SOUL 45  ARCTIC
2009 / 03 / 15 ( Sun )
The Volcanos / The Laws Of Love (Arctic 115) - 1965
Honey & The Bees / Why Do You Hurt The One Who Loves You (Arctic 141) – 1968
Barbara Mason の CD ライナー (The Sound Of Philadelphia からの引用) を読んでいたら、Jimmy Bishop は Atlantic からヒントを得て、Arctic (北極) という名前を思いついたそうだ。その北極の縦ロゴの天辺にペンギンがのっかっているデザインがまことに愛らしく、ターン・テーブルにのっける時にはいつもレーベルに目が行ってしまいます。でも、ペンギンって、北極にはいないんだよね。Arctic レーベルについては、楽 SOUL で Kenny Hamber、ミニコミ Sound Off では Harold Melvin & The Bluenotes、Herb Johnson、Dee Dee Barnes、本ブログでも The Temptones のシングルを取り上げさせていただいたが、リリース枚数では Barbara Mason が 16 枚と断トツ、その次に来るのが、ここにあげた 2 組のグループとなる。Volcanos が 6 枚で、Honey & The Bees が 5 枚で、LP のある The Ambassadors よりも多い。
まず、Gene Faith をリードとする Volcanos、Dynodynamics プロダクションで制作された Arctic のシングルはどれもサウンドも勢いがあり、ノーザン・コレクターならば、全てあつめておきたいところ。後にメンバーの多くが The Trammps に加わったということで、グループの実力もたいしたもの。The Laws Of Love は UK では一番人気の曲、115 という番号で DJ 盤を含め 5 種類のプレスがあるのでちょっとややこしい。写真にあるのはホワイトのワン・サイド・プロモ、レギュラー盤は裏がインストとなっている。先にプレスされたものはタイトルが The Rules Of Love になっていて、そちらの方が珍しい。まことに軽快で気持が浮き立つようなアップテンポ・ダンサー、ヴォーカルも演奏もおおらかで親しみを感じるサウンドとなっている。先にリリースされた Storm Warning (Arctic 106) もこの The Laws Of Love と同じタイプ、モータウンを彷彿させるアレンジで、Make Your Move (Arctic 103 & 111 & 128) も The Contours を思わせるようなダンスものだ。彼らの Arctic のシングルは同じ曲が何度かプレスされていて実質は 7 曲、Baby (Arctic 103 & 106) は唯一のバラード・ナンバーで、ほんのりと50年代の香りが漂うクラシカルな仕上がり、Gene Faithの思い入れたっぷりの歌いっぷりが余韻を残す。Gamble & Huff が書いた Help Wanted (Arctic 111 & 125) はデトロイトっぽい音のハードなナンバー、フリップの A Lady’s Man (Arctic 125) はさらにテンポが速く、踊り狂いたい方には125番のシングルは必携盤といえる。最後のリリースとなる You’re Number 1 (Arctic 128) は Eddie Holman & James Solomon の作、あの Larry Clinton の She’s Wanted のコンビである。これは、めちゃくちゃかっこいいフィリー・ダンサー、畳みかけるようなバック・サウンドに印象深いメロディー・ライン、ドラム・ブレイクもあり、Gene Faith もラストではガッタガッタとディープに連発してくれて、私としては今一番、聴きたくなる曲である。
Honey & The Bees は楽本 (p.180) で取り上げた Academy のグループとは別で The Yam Yams (ABC Paramount) を前身とする本家の方。Honey こと Nadine Felder をリードとし、Gwendolyn Oliver、Cassandra Ann Wooten、Jean Davis の 4 人。可憐で芯の強いリードも魅力的でコーラス・テクニックも只ものではない。楽曲はポップなものからファンク・ナンバーまであり、彼女たちのタレントをどうやって生かそうかと Jimmy Bishop らスタッフが苦心していたことがうかがえる。Arctic のシングルは 4 枚あり、2 枚はひじょうに珍しく、私のコレクションは普通に買える 2 枚。不本意ながら、ここであげた Why Do You Hurt The One Who Loves You は途中までは快調なのだが、サビのメロが凡庸でちょっと残念。ただ、裏をかえした Go Now はなかなか風情のあるバラードで、70 年代フィラデルフィア・スウィートの基本がすでに出来上がっていたことがよくわかる。もう 1 枚の Sunday Kind Of Love / Baby, Do That Thing (Arctic 158) はスタンダード・ナンバーの力作カヴァーと軽いファンク・ナンバーのカップリング。2 枚のシングルにアレンジャーとしてクレジットのある Bobby Martin ほか、Barbara Mason のところでも書いたミュージシャン達が音作りにかかわっている。もう手に入れにくいかもしれないが、彼女たちの Arctic 音源については、99 年に Honey and the Bees / Dynamic ! (Jamie4009) という 14 曲 (うち未発表が 5 曲) 入りの CD アルバムがリリースされていて、傑作歌謡ファンク Love Addict (Arctic 149) やレア・ノーザン Dynamite Exploded (Arctic 152) も収録。おまけに、未発表となっていた60ズ・フィリー・バラッドの傑作 Make Your Mine も聴ける。ライナー・ノーツを寄稿しているFred Wesleyによれば、ステージ・パフォーマンスも素晴しかったようだ。
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Barbra Mason / Bobby, Is My Baby (Arctic 120) – 1966
The Rotations / Put A Dime D-9 (Frantic 200)
Barbara Mason のシングルも紹介しておこう。既にミニコミにも書いていたとおり、バックの音が次に挙げた The Rotations のものといっしょ。Frantic も Jimmy Bishop のレーベルで、どちらのリリースが先なのかは不明。Jimmy Bishop & Kenny Gamble 作のフィリー黎明期の傑作ダンス・サウンド、ちょっとルーズなテンポにブリブリのラッパも活躍してくれて、いつの間にか楽しくなれる曲。なお、The Rotations の方は featuring Richard Parker となっていて、男性ヴォーカルを女性コーラスがサポート、しゃがれたハイ・テナーでかなりそそられるお声をしていらっしゃる。おそらく、他の同名グループとは関係ないでしょう、グループであったのかも怪しい。もう 1 枚の A Changed Man (Frantic 202) もチャームなダンス・ナンバー、歌っているシンガーは別人のようだ。
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再度、イベントの宣伝をさせていただきます。今週金曜日 20 日の祝日、渋谷の BLUE HEAT でレコードをかけます。これまでは、できるだけたくさんの曲を聴いていただきたい気持ちと人前でべらべらしゃべるのは好きじゃないし苦手なので、ただただシングルをかけてましたが、今回はしゃべりの方も頑張って楽しんでいただこうと思っております。場所はこの前アップした地図を見てね、ノー・チャージ、ドリンク代だけで OK、懐が淋しくても大丈夫です。プレイ・リストも配られます。雰囲気も良いので、初めての方でも落ち着いて聴けると思います。私は、ディープ・ソウルしかもっていきませんが、鈴木先生、シャークさん、森島さんは意外な曲もかけてくれるはず。まだ、花見には早いです、浮かれる前にじっくりソウルを聴きましょう。
20:44:44 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
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