SOUL 45  THE MAGNETICS
2008 / 09 / 05 ( Fri )

名実ともに魅惑のグループ The Magnetics をご存知だろうか。同じ名前でいくつかのグループがあり、どれもシングル盤は珍しい。ノーザン・シーンでも決定的な曲が何曲かあり、原盤は高嶺の花。幸い、CD コンピで聴けるものも多いので、ここで紹介させていただくことにした。

The Magnetics / Wasting Time (J-V 2501) - 1969
Magnetics / When I’m With My Baby (Sable 102)
まずはシカゴの Magnetics、リード・シンガーは John Lee McKinney という人で、残るメンバーは不明。残したシングルは 3 枚のみ。66 から 68 年頃のリリースと推察される Sable のシングル 2 枚はベリ・レアで中古車が 1 台買えるような値段だ。J-V のシングルも昔は珍しくなかったが、今ではけっこう入手しづらい。Calvin Carter がプロデュースした J-V 盤、ライター・クレジットには McKinney の名前がある。Wasting Time は Impressions っぽいかな、派手さはないが、シャレたミッドテンポ・ナンバーに仕上がっている。この曲、ワインを注ぐ音が入っていて、擬音ファンには有名かもしれない。でも、これがあまり効果的でないところがご愛嬌。ウラの Oh Love はノスタルジックなメロディーの甘いバラード。次の Sable 盤、写真をアップしている私のブツは悲しいことにブートレグ、レーベル・デザインをそのままコピーしており、それなりの雰囲気がある。精巧なイミテイトではないので、本物と区別できないという厄介な問題もなく、こんなことを言ってはなんだが、好感の持てる仕事ぶりだ。両面ともに Richard Evans のアレンジメント。When I’m With My Baby は抜群のダンス・ナンバーで私の大好きな曲。輪を描くようなテンポに軽快なリードを妙味のあるコーラスが後押し、興奮が抑えきれず、誰でも心が浮き立つこと間違いなし。フリップの Count The Days も甲乙付けがたい天晴れグレートなダンサーということで、これぞ正真正銘の究極ノーザン・ダブル・サイダー。こちらのリードは John Lee McKinney ではないだろう、力強くエモーショナルなヴォーカルに分厚いサウンドと柔らかなコーラスが絡みつく。ライターには Scott Griffins – McClain - Floyd (Magnetics) とあり、この 3 人が他のメンバーなのかもしれない。Sable のもう 1 枚 I’ll Keep Holding On (Sable 104) はシックで甘さも漂うミディアム、ちょっとマニアックな音かもしれないな。いずれの曲を聴いても、巧みなコーラス・ワークが冴え、グループとしての実力は超一級だ。
Sable = Bootleg
magnetics 1 
Magnetics / Heart You’re Made Of Stone (Bonnie 107374)
デトロイトの Magnetics。シングルはこの Bonnie 盤のみ、おそらく 60 年代中頃のリリース。またも恐縮しちゃうが、マイ Bonnie は先の Sable 盤と同じくブートレグ (多分、同じ人が作ったものであろう、ブートなのに UK のリストに 50 ポンドで載っていた)。原盤はシカゴの Magnetics よりもお高いかもしれない、音も悪くないので私はこれで満足している。このグループ、The Volumes (楽p.196) が一時的に使った変名とされていたが、両方のグループのセッションに参加していたギタリストの Dennis Coffee によれば、別グループとのこと (注)。曲を書いているのは Barney Duke Browner で Crying Over You (Impact 1008) というシングルがあり、Impact の Jock Mitchell や The Volumes のライターとしても名前を目にする人物だ。Heart You’re Made Of Stone はなんとも楽しいハンド・クラッパー。リード・シンガーの張り切りぐあいがいいじゃないか、弾けるようなサウンドに有無を言わさず体がムズムズしてくる。フリップの Lady In Green の方が UK では人気がある。おおらかなリズムのフィンガー・スナッパ-、The Drifters のビーチ・サウンドをさらに洗練させたようなダンスものだ。なお、62 年に The Train / Where Are You (Allright 620) というシングルを残しているデトロイト・グループがあり、そちらはソウルというよりドゥーワップ、同一グループかどうかは不明。
注 http://www.soulfulkindamusic.net/magnetics.htm 参照
フィラデルフィアにも Magnetics があり、彼らが歌う I Have A Girl (Ra-Sel 7104) もレア・ノーザンとして有名だ。これもトップ・クラスの値段、私も持っていないが、UK のコンピに多く収録されている。67 年のリリースらしいが、モータウンの初期を思わせるようなわりと素朴なダンスもの。
クオリティーが落ちるが、マイ・コレクションからもう 1 組。ところはヴァージニアのリッチモンド、Good By My Love (Sound Trip 30391/2) というシングルがある Magnetics。録音が悪くバックもモコモコしているが、ちょっと気になるダンサー。ウラのバラード Let Me Comfort You は欝、サウンドもささくれ立っていて気分がめいっちゃうかも。
Soulful Twins / I Can't Let You Go (Sable 101)
シカゴの男女のデュエットもの。歌詞が全く違うが、Magnetics の Count The Days (Sable 102) とバック・トラックがほぼ同じということで、ここで取りあげさせていただく。ディープな男とスリリングな女が交互にリードをとってハモるミッドテンポ、それとなく緊迫感があって妙に熱っぽい。知られざる傑作と言っても良いのではないかな。フリップの I Need Some Kind Of Something はファンク・ビート、ヴォーカルは多重録音か? ダークなリズム・ナンバーで面白い曲。雰囲気満点の 2 人、シングルがこれっきりというのが淋しいね。
Bonnie = Bootleg
magnetics 2
・ When I’m With My Baby # Northern Soul Of Chicago Vol.1 (Goldmine)、Talk Of The Grapevine Vol.1 (Grapevine)、Grapevine より Goldmine の方が音は良好。
・ Count The Days # Northern Soul Of Chicago Vol.2 (Goldmine)
・ I’ll Keep Holding On # Talk Of The Grapevine Vol.2 (Grapevine)
・ Heart You’re Made Of Stone # For Millionaires Only Vol.1 (Goldmine)
・ Lady In Green Heart # For Millionaires Only Vol.2 (Goldmine)
・ I Have A Girl # Allnighter 3 (Goldmine)、Ginger Taylor's Northern Soul Banquet (Goldmine)、Kev Roberts Presents The Golden Age Of Northern Soul (Bestway)

22:10:02 | SOUL 45 | コメント(2) | page top↑
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コメント
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聞くならブートでもなんでもいいんでしょうか?
by: 楽ゴロゴロ * 2008/09/07 16:27 * URL [ 編集] | page top↑
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CD や LP も聴きますが、オリジナルのシングルが一番。シングルをお持ちの方が個人的に CD に音をおとしてくれたものも大事に聴いています。
ブートは聴きたいという欲求を満たす最後の手段かな、最近はあまり買っていないですね。
by: sano * 2008/09/09 09:56 * URL [ 編集] | page top↑
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