楽CD  MAXINE BROWN
2008 / 12 / 21 ( Sun )

OH NO NOT MY BABY / THE BEST OF MAXINE BROWN (UK KENT CDKEND 949)

1. Since I Found You (Wand 142) 2. Gotta Find A Way (Wand LP 663) 3. I Wonder What My Baby's Doing Tonight (Wand LP 663) 4. Let Me Give You My Lovin' (Wand 1128) 5. It's Torture # 6. One In A Million (Wand 1117) 7. Oh No Not My Baby (Wand 162) 8. You're In Love (Wand 1104) 9. Anything For A Laugh (Wand 185) 10. Coming Back To You (Wand 142) 11. Yesterday's Kisses (Wand 135) 12. Ask Me (Wand 135) 13. All In My Mind (Wand LP 684) 14. Little Girl Lost (Wand 152) 15. I Want A Guarantee # 16. Secret Of Livin' (Wand 1145) 17. Baby Cakes # 18. One Step At A Time (Wand 185) 19. I've Got A Lot Of Love Left In Me (Wand LP 684) 20. I Don't Need Anything (Wand 1145) 21. Oh Lord What Are You Doing To Me # 22. I Cry Alone (Wand 158) 23. Funny (Wand LP 684) 24. Misty Morning Eyes # 25. Love That Man # 26. Losing My Touch # 27. Put Yourself In My Place (Wand 158) 28. It's Gonna Be Alright (Wand 173)
# iunissued 1990 Notes : Peter Gibbon

今回は新譜ではなくて旧譜。60 年代 NY のソウル・シーンを代表するソウル・ディーヴァー Maxine Brown の CD コレクション。UK では熱狂的な Maxine ファンも多く、人気の高いシンガーだが、日本ではさっぱり。都会的なソウル・サウンドを歌って成功した女性シンガーの草分け的存在。デビューは 61 年に Nomar から発表された All In My Mind と Funny のシングル、この 2 曲がヒットし、ABC Paramount、Wand、Commonwealth、Epic、Avco に 30 枚程度のシングルを残している。最も充実していたのは 63 から 67 年に発表された Wand 作品だと言うことに異論を挟む人はいないであろう。Chuck Jackson とのデュエットを除くと、シングルが 12 枚、LP も 3 枚 (ファースト LP となる The Fabulous Sound Of Maxine Brown は Nomar と ABC Paramount の作品を収めたもの)。CD リイシューも数多いが、このコンピと Maxine Brown – Spotlight On – Greatest Hits (UK Kent CDKEND 187) の 2 枚が必携必聴盤だ。ともに収録曲は 28 曲、15 曲がダブるが、2 枚あれば、Wand 作品をほぼカヴァーできる。どちらもまだ入手可能なはず、今回は選曲が私の嗜好に近いということで、こちらのコレクションを紹介させていただく。シングル曲 16 曲、シングル・カットされていない LP 収録曲が 5 曲、さらに未発表が 7 曲。シックなミディアム・バラード Since I Found You に始まり、Gotta Find A Way と I Wonder What My Baby's Doing Tonight の 2 曲は若き日の Van McCoy が書いたチャーミングな佳曲、特に後者はメロディックなダンサーでスカッと抜けの良い歌いっぷりが最高だ。One In A Million と Yesterday’s Kisses はノーザン・クラシック。Yesterday’s Kisses は Nomar のシングルで彼女を世に送り出した Tony & Brenda Bruno の制作、同じコンビの作となる Ask Me もアーリー・バラードの名品で、Imperial の Irma Thomas なんかに通じる魅力を感じる。さらに、Goffin & King 作の Oh No Not My Baby と It's Gonna Be All Right はしっとりと憂いが漂う。本 CD のタイトルにもなっている前者は多くのシンガーにカヴァーされ有名な曲、一方、It’s Gonna Be All Right は私の大好きなバラード、甘く沁みるメロディーにしなやかなヴォーカルが映える。Theola Kilgore (Mercury 72564) も歌っているが、そちらもアガシ愛好家をうならせる出来ばえだ。クラシカルな曲調の One Step At A Time も 印象深いミディアム。Little Girl Lost では楽しく、You’re In Love では切なく、様々な表情をみせてくれる。ヒット曲の All In My Mind と Funny はライブ録音、とくに All In My Mind はゴスペリッシュな歌いっぷりが冴え、グレートと言うしかない。未発表曲も充実。It’s Torture はモータウンっぽい勢いのあるノーザン・ダンサー。Baby Cakes は Otis Redding 作のジャンプ、Loretta Williams (Jotis 471) に負けず劣らずディープに迫ってくれる。これは Maxine ファンだった Otis が Fame に彼女を連れて行き録音したもののようだ。ゆったりテンポのバラード Love That Man は Ashford & Simpson の作、徐々に熱を帯びるヴォーカルが圧巻。Losing My Touch も泣ける。どの曲もクオリティーが高く、シリアスなものからポップなものまで様々なタイプの曲を歌えるシンガー。でも、これぞ Maxine Brown といった強いイメージが無いところで損をしているかもしれない。なお、Since I Found You をはじめ Wand の初期のシングルでは、後に The Sweet Inspirations となる Cissy Houston や Dee Dee Warwick 等がコーラスを担当しているものも何曲かあり。Kent のもう 1 枚の CD はWand の 2 枚目と 3 枚目の LP を中心に編まれたもの、ボーナス・トラックとして未発表ナンバーも 6 曲収録、ノーザン・ダンサーの傑作 I Got Love と Otis プロデュースの Slipping Thru My Finger を聴くことができる。
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MAXINE BROWN / OUT OF SIGHT (JAPAN SONY MUSIC MHCP 857)
1. Sugar Dumplin' 2. Plum Outa Sight 3. Sunny 4. I Wish It Would Rain 5. I'm In Love 6. In My Entire Life 7. Don't Leave Me Baby 8. Just Give Me One Good Reason 9. Stop 10. Seems You've Forsaken My Love 11. When A Man Loves A Woman 12. Love In Them There Hills [bonus track] (Epic 10424) 13. From Loving You [bonus track] (Epic 10424)    1-11 from LP EPIC BN 26395
2005 Note : 鈴木啓志

Maxine Brown の CD をもう 1 枚。これは LP の CD リイシューなので、楽 SOUL の趣旨から外れてしまうが、Maxine の CD では一番手に入れやすく、内容も素晴しいので例外とさせていただく。原盤となる 1968 年の Epic の LP はベリ・レアで、私もこの CD が出るまでは内容を知らなかった。才人 Mike Terry が制作したものでデトロイト録音。半数以上が他人のヒット・カヴァー、曲によってはコーラスが目立ち、Ric Tic や Golden World のような重厚な音ではないのがちょっと残念かな。でも、そういった物足りなさを補って余りあるのが Maxine のヴォーカルだ。実に伸び伸び溌剌とした歌いっぷりで、どの曲にも瑞々しい生気がみなぎっている。カヴァー曲では 1 曲目の Sugar Dumplin’ が出色、Sam Cooke の原曲の楽しさはそのままにバリバリのデトロイト・ダンサーにアレンジメントされ、Mike Terry の面目躍如といったところ。Pickett & Womack の I’m In Love やテンプスの I Wish It Would Rain はオリジナルのイメージが強烈だが、滑らかで深みのあるヴォーカルで歌われた Maxine のヴァージョンも秀逸。さらに、Howard Tate の Stop ではファンキーでディープに弾けてくれる。Percy Sledge の When A Man Loves A Woman と Bobby Hebb の Sunny は無難な出来。オリジナル曲では 7 曲目に収められた Don’t Leave Me Baby にすっかり参ってしまった。Lorraine Chandler & Jack Ashford が書いた哀しくもいとおしいミッド・バラッド。シングル・コレクターには Jay Walking の Ray Gant & Arabian Knights (楽p.46) で知られている曲。Jay Walking 盤も好きでよく聴いたが、胸が張り裂けるような Maxine のオリジナル・ヴァージョンを聴いてからは、Ray Gant のイメージがすっかり薄くなってしまった。Plum Outa Sight と Seems You’ve Forsaken My Life のライターは Brothers Of Soul の面々。前者はパーカッシブなダンサーで心が弾む、方や後者は力のこもったバラード・ナンバーで胸が熱くなる。In My Entire Life も情緒のあるミディアム・アップ、Just Give Me One Good Reason はポップでエレガントなデトロイト・ダンサー。12 と 13 はシングルからのボーナス・トラック、Gamble & Huff 作の Love In Them There Hills は The Vibrations (Okeh 7311) も歌っている曲だ。残念ながら、Epic はほとんど Maxine のプロモーションをしなかったようだが、もう 1 年頑張って Hot Wax / Invictus あたりで再度デトロイト録音に挑戦してもらいたかったな。

Wand 作品を収めたものでは 25 All-Time Greatest Hits (Varese Sarabande) という CD コンピもあり。


2008.12.22 追記
Maxine Brown の Don’t Leave Me Baby、ひょんなことから Willie Kendrick の What’s That On Your Finger (RCA 9212、楽p.75) と曲が同じであることが判明。RCA 盤ではライターが Skau-Cotto-Banks となっております。Willie Kendrick はマイ・フェヴァリットなのに、何故今まで気づかなかったのだろう。自分の耳の不確かさに落ち込んでしまった。
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