楽CD  ROSCOE ROBINSON (SOULSCAPE)
2008 / 12 / 31 ( Wed )
ROSCOE ROBINSON / WHY MUST IT END (UK SOULSCAPE 7015)
1. One More Time (Gerri 001) 2. That’s Enough (Gerri 001) 3. Darling, Please Tell Me (Sound Stage 7 - 2595) 4. Why Are You Afraid (Sound Stage 7 - 2595) 5. Let Me Know (Sound Stage 7 - 2603) 6. One Bo-Dillion Years (Sound Stage 7 - 2603) 7. Fox Hunting On A Weekend (Sound Stage 7 - 2610) 8. You Don’t Move Me No More (Sound Stage 7 - 2610) 9. Why Must It End (Sound Stage 7 - 2618) 10. How Many Times Must I Knock (Sound Stage 7 - 2618) 11. I’m Burning And Yearing [For You] (Sound Stage 7 - 2639) 12. Standing In The Safety Zone (Sound Stage 7 - 2639) 13. You’re All I Need (Seventy Seven 2152) 14. My Pride Won’t Let Me # 15. Don’t Forget The Soldiers [Fighting In Vietnam] (Gerri 002) 16. Tis Yuletide (Gerri 002) 17. That’s It (Gerri 77) 18. In Time You’ll See (Gerri 77) 19. Leave You In The Arms Of Your Other Man (Seventy Seven 2152) 20. Oo Wee Baby I Love You (Atlantic 2637)
# unissued   2008   Notes : John Ridley

日本のソウル・ファンに UK Soulscape からディープなクリスマス・プレゼントが届けられた。ゴスペル・ソウルの賢人 Roscoe Robinson の CD アルバム。Sound Stage 7 の全シングルに Roscoe 自身のレーベル Gerri の音源を加えた全 20 曲。既に P-Vine 等でコレクション LP、CD がリリースされている Roscoe Robinson だが、サザン・ソウルが最も輝きを放っていた 60 年代後半の南部録音が聴けるということで、日本のサザン・ソウル・ファン待望の 1 枚。楽本も参照いただき、ここでは収録曲を中心に内容を紹介させていただく。1、2 曲目の That’s Enough / One More Time (Gerri 001) はソウル転向第 2 弾。65 年の作で録音はシカゴ、Gerri は Roscoe の奥さんの名前だそうだ。Ernie & George Leaner の One-Derful により配給、メジャーの Wand の目に止まり、ナショナル・リリースされる。Sam Cooke の楽曲にも通じるようなポップでソウルフルなダンス・ナンバーとゴスペルの香りが濃厚なバラード・ナンバーのカップリング。That’s Enough は大ヒットし、Wand ではさらに 3 枚のシングルを発表するが、セールス面では勢いが落ち、南部に新たな活路を見出すべく、Roscoe はナッシュヴィルの Sound Stage 7 と契約。67 から 69 年にかけて 5 枚のシングルを残しており、ここでは 3 曲目以降リリース順に収録されている。ナッシュヴィル録音は 5 枚目のシングルのみで、4 枚目のシングルまではメンフィスに赴き、Chips Moman のアメリカン・スタジオで録音されたものだ。ピュアな唱法が冴えるバラード・ナンバーが目立っており、Bobby Womack のギターが印象的な Darling, Please Tell Me と Let Me Know が甲乙つけがたい出来ばえ、力強い曲調が私の好みで Darling, Please Tell Me がマイ・ベストかな。泣けるということでは I’m Burning And Yearning も負けず劣らず、高みを望むような Roscoe の歌声に涙するしかない。Why Must It End も美しいバラードだが、ストリングスが気になるバッキングが今一つ。リズムのあるものでは、You Don’t Move Me No More が迫力満点のジャンプ・ナンバーで熱くなれる。いかにもメンフィスといった趣の Fox Hunting On A Weekendも楽しく、Standing In The Safety Zone での躍動感のある歌いっぷりも流石だ。続く 2 曲は当時未発表であったもので、楽ソウルで取り上げた P-Vine のコレクションにも収録されている。69 年ごろのナッシュヴィル録音だろうか。歯切れの良いリズムにのって Roscoe がシャウトする You’re All I Need にも驚かされるが、リズミックでパワフルな My Pride Won’t Let Me がさらに素晴しく、グレートと言うしかない。Sound Stage 7 ではプロモーションが充分ではなかったこともありヒットを放つことはできなかった Roscoe だが、John Richbourg とともに Joe Simon や Roscoe Shelton のプロデュースにも携わっていたようだ。なお、You’re All I Need は Seventy Seven から 79 年にシングル・カットされている。69 年、Roscoe は Sound Stage 7 を去り、その頃住んでいたバーミンガムの Ed Boutwell のスタジオでレコーディングを行っている。19 と 20 がその曲で、Leave You In The Arms Of Your Other Man は早くから日本にも紹介されており、Roscoe Robinson といえばこの曲というソウル・ファンも多いはず。まさに熱血ゴスペル・バラード、Roscoe の面目躍如たる傑作である。さらに、Fred Hughes (Vee Jay 684) の激辛カバー Oo Wee Baby I Love You もお見事。ジョージア州コロンバスの Ed Mendel という人物のマネジメントで Atlantic からリリースされ、Oo Wee Baby が小ヒットしている。このシングル、Gerri から最初にリリースされているようだが、そちらは私も見たことがない。ここでは、馴染みのある Atlantic 盤とはミックスの違う Leave You In The Arms のオリジナル・ヴァージョン (後にYou’re All I Need とのカップリングでSeventy Seven 2152としてリリース) を聴くことができる。この 2 曲と同時期に制作され Gerri レーベルからリリースされた 15 から 18 の 4 曲はおそらく初の CD リイシューであろう。Tis Yuletide のライターが Shrine の Eddie Singleton というのも興味深いが、何といっても That’s It と In Time You’ll See が素晴しい。楽ソウルでもシングル・レビューさせていただいた颯爽としたジャンプ・ナンバーと Roscoe の情けが身に沁みるサザン・バラードのカップリング。Gerri 録音の詳細については、John Ridley 氏のライナー・ノーツでもほとんど触れられていなくて確証はないが、シカゴではなくてアラバマで録音されたもののような気がするが、どうだろう。70 年代に入り、Fame に 1 枚、Stan Lewis の Paula に 6 枚のシングルを残し、再びゴスペルの世界に戻ってしまった Roscoe Robinson。ライナーによれば、Roscoe の生年は 1928 年、Sam Cooke よりも 3 才上で、Otis Redding や O.V.Wright とは一回り以上違う。ソウル・シンガーとしてデビューしたとき既に 38 歳で、ソウルを歌ったのは 10 年にも満たない、彼のキャリアの中心はやはりゴスペル・ミュージックということになるのだろう。若さを頼ったようながむしゃらな作品はないが、円熟したソウル・ナンバーを残してくれたことに感謝したい。サザン・ソウル・ファンはもとより、ピュアなソウルを愛する一人でも多くのソウル・ファンに聴いていただきたい CD アルバム。手にするまで勝手に期待が膨らんでいたコレクション、初めて聴く曲も無く、Gerri のレア・シングル Just Ask the Lonely / She Won't Choose Me (Gerri 1001) が未収録ということで、個人的には残念な面もあるのだが、そんなことで価値をおとしめるのはいけない。己の欲深さを戒めるべきでありましょう。
roscoe robinson
06:49:02 | もっと楽ソウル | コメント(0) | page top↑
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