楽CD  JIMMY RADCLIFFE / KENNY SMITH
2008 / 10 / 23 ( Thu )
全く話題にならなかった CD アルバムを 2 枚。アクセス数が伸び悩んでいるのに、ますます覗いてくれる人が減っちゃうかも、少々不安です。

JIMMY RADCLIFFE / WHERE THERE'S SMOKE, THERE'S FIRE (MCM12CD06)
1. Long After Tonight Is All Over (Musicor 1042) 2. My Ship Is Comin' In (Aurora 154) 3. What I Want I Can Never Have (Musicor 1042) 4. [There Goes] The Forgotten Man (Musicor 1024) 5. Could Anybody Else [featuring Barbara Jean English] # 6. Where There's Smoke, There's Fire # 7. Deep In The Heart Of Harlem # 8. This Diamond Ring # 9. Satisfaction # 10. The Complete Man # 11. I'm Your Special Fool # 12. Sunshine, Hope and Love # 13. The Greater The Love, The Deeper The Hurt # 14. Sweet Taste Of Lovin' # 15. I Pretend I'm Loving You # 16. Stand Up #
# unissued 2007 Notes : unknown

60 年代、NY で活躍したミュージシャン Jimmy Radcliffe、シンガーとしてよりソング・ライターとして有名。Gary Lewis & The Playboys、Tammy Montgomery (Terrell)、The Chiffons、Aretha Franklin、Clyde McPhatter、Walter Jackson、Jackie Wilson、Ray Charles、Etta James、Pat Lundy 他多くのシンガーが彼の曲を歌っている。Buddy Scott とのコンビで書いた Jimmy Armstrong の You’re Getting Next To Me, Baby (Brother Three 1001)、Debbie Taylor の The Last Laugh Is On The Blues (Decca 32090)、Billy And Wolfe の Another Lovin’ Kind Of Feelin’ (Coral 62522) の 3 曲は日本のコアなディープ・ソウル・ファンには絶大な人気を誇るディープ・バラードの傑作だ。彼自身が歌っているものでは、62 から 69 年にかけて Musicor、Aurora、Shout、RCA に 7 枚のシングルがある。初期の Musicor 作品は The Drifters や Ben E. King などに代表される素朴な NY サウンド、ビーチっぽいものやソウルとは呼びにくいものもある。端正なテナー、いわゆるバラディアー・タイプで、我が国での人気はさっぱり。ということで、この CD アルバムもほとんど見過ごされているのではないかな。全 16 曲、うち 12 曲が未発表となっていたもの。シングルは全部持っていたので、私は未発表ナンバーが気になって迷わず購入した。冒頭 1 曲目、Long After Tonight Is All Over は UK のノーザン・シーンでは特別な曲。Wigan Casino の午前 8 時、オールナイターの最後に流れたロマンティックなダンシング・バラッド。ソウル・ファンからはポップじゃないかと言われそうだが、私は大好きです。ライターは Burt Bacharach & Hal David、この人、案外と自作の曲を歌っていない。 2 曲目の My Ship Is Comin' In は NY 系ソウル・バラードの佳曲、The Walker Brothers が歌ってヒットしている。さて、お目当ての未発表曲だが、意外にディープな曲もあるしバラエティーがあって面白い。まず、Barbara Jean English とのデュエット Could Anybody Else が素晴しい、こういうパターンは予期していなかった。65 年ごろの作であろうか、バッキングも迫力満点、抜群のノーザン・ジャンプだ。Where There's Smoke There's Fire のライターは Al Kooper、後に彼のバンド The Blues Project もレコーディング。同じく Al Kooper 作となる This Diamond Ring は白人グループ Gary Lewis And The Playboys で大ヒットしている。Deep In The Heart Of Harlem は Ben E. King の Spanish Harlem からの影響が色濃い、Johnny Nash、Clyde McPhatter、Walter Jackson にも歌われている曲。またまたこの人のイメージを覆してくれるのがストーンズの Satisfaction、ゴスペル・ジャンプだね、Otis よりも速い、オルガンがフューチャリングされたバック・サウンドも過激。The Complete Man は Buddy Scott & Jimmy Radcliffe が書いたもの、典型的 NY 系ディープ・バラードの傑作だ。Tommy Hunt (Dynamo 110) や Pat Lundy (Columbia 44624) でも知られている、Tommy Hunt も味わい深いが、思いがこみ上げてくるこのJimmy のヴァージョンが一番泣ける。I'm Your Special Fool にも驚いた、ゴスペリッシュでリズミックなナンバー、歌いっぷりもディープで女性コーラスもばっちり。Sunshine Hope And Love はドリフターズが歌いそうなビーチ・ナンバー。Stand Up は Ben E. King 風のミディアム・バラード。ソウルとしては魅力に乏しい曲もあるが、Could Anybody Else と The Complete Man が聴けたのは幸せ。ライターとしてだけでなく、シンガーとしても非凡であったことが分かる。Jimmy Armstrong とまではいかないけど、その気になれば凄みも出せる人、もっと歌ってほしかった。残念なことに、73 年、36 歳の若さで亡くなられている。
Jimmy Radcliffe についてより詳しく知りたい方は次のサイトを参照ください。
http://jimmyradcliffe.20m.com/
radcriff and smith
KENNY SMITH / ONE MORE DAY (SHAKE IT 551)
1. Lord, What's Happened ? (Goldspot 108328、Gar 317) 2. My Day Is Coming (RCA 8850) 3. Here Comes The Law (Lena 750957) 4. Go For Your Self (Part 1 & 2) Edit (Flo-Roe 1112) 5. The Same Old Story (Goldspot 108328、Gar 317) 6. Forgiveness (Counterpart 2493) 7. Skunkie (Kogan 73051) 8. Woman [I Can't Do Enough] (Clearhill 101) 9. Deep In My Heart (Fraternity 934) 10. Keep On Walkin’ Baby (Chess 1947) 11. Go For Yourself (RCA 8850) 12. Nightbeat (President 390) 13. Let's Get Together (Fraternity 934) 14. We Have Each Other (Chess 1947) 15. Everybody Knows I Love You (Kogan 73051) 16. One More Day (Flo-Roe 1113) 17. Go For Your Bad Self (Counterpart 2493) 18. Foxfire #
3 = Kenny Smith & The Fox Fire Band 4, 16 = Kenny Smith & The Loveliters
8 = Kenny Smith and The Lovelighters 6, 17 = Kenny & The Sole Selection
7, 15 = Kenny Smith & The Maximum Feeling 12 = Kenny Smith & The Niteliters
# unissued 2006 Notes : Chris Burgan

2 年前に Cincinnachi Soul Spectrum Series Vol.1 としてリリースされた Kenny Smith の DC アルバム。この名前でピンと来るソウル・ファンはいったい何人いるだろうか? 1938 年、ケンタッキーの Maysville 生まれ、オハイオ州シンシナチで育った Kenny Smith、64 から 75 年にかけてシングルが 10 枚程度ある。骨っぽく男性的なシンガー、才能豊かな人で、曲は全て自作、さらにプロデュースを自身でやっているものも多い。良いものほど珍しくて手に入らないこともあり、我が国では知名度がほとんどゼロに近い。私もレアなものは聴けてなかったので、なかなか熱心になれなかったシンガーだ。ありがたいことに、初期の Fraternity のシングル数枚を除き、ほぼ全曲ここで聴ける。インタビューをもとに書かれたライナー・ノーツもしっかり、やっとこの人の全貌を知ることができた。ということで、マイナー・シンガーにこだわる方なら、持っていたい 1 枚。肝心の内容だが、録音時期も幅があり、色々なタイプの曲をやっている。まず、1 曲目の Lord, What's Happened ? が一風変わっている。71 年に自分のレーベル Goldspot からリリースした曲、ファンクとノーザンとモダン・ソウルが合わさったようなおしゃれなダンス・サウンド。UK では人気があって Kenny Smith と言えばこの曲、オリジナルは希少で私の手元にあるのは再プレスされた Gar (General American Records) のシングル。曲のパターンがころころ変わるので落ち着かない気分になるね、フュージョン?っぽいギターにはちょっと閉口、ということで私の評価はそれほどでもない。ソウル・ファンなら 65 年の Chess 盤と 66 年の RCA 盤がお薦め、この 2 枚は手に入りやすいシングルだ。We Have Each Other はハートフルなミディアムのバラード、My Day Is Coming はファンキーで熱っぽいダンサー、少し単調だけど悪くない。この 2 枚に先立つ 64 年の Deep In My Heart はドゥーワップの流れを汲む素朴な音、さらに Fraternity には 3 枚のシングル ( 1 枚は Jeri Jackson とのデュエット盤) があるが、残念ながらこれといったものはない。3 曲目に収録されている 75 年の Lena 盤はファンキッシュなダンス・ナンバー、ぬるくて締りが無いです。以上が私の所有盤、今ひとつぱっとしないが、この人が素晴しいのは 69 年にリリースされた 2 枚の Flo-Roe 盤。悔しいことに 2 枚ともベリ・レア。4 曲目の Go For Your Self はディープなファンク・ナンバーで人気が高い。やはり King のお膝元シンシナチ、ステップも粘っこく JB 系ファンクの好盤だ。そして、本 CD のハイライトとなるのが 16 曲目の One More Day であります。ビートのきいたミディアム・アップ、胸の高鳴りがどうしようもなく押さえきれない、この曲をまともな音で聴けるだけでもこの CD を買った甲斐があるというもの。Kogan のシングルも珍しく、Kenny Dope のレーベルから再プレス 7 インチも出ている。Skunkie はインスト、こういうのジャズ・ファンクっていうのかね、意味不明のムシ声にもガックリくるし、私には苦手な音。フリップ・サイドのダンサー Everybody Knows I Love You もイントロのホーンがかっこ良くて気を持たせるが、後がポップで期待を裏切ってくれる。President (66 年)、Clearhill (69 年)、Counterpart (70 年) のシングルは初めて存在を知った。多分、かなり珍しいブツであろう。スルメを噛むようなバラード Woman、ちょっとサイケな Sam & Dave 風 Nightbeat、そして Go For Your Self の続編といった感じのファンク・ナンバー Go For Your Bad Self が気に入っている。地元シンシナチでは Fraternity 等でライター&プロデューサーとしても活躍した Kenny Smith さん、Charmaines、Casinos、Albert Washington、Leroy & The Drivers などのレコーディングにも携わっている。Sound Off 7 号 (p.76) で紹介した Herman Lewis の Think Before You Walk Away (Stone Blue 101、Mercury 73002) は彼と Steve Mancha が書いた曲。ライナーによれば、Herman Lewis と Herman Griffin が同一人物と書かれていてやっと長年の疑問が解けた。なお、Eddie Whitehead の Just Your Fool (Black Jack 711) という UK で人気のレア・シングルもこの人の作。本 CD アルバム、聴く人によって曲の好き嫌いも分かれるだろうが、ノーザン・ファンやファンク・ファンなら聴いて損の無い内容。Kent や Soulscape などの UK リイシューよりもさらにマニアックな企画。売れ行きが芳しくなかったのか、シンシナチ第 2 弾は出ていないようだ。
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