楽 BLUES part 2
2016 / 01 / 31 ( Sun )
ブルース・シングル第 2 回目、先日のレココンでかかったもの、かけたものを中心に紹介。

01 joe beck charles
Joe Beck / I’ve Got To Win Your Love (Charles 578) mid 60s ?
これは森島さんがかけてくれました。Charles に 4 枚のシングルを残している NY のシンガー、4枚目の Don’t Pass Me By (Charles 160) が一部のディープ・ソウル・ファンには知られている。そちらは買えていないが、このストレートなスロー・ブルースの方で腹いっぱいかな。ディープというより品のある歌いっぷり、バックがなかなかダークでヤバい、ボーカルにこたえるように咽ぶギターも絶品だ。
02 gene vell wrong doing woman
Gene Vell / Wrong Doing Woman (Whiz 505) 1964
テキサスの歌えるシンガー。昔は I’m Calling My Baby (Whiz 502) という Bad Girl を彷彿させるジャンプ・ナンバーをよく聴いていた。そのフリップ Screaming All Night Long は Houston Shuffle (Krazy Kat 7425) という好編集コンピに収録されており、ご存じのブルース・ファンもいらっしゃるかも。そして、この 2 枚目の Whiz 盤も負けず劣らず、オリジナルの Earl Gilliam よりもテンポ・ダウン、超絶ディープで文句無し、バックもゴージャスです。フリップのアーマ・トーマスの持ち歌 I Done Got Over も目いっぱいコブシをきかせて真っ黒だ。
03 travisphillips jox 2
Travis Phillips & His Wonder Boys / Do The Every Thing (Jox 039) 1965
サンアントニオのレーベルで、これもテキサス。B 面の Jimmy Rogers の That’s Alright が強力だが、本日の押しは自作曲となるこちらのダンス・ナンバー。ラフなリズムにかっちりとしたバッキング、ボーカルも伸び伸びと気持が良い。両面ともギターが凄いね、トラヴィスさんが弾いているのだろうか。なお、このシングル、ABC Paramount からのリリースもあり。
04 roscoe holland
Roscoe Holland / Troubles, Troubles, Trouble (Rand 3148)
秋元さんがレココンでかけてくれたもの、実は事前の打ち合わせで聴かせてもらって、すっかり気に入ってしまい、こっそり内緒で購入してしまった。名前の響きも良いね、歌えるコメディアンとのこと、ブルースのシングルはこれっきり、ウエスト・コースト録音、製作に Maxwell Davis がかかわり、サックスには Big Jay McNeely がフューチャリングされ、音はばっちりだ。トラブルが一つ多いが、Lowell Fulson (Checker 829) の曲、ゆったり余裕たっぷりの歌いっぷりで最高のパフォーマンス。A 面となる Endlessly はブルック・ベントンのヒット曲、バックもボーカルも甘さを抑え渋い、バラディアーっぽくないので、ソウルも歌ってほしかったな。
05 sweet sammy j
Sweet Sammy J. / Her Heart Must Be Made Of Stone (Hi-Q 5039) 1964
デトロイトからのリリース、ライターの Samuel Mickles が本名だろう。全く情報が無いなぁと思っていたら、U-Tube にバンドのメンバーとギターをかかえたお写真、さらに酒場のポスターが写っていた。シングルはこれ 1 枚。イントロから物騒で曲はもの凄くディープだけど、ボーカルに色気と優しさがあって、味わい深いスロー・ブルースに仕上がっている。何回も繰り返して聴いてしまうね、歌もギターも一級品です。ウラの Baby, Just You And Me は女性コーラスもついたリラックスしたミディアム・ナンバー、こちらも悪くない。
06 willy mcdougal kinard
Willy McDougal / Don’t Turn Away (Kinard 2318) early 60’s
このシングルは楽 SOUL 87p で紹介済み、でも Billy Mack (楽 SOUL 83p) と同一人物とは知らなかった。Sir Shambling 氏の Deep Soul Heaven によれば、ノース・カロライナの盲目のピアニストとのこと。ブルース・マナーのクールでちょっぴりファンクなダンス・ナンバー、ツー・ステップ好きも狂気しそうなかっこよさ、何でもあさっていると、たまにこういうお宝に出くわします。ウラの I Can’t Wait もブルージーでサッドな甘辛ソウル・バラードで大好き。
07 big ella lolo
Big Ella / I Need A Good Man (Lo Lo 2101) 1969
楽 SOUL 141p で、ウエスト・コーストの Ella Thomas と同じ女性のようだと書いたのは間違い、ごめんなさい、本名 Ervaella Tate でシカゴ近辺のシンガーです。Rush 盤はディープ・ソウルとファンクのグレートなカップリングでしたね、ブルージーなものもいけるソウル・ファンならこちらも必聴。歌いっぷりが実に堂々としていて素晴しい、ライターは Maurice Dollison (Cash McCall) & Sunny Thompson。でも、ブルース・ファンには「これはソウルだ」って言われそう。このジャンル、女性が極端に少ないので、訂正も兼ねて、あえて紹介させていただきました。もう 1 枚 Salem にもシングルありますが、Superheavy の Big Ella は Kim Tolliver の変名です。
08 jesse anderson cadet
Jesse Anderson / Swing Too High (Cadet 5588) 1967
古くは Willie Wright のバンドのシンガーで Federal にシングルがある。60 年代中ごろ以降も何枚かシングルを出しているけど、さっぱり人気がありません。これは騙されたと思ってというヤツ、絶対のお薦め、きっと値段も安いはず。プロデュースとアレンジが Gene Barge で、シカゴ・ブルース・ファンクの隠れた名品、ホーンもバリバリでなんとも賑やか、ギターにドラムス、バックのメンツも気になりますね。少しテンションゆるめの Get Loose When You Get Loose がフリップ、こちらもドラムス大活躍で快調だ。
09 big daddy rucker gme
Big Daddy Rucker / Jealous Man (GME 1328)
お待たせしました、西海岸からビッグ・ダディの登場です。ブルース・ファンクの有名盤人気盤、レココンでは一発屋と失礼なこと言ってしまったけど、Duplex や Musette でシングルのある Ervin Rucker なんですね。このレコでは、作、アレンジ、コンダクトが Ervin Groves となっていてお一人で頑張って製作した様子。リズムはすっきり単調、音は派手派手、ディープなボーカルに煽られて、ダンスの苦手な私もノリノリであります。ウラの The Big Daddy Shake はインスト・バージョン。モダン・ブルース・ファンには Kids Together (Musette 65-14) も良いかも。ジョニー・オーティス・プロデュースの Hawk Sound 盤はバラディアー的な面が出ていて、今一。
10 drifting charles lanor
Drifting Charles / Drifting Cloud (Lanor 515) 1963
Lanor は Lee Lavergne のルイジアナ・レーベル。Charles Taylor という地元のギタリストでシングルはこれ 1 枚だけ。このシングル、ギターの音がとにかく素晴しい、プレスが良いのか、拙宅の貧相なオーディオでも、実に気持ち良く響き渡ってくれる。素朴で清々しいボーカルを引き立ててますね、まるで傍らで弾いて歌ってくれているような感じ。ゆったりとしたリズムにも癒されます。
11 king solomon non support blues
King Solomon / Non-Support Blues Pt.1& Pt.2 (Checker 980) 1961
ソロモン・バークとは関係ありませんよ、King Sylvester Lee Melicious Solomon という長いお名前を短縮。西海岸のけっこう知られたブルース・シンガー、シングルも多くて、Diving Duck でコレクション LP が、Night Train でコレクション CD も出ていました。最近では、ブルース・ファンとはあまり関係の無いところで Muder-D のシングルが高値になっています。これはデビュー曲、オリジナルは LA の Ball というレーベルからリリースされたもの。ドア・ベルの音で朝起きたら玄関にも裏口にも警官が立っていてヤバイ感じ、タイトルは誰も助けてくれないピンチをあらわしたものかと思っていたら、子どもの扶養義務を怠ったことで警官がやって来たということらしいです。もしかしたら、ダブル・ミーニングかも、英語がダメなので良く分からないのがシャクだけど、緊迫した状況はサウンドで問答無用に伝わってくる。このスロー・ブルース、Sherwood Fleming も新録 CD で歌っており、凄みも満点でグレートです。
12 al king get lost
Al King / Get Lost (Modern 1051) 1968
ウエストコーストの遅咲きブルース・マン。1926 年生まれ、King Solomon の 12 歳上で同じくルイジアナの出身だ。ブルース・シンガーとして開花したのは 60 年以降、盟友となるギタリスト Johnny Heartsman と出会ったことがきっかけ。以降、Shirley、Flag、Sahara、Modern、Kent と 10 枚以上のシングルを残すが、どれもが納得のレベル。中でも Get Lost は秋元さんの一押しでレココンでもかけていただいたへヴィーなミディアム・ナンバー。私もこれが一番、バッキングに厚みがあって素晴しい、自信に満ちたボーカルも文句無しだ。
13 tiny powell early bird
Tiny Powell / That Was Yesterday (Early Bird 9665) 1969
楽 SOUL 99p も参照、もともとゴスペル・シンガーとして有名な方。だから歌は激辛で私の大好きなタイプ。ブルースのシングルは 4 枚、My Time After While (Wax 14)、Going Home (TBC 401)、I Done Made Over (Ocampo 101) とこれ。Johnny Heartsman がギターを弾いている Wax のシングルが一番人気、Ocampo 盤も両面グレートだけど高値だし見かけることもほとんどない。この Early Bird 盤はまだ買いやすいはず、Galaxy の Little Johnny Taylor のシングルでもお目にかかる Ray Shanklin のプロデュースでハイ・クオリティ。歌いすぎだとクレームも聞こえてきそうなゴスペル・ブルース、ギターも堪んないね。
14 little mac bea baby
Little Mac / Times Are Getting Tougher (Bea & Baby 109) 1960
Bea & Baby はシカゴでナイト・クラブを経営していた Cadillac Baby こと Narvel Eatmon のレーベルだ。活動期間は 1960 年から 72 年、Homesick James、Eddie Boyd、Sunnyland Slim 等そうそうたる面々がレコーディング、シカゴではここら辺の音が大好きで、Castle の 2 枚組と Wolf の 3 枚のコンピは私の愛聴盤、気のせいかもしれないが、酒場の雰囲気にあった気さくなナンバーが多いような感じがするのだが、どうでしょう。これは唯一所有する Bea & Baby のシングル、軽快なミディアム、実にご機嫌、お酒もどんどんすすみそう。リトル・マックはハ―ピストなのに、えぐいギターばかりが目立って、どうしたことか、ほとんどハーモニカの音が聞こえてきません。ウラの Don’t Come Back もリズミック、こちらは思う存分吹きまくりなので、安心しました。

15 bluus recomended cd
レココンのプレイ・リストにソウル・ファン向けにお薦め CD アルバムを紹介しようと企画したが、秋元さん、森島さんと相談する時間がとれず断念。それでもやっぱり、余白が気になって私が独断で載せたのが以下の 9 枚、ブルースに関しては未熟者なので恥ずかしいけれど、参考までに書いておきます。8 枚はすんなり、レココン前日の夜中、後 1 枚が選べなくて苦労しました、結局、今さらって感じのリトル・ミルトンのスタックス・シングル集で決着。兵頭さん曰く 「ソウル・ファンはミルトン聴いてないから大丈夫」 だって、そうなのかもしれないな。
① West Coast Modern Blues 1960’s (P-Vine 15054)
② Diggin’ Gold / A Galaxy Of West Coast Blues (Ace 1017)
③ Foxy R&B / Richard Stamz Chicago Blues (Ace 1375)
④ Johnny Guitar Watson / Hot Just Like TNT (Ace 621)
⑤ Welcome To The Club (Ace 1009)
⑥ Little Milton / The Complete Stax Singles (P-Vine 3411)
⑦ Ike Turner Studio Productions 1963-1965 (Ace 1329)
⑧ Al King & Arthur K Adams Together (Ace 1292)
⑨ B.B. King / Here’s One You Didn’t Know About (Ace 1457)

16 ak king arthur k adams ace cd 1
17 ak king arthur k adams ace cd 2
18 ak king arthur k adams ace cd 3
Al King & Arthur K Adams Together (Ace CDCHD 1292) 2010
実にナイスなカップリング。副題が The Complete Kent and Modern Recordings とあり、Al King は Modern の 2 枚、Kent の 2 枚の両面と未発表曲 4 曲の計 12 曲収録。楽 SOUL 4p で紹介の Arthur K Adams は Modern の 3 枚両面 (含むロング・バージョン、別テイク) と未発表曲 (含む別テイク) の計 9 曲収録。これは買い逃している方も多いかも、活きが良い 60 年代のブルース、R&B、ファンク、ソウルが楽しめます。Al King については、これより前のシングル音源をまとめた Al King Blues Master (Forevermore 4601) もお薦めですが、既に廃盤、中古でもあまり見かけません。

ブルースのレココン第 2 回目も実施で決まり、いつになるか未定ですが、またよろしくお願いします。
23:55:11 | SOUL 45 | コメント(0) | page top↑
楽 BLUES part 1
2015 / 07 / 15 ( Wed )
ブルースのシングルについては、コレクターというようなレベルにはほど遠いが、マイ・コレクションの中でいつまでも日蔭の身ということではかわいそう。何回かに分けて、好きなもの、自慢したいもの、一言言っておきたいものなどを紹介させていただきます。

楽ソウル登場シンガーから
01 jim coleman sir rah
Jim Coleman / It Don’t Seem Like You Love Me (Sir Rah 502) 1968
ソウルの名盤を買ったら、ウラも凄いブルースだったという事例の代表。Jimmy Coleman 名義で Revue 11002 としても再発。A 面の Cloudy Days は言わずと知れた泣かせのサザン・バラード。レーベルはデトロイトながら、Willie Mitchell のプロデュースで HI 録音、ゆったりと憂いに満ちたディープなブルース・ナンバー。味なギターはティニー・ホッジスだろうか。ガンガンガツガツしていない、頼もしいけど慎み深くて、まさに絶品。
02 sonny green game 1
Sonny Green / It’s A Game (Fuller 8156) 1969
楽本では、MHR のシングルを推したが、この人はソウルよりもブルース。ベストの It’s A Game は艶かしく鬱なバンド・ブルース、ウラの I Can Ketch But I Can’t Hold も同じ路線だ。売れる自信があったのかどうしても売りたかったのか、セカンド・シングル Fuller 8157 でも片面をリズム・ナンバーの People Talking About Me に差し替えてこの曲をしつこくプレスしている。
03 donald height king 1
04 donald height king 2
Donald Height / I’ve Been Cryin’ (King 5408) 1960
ドナルド・ハイト様のデビュー盤、予備知識もなく手に入れたので、ちょっと驚いた。もろブルースじゃないですか。ルイジアナ風な味付けもあって緩いテンポ、既にあの甘辛なヴォーカル、張りつめてディープです。フリップの How Lonely Can You Be はダウンホームでリズミックな R&B ナンバー。NY のシンガーだけど、しゃれたのは嫌い、泥臭くて情熱的、最初から我が道を行ってくれるところが嬉しいではありませんか。
05 syl johnson federal 1
Syl Johnson / I’ve Got To Find My Baby (Federal 12435) 1961
若き日のシル・ジョンソン、Federal には 6 枚のシングルがあり、これは 3 枚目、Sonny Thompson のプロデュース。軽やかなテンポのナンバー、歌も良いけど、柔らかでキラキラしたギターの音色が素晴しい、弾いているのもシルのようだ。ウラの (She's So Fine) I Just Gotta Make Her Mine はマジック・サムを彷彿させると言ったら、怒られるかな。Numero の CD と LP は音がちょっとぼやっとしているので、お好きな方は是非シングル盤で。
06 jay lewis dra 1
Jay Lewis / Darling Let Me Know (Dra 313) 1966
Sonny Green もそうだけど、西海岸ってこんなに暗かったっけ。この人もソウルよりもブルース寄り。ゴリ押しな歌いっぷりに、「あまり親戚には紹介したくない友人みたい」と失礼なことを言ってしまったが、やっぱり嫌う人もいるだろうなぁ。これがベスト盤、文字どおり必殺のモダン・ブルース。フリップの Love Is Real もグレート、凶悪なヴォーカルが楽しげに弾けてくれる、ギターのリフもかっこいいね、バックのメンツもごきげんだ。Sir Shambling のページを見ていたら、出身はアトランタで、最初は Little Joe Hinton (Back Beat の Joe Hinton と混同しないでね) の名前で歌っていたとある。そこで、唯一所有する My Love Is Real / I Won’t Be Your Fool (Arvee 5028) を聴き直してみた。61 年頃のシングル盤、こんなえげつない声では身元は隠せない、正体もバレバレだ。Little Joe Hinton (Arvee、Kent) → Jay Lewis (Capitol、Dra、Venture) → Joe Hinton (Soul、Hotlanta) ということらしい。
07 lee shot williams foxy 1
08 lee shot williams foxy 2
Lee (Shot) Williams / Hello Baby (Foxy 005) 1962
62 年のデビュー盤、すいません、楽 SOUL ではギタリストの名前を間違ってしまった。Freddy Robinson のようです。フリップは I’m Trying、シャッフル・ナンバーとスロー・ブルースのカップリング。ブルースでもソウルでも如何なく実力を発揮してくれる人、ブルースならこれが最高かな。声も若々しくて甘酸っぱい。余談になるけど、Goldwax にも録音があったのは驚きました。Kent の CD では誤って George Jackson とクレジットされていた未発表曲 You Gotta Have Soul (Goldwax Northern Soul 収録) には本当に参ったね。

お次はブルース・マンとアンノウン・シンガーを。
09 little irvin 1
10 little irvin 2
Little Irvin / Nobody’s Loving Me (Ivory 711) 1970
片面が Who’s Loving You、ラベル・ミスで AB 面曲が逆になっている。20 年以上前、渋谷の芽瑠璃堂で平積みで売られていたシングル、確か値段は700 円か 800 円くらいだったと記憶する。モダンなブギーとスローの極上ブルース盤、ギターが生々しくて、歌にも色気がある。全く知らないシンガー、調べたら、Ivory はテキサス州ヒューストンのレーベル、オーナーでライターに名前のある Ivory Lee Semiens は Hop Wilson との録音もあるドラマーのようだ。このシングル、けっこう値段が高くなっている。先見の明が無かったのね、あの時、余計に 2、3 枚買っておくんだったと、後悔しきり。
11 fenton robinson giant 1
12 fenton robinson giant 2
Fenton Robinson / I Put My Baby In High Society (Giant 705) 1965
3 枚ある Giant 盤のうち唯一私が所有するシングル。夜の帳もおりて、実によろしき雰囲気、ギターが前面、ドラムスがその後ろ、ピアノは少し遠くで聞こえる。ホーンも入ってゴージャスで奥行きの深い音だ。さらに、フリップの You’re Cracking Me Up にも注目。いかにもシカゴってかんじのタイトなミディアム・アップ、ドラムスも大活躍、奔放で自由な雰囲気で気分も高揚。ソウル・ファンの嗜好にも合うナンバーじゃないかな。アルバムでは、名盤と言われている Alligator 盤よりも 60 年代中期の音源をコンパイルした The Mellow Blues Genius (P-Vine 1256) の方が断然好き。P-Vine さん、これを廃盤にしてはいけません、カットしたシングル曲もプラスして再リリースしてくださいな。
13 larry davis 5 long years
Larry Davis / For 5 Long Years (Kent 4519) 1969
Duke から Texas Blood でデビューしたブルース・マン。この人はけっこう買っていて、手元に 8 枚。どのシングルを取り上げようかと考えていたら、ライターに Sherwood Fleming とあり、迷わずこの曲に決めた。スロー・ブルース、フレミングみたいに圧倒するようなヴォーカルではないが、渋さの中にも艶やかさのある声で丁寧に歌い込んでくれる。このシングル、ウラのリズム・ナンバー I’ve Been Hurt So Many Times が UK で人気。ソウル・ファンの気になるところでは、Fame の George Jackson の曲 Find-em Fool-em & Forget-em (Hub City 629-73) も歌っていますね。アレンジが全く違っていて、最初は同じ曲とは気付かなかった。
14 buddy guy groove
Buddy Guy / Buddy’s Groove (Chess 2067) 1969
Gene Barge の製作、LP にも収録。イベントでたまにかけると、人が寄ってくる。真っ黒なブルース・ファンク。ツボを心得たアレンジメント、かっこいいですよ。
15 a c reed nike
A.C.Reed / Boogalo – Tramp (Nike 2002) 1966
USA のコレクション CD にも収録されていた人、バディ・ガイのバンドにもいたことがあるサックス・プレイヤーだ。これは、ブルースというよりファンキーなインストゥルメンタル・ソウルと言った方が適当かも知れない。うきうきしちゃって調子に乗って、Rufus Thomas の Memphis Train とセットでイベントでもよくかけます。My Baby’s Been Cheating (Cool 5001) というダンス・ナンバーもあり。
16 johnny acey
Johnny Acey / My Home (D.J.L.616) 1968
Johnny Ace とは縁もゆかりもないようです。Five Royales の Mine Forever More (King 4973) をディープなソウル・バラードに仕立てた Forever More で知っているディープ・ソウル・ファンが多いかも。そちらも良いけど、フリップのこのブルース・ファンクを聴き逃しては勿体ない。暗いトーンに重量級のリズム、ダミ声もディープでくっきり。いろいろなレーベルにけっこうな数のシングル盤を残していて、基本、ブルースかR&B。正直、熱心に追いかける気にならなく、コレクションにも弾みがつかないなぁと思っていたら、台湾の Le-Jan Music から全シングルを収めた 24 曲入り CD アルバムが。怪しいけど、以来重宝しております。
17 lp red lightnin
18 bobby guitar 1
Bobby Guitar / When Girls Do It (World Artists 1035) 1965
フル・ネームは Bobby Guitar Bennett、この曲をタイトルにした Red Lightnin’ のモダン・ブルースのコンピレーション LP で出会ったのが最初。これは衝撃的、実にビューティフルなスロー・ブルース、クールな歌いっぷりにもタメがあって独特、そして、曲芸のようなエグいギターにも驚き。NY 録音、ウラが She’s So Fine、同じカップリングで Brenne 500 というシングル盤もあり、そちらがオリジナルかもしれない。フィラデルフィアのシンガーで、地元のレーベルにも何枚かシングルがある。かなりのギターの使い手と思われるが、残念ながら、このシングル以外では驚くようなギターには出会えず。ただ、ノーザン・ソウル・コレクターに有名なシングルがあり、ブルースではないが、他の曲にも簡単に触れておきましょう。Alone With My Tears (V-Tone 502) が一番のレア盤、音は Beat Ballad Heaven (Goldmine 192) で確認できる。Ben E. King 路線かな、歌いっぷりはなかなかだが、値段ほどは良くはない。次に珍しいのが、You Did It Again (Junior 1009)、Bobby Martin 作のポップなダンサー。これは好きで好きで大好きで長年の探求盤だったが、結局、手に入れられず。なお、Who’s Gonna Love You (Capri 505 と Teardrop 63) の Bobby Bennett とは、レーベルがテキサスだし、別人のはず。
19 little oscar palos
Little Oscar / Suicide Blues (Palos 1201) 1967
同じく Red Lightnin’ のアルバムに収録されていて、おったまげたモダンなシカゴ・ブルース。本名は Oscar Stricklin、タイトルも穏やかでないが、音もヤバ過ぎ、ギター好きなら釘付け。私のブルース・シングル・コレクションでも 5 本の指に入るグレート盤だ。UK ではウラのダンサー Empty Bottles の人気が高いけれど、この盤の価値はこちらですよと声を大にして言いたい。この Palos 盤に気を良くして、柳の下の 2 匹目を期待。Two Foot Drag / Gotta Make A Change (Toddlin’ Town 109) がまずまずかな、ホーンのリフが心地よいファンキーなナンバーと JB っぽいバラードのカップリング。
20 jesse guitar box
Jesse “Guitar” Box with Harry Dallas & His Soul Rockers / Heart Trouble (Acquarian 9002)
P-Vine の第一弾 Calvin Leavy / Cummins Prison Farm にも収録されていた曲。レーベルがミシシッピ、カルヴィン・リーヴィーと同じく Calvin C. Brown という人の製作というぐらいの情報しかない。LP を手放してしまったので、ライナー・ノーツにそれ以上の記載があったかは不明。某資料に 1976 年のシングルとあったが、録音はもっと古いかも、まだ60年代の臭いがある。ダウンホームなバンド・ブルース、強烈なものは無いけど、なかなか味な歌と演奏を聴かせてくれる。
21 chee chee
Chee Chee / Uncle Sam Ain’t No Woman (Entree 5000)
赤盤、歌っているのは女性。B 面のロッキンなダンスもの Crazy Man が一部に人気らしい、レーベルに Acc. by bill beau とあり、調べてみたら、The Bill Beau Trio – Live At The Blueport Lounge というアルバムがあることが判明したが、結局良く分からない。でも、中味は文句無しの極上モダン・ブルース。女だてらに吠えまくり、エッタ・ジェイムズみたいな野卑なヴォーカルが堪りません。バックのサポートも申し分無しであります。
20:17:14 | SOUL 45 | コメント(1) | page top↑
SOUL 45 MY COLLECTION 3
2014 / 12 / 04 ( Thu )
レココン等でかけていて、未紹介のもの。

1 william bell stax146
William Bell / Who Will It Be Tomorrow (Stax 146) 1964
Atlantic が配給していた William Bell の水色レーベル (レコードの山がシェイクしているヤツ) は 14 枚 28 曲、うち ” The Soul Of A Bell “ (Stax 719) のアルバムに収められているのは 6 曲のみ。アトランティックの配給契約がストップし、マスター・テープの所有権までアトランティックに移ってしまった (ビジネスとは言え酷い話) という事情もあり、残りの 22 曲は一部を除きシングル盤でしか聴くことができない。そんなことで、私もこつこつと買って、この 1 枚でめでたく制覇。そのご褒美だったのか、これがなかなかの良盤。のどかなリズムのミディアム・ナンバー、柔らかなタッチで楽しくのびのびと歌われている。沁みるようなバラードも良いが、こういうのはこの人でなければ出せない味わいかもしれない。バックの音も素晴しい、スタックスのシングルはものによって音のバラつきがあるけど、これは最高だ。同じメンフィスでも、Goldwax のサウンドはドラマティックで熱く、HI はうっとりと格調高く、Stax にはゆったりとリラックスした感がある。ミュージシャン同士がうちとけて自由に音づくりをしていたということがサウンドからも伝わってくるようだ。
2 eddie floyd stax187
Eddie Floyd / Good Love, Bad Love (Stax 187) 1967
ウィリアム・ベルもそうだけど、最近、優しいディープ・ソウルにはまっている。Eddie Floyd もその一人、Got To Make A Comeback なんか、その筆頭曲。楽本では、Lu Pine 盤や Safice、Atlantic 盤について言及しただけで、肝心のスタックス音源についてはさっぱり。でも、このシングルに出会って、猛省しました。Knock On Wood (Stax 194) の前、スタックスの 1 枚目 B 面で LP 未収録。今のところ、この人のマイ・ベスト、まさに知られざる傑作というやつ。クロッパーのギターの音色に誘われて歌われるバラード・ナンバー、南部の馥郁たる香りに陶然と、分かっちゃない方には、ちょっと地味じゃないかと言われそうだが、こういうのはね、落ち着いて心を無にして聴いてもらわなければいけない。曲が短いのがシャク、いろいろ調べたけど、CD 化されてもいない、主に A 面のみという中途半端な BOX にも入っていない。何がコンプリートだ、ふざけるな、責任者出て来いと言いたくなるのは私だけじゃないはず。
3 dell stewart
Dell Stewart / Don’t I Tell You (Watch 4188)
60 年代中頃のニューオリンズ、ディープ・ソウルを歌うために生れてきたかのような太くて渋くて深みのあるお声、もう堪りません、ちょっと甘めの曲調にくっきりと映えて、茫然とうっとりとしてしまう。間違いなくニューオリンズものでは上位にランクされるディープなお皿だ。お友達だった Earl King が曲を書き、Wardell Quezergue がプロデュース。若くして亡くなったのが悲しい、Watch に 2 枚のシングルを残すのみ。New Orleans Soul ‘60’s Watch Records (Mardi Gras 1047) というコレクション CD に彼の 4 曲すべてが収録されている。ただし、この曲もウラの Love That Girl もホーン無しのバージョンとなっていて、ちょっともの足りない。
4 founders
The Founders / What We Do Wrong ? (Triode 118) 1971
何の情報も無く、オークションで音が貼ってあって良かったので買ったもの。Sir Shambling によれば、NY の男 2 人女 1 人のファミリー・グループとのこと。ライターにも名前が並んでますね、Edwards 兄弟姉妹か? 女性と男性が交互にリードを取ってハモるというパターン。音的にはまだ 60 年代、ゆったりテンポの和みのバラード、ほんのりロマンティックで良い曲だ。カマトト声で少しルーズな女と誠実で真面目な感じの男のコントラストが楽しい。私は持ってないけど、Bolivia という変わった名前のレーベルにもシングルあり。
5 surgeons 2
6 surgeons 1
The Surgeons / Don’t Tell Me (Cee-Jam 100) 1963
「外科医たち」というグループ名、そう名乗る根拠が音盤からは見いだせないが。本当にお医者さん達のグループだったりして。Art Wheeler や Buster & James のシングルで知られる NY のレーベル、スイスイと調子の良いダンス・ナンバー。だみ声のリード・シンガー、あまり上手くないけど、迷いのない豪快な歌いっぷりが清々しく、不細工な感じの男性コーラスも妙にそそられる。悩みも吹き飛ばしてくれそうな勢いと晴れやかさがチャーム・ポイントかな、アーリーなグループものがお好きな方には絶対の 1 枚。なお、このシングルは同じ番号で 2 種類あり、レーベルの色が違って片面の曲も違う。赤みの強い紫では Everything’s Gonna Be Crazy というドゥーワップの残り香の強いポップなナンバーがカップリング。濃い紫は The Electras という別のグループの You Know という曲、ノーブルでクラシカルなバラード、リードが歌えて、こちらもかなりよろしき雰囲気だ。
7 delicates soultowna
Delicates featuring Al Da Ray / He Gave Me Love (Soultown 101) 1966
楽本では、Alder Ray Mathis の Jetstar 盤と、The Delicates の Challenge 盤を紹介。当時は、この盤の存在を知らなかった。このグループのシングル全てを聴いているわけではないが、多分、これがベスト。やはり Bobby Sanders のプロデュース。重厚で古風なバラード、スタートから全開のボーカルが泣かせる。真っ向正面、コブシも入って凛々しくて、思わず頑張れよと励ましたくなってしまう。フリップの Stop Shoving Me Around はキュートなダンス・ナンバーかと思ったら、コーラスもばっちり厚く、リズムもけっこう重い、サックス・ブローも入って、勇ましく盛り上がってくれる。クレジットに Al Da Ray の名前が無く、歌っているのは他のシンガーのようだ。
8 hal tioore
9 sammy roberson
Hal Tiore / Darling, I’m Sorry (ALM 101)
Sammy Roberson / Some Man’s Woman (ALM 102)
& The Soul Cook Books となっている。地域も年代も不明、60 年代後半だろうか。珍しいお名前の Hal Tiore さん、鬱なスロー・バラード、かなりディーペスト。ツボを抑えた作りになっていて、暗ければ暗いほどありがたいというディープ・ソウル・ファンなら、涙ものかもしれない。ウラはインスト・ナンバー、声の感じから白人の可能性もあるかな。produced by Al Mitchell とあり、このお方のレーベルなのだろう。もう 1 枚の Sammy Roberson、歌えそうな名前だしタイトルでも妄想しちゃった、けっこう苦労して捜して、もう 20 年以上前に手に入れたものの、どこでもかけたことが無い封印の盤となっている。さすがの私でもここまでとなると恥ずかしい、かなり危うい断崖絶壁バラード。でも、今日は体調が良いのか、そんなにひどくもないような気もしてきた。
10 thrilling dynamics
11 dee brown lola grant
The Thrilling Dynamics / We Belong Together (Valise 629V-8061) 1967
Dee Brown & Lola Grant / We Belong Together (Shurfine 014) 1967
以前、コレクターはスケベ根性が無いとダメだと書いたけど、当然痛い目にあうことも多い。The Thrilling Dynamics もそんな 1 枚、某大先生からけっこうなお値段で譲っていただいたもの。グループ名も勇ましく、珍しそうなお皿で自慢できるんじゃないかと、曲もまあまあの出来だし。不純に喜んだのも束の間、次に挙げたアトランタの Dee Brown & Lola Grant と同じ曲じゃないですか。いなたいバラード・ナンバー、バックの音などわずかにテイクが違う。Sir Shambling のところに書いてあって、やっと気付いた次第。曲は忘れていても、ライター名でピンとこなくてはいけなかった。知っていれば、あわてて喰いつかず、値切れたんだけど。まあ、裏が違うので良しとしましょう。Valise の方は Arthur Conley のカバーとなる I Like Sweet Soul Music、歌っているのはローラ嬢、地元アラバマのバンドをバックに大雑把な歌いっぷりで、ローカル風味が満喫できる。スリリング・ダイナミクスとはこのバンド名のようだ。Shurfine の You Need Loving はサム・クック風のミディアム。さらに、Dee Brown には、Heap Of People / Bad Habit (Jewel 821)、Don't Worry 'Bout Me / More Time (Shurline 009) というシングルもあり、Jewel盤ではローラ嬢の声も聞こえる。2 枚ともお薦め、後者はゴスペルの有名曲の世俗版だ。また、Dee & Lola 名義では The Starting Line (Josie 966) という Shurline 盤に劣らぬ出来の Joe Tex タッチのバラードもあるが、興味深いのは P-Vine の Deep Soul Classic シリーズ ” From Atlanta To Birmingham “ (P-Vine PLP 383) に収められていた 5 曲の未発表曲だろう。The Jenning Brothers (Soulville 221) の Believe In Me とお馴染みの Do Right Woman Do Right Man も良く歌われており、オリジナルとおぼしき Punch A Hole In Our Love と Let's Do It Together のカップリングでシングル盤が出ていれば、サザン・ソウル・ファンの認知度は大きく違っていたはずだ。
12 eldeidge holmes kansu
Eldridge Holmes / An Open Letter (Kansu 100) 1972
誤字ではありません、Sansu では無くて Kansu だよ。楽本執筆時には持っていなかったので、控えめに触れたラスト・シングル。沁みるということでは、この曲が一番かもしれない。ウラの Lets Go Steady はクック&コンレーの曲にあらず、ニューオリンズならではの陽気なリズムのナンバー、歌いっぷりも流石である。両面ともに Charles Brimmer の作で Senator Jones のプロデュース。
13 ella washington octavia
Ella Washington / Nightmare (Octavia 0002) 1966
この女性を楽本でとりあげなかったのは一生の不覚。Annette Snell と同じくマイアミ生まれで、スカウトの経緯なども共通する。Sound Stage 7 時代はサザン・ソウル・ファンなら必聴、Soulscape から出た CD アルバムについては 2008 年 11 月の本ブログでも取り上げさせていただいた。アメリカン・スタジオで録音された I Can't Afford To Lose Him (Sound Stage 7 2665) がマイ・ベスト、ギターを弾いているのは作者のボビー・ウーマックであろう。これはなかなか聴けなかったデビュー盤、Clarence Reid が曲を書きプロデュース、マイアミ近郊フォート・ローダーデール所在のローカル・レーベル Octavia からリリースされている。切羽詰まった歌い方をするシンガー、そんな彼女の特徴が既に顕著に明らかだ。タイトルどおりの黒いバラード、暗闇の中で一条の光を求めるような絶叫がいつまでも余韻を残す。セカンド・シングル Bye, Bye, Baby (Octavia 003) は Paul Kelly が製作、ドライブ感抜群のノーザン・ナンバーとなっている。
14 marie franklin castle
Marie Franklin / Don’t Hurt Me No More (Castle 78102) 1979
Marverick や Tangerine にシングルがある西海岸の女性シンガーと言うより、Vernon Garrett と Venture 盤でデュエットしているディープな女性といった方がピンとくる方が多いかもしれない。ヴァーノンと四つに組んで引けを取らない貫録十分の歌いっぷりに驚いてしまった記憶がある。このCastle盤は彼女のラスト・シングル、しっとりとした大人のスロー・バラード、途中までは優しく歌われているが、それで終わるはずもない。感極まって絶叫でダメを押す、ソウルにあってはいくらダメを押しても品格を問われないから、ありがたい。素敵です。
21:11:21 | SOUL 45 | コメント(1) | page top↑
SOUL 45 MY COLLECTION 2
2014 / 08 / 31 ( Sun )
ディープな7インチをまとめてお披露目、いずれも楽本以降に手に入れたもの。

steve dixon depend on me
Steve Dixon / Depend On Me (Spotlite 101)
ゴールドワックスのジェームズ・カーみたいだなんて言われていたので、これは私のウォンツ・リストのトップにあったもの。ジェームズ様のような異様な緊迫感や爆発力は無いが、響きのあるバリトンのボーカルは理想的とも思えるディープ・ボイス、掛け値なしのサザン・ソウル・バラードの傑作だ。フリップの Poor Man では、ホーンが大活躍、これまたグレートなリズム・ナンバーとなっている。フロリダの Finely Duncan のレーベルらしいが、録音はマッスルショールズもしくはメンフィスあたりの可能性あり。75 年前後、Spotlite 盤と同じく Jerry Powell の作曲及びプロデュースでニューオリンズの Instant から 2 枚のシングルをリリース。4 曲、それぞれ聴きどころがあって、歌いっぷりが最も惚れ惚れする Going Down For The Third Time (Instant 3325) がマイ・ベストかな。Sir Shambling によれば、アラバマのモービルに本名の Steve Dickinson でデビュー盤 Help Yourself / Before I Leave You (Smokey 113) があり。
Depend On Me はジョニー・アダムスも歌っており (タイトルはYou Can Depend On Me、当時未発表)、Johnny Adams / Released (RPMSH 210) に収録、そちらもお見事というしかない出来ばえとなっている。
jow meriweather riot chous
Joe Meriweather / There’s Nothin’ I Wouldn’t (Riot-Chous 256)
はるか昔、高澤さんがミニコミで紹介していて、25 年以上ずっと探し続けていたもの。やはりコレクションは根気と年季であります。イリノイ州デケーターのレーベル。サザン・ソウル風味も心地よく、バックもかなりよろしき雰囲気、プロデューサーは知らない人で手掛かりは無いが、録音はシカゴじゃなくて、セントルイスかインディアナポリスあたりかもしれない。ひたすらなテンダネスに思う存分浸ってしまう心優しきディープ・バラード。実直なボーカルに涙であります。ウラは Sweet Lorraine でオーティスのカバー。
larru seibert whit
Larry Seibert / You Said (Whit 1) '64
Whit はバトン・ルージュ所在の Lionel Whitfield のレーベル、ボビー・パウエルのシングルで知られる。そこから最初にリリースされたのがこの作品。この曲、楽本執筆時には持ってなかった CD コンピ ” Soul Jewels vol.1 ” (Westside) に収録、手に入れて最初に聴いた時はちょっと待ったと言いたくなるほど驚いた。この曲だけしつこくリピートして聴いていた記憶が。コンディションは悪かったけど、シングル盤もほどなく入手。ディープの頭に「ど」がつく圧巻のバラード・ナンバー。ルイジアナらしく、どこかのどかながらも、凛とした気風が漂っている。録音はニューオリンズで、コジモ・マタッサのコジモ・スタジオとのこと。余裕たっぷりのバッキングも味わい深い。
なお、楽本では Soul Jewel の CD を 3 巻と書いてあるが訂正、2 巻が正しい。
dynamite dyous
Dynamite Dyous / You Made My Living Worth While (Tomahawk 191)
ジョージア州コロンバスのシングル盤。これぞ地元のソウルといった感じかな。70 年代後半の作だろうか、全国区を目指していない控えめな感じ、こういうのは必要以上に応援したくなる。ライター名に Willie Dyous とありますね、The Green Tree Express となっているメンバー達は少し心もとないけれど、ダイナマイトと自称するだけあって、Dyous さんの歌いっぷりは堂々としたもの、裏はパート 2 で両面合わせて 7 分を超える大作だ。仲間のバンドの音といった風のバッキングも好感度が高く、いなたく優しい曲調のバラードをゆったりと慈しむように歌ってくれる。ディープなボーカルだけど、スウィート・ファンやグループ・ファンにも気に入ってもらえそうな気がするね。
willie boyd 2
Willie Boyd / I Could Be Happy (Vimla73) '73
オブスキュアなディープ・シングルを探求しているコレクターには興味深いミシシッピのレーベル。これは、中でもイチ押しのシングル盤だ。苦みばしったボーカルが一途に吠えまくる、胸をかきむしられるような儚さに涙。途中で入るギター・ソロもしみじみとしていて、一人淋しい夜、お酒もすすみそうだ。レーベル所在地のホーリー・スプリングスはメンフィスに近く、バックもメンフィスのミュージシャン達であろう。気になることが一つ、この盤は全てセイム・フリップと承知していたのだが、私の所有する盤のレーベルには、ボールペンで B/W “ Feeling Alright ” と書いてある。もしかして、この曲とのカップリング盤も存在するのだろうか。
jimmie baker jump
jimmie baker ballad
Jimmie Baker / Share It Girl (Renegade 5610) '74
楽本では Lattimore Brown と Lee Martell のシングルを紹介したナッシュビルのレーベルから、ワン&オンリーのシンガー。フリップのしんみりとしたバラードよりも、私はこちらの元気なジャンプ・ナンバーが好き。ときめきのあるご機嫌なメロディー・ラインに乗っかり転げまわるボーカルの晴れがましいことと言ったら、ラストで気合を入れる心意気も評価したい。UKのノーザン・シーンでの知名度がゼロに近いのが不思議なくらい。フリップの Funny How People Forget も悪くは無い、と言うか凄く良い。ただ、もしも Herman Hitson が歌ったら、You Are Too Much For The Human Heart (Atco 6566) のような感動を味わうことができたんじゃないかなんてことも考えてしまう。歌手の力量と言ってしまえばそれまでだが、サザン・ソウルは生き残ったけれど、70年代に入って、感情をむき出しにして歌ってくれるシンガーがいなくなったというか、すたれてしまったのが残念でしょうがない。
vivilore jordan mojo
vivilore jodan task
Vivilore Jordan / You Don’t Need Him (Mojo 103)
Vivilore Jordan / All Work And No Play (Task no#) '77
この 2 枚が無かったので、楽本では取り上げなかった女性。ミディアムからアップのナンバーを必殺技とするアラバマのシンガー、いかにも南部の女といった感じの素朴なボーカルがよろしいね。Mojo はデビュー盤、楽本ではシングルの存在が確認できないなんて書いてしまって、ごめんなさい。フリップのバラード Maybe よりもこちらの軽やかなアップ・ナンバーが私の好み。両面、Vivid の Soul Bag vol.2 (VS 7006) に収録されています (楽本 263p 参照)。Task 盤のライターには Bill Wright と Richard Marks の名前が。競作となった Serena Johnson (Big 2 1001) のところでちょっと触れたシングル盤、南部産 70 ズ・クロスオーバーの傑作だ。サザン・ソウル好きならば Serena 嬢、モダン・ソウル好きなら Vivilore 嬢と好みが分かれると書いたが、手に入れてからもその感想は変わっていない。フリップの Put My Loving On You もよろしき按配のミディアム、イケると思ったのか、フィラデルフィアのレーベル Sound Gem からもリリースされている。B 面としてカップリングされた Pickin Up Where She Left Off (Sound Gems 106) もサザン・ソウル風味のきいたミディアムの佳曲。これら 3 曲はおそらく同時期の録音だろう。もう1枚、What You Gonna Do / Hand In Hand (Boblo 313) というシングルもあり。
carolyn champion i feel it comin
Carolyn Champion / I Feel It Comin’ (Soul-Po-Tion 108) '72
70 年代、ジョージア州アルバーニで活動していたとおぼしき女性、地元の Soul-Po-Tion に 4 枚、Molly-Jo に 1 枚、計 5 枚のシングルを残している。Soul-Po-Tion は 2 枚しか持っていないので、今のところのマイ・ベストがこれ。Bobby Marchane の曲でプロデュースもボビーさん。歌は上手いとは言いかねるが、気持で歌うタイプ。インプレッションズみたいなオリジナルよりもテンポがあって、ぐっとサザン・ソウルっぽい。音程がふらついても声が頼りなくても、込められた思いを大事にしたい。Look What You’ve Done To Our Love / Am I Your Woman, Love Or Friend (Molly-Jo 1007) はメイコンの Bobby Smith の製作で、鬱なバラードとリズム・ナンバーのカップリング。
ike porter anla
Ike Porter & The Fabulations / If There’s A Will There’s A Way (Anla 116)
楽本では、Soul Shouting Tommy と Dynamic Adam を紹介したルイジアナのレーベル、さらにディープ・ソウル・ファンが喜びそうなシングルがありました。スローなバラードでグループもの、リードのアイクさんは私好みのナイス・シンガー、やたらにコブシの入った無茶な歌いっぷりに思わずうっとりとしてしまった。途中に入る緊張感ゼロの語りはイカンですけど、その後また盛り上がってくれるので、大満足。なお、Anla 107 というシングルもあるが、そちらは未聴。
Anla 情報をもうひとつ、ビッグ・ボイス・ファンなら、Charles Greene / Baby Oh Baby (Anla 108) も一聴の価値あり。
jimmy thorpe task
Jimmy Thorpe / Don’t Let My Love (Task 8212)  '78
Vivilore Jordan と同じアトランタのレーベル、私の知る限り、Task のシングルはこの 2 枚のみ。ディープ・コレクターに Richard Marks で有名なレア・レーベル Tuska の関連かと推測される。この曲はリクエストが多くて、ここ 1 年くらいレココン等でかけまくりの人気盤だ。Bill Wright がプロデュース、アレンジには Al Gardner という名前も。傷ついた心をいたわるような曲調のサザン・バラード。慈しみと透明感、バックの音も完璧、憂いを含んだディープ・ボイスが思い入れたっぷりにこれでもかって、まさに感動の嵐でございます。しんみりしたディープ・ソウル部門なら、金賞受賞間違い無し。なお、このシンガー、ナッシュビルとノースカロライナにもシングルがあって、私は持っていないが、Sir Shambling のところに書き込みと音貼りがあります。
little soul ss record
Little Soul / Don’t Let Me Waste My Time (S.S. 39-3/4)
レーベル所在地となっているイリノイ州 Centreville はセントルイスに近接する町のようだ。Solid Soul にさらに 2 枚のシングルがあるが、私の持っているのはこれ 1 枚だけ。うねるようなテンポのディープ・バラード、ねばねば糸を引くようなドラ声がなかなかに美味。ボーカルに負けじと、けっこう出しゃばるオルガンとバタバタしたドラムスの音も生々しくて、耳に残るね。フリップの Hold On はアップ、ここでもバックの音の自己主張が強く、やたらにでかくて慌ただしい。対して、一緒に録音したとは思えないほどボーカルが落ち着き払っているところが面白い。
richard marks note
Richard Marks / Ups And Downs (Note 7211) '74
70 年代ディープ・ソウルに関しては情報も無かったし、ちょっと軽く見ていたかなと反省。そんなことで、この人についても、完全に遅れを取ってしまい、ファンクの定番 Funky Four Corners (Tuska 101) を除くと、かろうじて Note 盤と Shout 盤を持っているだけ、他のシングル盤は高嶺の花となってしまった。アトランタのシンガー&ギタリストで Bill Wright とはお友達のよう。モダン・ディープやファンクのレア盤は持ってないけど、バラードならこの Ups And Downs が肝心の曲。辛めのテナー、語るがごとく歌われ、女性コーラスをバックに実に力強い歌いっぷり。若干、ゴスペルっぽいかな、とにかく歌が上手い、艶があって伸びやかで、シャウトも実に滑らかだ。より崇高で奔放なフリップ Living My Life Day By Day も文句無し。両面、何故か Numero の Tragar & Note の 2 枚組コンピにも未収録、今後、この知られざるグレート・シンガーの全貌がまとめて明らかになることを期待したい。
70 年代のアトランタのディープ・ソウル事情については興味深々、そこら辺を明らかにしてくれる発掘 CD 企画も夢見てしまうのだが、Tuska なんか Numero でやってくんないかな。
otis johnson
Otis Johnson / In The Streets Of The City (New Colony 29279/80) '72
歌えそうなお名前なのでついつい手を出してしまった。4 分 37 秒と長丁場のオハイオ産ディープ・バラード。サザン・ソウル・タッチで歌い始めるので、期待で胸が膨らんてしまった。ところが、いっこうにサビに突入せず悶々と。ムードは良好なのに残念、曲が長い分、かえって淋しい思いが募ります。Sir Shambling によれば、Don’t Wake Me / Little Things (Blue Ash 133) というシングルもあるようだが、聴けていない。渋いおっさん声、深みよりも押しの強さが目立ち、白人の可能性が高いような気もするなぁ。あえて取り上げるほどでもなかったけど、おまけで、包容力のあるディープ・コレクターにのみお薦め。
larry hobson
Larry Hobson / We Ought To Stay Together (Statue 1054)
これも 4 分 42 秒と曲が長いので、70 年代に入ってからのものだろう。Statue はメンフィスに近いミシシッピ北部 Tupelo のレーベル、Lloyd Hendricks と同様 John Mihelic の製作。切々としたイントロから満点の雰囲気、Otis Johnson を思い出してちょっと不吉な予感もしたが、曲にあまり起伏は無いものの、我慢の限界あたりをうろつくボーカルはなかなかのものである。ラストまで力技で持っていく、説得力も十分だ。ウラの Country Funk は快調なファンキー・ジャンプ、ボーカルはけっこうクールで軽やか。またしても Sir Shambling 参照で恐縮ですが、白人らしいという情報も。声の感じは白っぽくなくて断定はできませんね。
19:04:38 | SOUL 45 | コメント(2) | page top↑
SOUL 45 MY COLLECTION 1
2014 / 07 / 14 ( Mon )
楽ソウルを書いていた時点でコレクションに無く、その後手に入れたシングル盤、とくに楽本ではさらっとした紹介となっているものについて、何枚か取り上げます。

1smokey 007 sonesta
Smokey 007 & The Exciters / I’m Sorry, Please Accept My Apology (Sonesta 9889)
内緒にしたい気持ちをぐっとこらえて、楽本でバラしたもの。入手不可能盤の筆頭だったが、品行方正にしていたおかげか、手に入れることができました。Birland 盤よりも思いつめた感じ、さらにオーティスっぽいかな、跪いて涙というやつ。これもバックの音がしっかりしている。ジャマイカン・ディープ・バラードの最高峰と言ってしまおう。
2veda brown
Veda Brown / I Had A Fight With Love (RAV 16) ‘77
皆さん、Stax 音源の CD アルバム (Judy Clay とのカップリング、Kent CDKEND 302) はお聴きになっているでしょうね。RAV はメンフィスのレーベル、Ann Sexton と競作となったサザン・ダンサー、プロデューサーは Stax のシングルも手掛けていた Larry Robinson でマッスルショールズ録音。楽本でも褒めちぎっているけど、フリップ・サイドの Play Brother, Play Sister についても書いておかないといけない。静けさの中に響き渡る歌声、優しく包み込むような、それでいて力強いボーカルに涙してしまう。美しいバラード・ナンバー、思わず拝んでしまった。いや~有難いです。
3roscoe robinson just ask
Roscoe Robinson / Just Ask The Lonely (Gerri 1001)
69 年頃の作品か、Soulscape の CD アルバムで Atlantic 盤はバーミンガム (アラバマ州) 録音と判明したが、これもその近辺の録音でしょう。言わずと知れたフォー・トップスのカバー、HDH が書いた名曲だ。テンポよくアレンジメント、一途でひたむき、力強くいたわるような熱唱に心が震える。もう痺れっぱなし、近頃では、Darling, Please Tell Me (SS7 2595) とこの曲がロスコーのヘヴィ・ローテーションだ。フリップの She Won’t Choose Me も伸びやかなボーカルに癒されるミディアム・バラードで、こちらも聴き逃せない。AB面ともに Soulscape の CD に未収録というのが残念。
4sonny fishback
Sonny Fishback / I Won’t Take Back These Words (Out-A-Site 5009)
Tou-Sea と Peacock にシングルがある Sonny Fisher が改名して Fishback に、Epic の Sonny & Diane もこの人だ。NY、ニュージャージあたりのシンガー、楽本でもちょっと触れたけど、このシングルはレアレスト・オブ・レア。地を這うようなアーシーでサッドなディープ・バラード。力の限り目いっぱいというのが伝わってきて、歌の上手いシンガーでは味わえないスリルと興奮がありますね。さらに、フリップの Heart Breaking Man も凄いことになっている。異様な熱気に満ちたリズム・ナンバー、イギリスでは断然こちら。実は、この盤には 2 種類 (レコード番号同じ、盤の右側のクレジットが若干相違) あり、Heart Breaking Man のテイクが違う。テンポの速いのと少しゆったりのもの、私の持っているのは速い方。贔屓目もあって、ドラムスの活躍がめざましく、ラストで強引な盛り上がりを見せるマイ・ヴァージョンの方が好き。GoldmineのCD “ For Millionaires Only 4 “ で聴けるのはテンポの遅い方。
5tyron edwards
Tyron Edwards / You Did It (Olam 1001)
Invictus のタイロン・エドワーズ、長年のウォンツだった Olam 盤。デトロイトの往年の勢いは無いものの、ファンキーでガッツイな歌いっぷりには大枚はたいた己を納得させてくれるだけのものはある。81 年にリリースされた Exportations の Vir-Ro 盤も挙げておこう。ライター・クレジットを見てほしい。Olam 盤では T.Edwards となっているところが、Tony & Tyrone の Tyrone Pickens となっていますね。
6loyd hendricks statue y
Loyd Hendricks & The Lost Souls / Don’t Cry No More (Statue 7000)
辛い思い出の一品、これで何とか立ち直れました。Bobby Bland のカバー、フリップの Hooked By Love は Homer Banks の曲。アップとミディアム、がむしゃらで勢いのある歌いっぷりにニンマリ、ダンスが苦手な私でも、浮かれて踊りだしそうになっちゃう。
7wind.jpg
C.P. Love / Spiritual Love (Moon Wind 001)
80年代に入ってからの録音だろう。厳しい激しい熱いディープ・ソウルは星の数ほどあれど、これほど優しいディープ・ソウル・バラードを私は知らない。黒レーベルもあり。
8lee harvey false pride
Lee Harvey / False Pride (Kris 111) ‘66
Kris レーベルのコレクション (CDKEND 162) にも未収録で、見逃してしまったシングル盤。このシンガーのものでは一番 Sam Cooke っぽいかもしれない。ゆったりおおらかに歌われたミディアム。ただ、私の所有物は音がこもった感じであまりプレスが良くない。ウラの Need Of Love はさらに確信的にサム・クック。そう言えば、この曲、サムの従兄妹の Cookie Jackson (Kris 8082) も歌っています。
9willie gauff watts
Willie Gauff & Kind Bros. / It Hurts So Bad (Watts Way 201)
Eureka 盤はベーシック、Kent 盤もディープ・ファンならマスト・アイテム。お次の目標となるこの Watts Way のシングルは少し無理をしないと難しい。先の 2 枚も文句無しなので、内容が気になるところ。Kent 盤同様メンバーによる自作曲、負けず劣らずのディーペスト・バラード。コーラスにシャウトもからみ、がらがらへとへとな熱唱に、体育会系のディープ・ソウル・ファンなら悶絶間違い無し。この曲は The Naturals (Watts Way 1201) という別グループもやっていて、Willie Gauff ほど体力は使っていないが、そちらも悪くない。
10dale darby la central
Dale Darby / Don’t Put Our Love Off Another Day (L.A. Central 100) ‘73
楽本執筆時点で、このシングルの存在を知らず、失礼してしまった。声も歌い方もちょっと硬め。Praise The Woman (Westgate 201) も激辛で好きだけど、最近はこちらのこみあげ系のミディアムに参っている。曲の良さもあって、思わずこぶしを握ってしまうあっぱれディープな歌いっぷりだ。
11david dee time
David Dee / Forgive Me Girl (T-I-M-E 324)
これも、知らなかったブツ、地元セントルイスで自主製作されたシングルのようだ。手作り感が生々しい。ちょっとブルージーでスローなディープ・バラード、出来が良いとは言いかねるが、有無を言わせぬドス黒い空気が漂う。Vanessa 盤よりも後かな、リリース年は全く見当がつかない。ウラの Every Loving Man は粘り腰のリズム・ナンバー、かなりイケてます、バラードよりこちらなんだけど、録音状態がよろしくないせいか、バックの音に覇気が無いのが惜しい。
12sam baker copa
Sam Baker / So Long (Copa 200)
当ブログで Soulscape のCDアルバムをレビューした時に、ちょっと触れたデビュー・シングル、60 年頃のリリースのようだ。Copa はサム・ベイカーの故郷ミシシッピ州ジャクソンのローカル・レーベル。41 年の生まれだから、まだ未成年、自作となる So Long、ドゥーワップ・バラードの残り香も、ソウルと言うにはまだ青臭いが、甘酸っぱくてロマンティックなところが気に入っている。フリップの Crazy About You Baby はジャンプ・ブルース、ギターのリフも心地よく、しなやかなボーカルが素晴しい。
13harrison bros
The Harrison Bros / Are You Sincere (ABC Paramount 90 938 FRANCE) picture cover
Bobby HarrisとJimmy Harris (Jimmy Harrison) の兄弟デュオ。2 年半くらい前の冬の頃だっただろうか、あの Lenny Curtis (END 1127) が Jimmy Harris の変名であったというニュースが日本のディープ・ソウル・ファンを驚かせたのは。ちょうどその頃、ブルーヒートのレココンで高澤さんがかけてくれたのがこのフランス盤、これにもびっくり、4 曲収録で I Feel Good と Are You Sincere の 2 曲が初めて聴く曲。前者のダンス・ナンバーも悪くないが、クック・テイストにあふれた後者のゆったりとしたバラード・ナンバーが流石の出来。まあ、この兄弟にはどうしても凄いものを期待しちゃうので、それほどでもと言われるかもしれない。ここで注目していただきたいのは、この 2 曲のライター・クレジット。Benny Hall と Robert Bateman、これは Lenny Curtis の END 盤のライター、プロデューサーと同じなんですね。そう言えば、Beautiful Lies (ABC-Paramount 10593) のライターもこの 2 人だし、Run For Your Life (Bobalou 1001) はロバート・ベイトマンがらみのデトロイト録音であったことを考えれば、Jimmy Harris = Lenny Curtis ではと気付いても、おかしくなかったはず。相変わらず感の悪さを痛感。なお、この仏盤の 2 曲は米盤がありません。私はちょっと騙された感じで、高く買ってしまった。後悔はしていませんが、あまり熱くなってはいけませんね。
14timi yuro
Timi Yuro / Cuttin’ In (Mercury 72674) ‘67
Timi Yuro / It’ll Never Be Over For Me (Southern Artist) ‘68
楽本では、HI 録音の Frequency 盤と What’s A Matter Baby (Liberty 55469) について紹介した有名白人女性シンガー。さらに、この2枚を追加。Mercury 盤はディープ・ファン必聴、Liberty 音源となる後者はノーザン・ファンなら絶対の曲だ。Cuttin’ In は 61 年の Johnny Guitar Watson (King 5579) のカバー、オリジナルのダウンホームな味わいもそのままに、やさぐれた中にも凛とした覚悟あり。It’ll Never Be Over For Me は 64 年の Baby Washington (Sue 114) の曲をテンポ・アップ、モダンでソフィスティケイトされたダンサーとなっている。こういうのは 10 回連続で聴いても飽きません。Mercury のシングルは安価で入手できるはず、後者は LP 収録曲、米盤シングルは無いが、当時、UK 盤 (Liberty 15182) がリリースされている。そのシングルは珍しく、この何ともありがたくないブートレグで我慢しております。
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