本 CD には未収録だが、両面、Detroit Gold (Solid Smoke) というコンピレーション LP (楽p.312) で聴ける。Mack Rice が書いた Buy Now Pay Later はこれまでのイメージとはちょっと違ったハードでタフなダンサーでかなり興奮させてくれるが、これが最後のシングルとなってしまう。リリース・ナンバーは以上で今聴ける未発表曲は 1 曲のみ、ミディアムのダンサー You've Got The Power は P-Vine 盤にも収録されていたもの。抜群のフィンガー・スナッパ―、リードは Sonny Munro のような Jackie Wilson タイプではなく、もっとスムーズな歌い方をするシンガーだ。ライナーによると Moira 盤と同時期の録音とされているが、何となく Edward Hamilton の声に似ているような。まぁ、これは私の妄想であろう。グループは 69 年に解散、Munro は Invictus の 100 Proof (Aged In Soul) に参加、続いて Johnny Powers と契約し、75 年に Epic から 2 枚のシングルを発表している。制作には Paul Riser や Clarence Paul も関わっており、中でも凄いのが [Tears] Can Only Make The Problems Wet (Epic 50174) で、痺れが走るほど素晴しい。P-Vine 盤には Epic のシングル 4 曲が完全収録されていたが、権利の関係からであろう、残念ながらここには未収録。そのかわり、既発の未発表ナンバー 4 曲に加え新たに 3 曲の未発表曲が聴けるのが嬉しい。テンポのあるバラード Happiest Days Of My Life が私の一押しナンバー、爽やかなミディアム On The Other Side Of Pride も良いね。ピアノとタンバリンのみのシンプルなバックで歌われたデモ録音 I'm Tired Of Being Your Play Thing も美しく力強いバラードで泣ける。メローなミディアムの Your Love Is Dy-No-Mite では Al Green みたいなフレージングが垣間見られ面白い。Standing On Guard の modern take は Falcons とクレジットされているので 60 年代の録音なのだろう、モダンというよりはジャジーなアレンジメントとなっている。James Gibson は 84 年に亡くなっているが、Sonny Munro は今も健在で、女性シンガーも加え Falcons として活動しているそうだ。なにわともあれ、デトロイト黄金期の瑞々しいサウンドと個性的なシンガー Sonny Munro の熱い歌声が今に甦るコレクションということで迷わず買いの 1 枚。CD リイシュー初参戦の Soul Junction、ぽつぽつと Grapevine / Soulscape 関連の未発表音源からシングル盤をカットしていたレーベルだろうか? 企画も仕事ぶりも文句なしで、今後のリリースも期待できそうだ。
falcons cd
(補足) 未発表ナンバー You’ve Got The Power は The Esquires (Scepter 12232、Wand 1193) も歌っている曲で、まったく同じものが Ain’t That Something ! (Hayley HR 1002) のCDコンピに Deon Jackson の未発表曲として収録されている。Ollie McLaughlin が制作したもの、コーラスを担当しているのがThe Falcons (The Firestones) なのだろうか?
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コメント
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今もファルコンズはソニーモンローは活動してるんですね!びっくり!
そういえば今聞いたらウエストバウンド盤も良く聞こえますかね?
by: 楽五輪 * 2008/08/28 12:21 * URL [ 編集] | page top↑
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